霊界物語 第六一巻 山河草木 子の巻
出口王仁三郎
--------------------
●テキスト中に現れる記号について
《》……ルビ
|……ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)天地|剖判《ぼうはん》の
[#]……入力者注
【】……傍点が振られている文字列
(例)【ヒ】は火なり
●シフトJISコードに無い文字は他の文字に置き換え、そのことをWebサイトに「相違点」として記した。
●底本
『霊界物語 第六十一巻』天声社
1971(昭和46)年10月03日 第二刷発行
※現代では差別的表現と見なされる箇所もあるが修正はせずにすべて底本通りにした。
※図表などのレイアウトは完全に再現できるわけではないので適宜変更した。
※詳細な凡例は次のウェブサイト内に掲載してある。
http://www.onisavulo.jp/
※作成者…『王仁三郎ドット・ジェイピー』
2006年11月16日作成
2008年06月23日修正
-------------------------
●目次
|序文《じよぶん》
第一篇 |常磐《ときは》の|松《まつ》
第一章 |神苑《しんゑん》〔一五五一〕
第二章 |神影《しんえい》〔一五五二〕
第三章 |神雲《しんうん》〔一五五三〕
第四章 |神田《しんでん》〔一五五四〕
第五章 |神山《しんざん》〔一五五五〕
第二篇 |神国《みくに》の|春《はる》
第六章 |神天《しんてん》〔一五五六〕
第七章 |神地《しんち》〔一五五七〕
第八章 |神台《しんだい》〔一五五八〕
第九章 |神行《しんかう》〔一五五九〕
第一〇章 |神厳《しんげん》〔一五六〇〕
第三篇 |白梅《しらうめ》の|花《はな》
第一一章 |神浪《しんらう》〔一五六一〕
第一二章 |神徳《しんとく》〔一五六二〕
第一三章 |神雨《しんう》〔一五六三〕
第一四章 |神服《しんふく》〔一五六四〕
第一五章 |神前《しんぜん》〔一五六五〕
第四篇 |風山雅洋《ふうざんがやう》
第一六章 |神英《しんえい》〔一五六六〕
第一七章 |神月《しんげつ》〔一五六七〕
第一八章 |神人《しんじん》〔一五六八〕
第一九章 |神恵《しんけい》〔一五六九〕
第二〇章 |神郷《しんきやう》〔一五七〇〕
第五篇 |春陽自来《しゆんやうじらい》
第二一章 |神花《しんくわ》〔一五七一〕
第二二章 |神日《しんじつ》〔一五七二〕
第二三章 |神暉《しんき》〔一五七三〕
第二四章 |神泉《しんせん》〔一五七四〕
第二五章 |神家《しんけ》〔一五七五〕
------------------------------
|序文《じよぶん》
|霊界物語《れいかいものがたり》|六十一《ろくじふいち》の|還暦祝《くわんれきいは》ひ、|口述者《こうじゆつしや》も|筆記者《ひつきしや》も|皆《みな》|松雲閣《しよううんかく》に|集《あつ》まりて、|霊主体従《れいしゆたいじう》|第一巻《だいいつくわん》|編輯《へんしふ》の|時《とき》の|苦心《くしん》を|追懐《つゐくわい》しながら、|小雲川《こくもがは》の|水音《みなおと》、|松風《まつかぜ》の|響《ひび》きに|心胆《しんたん》を|洗《あら》ひ|清《きよ》め、|瑞月《ずゐげつ》、|隆光《たかてる》、|明子《はるこ》を|初《はじ》め|鶴殿《つるどの》|親子《ちかこ》、|柳原《やなぎはら》|〓子《あきこ》、|小倉《をぐら》|貞子《さだこ》の|三女人《さんによにん》|相並《あひなら》びて、|今日《けふ》の|生日《いくひ》を|祝《いは》ひつつ|初夏《しよか》の|新緑《しんりよく》に|酔《よ》ふ。
大正十二年五月十日 於松雲閣
第一篇 |常磐《ときは》の|松《まつ》
第一章 |神苑《しんゑん》〔一五五一〕
第一
一
わが|魂《たましひ》は|永久《とこしへ》の |光《ひかり》にあひて|醒《さ》めにけり
|神《かみ》の|御国《みくに》のおん|為《ため》に |力《ちから》|限《かぎ》りに|仕《つか》へ|奉《まつ》らむ
二
あだにすごせし|現世《うつしよ》の |時《とき》をつぐのひたてまつり
また|来《こ》ぬ|良《よ》き|日《ひ》を|楽《たの》しみて |誠《まこと》の|道《みち》に|進《すす》むべし
三
|神《かみ》のよさしの|神業《かむわざ》に |仕《つか》へまつりて|後《のち》の|世《よ》の
|霊魂《たま》の|生命《いのち》の|備《そな》へをば |具《つぶ》さに|固《かた》めおけよかし
四
|神《かみ》の|敏《と》き|目《め》は|照《て》り|渡《わた》る |常夜《とこよ》の|暗《やみ》を|押《お》しわけて
|月日《つきひ》のかぶとを|身《み》に|纒《まと》ひ |勇《いさ》み|戦《たた》かへ|神《かみ》の|子等《こら》
五
|霊魂《みたま》も|栄《さか》えて|永久《とこしへ》に |我《わが》|皇神《すめかみ》の|大前《おほまへ》に
|御稜威《みいづ》かしこみ|仕《つか》へ|行《ゆ》く |天津使《あまつつかひ》ともろともに
第二
一
あした|夕《ゆふ》べを |月日《つきひ》とともに
いづの|光《ひかり》を |御魂《みたま》にうけて
|清《きよ》き|恵《めぐ》みを |日《ひ》に|夜《よ》にさとる
二
あした|夕《ゆふ》べに |魂《たま》|清《きよ》めむと
めぐみの|露《つゆ》は |御空《みそら》ゆくだる
|神《かみ》の|幸《さち》をば |日《ひ》に|夜《よ》にさとれ
三
あしたゆふべに |言行心《みのおこなひ》を
きよめすまして たてまつりなば
まつりしたから まさしめ|玉《たま》はむ
四
あした|夕《ゆふ》べに |為《な》す|身《み》のつとめ
|人《ひと》をめぐみて |吾《わ》が|身《み》にかたば
|神《かみ》に|進《すす》まむ |御階《みはし》とならむ
五
あした|夕《ゆふ》べに |救《すく》ひをいのり
あゆみただしく |大道《おほみち》すすめ
|天津御国《あまつみくに》に |昇《のぼ》らせたまふ
第三
一
|夜《よる》の|守《まも》りと|現《あ》れませる |月《つき》の|御神《みかみ》のかくろひて
|朝日《あさひ》の|光《かげ》はうららかに スメール|山《ざん》に|輝《かがや》きぬ
|吾等《われら》の|霊《れい》にも|皇神《すめかみ》の |光《ひかり》をたまへと|願《ね》ぎ|奉《まつ》る
二
|我《わが》|皇神《すめかみ》とあひともに |今日《けふ》の|生日《いくひ》を|迎《むか》へずば
|朝《あした》も|夜半《よは》の|心地《ここち》せむ |神《かみ》に|従《したが》ふわれわれに
あさなあさなに|輝《かがや》きませよ
三
|尊《たふと》き|神《かみ》の|御姿《みすがた》を |吾等《われら》が|身魂《みたま》に|照《て》らしまし
|罪《つみ》に|穢《けが》れし|暗《やみ》の|世《よ》を |明《あか》し|清《きよ》めて|永遠《とこしへ》に
|恵《めぐ》みの|光《ひかり》を|玉《たま》へかし
第四
一
|堅磐常磐《かきはときは》に|動《うご》きなき |仁慈《みろく》の|神《かみ》の|御恵《みめぐ》みは
|旭《あさひ》の|豊栄《とよさか》|昇《のぼ》るごと |天地《あめつち》|四方《よも》に|輝《かがや》きぬ
|光《ひかり》の|主《ぬし》と|現《あ》れませる |皇大神《すめおほかみ》の|御力《みちから》は
|吾《わ》が|世《よ》の|迷《まよ》ひの|叢雲《むらくも》を |四方《よも》に|掻《か》き|別《わ》け|村肝《むらきも》の
|心《こころ》の|暗《やみ》を|晴《は》らします |伊都《いづ》の|恵《めぐ》みぞ|畏《かしこ》けれ
二
|世人《よびと》の|知恵《ちゑ》は|賢《さか》しくも |斯世《このよ》をのろふ|魔神《まがかみ》の
|醜《しこ》のたくみは|覚《さと》り|得《え》じ |神《かみ》より|出《い》でし|真心《まごころ》の
|礎《いしずゑ》かたく|搗《つ》きかため |神《かみ》のまにまに|進《すす》みなば
|仁慈《みろく》の|神《かみ》は|人《ひと》の|身《み》に |無限《むげん》の|神力《みちから》たまふべし
三
|朝《あした》にそよぐ|風《かぜ》の|音《ね》に |深《ふか》き|御旨《みむね》を|聴《き》きさとり
|夕日《ゆふひ》の|映《は》ゆる|大空《おほぞら》に |清《きよ》き|望《のぞ》みを|寄《よ》せながら
|日々《ひび》に|新《あら》たに|救《すく》ひの|神《かみ》の |伊都《いづ》の|御姿《みすがた》|伏《ふ》し|拝《をが》む
わが|身《み》の|上《うへ》ぞ|楽《たの》しけれ
第五
一
|吾《わ》が|身《み》を|照《て》らす|大御神《おほみかみ》 |夜《よる》と|昼《ひる》との|別《わか》ちなく
|家内《やぬち》にあるも|草枕《くさまくら》 |旅《たび》に|出《い》づるも|倶《とも》に|坐《ま》す
二
|朝日《あさひ》|昇《のぼ》りて|世《よ》の|業《わざ》に |勤《いそ》しみ|励《はげ》む|時《とき》の|間《ま》も
|吾等《われら》を|照《て》らす|皇神《すめかみ》は |身魂《みたま》の|幸《さち》を|守《まも》ります
三
|都大路《みやこおほぢ》の|八衢《やちまた》に さまよひ|騒《さわ》ぐ|人中《ひとなか》も
|仁慈《みろく》の|神《かみ》の|御声《みこゑ》をば |聞《き》くぞ|嬉《うれ》しき|神《かみ》の|国《くに》
四
|今日《けふ》の|一日《ひとひ》をいそしみて |果《は》てし|夕《ゆふ》べの|楽《たの》しみは
|高天原《たかあまはら》のパラダイス |皇大神《すめおほかみ》と|倶《とも》にあり
五
たまきの|如《ごと》くにめぐる|日《ひ》を |神《かみ》に|祈《いの》りて|楽《たの》しげに
|送《おく》る|人《ひと》こそ|天国《てんごく》の |神《かみ》の|使《つかひ》と|倶《とも》にあり
第六
一
|世人《よびと》を|愛《めぐ》む|我《わが》|御神《みかみ》 |夕《ゆふ》べの|空《そら》に|打《う》ち|悩《なや》む
|罪《つみ》と|穢《けが》れと|窮乏《とぼしき》を |御前《みまへ》に|告《つ》ぐる|人《ひと》の|身《み》を
