殺し屋1
ここはやくざマンション。三光連合会に所属する、安生組、船鬼組などが住んでいる。安生組組長の安生は17歳の女とお楽しみ。そこへやって来る殺し屋イチ。
新宿廃墟計画を企むジジイとその子分、女たらしのリュウ、元安生組の井上の三人はイチからの報告を受け、内臓が飛び散り、血が天井まで飛んでいる安生組長の部屋を「掃除」する。
翌日、すっかりきれいになった部屋。真性マゾヒストの口裂け男、安生組若頭・垣原は煙草を吸っている。三光連合会長は安生が3億の金を持って女と逃げたと思っている。安生を信じている垣原は情報源にしているホステス・カレンの所へ行く。
イチは普段喫茶店でボーイをしている大人しい青年だが、いじめられてキレルと相手を殺す。彼をジジイがマインド・コントロールして自分の計画に利用していた。
ジジイが垣原の事務所にやって来る。ジジイは船鬼組の鈴木が垣原に裏ビデオのシノギを横取りされた恨みで、安生組長を殺したという情報を与える。垣原は早速鈴木を捕まえてきて拷問する。鈴木は鈎針と鎖で宙吊りにされる。
「おやじ、どこ?」「知るもんか!」
垣原の武器である長い針が鈴木の喉から口に抜ける。それでも鈴木は吐かない。いや、吐けない。垣原は煮えたぎった油を鈴木の背中に浴びせる!
そこへ船鬼が助けに来る。ジジイはいつの間にか姿を消していた。
イチは安生殺しの日に見かけたセーラの店に。ヒモ男にボコボコにされた顔をイチの股間に埋めるセーラ。
「喜んでくれるの、あなただけよ。あんな奴、死ねばいい。」とセーラ。
「殺してあげようか?」イチが言う。
鈴木を拷問した落とし前に、会長と船鬼の前で「舌を」自らの手で切り取る垣原。
ヤクの売人をしている女の指を折って、井上の居所を突き止めた垣原は、井上の口から安生を殺したのはイチだと知る。
「次はあんただ。安生の与える暴力が忘れられなくて捜してたの?残念だったね。」
井上は針ネズミにされて捨てられた。
ジジイとリュウは中国人を装って鈴木を襲い、安生を殺したのは垣原だと思い込ませ、鈴木から垣原殺しの仕事を請け負う。
セーラがまた男に殴られ、犯されている。そこへイチが来る。男はイチを殴る。
「なんだお前、泣いてんのか?」
「泣いてないもん。」
泣きながらもイチの踵落とし!ヒモ男は真っ二つになる!
「殺してあげたよ。でも、安心して。今度から僕がやったげる。」
「そ、そう。あんたが代わりに殴ってくれるんだ。ありがとう。」
セーラはイチをバットで殴ろうとする。イチの回し蹴り!
セーラの首が半分切れて、血が吹き出す!イチは泣き出す。
この日以来、イチの下半身は勃起したままとなった。
垣原は連合会を抜けさせられた。しかし、安生組は引き継ぐつもりだ。
鈴木からジジイへの電話。「金は払うからさ。必ず垣原潰してくれよ。」
ジジイはイチに電話するが出ない。ジジイはイチを訪ねる。イチは泣いている。
「そんなに立花さん、助けたかったのか?」
「犯したかった。彼女は僕にヤラれたかったんだ。わーん。」
過去の思い出に囚われているイチをジジイは殴る。
金子の息子、タケシが同級生にいじめられている。イチが通りかかる。
「おじさん、何見てんの?邪魔なんだよ。」
イチのキック。いじめっ子はうずくまる。イチは逃げ出す。
自分の女となったカレンに自分を殴らせている垣原。
「相手に痛みを与える時は、楽しまなくちゃ。それが最高の思いやりなんだから。」
カレンの渾身のパンチに「もういい。見込み違いだった。」と言う垣原。
垣原の事務所。それを映し出すTV。ジジイはイチへの暗示を開始する。
「ほら、あの坊主頭。お前をいじめた今村くんに似てないか?イチ、いじめっ子はみんな殺すんじゃなかったのか?」
「似てる・・・。」
呟いたイチは事務所に踊りこむ。飛び散る血潮!切られた顔面が壁に当たって落ちる!
