[#表紙(img/表紙.jpg)]
男子はじめて物語 金ポロ!の巻
松井雪子
[#ここからゴシック体]
もくじ
イケメンさん、イキ顔拝見!
純愛☆キスシーンでロマンティック力アップ!
※[#○金、unicode328E]ムービー大鑑賞会
探訪の旅を今こそ振り返れ──「局部座談会」
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
イケメンさん、イキ顔拝見![#「イケメンさん、イキ顔拝見!」はゴシック体]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
隠れエクスタシーはため息で表現 2001年/ジュード・ロウ(当時29歳)
[#漫画(img/manga1.jpg、横197×縦611)]
スターリングラード
ENEMY AT THE GATES 監督:ジャン=ジャック・アノー 出演:ジュード・ロウ/ジョセフ・ファインズ/レイチェル・ワイズ/エド・ハリス
ナチス・ドイツ軍とソ連軍の激戦が続く、第二次世界大戦下のスターリングラード。厳寒の戦場という極限状態での2人の天才スナイパーの対峙と、男女の愛を壮大なスケールで描く。
感動の人間ドラマはもちろんだが、狙撃の腕は天才的だがウブなソ連の新兵ヴァシリを演じるジュード・ロウのストイックなセクシーさもお見逃しなく。
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
青いイキ顔をダブルで 2001年/ガエル・ガルシア・ベルナル(当時23歳)、ディエゴ・ルナ(当時22歳)
[#漫画(img/manga2.jpg、横197×縦615)]
天国の口、終りの楽園。
Y TU MAMA TAMBIEN 監督:アルフォンソ・キュアロン 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル/ディエゴ・ルナ
17歳のフリオとテノッチは、寄ると触ると話題はセックスのことばかり。夏休みに暇を持て余した2人は、ふとしたことで知り合った年上の人妻をドライブに誘う。夫の浮気に傷ついた彼女と青年たちは天国の口≠ニいうビーチを目指すが……。
急成長中のラテン美男揃い踏みの、切ないロードムービー。夏の風景と瑞々しい青少年を併せて愛でたい一本。
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
イキ顔さえも超絶アクション 2003年/キアヌ・リーヴス(当時39歳)
[#漫画(img/manga3.jpg、横197×縦614)]
マトリックス リローデッド
THE MATRIX RELOADED 監督:アンディ・ウォシャウスキー/ラリー・ウォシャウスキー 出演:キアヌ・リーヴス/キャリー=アン・モス
SFXとワイヤーアクションを融合させた映像世界と斬新な世界観で、大ヒットを記録したSFアクション3部作の第2作。
仮想現実とリアルの間を行き来する救世主ネオと、人類をエネルギー源として搾取する機械たちの戦争はクライマックスへ。ネオとトリニティの恋愛もなぜかクライマックス。シリーズ初のベッドシーンに乞うご期待。
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
いくらなんでも、やりすぎ〜! 2003年/ヴィンセント・ギャロ(当時41歳)
[#漫画(img/manga4.jpg、横202×縦621)]
ブラウン・バニー
THE BROWN BUNNY 監督:ヴィンセント・ギャロ 出演:ヴィンセント・ギャロ/クロエ・セヴィニー
監督・製作・脚本・撮影・美術・編集すべてギャロが手がける、究極の俺様ムービー。
別れた恋人への想いを募らせ、アメリカ横断の旅の行く先々で喪失感を紛らわすように女たちと寝るバイクレーサーをギャロが。運命の恋人デイジーをスタイル抜群のクロエ・セヴィニーが体当たりで熱演。とくればカンヌ映画祭で酷評されたのも「オイシイめを見やがって」との男のやっかみ半分かも。
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
イク演技、の演技。複雑。 2002年/ジョシュ・ハートネット(当時24歳)
[#漫画(img/manga5.jpg、横196×縦620)]
恋する40days
40 DAYS AND 40 NIGHTS 監督:マイケル・レーマン 出演:ジョシュ・ハートネット
失恋の痛手を忘れるために行きずりのセックスを繰り返していたマットだが、虚しさから幻覚まで見るにいたって40日間の禁欲生活を誓う。セックスはもちろん、女性に手も触れない! そんなマットをあの手この手で妨害する友人たち。しかも、こんな時に限って理想の女性に出会ってしまい……。ひたすら禁欲に悶える青少年をジョシュ・ハートネットがコミカルに好演するも、日本劇場未公開。
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
スタァはイクのも見せ上手 1997年/レオナルド・ディカプリオ(当時23歳)
[#漫画(img/manga6.jpg、横196×縦622)]
タイタニック
TITANIC 監督:ジェームズ・キャメロン 出演:レオナルド・ディカプリオ/ケイト・ウィンスレット/ビリー・ゼイン