|憐《あは》れみ|玉《たま》ひて|御恵《みめぐ》みの |露《つゆ》|細《こま》やかに|降《ふ》らせまし
|臥床《ふしど》に|息《いこ》ふ|夜《よ》の|世界《せかい》 |安《やす》く|守《まも》らせたまへかし
二
|大空《おほぞら》|包《つつ》む|叢雲《むらくも》の |暗《くら》き|夜半《よは》をも|仁愛《じんあい》の
|面《おも》を|表《あら》はし|玉《たま》ひつつ まどろみ|玉《たま》ふ|暇《ひま》もなく
|青人草《あをひとぐさ》をもねもごろに |守《まも》らせ|玉《たま》ふ|大稜威《おほみいづ》
|畏《かしこ》み|感謝《かんしや》し|奉《たてまつ》る
三
|苦《くる》しき|病《やまひ》と|滅亡《ほろび》とは |神《かみ》の|御子《みこ》らの|身《み》に|迫《せま》り
|死《し》の|矢《や》は|激《はげ》しく|飛《と》び|来《く》とも |盾《たて》とあれますエンゼルは
われらを|厚《あつ》く|守《まも》りまし |皇御神《すめらみかみ》と|倶《とも》にあれば
|恐《おそ》るる|事《こと》は|世《よ》にあらじ
四
たとへ|吾《われ》らの|寝室《ねや》の|床《とこ》 |夜《よ》の|間《ま》に|落《お》ちて|奥津城《おくつき》と
なりてわが|身《み》を|囲《かこ》むとも |天津日《あまつひ》の|神《かみ》の|御光《みひかり》に
|呼《よ》び|覚《さま》されて|永遠《とこしへ》の |輝《かがや》き|仰《あふ》ぎ|奉《まつ》るべし
第七
一
いとも|静《しづ》かに|夕日影《ゆふひかげ》 |消《き》え|行《ゆ》く|見《み》れば|亡《な》き|友《とも》の
|俤《おもかげ》のこる|胸《むね》の|中《うち》 わが|身《み》に|迫《せま》る|夜《よ》のとばり
二
|世《よ》は|水泡《うたかた》の|夢《ゆめ》なれや |消《き》えて|跡《あと》なき|人《ひと》の|身《み》も
|神《かみ》の|恵《めぐ》みに|活《い》かされて |楽《たの》しく|栄《さか》ゆる|神《かみ》の|国《くに》
三
かくり|世《よ》|遠《とほ》しと|人《ひと》は|言《い》はめ |誠《まこと》|一《ひと》つの|麻柱《あななひ》の
|真心《まごころ》|通《かよ》はぬ|里《さと》やあらむ
四
|空《そら》に|輝《かがや》く|数多《あまた》の|星《ほし》に |友《とも》の|霊魂《みたま》の|何《いづ》れぞと
|忍《しの》ぶも|神国《みくに》の|道《みち》しるべ |仰《あふ》ぎて|友《とも》の|幸《さち》いのる
第八
一
|神《かみ》の|御名《みな》をば|称《たた》へつつ |今日《けふ》の|一日《ひとひ》を|送《おく》りけり
|誠《まこと》の|神《かみ》の|御光《みひかり》よ |隠《かく》れたまひそ|山《やま》の|端《は》に
|沈《しづ》む|日影《ひかげ》ともろともに
二
|冬《ふゆ》と|夜《よる》なき|高天原《たかあまはら》の |神《かみ》の|御国《みくに》の|宝庫《みくら》の|前《まへ》に
|魂《たま》かがやける|神使《みつかひ》の |琴《こと》の|音《ね》に|合《あ》ふ|言霊《ことたま》の
|宇豆《うづ》の|神歌《みうた》ぞゆかしけれ
三
|言霊《ことたま》|鈍《にぶ》きわが|舌《した》は もつれからみて|怪《あや》しくも
|節《ふし》をあやまりあぢきなき わが|手《て》は|調《しらべ》を|仕《つか》へ|得《え》ず
あまりに|高《たか》き|皇神《すめかみ》の |稜威《みいづ》に|怖《お》ぢし|苦《くる》しさよ
四
|皇大神《すめおほかみ》よ|大神《おほかみ》よ |奇《くす》しき|御手《おんて》の|触《ふ》れまさば
|掻《か》き|乱《みだ》されしたましひの |糸《いと》の|音色《ねいろ》もさやさやと
|天津御国《あまつみくに》の|神人《かみびと》の |琴《こと》の|音色《ねいろ》に|劣《おと》らまじ
五
|青人草《あをひとぐさ》のたましひも |日々《ひび》の|業《わざ》をも|浄《きよ》めまし
|人《ひと》の|一世《ひとよ》を|安《やす》らかに |栄《さか》え|守《まも》らせ|玉《たま》へかしと
|心《こころ》の|底《そこ》よりうたふなる たたへの|歌《うた》とならしめよ
六
|夕《ゆふ》べを|知《し》らぬ|身《み》とならば |天津使《あまつつかひ》も|人《ひと》もみな
|同《おな》じ|調《しら》べのこと|糸《いと》に |声《こゑ》を|合《あは》せてたたふべし
第九
一
|天津日影《あまつひかげ》は|西山《にしやま》に かくれて|四方《よも》の|山々《やまやま》は
|暗《やみ》の|戸扉《とぼそ》に|包《つつ》まれぬ わが|身《み》にやどる|魂《たましひ》は
いとも|淋《さび》しくなりにけり |寄《よ》るべなき|身《み》も|皇神《すめかみ》に
たよる|心《こころ》に|栄《さか》えあり
二
わが|身《み》の|生命《いのち》|暮《くれ》ちかく |淋《さび》しさ|迫《せま》る|夕暗路《ゆふやみぢ》
|世《よ》はいろいろと|移《うつ》り|行《ゆ》く いや|永遠《とこしへ》に|変《かは》らざる
|誠《まこと》の|神《かみ》よ|吾《あ》と|共《とも》に |仁愛《みろく》の|心《こころ》に|宿《やど》りませ
三
この|世《よ》の|暗《やみ》のものすごく |悪魔《あくま》の|誘惑《いうわく》いや|繁《しげ》し
またたく|暇《ひま》も|去《さ》りまさず |神《かみ》よ|吾《わ》が|身《み》に|宿《やど》りませ
四
|死《し》の|魔《ま》の|力《ちから》いづこぞや |神《かみ》は|吾《われ》らと|倶《とも》にあり
|神《かみ》に|叶《かな》ひし|人《ひと》の|身《み》は |如何《いか》なる|死《し》の|魔《ま》も|恐《おそ》れむや
|御神《みかみ》よ|吾等《われら》と|倶《とも》にあれ
五
|心《こころ》ひそめて|閉《と》づる|眼《め》に |仰《あふ》ぐ|千座《ちくら》の|置座《おきくら》を
|忝《かたじけ》なみて|涙《なみだ》ぐむ |栄光《さかえ》の|吉日《よきひ》の|来《き》たるまで
|御神《みかみ》よ|吾等《われら》を|守《まも》りませ
第一〇
一
わが|霊魂《たましひ》の|清《きよ》ければ |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|更生主《すくひぬし》
|永遠《とは》に|宿《やど》らせ|玉《たま》ひつつ |夜《よる》なき|身霊《みたま》と|為《な》したまふ
二
|静《しづ》けき|夜《よ》な|夜《よ》な|安《やす》らけく |臥床《ふしど》に|寝《い》ぬる|度《たび》ごとに
|神《かみ》の|添乳《そへぢ》の|安息《いこひ》をば |偲《しの》ばせたまへ|惟神《かむながら》
|畏《かしこ》み|畏《かしこ》み|願《ね》ぎまつる
三
|夜《よる》と|昼《ひる》との|別《わか》ちなく |御神《みかみ》の|吾《われ》と|居《ゐ》まさずば
|生《い》くる|甲斐《かひ》なく|幽界《かくりよ》に |到《いた》るも|道《みち》なき|人《ひと》の|身《み》よ
四
|皇大神《すめおほかみ》の|御教《みをしへ》に |反《そむ》きて|暗《やみ》に|迷《まよ》ふ|子《こ》を
|仁慈《じんじ》の|御手《みて》を|伸《の》べたまひ |玉《たま》の|御声《みこゑ》もすずやかに
|招《まね》かせ|玉《たま》へ|神《かみ》の|国《くに》へ
五
|貧《まづ》しき|人《ひと》を|富《と》ませまし |憂瀬《うきせ》に|落《お》ちし|人草《ひとぐさ》を
|救《すく》ひなぐさめいたづきの |身魂《みたま》を|看護《みと》り|大前《おほまへ》に
いと|平《たひ》らかに|臥《ふ》させませ
六
|来《く》る|日《ひ》のあした|眼《め》さめなば |吾等《われら》を|祝《いは》ひ|導《みちび》きて
|冬《ふゆ》と|夜《よる》なき|天津国《あまつくに》の |清《きよ》き|旅路《たびぢ》に|恙《つつが》なく
|進《すす》ませ|玉《たま》へと|伏《ふ》し|拝《をが》む
第一一
一
|今日《けふ》の|生日《いくひ》の|御恵《みめぐ》みを |称《たた》へ|奉《まつ》るぞ|嬉《うれ》しけれ
|今宵《こよひ》も|御心《みむね》にわが|身魂《みたま》 |頼《たよ》らせたまへ|安《やす》らかに
二
|今日《けふ》の|一日《ひとひ》のあやまちを |直日《なほひ》に|見直《みなほ》し|詔直《のりなほ》し
|心《こころ》|平《たひ》らにやすらかに |御胸《みむね》に|眠《ねむ》らせ|玉《たま》へかし
三
|聖《きよ》き|御蔭《みかげ》に|現身《うつそみ》の |魂《たま》を|休《やす》めて|村肝《むらきも》の
|心《こころ》|新《あら》たに|勇《いさ》ましく |眼《まなこ》さまさせ|玉《たま》へかし
四
|嵐《あらし》に|寒《さむ》き|奥津城《おくつき》を |臥床《ふしど》のごとく|暖《あたた》かく
やすく|迎《むか》ふる|信真《あななひ》の |清《きよ》き|心《こころ》をたまへかし
五
いと|厳《おごそ》かにかがやける |神《かみ》の|審判《さばき》の|御座《みくら》をも
|花《はな》|咲《さ》き|蝶《てふ》|舞《ま》ふ|春《はる》の|日《ひ》の |長閑《のどか》な|庭《には》と|嬉《うれ》しみて
|仰《あふ》ぐ|霊魂《みたま》となさしめ|玉《たま》へ
第一二
一
あたり|静《しづ》けき|夕《ゆふ》べの|空《そら》に |琴《こと》のしらべもさやさやと
|心《こころ》ゆくまでうたひつ|舞《ま》ひつ |天津御国《あまつみくに》の|宝座《はうざ》の|前《まへ》に
|進《すす》ませ|玉《たま》へや|瑞御魂《みづみたま》
二
|天津日影《あまつひかげ》も|臥床《ふしど》に|入《い》りて |悪魔《あくま》の|囁《ささや》く|頃《ころ》にしあれば
|委《ゆだ》ねまつらむ|千万《ちよろづ》の |今日《けふ》まで|蒔《ま》きし|種々《くさぐさ》を
三
|善悪《よしあし》もうつし|醜《みにく》きもの|皆《みな》の |色《いろ》も|形《かたち》もことごとく
|見《み》えずなり|行《ゆ》く|時《とき》は|来《き》にけり
四
|日《ひ》ごと|夜《よ》ごとに|皇神《すめかみ》は |清《きよ》き|尊《たふと》き|仁愛《じんあい》の