殺戮の嵐の後、おののいているイチ。そこへタケシが近づく。
「さっき、助けてくれてありがとう。名前、教えて?」
「イチ!」
そう言って、イチは逃げるように去る。
垣原の事務所。死体の山。部屋中に飛び散っている内臓。
逃げ出す子分たち。垣原の片腕・高山とヒットマン・金子だけが残った。
「人間は一本の管で出来てるんだね。」と垣原。
垣原は双子の刑事、二郎・三郎に協力を依頼する。
高山の命令でイチを捜す金子。
ピンサロを追い出されているイチ。蹴られている。金子は高山に助けてもらった時の自分を思い出す。イチを助けた金子はラーメンを奢ってやる。
「大切な人が殺された。俺のことを本当に可愛がってくれたんだ。犯人を殺さないうちはその人も浮かばれない。」
金子の回想。逃げていった妻。タケシの言葉。
「ママ、もう帰って来ないよね。僕、ずっとパパの所にいるから。」
事務所へ戻る金子。二郎・三郎が中国人のヒモがいる風俗嬢を捜しに行く所。
「あれ?鉄砲なくして警察辞めた金子じゃん。何やってんの?」
「・・・鉄砲玉です。」
「鉄砲なくして鉄砲玉やってんの?なんで?」
ジジイとカレンが話している。ジジイはイチの事を話している。
「勃ったまま発射出来ないんだよ。泣き虫なんだよ。でもキレると相手殺しちゃうの。でもこいつ、本当はいじめれてなんかいないんだ。あいつが親殺した時、記憶をイジってやったんだ。その時、学生たちにレイプされた女の子・立花さんの話をしたんだ。」
「ねえ、聞いていい?私にも暗示、かけてない?」
「・・・そんな事しないよ。」
件の風俗嬢を拉致してきて乳首を切り取り尋問する二郎と三郎。
事務所の入り口に立つ高山と金子。高山が言う。
「サラリーマン見てて思うんだ。俺もああいう生き方、あったんじゃないかって。お前、これからどうする?」
「自分は、オヤジの仇取るだけです。」
口を割らない女の「匂い」から、男を捜そうとする二郎と三郎。垣原と彼らが出て行った後、金子は女を気遣い無視されて逆ギレし、女を蹴り殺してしまう。
リュウにたどり着く二郎と三郎。逃げるリュウ。逃げ道で待ち受けていた垣原にゲンコツを咥え込まれ、指を噛み千切られるリュウ。
一方、カレンは立花さんを装ってイチに接近。ジジイに頼まれたのだ。
「輪姦された時も謝ってたわね。なんで助けてくれなかったの?絶望した。あれ以来、男にメチャクチャにされたくて仕方がないの。輪切り。ナイフでメチャクチャに切られたかった。あなたにも犯されたかった。絶望したかった。犯されてるのを見て、勃った?やりたかったんでしょ?いいのよ。犯して。」
「犯されたいから、犯されたくなかった。やられたくないから、やられたかった。・・・そうだよねえ!僕が輪切りにしてあげるよ、立花さん。」
イチは迷いが晴れた。思い切り立花さんを輪切りにしてあげた。
垣原の事務所。リュウは針ネズミになっている。垣原に電話が入る。
「お前、それで必然性高めてるつもりか?俺は操ってるんだよ、お前ら全部。お前が無意味にイチに殺されるだけなんだよ、バーカ。」ジジイの声だ。
吐かないので局部を鋏で二つに切られることになったリュウ。正視出来ない高山は事務所を出る。イチから「殺りたくなった」という電話を受け取ったジジイ。それを見た高山。ジジイを追う高山。ジジイの機転で逆に殴り返された高山は銃を落とす。ジジイは服を脱ぐ。鍛え上げられた肉体をしている。
「お前のような能無しは、イチの手を煩わせるまでもない。」
写真を見ているイチ。ジジイから電話がかかる。
「ラーメンご馳走になった奴、あれはお前の兄さんだ。」
垣原の事務所前に高山の死体が捨てられる。関節があらぬ方向に向いている。
垣原と三郎は犯人捜しに出る。二郎は残り、リュウの左腕を腕力だけでもぎ取ろうとする。リュウの腕が抜ける!入り口に人の気配!イチだ!
「イチってどんな奴だ、三郎。俺恐いよ。久し振りに絶望したいよ。」垣原が言う。
「あ、二郎兄ちゃん死にました。ピピッときた。」三郎が言う。二人は事務所に戻る。
死んでいる二郎。腕をもがれて死んでいるリュウ。乳首を切られて死んでいる女。
人の気配!イチのキック!三郎の首が飛ぶ!垣原は屋上へ逃げる。
金子はタケシと話している時それに気づく。垣原を追う男。見たことがある。
「あの人、イチっていうんだよ。空手で僕を助けてくれた人。」
垣原を屋上に追い詰めるイチ。垣原は針を出す。
続いて屋上にやって来た金子がイチに銃を向ける。
「どうしてだよ、兄さん?どうして?」金子に近づくイチ。
「来るなあ!」恐怖に怯える金子はイチの足を撃ち抜く!泣き出すイチ。
回し蹴り!金子の首から血が吹き出す!そこへタケシが来る。
首から血を吹き出しながらタケシに近づく金子。息絶える。
「ごめんなさい。ごめんなさい。わーん。」泣いているイチ。
「メチャクチャだよ、お前。ホラ、イチ来いよ。聞いてんのかよ?」
タケシがイチに近づき、蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。
垣原、取り残されて「結局誰もやってくんないんだもんなあ。」と言いながら、自分の鼓膜を針で突く。その耳に鈍く聞こえるイチの悲鳴!
垣原の目に映るイチの姿。その手にはタケシの・・・首!
足を引きずり、イチは垣原に近づく。踵落としで額に傷を追った垣原はイチのキックをまともに喰らって屋上から一階へと落ちていった・・・。
ジジイは垣原の死体を確認し、嬉しそうに笑う。そして、屋上を見上げる。
すべてをやり終えて首吊り自殺したジジイ。イチは普通の生活へ戻った・・・。