タイタニック沈没という史上最大の海難事故を舞台に、身分違いの恋という古典的ロマンスが展開。総製作費2億ドル、189分の超大作は、主演男優・女優賞以外の主要アカデミー賞を総なめに。と、レオ様にはやや残念な結果だったが、凛々しい美青年ぶりはやはり眼福。貧しい絵描きと深窓の令嬢の短くも真実の恋物語を水恐怖症にも負けず熱演した、彼の代表作のひとつだ。
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
イキ顔、それは究極の局部
[#挿絵(img/fig1.jpg、横82×縦94、下寄せ)]
「ワタシ、あなたがイクときの顔がスキ」
ベティは真剣な眼差しで言った。それを聞いたジミーは肩をすくめて「OH、ハニー。ボクはキミのぜんぶがスキさ」と、すばやくシャツを脱いでベッドにベティを押し倒した。「さあ、君のパパとママが帰ってくるまえに楽しもうぜ」
そして、約5分後……。
「ジーザスッ!」ジミーはフィニッシュの雄叫びをあげた。ベティは鼻の頭にうっすらとにじんだ汗をぬぐった。上にのしかかったままのジミーの顔を指さして、「やっぱり、その顔がステキ!」と、いたずらっぽく笑った。
『三日月のような白目。ヒクヒク動く全開の鼻のアナ。釣り上げられた鱒のようにパクパク開く唇。ふたつの穴から湯気がシュッポーッって出そうなくらい、真っ赤になった耳。普段はクールでモテモテのジミーが、ワタシだけに見せる、あられもない顔。この顔を見るのがスキなのよね〜。あなたは知らないだろうけど』
[#ここでゴシック体終わり]
と、コネチカット州あたりの民家の一室で、こんなことを心の中でつぶやいてるベティがいたとしよう。女子にとって男子のイキ顔は、当事者のみが味わえる、サイコーのごちそうなのかもしれない。
かくいう私は、乙女はっちん隊員が「ウシシシ、究極の局部発見!」と頬を赤らめて報告してくるまでは、未確認物件であった。
いざ探訪すると、意外にも、スタァたちは、惜しげもなく数々のイキ顔を披露してくれていた。しかもそれぞれにステキなおもむきがあるではないか!
『スターリングラード』のジュード・ロウには、栗の花の香が匂い立つような生々しさがあった。その真っ赤に染まったイキ顔に、ふと疑問がわく。「はたして演技で顔を赤くできるのか」と。ひそかに息を止めているのだろうか? それとも本当に? 乙女としては、後者であってほしいと祈るばかりだ。
キアヌ・リーヴスのイキ顔は、スター・ウォーズのヨーダが|憑依(ひようい)してしまったのだろうか、と戸惑うような面妖さだった。お相手のキャリー=アン・モスの美しい悶え顔とくらべると、かなりごっつい。
[#ここからゴシック体]
「もう一度、ボクの顔を見るかい?」ジミーはベティをふたたびベッドに押し倒した。「だめよ、パパとママが帰ってきちゃう」
そして、約10分後……。
ジミーは息を切らしながらベッドに寝ころんで、ベティの髪を撫でた。「私、どんな顔してた?」ベティは恥ずかしそうに聞いた。「……」ジミーは言葉を探す。甘い声で「そりゃあすてきだったさ」と肩をすくめた。思い出すだけで、もう一戦挑みたくなるほど、若い盛りであった。ベティは安心する。
『オトコなんて、ちょろいものね』と。
[#ここでゴシック体終わり]
昇天するときに、醜くなりたくない。これは乙女の祈りであろう。そう、女子のイキ顔とは、もっとも美しくありたいピンクの仮面なのである。
女子スタァたちのイキ顔は、総じてしあわせそうだ。苦悶しつつも、うっとりと美しさを増しながら昇天する(ここが重要)。ふだん使いの演技と、さらにスタァとしての演技を加味した、計算しつくされたものだ。
しかしその一方、男子スタァのイキ顔はどことなく生々しく、もしかして、正直に※[#○金、unicode328E]の表情を伝えてくれるものなのではないだろうか、と私は推察する。貴重な部位だ。※[#○金、unicode328E]にあやつられる、表番長みたいなものだろうか。
どのスタァも、コトが終わると表情に、しおしおとションボリ感が漂っているのもうなずける。男子スタァのイキ顔とは、その素顔が見られる「もっとも正直な局部」に違いない。
[#挿絵(img/fig2.jpg)]
純愛☆キスシーンでロマンティック力アップ![#「純愛☆キスシーンでロマンティック力アップ!」はゴシック体]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
感動のラストシーンはキス・パラダイス!? 1989年
[#漫画(img/manga7.jpg、横200×縦617)]
ニュー・シネマ・パラダイス
NUOVO CINEMA PARADISO 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 出演:フィリップ・ノワレ/ジャック・ペラン/サルバトーレ・カシオ
戦後まもないイタリア・シチリア島。映画好きの少年トトの憧れは、村の映画館パラダイス座の映写室とその映写技師アルフレードだった。頑固者のアルフレードとの間に次第に友情を育むトト。村で検閲されてカットされてしまうキスシーンのフィルムは、トトの宝物になった──。映画史上に残る永遠の名作。ベタな泣かせ映画と違う感動がここにあります!