|畏《かしこ》き|神業《みわざ》も|世《よ》の|人《ひと》の |目《め》に|現《あら》はさで|潜水《こもりず》の
|深《ふか》くもかくさせたまひぬる
五
|百千万《ももちよろづ》の|鳥《とり》つばさ ねぐら|求《もと》むる|夕《ゆふ》まぐれ
|人《ひと》は|家路《いへぢ》に|帰《かへ》り|行《ゆ》く |時《とき》こそいとも|静《しづ》かなれ
六
いとも|畏《かしこ》き|皇神《すめかみ》よ |吾等《われら》が|現世《このよ》の|旅《たび》を|終《を》へ
|神《かみ》の|御国《みくに》に|進《すす》みなば |霊魂《みたま》の|清《きよ》き|故郷《ふるさと》の
|神祖《おや》の|御許《みもと》に|安《やす》らかに いこはせたまへ|惟神《かむながら》
|謹《つつし》みかしこみ|願《ね》ぎ|奉《まつ》る。
(大正一二・五・一 旧三・一六 明子録)
第二章 |神影《しんえい》〔一五五二〕
第一三
一
|天津日影《あまつひかげ》は|西天《せいてん》に |煙《けむり》の|如《ごと》くうすれ|行《ゆ》く
|淋《さび》しき|夕《ゆふ》べ|世《よ》の|中《なか》の |業《わざ》に|放《はな》れて|瑞霊《ずゐれい》と
|神《かみ》の|望《のぞ》みを|語《かた》らまし
二
|御目《みめ》に|暗《やみ》なき|光《ひかり》の|神《かみ》よ |深《ふか》く|包《つつ》みしわが|身《み》の|罪《つみ》を
|遺《のこ》る|隈《くま》なく|細《こま》やかに |心《こころ》|平《たひ》らに|示《しめ》しませ
三
|罪《つみ》も|穢《けが》れも|無《な》き|身《み》を|以《も》ちて |千座《ちくら》の|置戸《おきど》を|負《お》ひたまひ
|人《ひと》のなやみを|清《きよ》めます |瑞《みづ》の|御霊《みたま》よ|吾《わ》がなやみ
かへりみ|玉《たま》へ|救《すく》はせ|玉《たま》へ
四
いつかわが|身《み》は|現世《うつしよ》|出《い》でて |夜《よる》なき|国《くに》へ|到《いた》りなば
|移《うつ》り|変《かは》らぬ|月日《つきひ》の|光《かげ》を |心《こころ》|楽《たの》しく|仰《あふ》ぎ|見《み》む
第一四
一
|皇大神《すめおほかみ》の|給《たま》ひてし |今日《けふ》の|生日《いくひ》も|暮《く》れにけり
いざいざさらば|晨《あした》の|如《ごと》く |瑞《みづ》の|御霊《みたま》や|厳御霊《いづみたま》
|尊《たふと》き|御名《みな》を|称《たた》へまし
二
|神《かみ》の|光《ひかり》に|向《む》かつて|動《うご》く |大海原《おほうなばら》に|浮《う》かびたる
|大地《だいち》に|住《す》める|神《かみ》の|子《こ》は |神《かみ》の|光《ひかり》に|照《て》らされて
|常世《とこよ》の|暗《やみ》に|勝《か》ちにけり
三
|次第々々《しだいしだい》に|夜《よ》のとばり |明《あ》けゆく|国々《くにぐに》|嶋々《しまじま》の
|青人草《あをひとぐさ》はことごとく |神《かみ》の|御徳《みとく》を|賞《ほ》め|称《たた》へ
|歌《うた》ひ|眼《め》さめて|朝夕《あさゆふ》に |神《かみ》に|祈《いの》りの|絶間《たえま》なく
|栄《さか》ゆも|嬉《うれ》し|五六七《みろく》の|代《よ》
四
|労《つか》れ|休《やす》めと|人《ひと》の|子《こ》に |別《わか》れたまひし|日《ひ》の|神《かみ》は
|西《にし》の|洋《なだ》なる|友垣《ともがき》を |神《かみ》の|御国《みくに》に|誘《いざな》ひて
|永遠《とは》の|眠《ねむ》りを|醒《さ》まします
五
|興亡《こうばう》|常《つね》なき|現世《うつしよ》の |数多《あまた》の|国《くに》と|事《こと》かはり
いや|永遠《とこしへ》に|栄《さか》えゆく |神《かみ》の|御国《みくに》ぞ|尊《たふと》けれ
第一五
一
|神《かみ》の|力《ちから》の|昼《ひる》|去《さ》りて |恵《めぐ》みの|露《つゆ》の|下《くだ》ります
|安《やす》けき|夜《よ》とはなりにけり いざこれよりは|御恵《みめぐ》みに
|抱《いだ》かれ|楽《たの》しく|休《やす》らはむ |仁慈無限《じんじむげん》の|瑞霊《ずゐれい》の
いと|暖《あたた》かきふところに
二
|朝《あした》の|空《そら》に|日《ひ》の|神《かみ》の |輝《かがや》き|渡《わた》り|玉《たま》ふまで
|曇《くも》りもあらぬ|神使《みつかひ》の |夢路《ゆめぢ》を|進《すす》ませ|玉《たま》へかし
|尊《たふと》き|守《まも》りの|一夜《ひとよさ》を
三
|病《やまひ》に|悩《なや》む|貴《うづ》の|子《こ》や |囚《とら》はれ|人《びと》は|言《い》ふも|更《さら》
|親《おや》なき|子供《こども》|背《せ》の|君《きみ》の |頼《たよ》りさへ|無《な》き|人妻《ひとづま》に
いとも|尊《たふと》き|仁愛《じんあい》の |御姿《みすがた》あらはし|玉《たま》へかし
せめては|夢《ゆめ》の|中《なか》なりと
四
|生言霊《いくことたま》の|助《たす》けにて |現《あら》はれ|出《い》でし|天地《あめつち》は
|何処《いづく》の|果《はて》に|至《いた》るとも |皇大神《すめおほかみ》を|外《ほか》にして
|休《やす》らひぬべき|処《ところ》なし アア|皇神《すめかみ》よ|主《す》の|神《かみ》よ
第一六
一
|夕日《ゆふひ》の|名残《なごり》|刻々《こくこく》に |山《やま》の|尾上《をのへ》にうすれ|行《ゆ》きて
|恵《めぐ》みの|露《つゆ》の|白玉《しらたま》も |草木《くさき》の|花《はな》に|宿《やど》るなり
アア|天地《あめつち》の|大神《おほかみ》よ |御前《みまへ》に|捧《ささ》ぐる|太祝詞《ふとのりと》
うまらに|完全《つばら》に|聞召《きこしめ》せ
二
|災《わざはひ》|多《おほ》き|現世《うつしよ》の |諸《もも》の|歎《なげ》きも|皇神《すめかみ》の
|恵《めぐ》みの|露《つゆ》に|浸《ひた》されて |切《せつ》なる|祈《いの》りの|栞《しをり》となし
|黒白《あやめ》も|分《わか》ぬ|暗《やみ》の|夜《よ》も |霊肉脱離《れいにくだつり》の|関門《くわんもん》も
|恐《おそ》れず|撓《たゆ》まず|永遠《とことは》に |見《み》ぬ|夜《よ》の|光《ひかり》にわが|魂《たま》を
|照《て》らさせ|玉《たま》へと|願《ね》ぎまつる
三
|常夜《とこよ》の|暗《やみ》に|包《つつ》まれし |山海河野《やまうみかはの》のその|如《ごと》く
わが|世《よ》の|望《のぞ》みは|消《き》えぬれど ほの|見《み》え|初《そ》めし|星影《ほしかげ》の
|上《うへ》なき|望《のぞ》みぞいと|高《たか》く |天津御空《あまつみそら》にかがやきぬ
四
|木《こ》の|間《ま》を|洩《も》れし|月光《つきかげ》の |御池《みいけ》の|面《おも》に|澄《す》み|渡《わた》る
|静《しづ》けき|清《きよ》き|御姿《みすがた》に |神習《かむなら》はめや|吾《わ》が|心《こころ》
|今宵《こよひ》の|息《いき》もやすやすと |休《やす》ませ|玉《たま》へ|瑞御魂《みづみたま》
第一七
一
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|生《あ》れませる |今日《けふ》の|生日《いくひ》の|足日《たるひ》こそ
|実《げ》にも|目出《めで》たき|限《かぎ》りなれ |吾等《われら》は|神《かみ》の|御恵《みめぐ》みに
この|日《ひ》を|迎《むか》ふる|嬉《うれ》しさよ
二
|救《すく》ひの|神《かみ》と|現《あ》れませる |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|大神《おほかみ》の
|豊《とよ》の|明《あか》りのこの|宴《うたげ》 |今《いま》まのあたり|開《ひら》かれぬ
いざ|諸共《もろとも》に|大前《おほまへ》に |心《こころ》|楽《たの》しく|進《すす》みなむ
三
|皇大神《すめおほかみ》の|永遠《とことは》に |鎮《しづ》まり|坐《い》ます|神《かみ》の|家《や》に
|住《す》める|一日《ひとひ》は|許々多久《ここたく》の |罪《つみ》に|穢《けが》れて|世《よ》を|渡《わた》る
あはれ|果敢《はか》なき|楽《たの》しみの |千代《ちよ》にも|優《まさ》る|思《おも》ひかな
四
|御前《みまへ》に|侍《はべ》る|今日《けふ》の|日《ひ》の |清《きよ》き|心《こころ》を|心《こころ》とし
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》や|厳御霊《いづみたま》 |神《かみ》の|御言《みこと》をかしこみて
|楽《たの》しく|吾《わ》が|世《よ》を|送《おく》るべし
第一八
一
|七日《なぬか》の|旅路《たびぢ》もいと|安《やす》く |過《す》ぎて|御前《みまへ》に|参詣《まゐまう》で
かしこみ|仰《あふ》ぐ|今日《けふ》こそは |高天原《たかあまはら》の|神人《かみびと》も
|休《やす》ませたまふ|吉《よ》き|日《ひ》なり
二
|厳《いづ》と|瑞《みづ》とのあがなひの |神《かみ》に|頼《たよ》りて|祈《いの》りなば
|仁慈《じんじ》の|顔《おも》を|向《む》けたまひ |諸《もも》の|罪咎《つみとが》あやまちを
|直日《なほひ》に|見直《みなほ》し|宣直《のりなほ》し |安《やす》きに|清《きよ》めたまふべし
ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》 |御霊《みたま》|幸《さち》はへましませよ
三
|清《きよ》き|祭《まつり》に|集《つど》へる|人《ひと》に |神《かみ》は|涼《すず》しき|御声《みこゑ》もて
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|口《くち》を|藉《か》り |明《あか》き|神国《みくに》に|導《みちび》きて
|限《かぎ》り|知《し》られぬよろこびと |栄光《さかえ》を|授《さづ》け|悩《なや》みたる
|身魂《みたま》を|慰《なぐさ》め|玉《たま》ふこそ |実《げ》にも|尊《たふと》き|極《きは》みなれ
四
|大国常立大神《おほくにとこたちおほかみ》は |高《たか》き|恵《めぐ》みを|朝夕《あさゆふ》に
|称《たた》へ|奉《まつ》れるわが|魂《たま》と |倶《とも》に|坐《ま》しまし|限《かぎ》り|無《な》き
|栄誉《さかえ》を|与《あた》へたまひつつ |天津御国《あまつみくに》の|賑《にぎ》はしき
|豊《とよ》の|宴《うたげ》に|手《て》を|曳《ひ》きて |進《すす》ませたまふぞ|嬉《うれ》しけれ
第一九
一
|清《きよ》き|尊《たふと》き|今日《けふ》の|日《ひ》を |安《やす》く|迎《むか》へて|信徒《まめひと》が
|父《ちち》と|母《はは》との|皇神《すめかみ》の |貴《うづ》の|御前《みまへ》に|相集《あひつど》ひ
|神《かみ》の|御子等《みこたち》もろともに |厚《あつ》き|恵《めぐ》みの|雨《あめ》|祈《いの》る
二
|神《かみ》の|御国《みくに》のおんために |十《たり》の|日足《ひあし》を|早送《はやおく》り
|今日《けふ》はこの|身《み》の|生命《いのち》のために |身《み》も|魂《たましひ》もいさぎよく
|聖《きよ》き|休日《やすみ》を|楽《たの》しまむ
三
きよき|朝《あした》に|夙《と》く|起《お》き|出《い》でて |神《かみ》の|御前《みまへ》に|真心《まごころ》ささげ
|鹿児自物膝《かごじものひざ》|折《を》り|伏《ふ》せ |鵜自物頸根《うじものうなね》|突《つ》きぬきて
|恩頼《みたまのふゆ》を|仰《あふ》ぎつつ |神《かみ》の|清《きよ》めを|受《う》けまつる
四
|現世《うつしよ》に|居《ゐ》て|真道《まみち》を|歩《あゆ》み |旅路《たびぢ》|終《を》はりて|歓喜《よろこび》と
|栄光《さかえ》に|充《み》てる|神《かみ》の|国《くに》 |昇《のぼ》る|人《ひと》こそ|尊《たふと》けれ
第二〇
一
|国常立《くにとこたち》の|大御神《おほみかみ》 |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|大前《おほまへ》に
|集《つど》いて|御名《みな》を|称《たた》へつつ |心《こころ》|清《きよ》むる|楽《たの》しさは
|何《なに》にたとへむものもなし ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|恩頼《みたまのふゆ》ぞ|有難《ありがた》き
二
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|神柱《かむばしら》 |慕《した》ひまつれる|真心《まごころ》の
|調《しら》べは|正《ただ》しくス・スワ゛ラ ポーヂーサツトワ゛の|琴《こと》の|音《ね》に
|通《かよ》ふが|如《ごと》く|楽《たの》しけれ
三
|朝日《あさひ》の|豊栄《とよさか》|昇《のぼ》る|時《とき》 |現世《このよ》を|創造《つく》りたまひたる
|元《もと》の|御祖《みおや》の|神《かみ》を|思《おも》ひ |夕《ゆふ》べに|瑞《みづ》の|御教《みをしへ》を
|学《まな》ぶ|吾《わ》が|身《み》ぞ|楽《たの》しけれ
四
さかしら|為《な》せる|人々《ひとびと》に |対《たい》して|愚《おろ》かに|見《み》る|智慧《ちゑ》も
|清《きよ》き|尊《たふと》き|神《かみ》の|子《こ》の |召《め》されし|身《み》にはいと|強《つよ》き
|神《かみ》の|給《たま》ひし|力《ちから》なり
五
|皇大神《すめおほかみ》の|御《み》めぐみを |知《し》る|人《ひと》ぞ|知《し》るよろこびの
|雨《あめ》はこの|日《ひ》も|新《あたら》しく |降《ふ》りそそぐこそ|尊《たふと》けれ
六
|我《わが》|皇神《すめかみ》の|御在舎《みあらか》は いとも|尊《たふと》く|美《うる》はしく
|栄光《さかえ》の|花《はな》は|咲《さ》きみちぬ |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|玉《たま》の|座《ざ》は
|心《こころ》の|底《そこ》より|慕《した》はしき
第二一
一
|清《きよ》めの|神《かみ》の|御光《みひかり》も |強《つよ》くかがやく|今日《けふ》こそは
|諸《もも》のなやみも|癒《い》やされむ |心《こころ》うれしく|楽《たの》もしく
|常世《とこよ》の|春《はる》の|如《ごと》くなり
二
|荒《あら》き|風《かぜ》|吹《ふ》き|浪《なみ》|猛《たけ》る |海路《うなぢ》を|免《のが》れ|村肝《むらきも》の
|心《こころ》|平《たひ》らに|安《やす》らかに |神《かみ》の|港《みなと》に|進《すす》み|行《ゆ》く
わが|身《み》の|上《うへ》ぞ|楽《たの》しけれ
三
|荒野ケ原《あらのがはら》にさまよひて かわき|苦《くる》しむ|旅人《たびびと》の
|喉《のど》をうるほす|真清水《ましみづ》は |涼《すず》しき|清《きよ》き|瑞御魂《みづみたま》
|恵《めぐ》みの|泉《いづみ》の|限《かぎ》りなく |湧《わ》くぞ|嬉《うれ》しき|神《かみ》の|道《みち》
四
|仁慈無限《じんじむげん》の|瑞御魂《みづみたま》 |誓《ちか》ひ|玉《たま》ひし|神《かみ》の|国《くに》
ほの|見《み》え|初《そ》めし|嬉《うれ》しさよ |神《かみ》は|吾等《われら》と|倶《とも》にあり
五
たかきひくきの|隔《へだ》てなく |老《おい》も|若《わか》きも|押《お》し|並《な》べて
|神《かみ》の|功績《いさを》をほめたたへ |常世《とこよ》の|春《はる》を|祝《いは》ひつつ
|勇《いさ》むも|嬉《うれ》し|神《かみ》の|前《まへ》
第二二
一
|今日《けふ》は|畏《かしこ》き|御光《みひかり》を |授《さづ》けたまひし|吉《よ》き|日《ひ》なり
|暗《くら》き|心《こころ》を|隈《くま》もなく |照《て》らさせ|玉《たま》へ|惟神《かむながら》
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|大前《おほまへ》に |謹《つつし》み|祈《いの》りたてまつる
二
|今日《けふ》の|生日《いくひ》の|足日《たるひ》こそ |吾等《われら》に|平安《やすき》を|賜《たま》ふべき
|神《かみ》の|祭《まつり》の|吉《よ》き|日《ひ》なり |罪《つみ》や|穢《けが》れの|浪風《なみかぜ》を
|平《たひ》らげ|治《をさ》め|玉《たま》へかし
三
|今日《けふ》の|生日《いくひ》の|足日《たるひ》こそ いとも|楽《たの》しき|祈《いの》りの|日《ひ》なり
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|御光《みひかり》を |仰《あふ》ぎ|仕《つか》ふる|信徒《まめひと》に
|近《ちか》づきたまへと|願《ね》ぎまつる
四
|千座《ちくら》の|置戸《おきど》を|負《お》ひながら |曲津神等《まがつかみら》に|勝《か》たせたる
|清《きよ》き|畏《かしこ》き|吉《よ》き|日《ひ》なり いや|永遠《とことは》に|栄《さか》えゆく
|生《い》ける|神霊《みたま》さはさはに |吾等《われら》が|身魂《みたま》に|給《たま》へかし
(大正一二・五・一 旧三・一六 明子録)
第三章 |神雲《しんうん》〔一五五三〕
第二三
一
|皇大神《すめおほかみ》の|御《おん》めぐみ |瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御慈愛《おんじあい》
|豊《ゆた》かに|充《み》てる|神《かみ》の|家《いへ》 これの|御門《みかど》の|限《かぎ》りなき
|恵《めぐ》みを|受《う》けよ|神《かみ》の|愛子《みこ》 |溢《あふ》るる|清《きよ》き|真清水《ましみづ》を
|苦《くる》しみ|悩《なや》み|悲《かな》しみも |朝日《あさひ》に|露《つゆ》と|消《き》え|失《う》せむ
|神《かみ》の|御門《みかど》にとく|来《き》たれ たえずに|給《たま》ふ|御《おん》めぐみ
二
|雲井《くもゐ》に|高《たか》く|聳《そび》えたる |宇都《うづ》の|宮居《みやゐ》も|賤《しづ》の|男《を》が
|住《す》める|伏屋《ふせや》も|押並《おしな》べて |憂《う》きに|漏《も》れたる|人《ひと》ぞなし
|世《よ》の|人々《ひとびと》の|運命《うんめい》は |草木《くさき》の|花《はな》にもさも|似《に》たり
あしたの|栄《さか》えはたちまちに |夕《ゆふ》べの|空《そら》に|散《ち》り|失《う》せむ
いや|永遠《とことは》に|御幸《みさち》ある |宇都《うづ》の|御門《みかど》にとく|来《き》たれ
|神《かみ》は|汝《なんぢ》を|待《ま》ちたまふ
三
|御祖《みおや》の|御救《みすく》ひ|世《よ》にあまねし はやく|来《き》たりて|悔《く》い|改《あらた》めよ
|罪《つみ》に|沈《しづ》みし|涙《なみだ》もかわき ちりも|清《きよ》まる|愛《あい》の|御顔《みかほ》
|向《む》けさせ|玉《たま》はむよろこびは いやとこしへに|充《み》ちあふれ
|憂《うれ》ひは|失《う》するこの|御殿《みとの》
第二四
一
|清《きよ》めの|神《かみ》よ|瑞霊《おんたま》よ |珍《うづ》の|宮居《みやゐ》に|帰《かへ》り|来《き》て
その|御姿《みすがた》を|眼《ま》のあたり |拝《をろが》みまつる|嬉《うれ》しさよ
二
|神《かみ》のみいづをほめまつる |御子《みこ》の|一人《ひとり》となしたまひ
にぶき|沼矛《ぬほこ》にも|大功《みいさを》を うたはせ|玉《たま》へや|神《かみ》の|前《まへ》
三
|信徒《まめひと》たちの|願《ね》ぎ|事《ごと》を |聞召《きこしめ》すとき|罪《つみ》ふかき
わが|祈言《のりごと》を|平《たひ》らかに かへりみまして|聞召《きこしめ》せ
四