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
幻想的な映像の中、一瞬のナマなキス 2004年/ジュード・ロウ(当時32歳)
[#漫画(img/manga8.jpg、横199×縦615)]
スカイキャプテン/ワールド・オブ・トゥモロー[#「スカイキャプテン/ワールド・オブ・トゥモロー」はゴシック体]
SKY CAPTAIN AND THE WORLD OF TOMORROW 監督:ケリー・コンラン 出演:ジュード・ロウ/グウィネス・パルトロウ/アンジェリーナ・ジョリー
1939年、万博の開かれるNY。科学者連続失踪事件を追う女性記者ポリーは、謎の巨大ロボット集団の襲撃に巻き込まれる。危機一髪を救ったのはエースパイロット、スカイキャプテン。事件の関連を追う2人の前に、世界破滅を狙う巨大な陰謀が明らかになる! フルCGの美しく幻想的な映像で、美形2人がいっそう美しく引き立っている。
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
ハンサム崩壊の危機がそこに 2002年/ヒュー・グラント(当時42歳)
[#漫画(img/manga9.jpg、横194×縦604)]
トゥー・ウィークス・ノーティス
TWO WEEKS NOTICE 監督:マーク・ローレンス 出演:サンドラ・ブロック/ヒュー・グラント/アリシア・ウィット
正義感の強い女性弁護士と、ハンサムで優柔不断な不動産会社の御曹司。笑っちゃうくらい2人ともはまり役です。色男の御曹司ジョージに雇われた弁護士ルーシーは、あまりにいい加減な彼の性格に呆れ果てて「あと2週間で辞める!」と宣言。ところが、そうと決まってから次第に彼のいいところが見えてきて──。鼻が高すぎる人がキスするとこうなるのねー。
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
頭隠してアゴ隠さず 2002年/トビー・マグワイア(当時27歳)
[#漫画(img/manga10.jpg、横195×縦603)]
スパイダーマン
SPIDER-MAN 監督:サム・ライミ 出演:トビー・マグワイア/ウィレム・デフォー/キルスティン・ダンスト
平凡な学生ピーターは遺伝子操作されたクモに刺されて、スーパーパワーを身につけてしまう。覆面で正体を隠し、スパイダーマンとなって街の平和のために戦うピーター。だが、彼の行く手には強大な敵と苛酷な運命が待ち受けていた。
ヒーローなのに、普通の暮らしができず、幼なじみのMJへの想いも告げられず、ネチネチ悩む素顔のトビーがカワイイ。
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
若きトム様の勢いあふれるキス 1986年/トム・クルーズ(当時24歳)
[#漫画(img/manga11.jpg、横194×縦603)]
トップガン
TOP GUN 監督:トニー・スコット 出演:トム・クルーズ/ケリー・マクギリス/ヴァル・キルマー
カリフォルニアの海軍戦闘兵器学校、別名「トップガン」に所属するエリート戦闘機パイロット、マーヴェリックがライバルとの争い、美人教官との恋、親友の死などなどを経て、超一流パイロットに成長していく姿を描く青春ムービー。言わずと知れたトム様の大出世作で、80年代を代表する映画の1本でしょう。ちなみにメグ・ライアンがこっそり出ていたりします。
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
キスに学ぶ愛の歴史『アイズ ワイド シャット』1999年/トム・クルーズ(当時37歳)、『デイズ・オブ・サンダー』1990年/(当時28歳)
[#漫画(img/manga12.jpg、横199×縦604)]
アイズ ワイド シャット/デイズ・オブ・サンダー
EYES WIDE SHUT 監督:スタンリー・キューブリック 出演:トム・クルーズ/ニコール・キッドマン
キューブリック監督の遺作となったミステリアスな心理劇を当時のクルーズ夫妻が体当たりで熱演……だったんだけど。
DAYS OF THUNDER 監督:トニー・スコット 出演:トム・クルーズ/ロバート・デュヴァル/ニコール・キッドマン
ストックカーレースに生きる青年、コールが友情、美人医師との恋、挫折などなどを経て成長していく青春ムービー。つまりトム様の得意パターン。ってわかってても手に汗握っちゃう。
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
美しきキスシーンに祝福されたい[#「美しきキスシーンに祝福されたい」はゴシック体]
[#挿絵(img/fig3.jpg、横93×縦100、下寄せ)]
ロマンティックなキスは、乙女たちの憧れだ。
キッスに憧れていた小学生のときに、友達と予行演習をしたことがある。セロテープを片手に、放課後のトイレに集まった女子4人。テープでくちびるをぴったりとカバーしての初キッス。テープに押しつぶされたくちびるは、ナメクジのおばけみたいで恐かったが、顔を寄せ合い、あつい鼻息を交換して、ムチューッ。しかしいざくちびるを重ねると、なぜかむなしさがトイレ中に漂った。たとえセロテープ越しであっても、やっぱりファーストキスはとっておけばよかった、と乙女心は複雑に揺れたのだった。その後、誰もトイレでの初キッスを口にすることはなかった。
「キスは清らかなるもの」というイメージは、たしかにあるような気がする。