|神《かみ》の|御掟《おきて》を|正《ただ》しく|守《まも》り |神《かみ》の|御子《みこ》たる|吾等《われら》の|身魂《みたま》に
|尊《たふと》き|厚《あつ》き|御恵《みめぐ》みを |仰《あふ》がせたまへ|瑞御魂《みづみたま》
五
|夕《ゆふ》べの|空《そら》を|打《う》ち|仰《あふ》ぎ |今日《けふ》の|吉《よ》き|日《ひ》は|主《す》と|倶《とも》に
|歩《あゆ》みし|吾《われ》ぞと|心《こころ》より |祝《いは》ひよろこばせ|玉《たま》へかし
第二五
一
|皇大神《すめおほかみ》の|大前《おほまへ》に |鰭伏《ひれふ》し|祈《いの》る|吾《わ》がねがひ
|御心《みこころ》|平《たひ》らにやすらかに |諾《うべ》なひたまへや|瑞御魂《みづみたま》
二
|恵《めぐ》みの|雨《あめ》を|吾《わ》が|胸《むね》に |降《ふ》らせたまひて|魂《たましひ》を
|充《み》たせ|活《い》かせて|皇神《すめかみ》の |御名《みな》の|栄光《さかえ》を|謳《うた》はせ|玉《たま》へ
三
|綾《あや》に|畏《かしこ》き|御教《みのり》を|示《しめ》し |清《きよ》めの|道《みち》を|宣《の》べたまふ
|伊都《いづ》の|言霊《ことたま》まつぶさに |深《ふか》くさとらせ|玉《たま》へ|瑞御魂《みづみたま》
四
|憂《う》きをなぐさめ|病《や》めるを|癒《い》やし |身魂《みたま》を|清《きよ》め|許々多久《ここたく》の
|罪《つみ》のなはめを|解《と》き|捨《す》てたまへ
五
|瑞霊《みち》を|知《し》るものひたすら|頼《たの》め |神《かみ》は|近《ちか》づき|玉《たま》ふべし
|至仁《しじん》|至愛《しあい》の|瑞御霊《みづみたま》 かならず|見捨《みす》てたまふまじ
第二六
一
|斯世《このよ》に|形《かたち》あるものも |形《かたち》の|見《み》えぬ|霊《たま》の|世《よ》も
|統《す》べ|守《まも》ります|大御神《おほみかみ》よ |天津神国《あまつみくに》に|住《す》む|民《たみ》の
いや|永久《とこしへ》の|歌《うた》の|音《ね》に |声《こゑ》を|合《あは》せてほめたたへ
いとも|尊《たふと》く|美《うる》はしき |神《かみ》の|御門《みかど》に|進《すす》み|得《え》む
二
|島《しま》の|八十島《やそしま》|八十《やそ》の|国《くに》 |青人草《あをひとぐさ》はいふも|更《さら》なり
|山河海野《やまかはうみの》|草《くさ》も|樹《き》も |禽獣虫魚《きんじうちうぎよ》に|至《いた》るまで
|皇大神《すめおほかみ》の|御前《おんまへ》に |声《こゑ》なき|歌《うた》をうたひつつ
|尊《たふと》き|御名《みな》をあがめまつり |浄《きよ》めの|御教《みのり》を|賞《ほ》めたたへ
|寄《よ》りて|仕《つか》ふる|神《かみ》の|御代《みよ》
三
この|世《よ》に|在《あ》りとしあるものは |元津御祖《もとつみおや》の|御恵《みめぐ》みを
|歓《よろこ》びうたひ|仕《つか》へまつれば |人《ひと》の|子《こ》と|生《な》り|出《い》でましし|瑞御魂《みづみたま》
|浄《きよ》めの|瑞霊《かみ》と|吾等《われら》は|称《たた》へまし よしや|言霊歌《ことたまうた》の|調《しら》べ
|低《ひく》くかよわくありとても
第二七
一
|万有《すべて》のものの|主《ぬし》と|坐《ま》す |国常立《くにとこたち》の|大御神《おほみかみ》が
|稜威《みいづ》|充《み》たせる|教祖《みおや》の|宮《かみ》は |吾等《われら》の|罪《つみ》を|清《きよ》めむと
|天《あめ》の|八重雲《やへくも》|掻《か》き|別《わ》けて |綾《あや》の|聖地《せいち》のエルサレム
|竜《たつ》の|館《やかた》に|天降《あも》りましぬ |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|教祖《みおや》の|徳《とく》を
二
|清《きよ》めの|主《ぬし》の|瑞御魂《みづみたま》 |慕《した》ひて|聖地《せいち》に|登《のぼ》り|行《ゆ》く
|家族《うから》|親族《やから》はいふも|更《さら》 |親《した》しき|友垣《ともがき》|世《よ》の|人《ひと》の
|悩《なや》みを|浄《きよ》むるそのために シオンの|道《みち》|行《ゆ》く|楽《たの》しさよ
三
|元津御祖《もとつみおや》の|大神《おほかみ》の |永遠《とは》に|住《す》みます|綾《あや》の|聖地《せいち》に
|心《こころ》|清《きよ》けく|遊《あそ》ぶ|一日《ひとひ》は |百千万《ももちよろづ》の|日数《ひかず》に|勝《まさ》り
いとも|楽《たの》しく|思《おも》ふかな
四
|皇大神《すめおほかみ》はわが|日《ひ》なり |瑞《みづ》の|御霊《みたま》は|月《つき》の|神《かみ》
サタンを|防《ふせ》ぐ|盾《たて》となり |力《ちから》となりて|守《まも》ります
|恵《めぐ》みと|栄光《さかえ》に|充《み》てる|神《かみ》
五
|万《よろづ》の|神人《みたま》の|主《す》なる|神《かみ》に |赤《あか》き|心《こころ》を|捧《ささ》げつつ
|祈《いの》る|誠《まこと》のピュリタンは |世《よ》にも|勝《すぐ》れて|幸《さち》|深《ふか》し
第二八
一
|何国《いづく》の|果《は》ても|民草《たみぐさ》の |寄《よ》りて|仕《つか》ふる|折《を》り|折《を》りを
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》は|倶《とも》にありて |厚《あつ》きめぐみを|垂《た》れ|玉《たま》ふ
二
|飛騨《ひだ》の|工匠《たくみ》の|造《つく》りたる |形《かたち》の|宮《みや》に|住《す》みまさで
|心《こころ》やさしく|温順《おだやか》に |身《み》をへりくだる|人々《ひとびと》の
|清《きよ》き|御魂《みたま》に|住《す》みたまふ
三
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|仁愛神《マイトレーヤ》 |清《きよ》き|生命《いのち》の|歓喜《よろこび》を
|吾等《われら》の|魂《みたま》に|充《み》たしめて |貴《うづ》の|御名《みな》をばいと|高《たか》く
|各《おの》も|各《おの》もにほめたたへ |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》はしめ|玉《たま》へ
四
|朝《あさ》な|夕《ゆふ》なに|御前《みまへ》に|祈《いの》る |善言美詞《みやびことば》に|力《ちから》をあたへ
|清《きよ》き|望《のぞ》みをかためさせ|玉《たま》ひ |神《かみ》の|坐《ま》します|楽《たの》しき|国《くに》を
|一日《ひとひ》も|早《はや》く|来《き》たらせ|玉《たま》へ
第二九
一
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|御栄光《みさかえ》と |深《ふか》き|恵《めぐ》みを|言葉《ことば》の|限《かぎ》り
|心《こころ》|清《きよ》めて|楽《たの》しげに |朝《あさ》な|夕《ゆふ》なに|称《たた》へま|欲《ほ》しき
二
|厳《いづ》の|御魂《みたま》よ|瑞御魂《みづみたま》 |仁愛《みろく》の|岐美《きみ》よ|雲井《くもゐ》の|上《うへ》に
|秀《ひい》でて|高《たか》き|宇豆《うづ》の|御名《みな》を |拡《ひろ》むる|吾《わ》が|身《み》を|朝夕《あさゆふ》に
|生《い》かさせ|玉《たま》へ|元津御祖《もとつみおや》
三
|諸《もも》の|悲《かな》しみ|歎《なげ》きを|除《のぞ》き |罪《つみ》の|恐《おそ》れを|去《さ》りたまふ
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御名《みな》をば|称《たた》へ |仕《つか》へまつるぞ|楽《たの》しけれ
四
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|命《いのち》の|神《かみ》は |罪《つみ》の|牢獄《ひとや》を|打《う》ち|砕《くだ》き
|手足《てあし》の|爪《つめ》や|髭《ひげ》を|抜《ぬ》き |血《ち》をもて|償《あがな》ひ|生《い》かさせ|玉《たま》ふ
五
|亡《ほろ》び|行《ゆ》くなる|身魂《みたま》を|永遠《とは》に |蘇生《よみがへ》らせて|楽《たの》しみと
|栄光《さかえ》に|充《み》てる|希望《のぞみ》の|綱《つな》を |与《あた》へ|玉《たま》ふなる|仁愛《みろく》の|神《かみ》の
|清《きよ》き|御名《みな》をば|称《たた》へ|奉《まつ》らむ
第三〇
一
|神《かみ》に|仕《つか》ふる|信徒《まめひと》たちよ |汝《なれ》が|心《こころ》の|門《かど》の|戸《と》はやく
|神《かみ》のまにまに|開《ひら》けよひらけ よろこび|勇《いさ》みて|吾《わ》がたましひは
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|主《す》を|待《ま》ちのぞむ
二
|愛善《めぐみ》と|栄光《ひかり》と|平和《へいわ》に|充《み》てる |瑞《みづ》の|宮居《みやゐ》の|美《うる》はしさ
|御前《みまへ》に|出《い》でて|伏《ふ》し|拝《をが》む |吾《わ》が|身《み》は|実《げ》にも|慕《した》はしきかな
三
|吾等《われら》を|守《まも》る|尊《たふと》き|父《ちち》よ |罪《つみ》を|償《あがな》ふ|仁愛《めぐみ》の|母《はは》よ
|珍《うづ》の|御前《みまへ》に|謹《つつし》み|出《い》でぬ |母《はは》もまた|下《くだ》りて|吾《わ》が|魂《たましひ》を
|伊都《いづ》の|宮居《みやゐ》と|定《さだ》めさせ|玉《たま》へ
四
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》よ|神代《かみよ》の|基《もとゐ》を |語《かた》らせたまへ|畏《かしこ》み|聴《き》かむ
|生命《いのち》の|泉《いづみ》は|母《はは》より|流《なが》れ こころの|苦痛《なやみ》は|瑞御魂《みづみたま》