風俗店で働く女子が、「キスだけはNG! ほかは全部OKだけど」と言っているのを週刊誌で読んだことがある。かつては「キスOK!」を売りにする店があったとか。キスは乙女心を守る砦だといえるだろう。
そしてこんな現象もある。
夫「行ってきまーす」、妻「もぉー、忘れ物ぉー」夫「ごめん! 忘れてた」、妻&夫「チュッ!」。
いわゆる「おでかけのキス」というやつだ。「おでかけのキスをしてる」と聞くと、からかい半分、やっかみ半分、でもじつは心の奥底で指をくわえてはいまいか。
結婚式で誓いのキスを見るたびに、いまだに私は「人前でいやらしかぁ」と、ニヤけてしまうのだが、そのたびに新郎新婦のまわりを飛んでる天使たちに、「キスはエロくない」、「愛のあかしだ」、「神への誓いなのだ」、とやつぎばやに説かれているような気がして、はっとする。たしかに、みな温かいまなざしで見守っている。
しかしそんな世間のイメージに反して、私は「やっぱりキスは、いやらしいもの」という気がしてならない。だってくちびるは、しょせん局部なのだ。だから女子たちは、リップでふっくらとおいしそうに、グロスでつやつやに濡らして熟成させ、くちびるがセクスィに育つように努力し、大枚をはたいているのではないか。
冷静にキスシーンを観察すればするほど、キスとは、くちびるとくちびるが結合する、ただのエロシーンに見えてくる。
などとプスプスくすぶった気持ちを抱えて、スクリーンのなかのキスシーンを探訪すると、あちこちにキスシーンはあふれていた。もちろん『トップガン』のように、ベッドシーンにはキスがつきものだが、我が探訪隊の目を引いたキスは、なぜかベッドの外ばかり。それはベッドシーンの欲望を盛り上げるためのキスとは、あきらかに異質なものだった。
『ニュー・シネマ・パラダイス』でのキスの連打、『スパイダーマン』の逆さまキス、『スカイキャプテン』の生死をかけたキス、数々のキスのイニシエーションを受けているうちに、そのくちびるの結合が、男女のいやらしい営みというよりは、親鳥がひな鳥にえさを与えるときのような、聖なる行為に思えてきた。そして、キスとは愛の会話である、との天啓まで得た……。スクリーンのなかのキスは、シルエットにこだわり、観客をうっとりとさせようともくろむ、いわば「見せキス」だった。
今でこそ、町中ですてきなキスシーンを見かけるようになった。すれ違いざまに、悪魔のように、ケッ、と心の中で舌打ちしたことはないだろうか。「人前で、ハシタナイ」と思いつつも、きっとそこに、決して入り込めない「愛の結界」が存在することをうらめしく感じとっているのだ。
しかしスクリーンのなかの美しいキスシーンは、ひと味違う。ぽかんと口をあけて待っていれば、きっとあなたにも祝福が訪れることだろう。
[#改ページ]
※[#○金、unicode328E]ムービー大鑑賞会[#「※ムービー大鑑賞会」はゴシック体]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
お宝映像満載、「局部」の原点!? 1995年/レオナルド・ディカプリオ(当時21歳)
[#漫画(img/manga13.jpg、横202×縦557)]
太陽と月に背いて
TOTAL ECLIPSE 監督:アニエスカ・ホランド 出演:レオナルド・ディカプリオ/デヴィッド・シューリス/ロマーヌ・ボーランジェ
主題が同性愛ゆえ「おホモだち」にも登場しましたが、「局部探訪隊」の原点がある意味ここに。クレアの表紙を幾度となく飾り、映画特集のシンボル的存在だったレオ様が、この「局部」シリーズでここまで縦横無尽の活躍を見せるとは、ご本人も夢にも思わなかったことでしょう。全裸で獰猛なイキ顔も披露するこの作品こそ、すべてを兼ね備える局部オブ局部映画、かも!?
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
変態性愛描写より「局部」としてはパンツが気になる 1986年/カイル・マクラクラン(当時27歳)
[#漫画(img/manga14.jpg、横201×縦560)]
ブルーベルベット
BLUE VELVET 監督:デヴィッド・リンチ 出演:カイル・マクラクラン/イザベラ・ロッセリーニ/デニス・ホッパー
リンチ監督の奇妙な世界が繰り広げられるサイコ・スリラー。大学生のジェフリーは父の見舞いで帰郷するが、家への帰り道、人間の片耳を野原で拾ってしまう。謎を解こうとする彼は次第に妖しい世界に引きずり込まれて──。
ロッセリーニに包丁で脅されて服を脱がされ、パンツをずり下ろされ、ホッパーにキスされ、ぶん殴られと、マクラクラン、かなり大変そうです。[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
年齢差18歳の過激な愛のはずが 1994年/ブルース・ウィリス(当時39歳)
[#漫画(img/manga15.jpg、横199×縦557)]
薔薇の素顔[#「薔薇の素顔」はゴシック体]
COLOR OF NIGHT 監督:リチャード・ラッシュ 出演:ブルース・ウィリス/ジェーン・マーチ/ルーベン・ブラデス
精神科医キャパ(ウィリス)の友人の医者ボブが惨殺される。ボブは生前「5人の患者の誰かに狙われている」と告げていた。事件の頃キャパは妖しい美少女ローズ(マーチ)と知り合い、その愛欲のとりこになる。しかし実はローズは多重人格で5人の患者全員と関係を持っていた──。多重人格、パラノイア、バイセクシャル、性倒錯と過激なテーマが連発するサイコ・サスペンス。邦題は役名のローズから?
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
ブラピ様もまだ脇役だったもので…… 1991年/ブラッド・ピット(当時28歳)
[#漫画(img/manga16.jpg、横204×縦552)]
テルマ&ルイーズ[#「テルマ&ルイーズ」はゴシック体]
THELMA & LOUISE 監督:リドリー・スコット 出演:スーザン・サランドン/ジーナ・デイヴィス/ブラッド・ピット
平凡な主婦テルマとウェイトレスのルイーズ。親友2人はある週末に旅行に出かけるが、少しばかりハメを外したことがきっかけで殺人犯として指名手配されてしまい、メキシコへ逃亡することに。女2人の『俺たちに明日はない』とも言えるロード・ムービー。ブラピはテルマと一夜を過ごし、金を持ち逃げするペテン師ヒッチハイカー役。肝心のポロリシーンでは画面上身長約5cm……すみません隊長。
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
脱ぎたがりユアンの面目躍如 1998年/ユアン・マクレガー(当時27歳)
[#漫画(img/manga17.jpg、横202×縦562)]
ベルベット・ゴールドマイン
VELVET GOLDMINE 監督:トッド・ヘインズ 出演:ユアン・マクレガー/ジョナサン・リース・マイヤーズ
70年代イギリスのグラム・ロックにオマージュを捧げた青春ドラマ。バイセクシャルを公言し、グラマラスな衣装に身を包んでカリスマになったロッカー、スレイド(マイヤーズ)。しかしやがて音楽的に行きづまり、ステージ上で偽装暗殺されて引退。だが狂言が発覚して姿を消すことに──。ルックスも、ユアンともセックスにふけるバイっぷりももろデヴィッド・ボウイで、音楽ファンには堪らない。
[#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
[#ここからゴシック体]
こ、このブツは本物なんでしょーか!? 1997年/マーク・ウォールバーグ(当時26歳)
[#漫画(img/manga18.jpg、横198×縦550)]
ブギーナイツ
BOOGIE NIGHTS 監督:ポール・トーマス・アンダーソン 出演:マーク・ウォールバーグ/バート・レイノルズ/ジュリアン・ムーア/ヘザー・グラハム
ごく普通の高校生エディには、ひとつだけ普通と違うことが。それは35cmはあろうかというイチモツ。ポルノ映画業界に身を投じたエディはみるみるスターにのし上がるが、ドラッグという落とし穴にはまり、自らを見出してくれた監督ジャックとも決別してしまうのだった。
隊長は彼のナニを本物だと思ってたそうですが……と、特撮だよね? そうだと言って![#ここでゴシック体終わり]
[#改ページ]
「局部」ファースト・ミッションのインパクト[#「「局部」ファースト・ミッションのインパクト」はゴシック体]
[#挿絵(img/fig4.jpg、横83×縦98、下寄せ)]
さて局部探訪隊の有終の美を飾るのは、局部の横綱ともいえる※[#○金、unicode328E]だ。
この※[#○金、unicode328E]から、局部探訪隊がスタートしたのだが、いま思えば、いきなりの頂上探訪だった。海外から集めたビデオと、それが再生できる特殊デッキを使いながら、まさに世界を股にかけたゴージャスな旅立ちだった。
さて女子の皆さんは、※[#○金、unicode328E]のファースト・インプレッションを覚えているだろうか? ええ、私は覚えていますとも。
私は子どもの頃から、「※[#○金、unicode328E]とは、とても偉いものである」と思っていた。
当時、日曜日の夜は、父と姉と一緒にお風呂に入ることが習慣となっていた。父は浴槽のへりにどっかりと座り、※[#○金、unicode328E]を指さして、たびたび娘たちに言った。
「左が左大臣で、右が右大臣ね、まん中が大王様」
アラブ人似の顔に満面の笑みを浮かべて、教えてくれたものだ。「大王様はすごい大金もちなのだ」とも。私は、父の股間に群れる右大臣と左大臣をまじまじと見ながら、大王様とはエライこっちゃ、と緊張した。父より偉い存在であるような気がして、畏怖の念さえ抱いた。
ところがである。おとなになってスクリーンを眺めると、大王様には意味不明の「ぼかし」がぴったりと貼りついているではないか。大王様、形なしである。
さてさて女子の皆さんは、「股間ぼかし」とのファースト・コンタクトを覚えているだろうか? 私は、これまたはっきりと覚えている。
『シャイニング』で初めて遭遇した「ぼかし」は、男子のソレではなく、女子の股間だった。あの衝撃は、いまだに忘れることができない。
舞台となったホテルの開かずの間で、バスタブにつかっていた女幽霊が立ち上がり、ジャック・ニコルソンにむかって歩いていくシーン。目を覆いたくなるような恐怖シーンのはずだが、女幽霊の股間に、思い切りぼかしが入って、とってもマヌケだった。なんじゃありゃ、と私の顔がジャック・ニコルソンばりの狂気にゆがんだ表情になったことはいうまでもない。一瞬、ぼかしが霊体に見えたほどだ。
それ以来、スクリーンのなかでぼかしが貼りつく男子の股間を目にするたびに、私はニコルソン顔になった。
そしていつの日か、ぼかしに覆われた※[#○金、unicode328E]が、まるでフォアグラのように、私の脳内で濃厚に肥大していった。スタァの※[#○金、unicode328E]は、とってもとってもとってもスゴイに違いないと。