|母《はは》の|御声《みこゑ》に|癒《い》やされむ
第三一
一
|教《をしへ》の|友《とも》よいざや|進《すす》め いさみて|進《すす》め|宝座《みくら》の|御前《みまへ》
|言霊《ことたま》|調《しら》べいやたかく |天津御神《あまつみかみ》を|嬉《うれ》しみて
|清《きよ》き|御名《みな》をば|称《たた》へまつらむ
(折返)
|霊山会場《れいざんゑぢやう》のエルサレム |楽《たの》しき|都《みやこ》へ|進《すす》み|行《ゆ》く
二
|罪《つみ》に|穢《けが》れし|人草《ひとぐさ》は とにも|角《かく》にもあれやあれ
|天津御神《あまつみかみ》の|世継王山《よつわうやま》の ふもとに|集《あつ》まる|神《かみ》の|子《こ》は
|歌《うた》はで|在《あ》るべき|溢《あふ》れ|出《い》づる |限《かぎ》りも|知《し》らぬよろこびを
三
|天津御神《あまつみかみ》の|永遠《とことは》に |鎮《しづ》まり|坐《いま》す|神国《かみくに》へ
|旅立《たびだ》ち|進《すす》む|道芝《みちしば》は いとも|安《やす》けく|平《たひ》らけく
|薫《かを》り|床《ゆか》しき|望《のぞ》みの|花《はな》は |所曼陀羅《ところまんだら》|咲《さ》き|充《み》ちて
|生命《いのち》の|木《こ》の|果《み》いとしげし
四
|黄金《こがね》の|御門《みかど》うち|仰《あふ》ぎ ながむる|空《そら》に|天使《あまつかひ》
|玉《たま》の|緒琴《をごと》を|奏《かな》でつつ |遊《あそ》べる|姿《すがた》の|崇高《けだか》さよ
|限《かぎ》りも|知《し》らぬ|幸福《さいはひ》の |泉《いづみ》は|清《きよ》く|湧《わ》き|充《み》ちて
|溢《あふ》れ|流《なが》るる|尊《たふと》さよ
五
|瑞《みづ》と|厳《いづ》との|教《をしへ》の|道《みち》を |踏《ふ》みて|進《すす》まむ|仁愛《みろく》の|園《その》に
|奇《く》しき|妙《たへ》なる|栄光《さかえ》に|充《み》てる |高天原《たかあまはら》の|天国《てんごく》の
|神《かみ》の|宝座《みくら》の|御前《おんまへ》に |勇《いさ》みて|進《すす》め|躍《をど》りて|昇《のぼ》れ
第三二
一
|神《かみ》の|御前《みまへ》に|教《をしへ》の|御子《みこ》が |謹《つつし》みかしこみ|称言《たたへごと》
|仕《つか》へまつるを|聞召《きこしめ》せ |平安《やすき》を|祝《いは》ふ|神《かみ》の|声《こゑ》
われ|等《ら》に|掛《か》けさせ|玉《たま》へかし
二
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|尊《たふと》き|御名《みな》を |称《たた》へまつりし|吾《わ》が|言霊《ことたま》や
|心《こころ》を|清《きよ》めさせたまひ |神《かみ》の|御国《みくに》の|故郷《ふるさと》の
|家路《いへぢ》にかへる|道《みち》の|辺《へ》を |守《まも》りて|平安《やすき》と|幸福《さいはひ》を
|腕《うで》もたわわに|与《あた》へませ
三
|朝夕《あしたゆふ》べに|教《をしへ》の|御子《みこ》に |仇《あだ》なす|仇《あだ》を|言向《ことむ》けやはし
|暗《くら》きを|明《あか》きに|照《て》り|返《かへ》し |栄光《さかえ》と|平安《やすき》を|垂《た》れ|玉《たま》へ
四
|魔神《まがみ》の|猛《たけ》る|現世《うつしよ》に ありて|日夜《にちや》に|道《みち》のため
|戦《たたか》ふ|力《ちから》を|今《いま》われに |下《くだ》させ|玉《たま》ひ|復命《かへりごと》
|申《まを》し|上《あ》げたる|暁《あかつき》は いや|永遠《とことは》に|平安《やすき》をば
わが|身《み》の|上《うへ》に|与《あた》へ|玉《たま》へ
第三三
一
|伊都《いづ》の|大神《おほかみ》|美都《みづ》の|神《かみ》 |深《ふか》き|恵《めぐ》みを|吾等《われら》に|注《そそ》ぎ
よろこび|充《み》ちて|生《い》き|返《かへ》り |仁愛《みろく》の|神《かみ》のはたらきを
|広《ひろ》く|正《ただ》しく|為《な》さしめ|玉《たま》へ
二
|神《かみ》の|御手《みて》もて|斯世《このよ》の|中《なか》に |植《う》ゑし|言葉《ことば》を|御魂《みたま》の|畑《はた》に
|栄《さか》え|実《みの》らせ|結《むす》びたる |清《きよ》き|果実《このみ》を|天津国《あまつくに》の
|厳《いづ》の|御倉《みくら》にいと|高《たか》く |蓄《たくは》へおかせ|玉《たま》へかし
三
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|浄《きよ》めの|御手《みて》に |召《め》されて|進《すす》む|吾《わ》が|精霊《たま》は
よろこび|勇《いさ》みて|天津国《あまつくに》 |御殿《みとの》に|昇《のぼ》り|安《やす》らかに
|常磐《ときは》の|春《はる》を|楽《たの》しみつ |神《かみ》の|誠《まこと》の|御力《みちから》を
|心《こころ》の|限《かぎ》り|称《たた》へしめ|玉《たま》へ
(大正一二・五・一 旧三・一六 明子録)
第四章 |神田《しんでん》〔一五五四〕
第三四
一
|暗《やみ》につつみし この|世《よ》の|中《なか》を
いづのみたまは |隈《くま》なくてらす
みひかり
(折返)
いときよけき |神《かみ》の|御祖《みおや》
あめと|地《つち》とを |清《きよ》めまもらす
|御《み》はしら
二
|夕《ゆふ》べにかへる |田人《たびと》のごとく
ただしきたまを |招《まね》かせ|玉《たま》へ
|御前《みまへ》に
三
あまの|川原《かはら》を よく|打《う》ちながめ
たかくながるる |御姿《みすがた》|見《み》れば
かしこし
四
つみにかすめる |眼《まなこ》を|照《て》らし
|瑞《みづ》のすがたを をがませ|玉《たま》へ
みかみよ
第三五
一
|聖《きよ》きたふとき|国《くに》の|御祖《おや》 |大国常立大神《おほくにとこたちおほかみ》は
|三千世界《さんぜんせかい》の|大宇宙《だいうちう》 |完全《うまら》に|具足《つばら》に|造《つく》りまし
|天《あめ》の|御中主大神《みなかぬしおほかみ》と|現《な》り |大元霊《だいげんれい》の|真神《しんしん》として
|聖《きよ》き|御姿《みすがた》|見《み》えねども |天地万有《てんちばんいう》に|普遍《ふへん》して
|総《すべ》てのものを|守《まも》り|玉《たま》ふ |高天原《たかあまはら》の|霊国《れいごく》に
|月《つき》の|大神《おほかみ》と|現《あ》れ|玉《たま》ひ また|天国《てんごく》に|到《いた》りては
|日《ひ》の|大神《おほかみ》と|現《あら》はれて |顕幽神《けんいうしん》の|三界《さんかい》を
|守《まも》りたまふぞ|畏《かしこ》けれ |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|伊都御魂《いづみたま》
この|世《よ》の|大本大御神《おほもとおほみかみ》
二
|上《うへ》|無《な》き|権威《ちから》ある|人《ひと》も |学《まな》びの|道《みち》の|司等《つかさら》も
|御祖《みおや》の|神《かみ》の|御《おん》まへに |冠《かむり》を|捨《す》てて|伏《ふ》しをがむ
この|世《よ》の|御祖《みおや》|伊都御霊《いづみたま》 |吾等《われら》は|謹《つつし》みあさ|夕《ゆふ》に
|真心《まごころ》|尽《つく》して|仕《つか》へ|奉《まつ》らむ
三
|伊都《いづ》の|大神《おほかみ》|日《ひ》の|御霊《みたま》 |美都《みづ》の|大神《おほかみ》|月《つき》の|御霊《みたま》
|夜《よる》の|御守《みまも》り|日《ひ》のまもり |青人草《あをひとぐさ》をあはれみて
|罪《つみ》より|浄《きよ》め|助《たす》けむと |天津御神《あまつみかみ》のみこと|以《も》て
|綾《あや》の|高天《たかま》に|降《くだ》りまし この|世《よ》にありとしある|罪《つみ》を
|神《かみ》の|伊吹《いぶき》に|吹《ふ》き|払《はら》ひ |安《やす》の|河原《かはら》にあひすすぎ
|清《きよ》め|玉《たま》ひて|人草《ひとぐさ》を |神《かみ》の|御国《みくに》に|生《い》かさむと
|神慮《みこころ》|配《くば》らせ|玉《たま》ふこそ |畏《かしこ》き|尊《たふと》き|神業《みわざ》なれ
|仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|神《かみ》の|恵《めぐ》み
四
|淤能碁呂嶋《おのころじま》は|神《かみ》の|国《くに》 |珍《うづ》の|経綸《しぐみ》の|真秀良場《まほらば》ぞ
|照《て》る|日《ひ》の|下《もと》に|住《す》む|民《たみ》は |神《かみ》の|選《え》りたる|珍《うづ》の|民《たみ》
|神《かみ》にすべてを|打《う》ち|任《まか》せ |神国《みくに》を|地上《ちじやう》に|来《き》たさむと
おもひは|胸《むね》に|三千年《みちとせ》の |諸《もも》のなやみや|虐《しひた》げを
|忍《しの》びて|仕《つか》ふる|尊《たふと》さよ
五
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|神《かむ》ばしら |誠《まこと》|一《ひと》つの|神《かみ》の|子《こ》と
|再《ふたた》び|現世《このよ》に|現《あら》はれて |千座《ちくら》の|置戸《おきど》を|負《お》ひながら
|世人《よびと》のために|身《み》を|砕《くだ》き |心《こころ》をなやまし|道《みち》を|伝《つた》ふ
そのいさをしぞ|畏《かしこ》けれ
六
|天津御神《あまつみかみ》のおん|父《ちち》と |瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|貴《うづ》の|子《こ》と
|聖《きよ》き|神霊《みたま》の|天使《あまつかひ》 |一《ひと》つになりて|世《よ》に|降《くだ》り