しかし初探訪で採集したスタァの※[#○金、unicode328E]ポロリは、意外にもあっさり味だった。
『薔薇の素顔』のブルース・ウィリスのポロリは、タフガイのイメージとはほど遠く、キスシーンなのに、血の気の失せたションボリ君がぶらぶら揺れてるだけ。
『テルマ&ルイーズ』のブラッド・ピットは、プールサイドでさわやかな太陽の日差しを浴びながら、遠目にポロリ。全身像との対比を計算すれば(身長÷ポロリ)、かなりの優良物件だったはずだが、肝心のベッドシーンではGパンで隠匿。
人気スタァであればあるほど、その出し方に、ストイックな自主規制を感じた。※[#○金、unicode328E]の本気モードをスクリーン上に披露することは、スタァ生命を左右するナーバスな問題なのかもしれない。なぜならば暴走した※[#○金、unicode328E]には、演技のつけようがない。本気モードをさらすということは、素の自分をさらけ出すことと同じだ。
ポロリとご披露しながらも、じつは控えめなベールに包まれていたスタァの※[#○金、unicode328E]たち。それはそれは行儀よろしかった。
このファースト・ミッションが、7年にもわたる局部行脚のあくなき探求心を刺激し続けたことは、いうまでもない。局部とは、摩訶不思議なものなり。
[#挿絵(img/fig5.jpg)]
今よみがえる! 幻の局部探訪第1回「嬉しはずかし※[#○金、unicode328E]ムービー大鑑賞会」[#「今よみがえる! 幻の局部探訪第1回「嬉しはずかし※ムービー大鑑賞会」」はゴシック体]
まさか単行本にまでなるとは誰も思わなかった「局部」の原点。初代担当・ロマンスあゆみ※[#ハート白、unicode2661]の妄想が炸裂する伝説の原稿を特別収録! あ、ちなみに今は情報募集は行っておりませんのであしからず。[#「まさか単行本にまでなるとは誰も思わなかった「局部」の原点。初代担当・ロマンスあゆみ※[#ハート白、unicode2661]の妄想が炸裂する伝説の原稿を特別収録! あ、ちなみに今は情報募集は行っておりませんのであしからず。」はゴシック体]
イギリスから取り寄せたビデオを編集部で観ていたら、ナント彼の国には「ボカシ」というものが存在しない、だもんだから※[#○金、unicode328E]映像が出てくるわ、出てくるわ……。読者に隠しておくのは忍びないので、大鑑賞会の模様をリポートしちゃいます。
まずは『太陽と月に背いて』のディカプリオのtintin!から。ベビーフェイスにもかかわらず、中々どうしてさすがジンガイ。うつぶせになった時、日本人だったら、お腹の下に全部隠れると思うんですけど(といっても、私も本物を見たのはほんの数本なんですけど)、ディカプリオのはちゃんと下に流れ、太股の間から裏向きにジュニアが見えておりました。
ディカプリオに限らず、白人は東洋人一般にくらべ、tintin!がヌメーッとしていて、長いんです。東洋人は凹凸があって、玉が二つに分かれているんですけど、白人は、玉が一つの袋に堂々と収まっているのですね。しかもその袋がドでかい!! それを鋭く気づかせてくれたのが『ピーター・グリーナウェイの枕草子』。ユアン・マクレガーを始めとする白人のtintin!の揺れ方がブルンブルンだとすると、東洋人はプルプルッて感じ。それがこの映画でよく分かります。それにしてもユアン・マクレガーはモロ出しキングです。『枕草子』を見ても、『ベルベット・ゴールドマイン』を見ても世界で一番魅せてくれる男。このポロリ界にアカデミー賞があったら確実にオスカー。だって彼ったらtintin!の上に文字を書かれても平気なんですよ。
そしてオスカー新人賞は、『ブギーナイツ』のマーク・ウォールバーグに捧げたい。あれがモノホンだとしたら長さも太さもハリウッド・ナンバーワン。何かの拍子に大きくなった暁には、コカ・コーラの1・5Lホームサイズになってしまうのでは。人ごとながら、日常生活まで心配になります。
はっきり見えなかったので、類推でしかないのですが、ブラピ様もかなりでございました。彼もひざに届かんばかり。いえ、遠目で見てもはっきりと、ブーラブーラしているのが分かるのだからたいしたタマです。
それにしても、今回残念だったのは、偶然ポロリのtintin!はおろか、ラブシーンで露出されているtintin!たちも、どれもこれもおしなべて元気がなかったことです。世界を騒がす男優さんも、tintin!にまで演技力が行き渡らぬと見えます。努力が足りんね。一説には、アジア人種の角度と硬度が世界一なのだとか。あるいはハリウッドの男優さんはあれでも°サ奮していたのかもしれません。
そんな中『ピアノ・レッスン』のハーヴェイ・カイテルの露出シーンにはかなりドキドキさせられました。だって、ハーヴェイったら露出したその部分を誇示しながらベッドに誘うんですよ。さすが女流監督ジェーン・カンピオン、女のツボを分かってらっしゃる。
他にもポロリ映画はまだまだ存在します。イギリスやオーストラリア帰りのお友達が、一本くらい持っているかも。皆さんもポロリをチェックしてみてください。見逃しそうな一瞬のシーンを捉えるのは動体視力が大切です。
クレアでは、この他にも、今回鑑賞できなかった黒人俳優の情報など、金ポロリ・ムービーの情報を募集します。あの映画のこのシーンにボカシがかかっていたというネタをどんどんお寄せください。編集部金ポロ係までどうぞ。
[#改ページ]
探訪の旅を今こそ振り返れ──「局部座談会」[#「探訪の旅を今こそ振り返れ──「局部座談会」」はゴシック体]
[#ここからゴシック体]
■参加者■
松井雪子師匠:探訪隊隊長
ロマンスあゆみ※[#ハート白、unicode2661]:隊員1号。初代担当
乙女はっちん:隊員2号。2代目担当
うらん:特別隊員。トイ・プードル
[#ここでゴシック体終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
松井師匠(以下、隊長)[#「松井師匠(以下、隊長)」はゴシック体] 今日はみんなで局部探訪隊の7年間を振り返るんですね。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] よろしくお願いします。
うらん[#「うらん」はゴシック体] ワン。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] よろしくお願いします。今回は、読者の方向けに内輪を楽しんでもらうということなので、まずどうやって「クレア」で探訪の連載がはじまったのか、教えてもらえますか? 私はまだ会社にも入っていなかったんですけど。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] 最初は「※[#○金、unicode328E]ムービー大鑑賞会」ですね。映画特集の企画を考えているときに、海外の映画には「ぼかし」なしのがあるって聞いて、みんなで鑑賞したら面白いかな、っていう話になっただけなんですけどね。それで、規格違いの海外のVHSを観られる機械が、なぜか会社に一台だけあったので、作品を選んで、ビデオをイギリスに住んでる知り合いに買って送ってもらって。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] 買ってもらったの!?
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] 凄いでしょ? 世界を股にかけた壮大な企画だったんですよ。最初だけだけど。で、ただ観てもつまんないから、松井さんにお願いして。
隊長[#「隊長」はゴシック体] ……なんであたしが選ばれたのかしら。
一同[#「一同」はゴシック体] (爆笑)
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] アハハ……単に私がマンガ拝読してステキ、って思っていたので。あまり下品にならずに※[#○金、unicode328E]を描いていただけるんじゃないかしら……と。
隊長[#「隊長」はゴシック体] 光栄です。それでお会いして、初対面なのに「×××が見える映画がありまして……」「スタァの×××を描いてください」って。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] そ、その依頼聞いてどう思いました?
隊長[#「隊長」はゴシック体] そう……ですね……いや……観たいなぁと。
一同[#「一同」はゴシック体] (爆笑)
隊長[#「隊長」はゴシック体] あゆみさんがビデオデッキをスーツケースみたいにガラガラひっぱって持ってきてくれたので、家で何度も観られたし(笑)。当時はインターネットもまだそんなに普通じゃなくて、スタァの局部って凄く貴重なものだったと思う。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] みんな、飢えてたんです(笑)。
隊長[#「隊長」はゴシック体] そう、みんなが飢えてたとき、みんなの代わりに観ていいところだけ伝えよう、と。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] 一応コンセプトがあったんですね(笑)。それで6本映画を選んで……。トップバッターは『TOTAL ECLIPSE』のディカプリオですね。
隊長[#「隊長」はゴシック体] そう。彼はなんていうか……枯れたバラのようで(笑)。鬱血したクシャクシャみたいな。もっとプリプリしててほしかったなー。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] そう。桃のようなものを想像していたのに、夢破れちゃった感じでしたよねぇ。
隊長[#「隊長」はゴシック体] ぼかしが大きいんです。だから、本当に大きそうな期待感があったのに、あ、ちっちゃいんだ……って(笑)。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] マーク・ウォールバーグの巨大なの(『BOOGIE NIGHTS』)は、ぼかしどころの話じゃないですけどね。後で観てかなり笑っちゃいました。いくらなんでも作り物ですよね、これ。
隊長[#「隊長」はゴシック体] えっ……そうなの? 私ガチンコだと思って凄い凄いって喜んでた……今初めて知りました。
一同[#「一同」はゴシック体] えっ……(絶句)。
うらん[#「うらん」はゴシック体] ワン!
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] え、えーと、この第1回はあゆみ先輩の原稿も凄いんですけど、これはマンガの後で?
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] そう。隊長は雑誌があがった後で読まれたんですよね。騙された!って思いました?