|三《み》ツの|御魂《みたま》と|現《あら》はれて マイトレーヤの|神業《かむわざ》を
|開《ひら》かせたまひし|畏《かしこ》さよ |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|三《み》ツ|御魂《みたま》
|伊都《いづ》の|御魂《みたま》の|神《かみ》の|徳《とく》 ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|神《かみ》の|教《をしへ》ぞいと|清《きよ》し
第三六
一
|宇宙万有《うちうばんいう》|一切《いつさい》を |堅磐常磐《かきはときは》に|知食《しろしめ》す
|元津御祖《もとつみおや》の|伊都《いづ》の|神《かみ》 |空蝉《うつせみ》なせる|人《ひと》の|世《よ》の
|暗《やみ》を|晴《は》らして|浄《きよ》めむと |教御祖《をしへみおや》に|降《くだ》りまし
|貴《うづ》の|御教《みのり》をねもごろに |普《あまね》く|地上《ちじやう》に|布《し》きたまふ
その|御心《みこころ》をいときよく |汲《く》み|上《あ》げたまひ|世《よ》に|広《ひろ》く
|流《なが》し|伝《つた》ふる|瑞《みづ》の|神《かみ》 |諸《もも》の|譏《そし》りやしひたげを
その|身《み》|一《ひと》つに|負《お》はせつつ ウヅンバラ・チャンドラと|諸共《もろとも》に
いそしみたまふぞ|有難《ありがた》き ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|神《かみ》の|御《み》いづを|称《たた》へまつれ
第三七
一
|宇宙《うちう》の|祖《おや》とあれませる |真《まこと》の|独《ひと》り|神柱《かむばしら》
|伊都《いづ》の|御霊《みたま》は|永久《とこしへ》に |顕幽神《みつ》の|世界《せかい》を|知召《しろしめ》し
|山海河野《やまうみかはの》くさぐさの |物《もの》|皆《みな》|造《つく》り|育《はぐ》くみて
|栄光《さかえ》と|平安《やすき》を|賜《たま》ひつつ われ|等《ら》を|生《い》かし|楽《たの》しませ
|幸《さち》はひたまふ|御恵《みめぐ》みを よろこび|感謝《かんしや》したてまつる
二
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|月《つき》の|神《かみ》は この|世《よ》を|生《い》かし|清《きよ》めむと
|卑《いや》しき|人《ひと》の|子《こ》と|生《うま》れ |神《かみ》の|使《つかひ》とえらまれて
|言霊《ことたま》つるぎ|振《ふ》りかざし |天津御国《あまつみくに》の|権威《ちから》もて
|醜《しこ》の|曲霊《まがひ》をことごとく |言向和《ことむけやは》し|地《ち》の|上《うへ》に
|奇《く》しき|楽《たの》しき|神《かみ》の|国《くに》を |建《た》てて|万有《すべて》に|生魂《いくたま》の
|瑞《みづ》の|栄光《さかえ》をあたへむと |朝《あさ》な|夕《ゆふ》なに|真心《まごころ》の
|限《かぎ》りをつくし|身《み》を|尽《つく》し いそしみたまふぞ|畏《かしこ》けれ
|仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|伊都御霊《いづみたま》 |慕《した》ひまつれよ|美都御霊《みづみたま》
三
|綾《あや》に|畏《かしこ》き|瑞《みづ》の|神《かみ》 |伊都《いづ》の|御神《みかみ》の|御命《みこと》もて
|総《すべ》てのものに|歓喜《よろこび》と |栄光《さかえ》と|平安《やすき》を|降《くだ》しつつ
|青人草《あをひとぐさ》のたましひを |静《しづ》かに|治《をさ》めしめ|玉《たま》へ
|御神《みかみ》を|慕《した》ふ|吾々《われわれ》を いや|永久《とこしへ》に|万代《よろづよ》に
|守《まも》り|幸《さち》はへたまへかし |謹《つつし》みかしこみ|願《ね》ぎまつる
四
|三《み》つに|神業《みわざ》を|別《わか》ちつつ |天《あめ》と|地《つち》とを|只《ただ》ひとり
うしはぎ|玉《たま》ふ|元津御祖《もとつみおや》 |真《まこと》の|神《かみ》のみさかえを
いやとこしへに|賞《ほ》めたたへ |仕《つか》へまつらむ|真心《まごころ》もちて
第三八
一
|御稜威《みいづ》かがやく|高天原《たかあまはら》の |貴《うづ》の|宝座《みくら》にマヅラスバラ
ボーヂーサットワ゛の|声《こゑ》の|如《ごと》 カラビンセラビン|勇《いさ》ぎよく
|常世《とこよ》の|春《はる》をうたふなり |実《げ》にも|尊《たふと》き|天津国《あまつくに》の
|司《つかさ》とあれます|大神《おほかみ》の |大御《おほみ》さかえは|天地《あめつち》に
|溢《あふ》れて|充《み》ちつつ|叫《さけ》びつつ
二
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御使《みつかひ》が |神《かみ》の|御教《みのり》をいさぎよく
うたへばももの|草《くさ》も|木《き》も |皆《みな》まつろひてうたふなり
|神《かみ》の|御《み》つかひ|貴《うづ》の|御子《みこ》 |天《あめ》にも|地《つち》にもみ|栄光《さかえ》あれと
三
あめつち|百《もも》の|神人《かみびと》や |山海川野《やまうみかはの》も|声《こゑ》そろへ
|神《かみ》のみいづをうたふなり あな|尊《たふと》きかな|伊都《いづ》の|神《かみ》
この|世《よ》を|浄《きよ》むる|美都御魂《みづみたま》 |天《あめ》にも|地《つち》にも|御栄光《みさかえ》あれと
第三九
一
|永久《とこしへ》に|坐《い》ます|元津御祖神《もとつみおやがみ》 |奇《く》しきみいづの|輝《かがや》きて
|天津御使《あまつみつかひ》|集《つど》ひまし |玉《たま》の|小琴《をごと》を|掻《か》き|鳴《な》らし
マヅラスワ゛ラやマノーヂニヤ ガンダルワ゛をかなでつつ
|貴《うづ》のみめぐみに|報《むく》いむと |勤《いそ》しみ|仕《つか》ふる|芽出《めで》たさよ
|神《かみ》の|大道《おほぢ》に|生《い》かされし われ|等《ら》は|神国《みくに》のこのすがた
はるかに|拝《をろが》み|御栄光《みさかえ》を |畏《かしこ》み|嬉《うれ》しみ|祝《ほ》ぎまつる
二
|神《かみ》の|造《つく》りし|神《かみ》の|世《よ》に みたまのふゆを|蒙《かがぶ》りて
|生《うま》れ|出《い》でたる|民草《たみぐさ》は しこの|嵐《あらし》にもまれつつ
きたなき|罪《つみ》の|身《み》となりぬ アア|罪《つみ》ふかき|人《ひと》の|身《み》は
|元津御国《もとつみくに》へ|如何《いか》にして |安々《やすやす》|還《かへ》り|得《え》らるべき
|底《そこ》なき|地獄《ぢごく》におちいりて |永久《とは》の|苦《くる》しみにふるふ|身《み》を
|瑞《みづ》の|御神《みかみ》は|友《とも》となり |力《ちから》となりてねもごろに
|仁慈《じんじ》の|御手《みて》を|伸《の》ばしつつ いとなつかしきかんばせを
われらに|向《む》けさせ|玉《たま》ひつつ |天津御国《あまつみくに》へみちびきて
|栄光《さかえ》と|平安《やすき》とよろこびを |授《さづ》けたまふぞ|尊《たふと》けれ
アアなつかしき|瑞御魂《みづみたま》 アアしたはしき|月《つき》の|神《かみ》
三
|伊都《いづ》の|御魂《みたま》や|美都御魂《みづみたま》 |塵《ちり》に|染《そ》まりし|吾《わ》がからだ
いとはせ|玉《たま》はず|宮《みや》として |鎮《しづ》まり|坐《ま》しまし|諸々《もろもろ》の
|光《ひかり》をさづけ|楽《たの》しみに |酔《よ》はせ|身魂《みたま》を|弥遠《いやとほ》に
|生《い》かせたまふぞ|嬉《うれ》しけれ
四
|霊《たま》と|力《ちから》と|身体《からたま》の |三《み》ツの|大元《みたね》を|一《ひと》つとし
|現《あら》はれたまひし|伊都《いづ》の|神《かみ》 |大国常立《おほくにとこたち》の|大神《おほかみ》は
|天地《あめつち》|百《もも》の|身魂《みたま》をば |完全《うまら》に|具足《つばら》に|造《つく》り|了《を》へ
|始《はじ》め|終《をは》りの|主《ぬし》として スメール|山《ざん》に|腰《こし》を|据《す》ゑ
|三千世界《さんぜんせかい》を|隈《くま》もなく |守《まも》らせたまふ|御《み》いさをを
われ|人《ひと》ともに|勇《いさ》ましく たたへ|奉《まつ》らむ|大前《おほまへ》に
ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》 |神《かみ》のいさをぞ|尊《たふと》けれ
第四〇
一
われらが|崇《あが》むる|真《まこと》の|神《かみ》は |嶋《しま》の|八十嶋《やそしま》|八十《やそ》の|国《くに》
|海川山野《うみかわやまの》の|草《くさ》も|木《き》も |禽《とり》|獣《けだもの》に|至《いた》るまで
みいづを|称《たた》へぬものぞなき よろこび|称《たた》へよ|人《ひと》の|子《こ》よ
ほめよ|称《たた》へよ|人《ひと》の|子《こ》よ
二
|貴《たか》き|稜威《みいづ》は|天地《あめつち》|四方《よも》の |国々《くにぐに》|島々《しまじま》|隈《くま》なく|照《て》りぬ
|大地《だいち》も|御稜威《みいづ》を|仰《あふ》ぎ|見《み》て その|崇高《けだか》さに|打《う》ちふるふ
ほめよ|称《たた》へよ|神《かみ》のいづ
三
|誰《たれ》かは|否《いな》まむ|神《かみ》の|御神業《みわざ》を |誰《たれ》かは|拒《こば》まむ|神《かみ》の|御《み》むねを
四
すべてのぬしなる|御神《みかみ》に|従《したが》へ まことの|権力《ちから》は|天《あめ》にこそあれ
五
|天津御空《あまつみそら》も|地《つち》の|上《へ》も |称《たた》への|御歌《みうた》|聞《き》こゆなり
|厳《いづ》と|瑞《みづ》とはまことの|神《かみ》よと