隊長[#「隊長」はゴシック体] いえいえ。この……声に出せないんですけど、「tintin!」っていうの凄いですよね。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] 出してるじゃないですか(笑)。これ最初は「チンチン」って書いたんですけど、編集長にそれはどうか、とダメ出しされまして。
一同[#「一同」はゴシック体] ……(絶句)。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] 別に問題ないと思ったんだけどなあ。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] なるほど……先輩、これで編集部エロ担当と呼ばれるようになったんですね(笑)。
隊長[#「隊長」はゴシック体] ロマンスあゆみ、衝撃的デビュー。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] この原稿は単行本に特別収録されるそうですから、ぜひ楽しんでほしいですね。
うらん[#「うらん」はゴシック体] ワン。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] それで、この回の人気に味をしめて、次の映画特集からいつの間にか連載企画に。
隊長[#「隊長」はゴシック体] いやぁ光栄でした。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] 尻、びーちくときて、白パンの前に、初代探訪犬もっこすが天に召されて、うらんちゃんに代わったんですね。特に説明はしてないのに、気がついて「心配です」っていう読者の方も。
隊長[#「隊長」はゴシック体] ありがたいです……ほぼ同じ絵なのに(笑)。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] しかし、白パンって凄いなぁ。ほとんど踏み絵ですね。私、大好きなオーランド・ブルームがズボン脱いで白パンだったら、泣きそう。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] えぇー。私、ベニチオ・デル=トロがよれよれの白パンだったら、むしろいいなぁ。
隊長[#「隊長」はゴシック体] まぁ……脱いじゃえば同じだし。
一同[#「一同」はゴシック体] ……(絶句)。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] こ、この『マグノリア』での、隊長の大好きなトム・クルーズ。この股間は凄い!
隊長[#「隊長」はゴシック体] これは、さすがの私も詰め物してると思いました(笑)。逆に『ロミオ&ジュリエット』のディカプ、股間にふくらみがないんですよねぇ。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] ガムテープとかで押さえてるのかしら。
隊長[#「隊長」はゴシック体] そうねぇ、清純だからあまりもっこりしてたらダメなのかしら。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] そんなロミオいや〜〜〜!!
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] この回では隊長の絵、パンツかぶってますよね。実際かぶったことある人なんている?
隊長[#「隊長」はゴシック体] あぁ……ありますよ。え、ないの?
一同[#「一同」はゴシック体] えっ……(絶句)。
うらん[#「うらん」はゴシック体] ワン!
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] え、えーと、その次のおホモだちから、担当が私に代わりました。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] それからは男子はじめて→犬→韓流純潔。局部そのものより、状況になっていきましたね。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] 私になってからプラトニックにプラトニックに振れていって。
隊長[#「隊長」はゴシック体] さすが乙女はっちん。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] おホモだちがほぼ初仕事みたいなもんだったんですよ。会社入ったと思ったら毎晩ホモシーン探して映画を観る姿に家族が驚いて(笑)。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] それでこんなに充実したラインナップに。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] でも、おホモだちは女子としてはやっぱり美少年の恋、であってほしかったんだけど、この『太陽と月に背いて』のディカプは……。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] このハラは観るに耐えない(笑)。
隊長[#「隊長」はゴシック体] で、でも本当にぽっこりしてるんですもの。みんな脱ぎどきをわきまえてほしいですよねぇ。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] 今だったらオーランド・ブルームとヘイデン・クリステンセンに脱いでほしいわ〜。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] あっ、それ、いいねぇ〜。脚本は『モーリス』のまんまでいいよね。リメイクで(笑)。
隊長[#「隊長」はゴシック体] 署名運動でもしますか。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] でも、乙女路線で来たはっちんが、最後に爆発しましたよねぇ。「モジャ」をステップに、「イキ顔」(笑)。すっごい反響でしたよ。
隊長[#「隊長」はゴシック体] 「言いにくいんですけど……イクときの顔ってあるじゃないですか……」って告げられた瞬間、なんて凄いこと考えるんだあ!て思いました。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] みんなに面食い面食いって言われるから、つい……。イケメンで極北をめざそうかと。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] イケメンってイキメン、みたいなこと昔から思ってたんでしょ〜(笑)。乙女なふりして。だって連載のリード文の「イケメンの美しいお顔が快感に歪む……」ってよく読むと凄いよ?
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] わ、私、妄想派なんで。あまり局部そのものがどばーん、みたいなのよりか。
隊長[#「隊長」はゴシック体] でも、これって普通のOLさんもみんな興味あることですよねえ。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] それは確かに言えてる。そのために映画を観ると言っても過言ではないですよ。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] ……そ、そうですか?
うらん[#「うらん」はゴシック体] ワン!!
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] さ、さてそんなわけで7年やってきたんですけど、局部大賞をあげるなら誰でしょう?
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] 登場回数でいうと、毎度毎度ディカプリオ描いていただいて。好きでもないのに。
隊長[#「隊長」はゴシック体] 描いてるうちに好きになってきました(笑)。こんなに描いた人、ディカプしかいませんし。
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] なんだか、この脱ぎっぷり、結構いい俳優じゃんって気がしてきましたね。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] だんだんムチムチ感とかゲフー感とかがいとおしくなってきて。じゃあ、やっぱりディカプリオに局部大賞ですかね(笑)。では最後に、皆さんにとって局部とは?
あゆみ[#「あゆみ」はゴシック体] 局部なくして、映画の楽しさはないですね。映画は局部で評価しますもん(笑)。
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] そうですね。どんな映画も局部がある。
隊長[#「隊長」はゴシック体] 実際私は映画のお仕事って局部で入って、それでまじめに映画を観はじめたので、映画=局部なんです。すべての映画は局部に通ず!
うらん[#「うらん」はゴシック体] ワン!!
はっちん[#「はっちん」はゴシック体] きれいにまとまりましたね(笑)。7年間本当にありがとうございました!
[#ここで字下げ終わり]
[#挿絵(img/fig6.jpg)]
〈底 本〉文藝春秋 平成十八年七月十五日刊