第四一
一
ちからの|主《ぬし》とあれませる |元津御神《もとつみかみ》の|宣《の》り|言《ごと》は
|山川草木《やまかはくさき》も|打《う》ち|伏《ふ》して |御旨《みむね》のままに|従《したが》はむ
|伊都《いづ》の|言霊《ことたま》|清《きよ》くして |天津空《あまつそら》なる|月《つき》も|日《ひ》も
|歩《あゆ》みを|止《や》めて|大前《おほまへ》に |寄《よ》りて|仕《つか》ふる|尊《たふと》さよ
二
|山《やま》と|寄《よ》せくる|荒浪《あらなみ》も |地震雷鳴《ないふるいかづち》|火《ひ》の|雨《あめ》も
|来《き》たらば|来《き》たれ|寄《よ》せ|来《き》たれ |神《かみ》は|吾等《われら》と|倶《とも》にあり
|天地経綸《あめつちつくり》の|主宰者《つかさ》なる |人《ひと》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|宮《みや》
|神《かみ》と|親《した》しくある|身魂《もの》は |如何《いか》なるなやみも|恐《おそ》れむや
|吾等《われら》も|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|宮《みや》 |神《かみ》は|吾等《われら》と|倶《とも》にあり
三
いかに|荒《あら》ぶる|夜嵐《よあらし》も |虎《とら》|狼《おほかみ》や|獅子《しし》|熊《くま》の
|伊猛《いたけ》り|狂《くる》ふ|暗《やみ》の|夜《よ》も |神《かみ》の|恵《めぐ》みのある|上《うへ》は
|犯《をか》す|術《すべ》なき|神《かみ》の|国《くに》 |人《ひと》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|宮《みや》
|神《かみ》に|習《なら》ひて|世《よ》にあらば |醜《しこ》の|曲霊《まがひ》も|露《つゆ》と|消《き》え
|嵐《あらし》も|和《な》ぎて|天津国《あまつくに》の |清《きよ》けき|安《やす》き|花園《はなぞの》と
|易《かは》るぞ|目出《めで》たき|珍《うづ》の|御国《みくに》 ほめよたたへよ|神《かみ》のその
うたへよ|舞《ま》へよ|神《かみ》の|子等《こら》
四
|尊《たふと》き|厳《いづ》の|御声《おんこゑ》は |天津御空《あまつみそら》に|雷《らい》のごと
|鳴《な》り|轟《とどろ》きて|聞《き》こえけり |綾《あや》の|高天《たかま》の|聖《きよ》き|場《には》に
|進《すす》め|進《すす》めと|宣《の》りたまふ アア|有難《ありがた》し|神《かみ》の|声《こゑ》
ああかむながら|神《かみ》の|声《こゑ》
五
|陸地《くぬち》の|上《うへ》に|生《な》り|出《い》でし|御子《みこ》よ |伊都《いづ》の|御霊《みたま》の|御前《おんまへ》に
かしこみ|鰭伏《ひれふ》し|貴《うづ》の|御名《みな》を |称《たた》へよ|祝《いは》へよ|真心《まごころ》こめて
|粟生《あはな》すつかさも|跪《ひざま》づきて |御名《みな》を|称《たた》ふる|時《とき》|来《き》たるらむ
第五章 |神山《しんざん》〔一五五五〕
第四二
一
|天津御国《あまつみくに》の|神人《かみびと》も |大空《おほぞら》にかがやく|日《ひ》のかげも
|夜《よる》の|守《まも》りの|月《つき》かげも きらめき|渡《わた》る|星《ほし》さへも
|元津御祖《もとつみおや》の|大神《おほかみ》を たたへまつりて|仕《つか》ふなり
この|地《ち》の|上《うへ》に|住《す》むものは |上《うへ》なき|権力《ちから》を|初《はじ》めとし
|青人草《あをひとぐさ》に|至《いた》るまで |神《かみ》の|御稜威《みいづ》をほめたたへ
|御前《みまへ》にひれ|伏《ふ》し|畏《かしこ》みて |愛《あい》の|善徳《ぜんとく》|身《み》にひたし
|信《しん》と|真《しん》との|光明《くわうみやう》に かがやき|渡《わた》りて|天津神《あまつかみ》に
あななひ|仕《つか》へたてまつれ |人《ひと》はこの|世《よ》にあるかぎり
|神《かみ》より|外《ほか》に|力《ちから》とし |柱《はしら》となして|頼《たよ》るべき
ものは|一《ひと》つだにあらじかし ほめよたたへよ|神《かみ》のいづ
したへよ|愛《あい》せよ|伊都《いづ》の|神《かみ》
二
|世界《せかい》の|太初《はじめ》に|言葉《ことば》あり |言葉《ことば》は|道《みち》なり|神《かみ》に|坐《ま》す
すべてのものは|言霊《ことたま》の |清《きよ》き|御水火《みいき》にもとづきて
|造《つく》られ|出《い》でしものぞかし |現《うつ》しき|此《こ》の|世《よ》は|言霊《ことたま》の
|幸《さち》はひ|助《たす》け|生《い》ける|国《くに》 |天照《あまて》り|渡《わた》る|貴《うづ》の|国《くに》
すべての|法規《おきて》も|更生《みすくひ》も |言葉《ことば》をはなれて|外《ほか》になし
ああ|惟神《かむながら》|言霊《ことたま》の |幸《さち》はひ|助《たす》くる|神《かみ》の|国《くに》に
|生《う》まれ|出《い》でたる|嬉《うれ》しさよ
三
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》に|身《み》も|魂《たま》も |捧《ささ》げて|仕《つか》ふる|信徒《まめひと》は
ほろびと|罪《つみ》のまが|神《かみ》に |苦《く》もなく|勝《か》ちて|世《よ》に|栄《さか》ゆ
|神《かみ》のめぐみをいつまでも まご|子《こ》の|末《すゑ》まで|語《かた》りつぎ
かならず|忘《わす》るる|事《こと》なかれ |神《かみ》に|従《したが》ひあるうちは
つねに|歓《よろこ》びと|楽《たの》しみの |花《はな》も|絶間《たえま》なく|匂《にほ》ふなり
よろこび|祝《いは》へ|神《かみ》の|徳《とく》 |慕《した》ひまつれよ|神《かみ》の|愛《あい》
四
|伊都《いづ》の|御魂《みたま》の|教《をしへ》をひらき |世人《よびと》を|導《みちび》き|許々多久《ここたく》の
|罪《つみ》をあがなひ|清《きよ》めます |瑞《みづ》の|御魂《みたま》のいさをしを
|諸人《もろびと》|声《こゑ》を|一《ひと》つにし うたへよ|称《たた》へよ|心《こころ》のかぎり
|三五《さんご》の|月《つき》のいときよく |日《ひ》に|夜《よ》に|神《かみ》をたたへかし
第四三
|限《かぎ》り|知《し》られぬ|天《あま》のはら |伊照《いて》りかがやく|日《ひ》の|神《かみ》の
|清《きよ》けく|明《あか》き|霊光《みひかり》は |元津御祖《もとつみおや》のはてしなき
|貴《うづ》の|神力《ちから》を|顕《あら》はせり すべてのものの|祖《おや》とます
|真《まこと》の|神《かみ》の|神業《かむわざ》は |日々《ひび》に|新《あら》たに|天地《あめつち》に
かがやき|渡《わた》るぞ|畏《かしこ》けれ
第四四
一
|海《うみ》の|内外《うちと》の|隔《へだ》てなく |万《よろづ》の|国《くに》の|人《ひと》の|子《こ》よ
|天地万有《あめつちもも》の|主宰《つかさ》なる |元津御祖《もとつみおや》の|大神《おほかみ》の
|広《ひろ》き|尊《たふと》き|大稜威《おほみいづ》 |言霊《ことたま》きよく|唱《とな》へつつ
よろこび|歌《うた》ひたてまつれ |清《きよ》き|言霊《ことたま》|善《よ》き|祈《いの》りは
|神《かみ》に|捧《ささ》ぐる|御饌津《みけつ》ものぞ
二
|神《かみ》はわれ|等《ら》を|育《そだ》てたる |真誠《まこと》の|御祖《みおや》にましませば
|現世《うつしよ》の|事《こと》ことごとく |捨《す》てて|御仕《みつか》へたてまつれ
|人《ひと》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|民《たみ》 |神《かみ》より|外《ほか》に|頼《たよ》るべき
|力《ちから》も|柱《はしら》も|世《よ》にあらじ ほめよたたへよ|神《かみ》の|恩《おん》
三
|花《はな》|咲《さ》き|匂《にほ》ふ|弥生空《やよひぞら》 |蝶《てふ》|舞《ま》ひ|遊《あそ》ぶ|天津国《あまつくに》の
|善言美辞《みやび》の|歌《うた》をうたひつつ |神《かみ》の|御門《みかど》にすすみゆく
|人《ひと》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|民《たみ》
四
|伊都《いづ》の|大神《おほかみ》|瑞《みづ》の|御魂《みたま》 |恵《めぐ》みは|豊《ゆた》かに|愛《あい》は|絶《た》えず
|八洲《やす》の|河原《かはら》に|溢《あふ》れたり |汲《く》めよ|信徒《まめひと》まごころ|籠《こ》めて
|生命《いのち》の|清水《しみづ》を|飽《あ》くまでも |人《ひと》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|民《たみ》
第四五
一
あやにかしこき|伊都《いづ》の|神《かみ》 |教御祖《をしへみおや》とあれまして
|万《よろづ》の|国《くに》の|人草《ひとぐさ》に |恵《めぐ》みの|光《ひかり》|投《な》げたまふ
|仰《あふ》ぎ|敬《ゐやま》へ|御祖《みおや》の|徳《とく》を |人《ひと》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|民《たみ》
二
|凡《すべ》てのものは|皇神《すめかみ》の |厳言霊《いづことたま》に|生《な》り|出《い》でぬ
|人《ひと》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|宮《みや》 |伊都《いづ》の|言霊《ことたま》さづけられ
この|世《よ》に|生《い》きて|道《みち》のため |尽《つく》す|身魂《みたま》と|造《つく》られぬ
|心《こころ》を|清《きよ》めて|朝夕《あさゆふ》に |生神言《いくかみごと》を|宣《の》り|奉《まつ》り
|生成化育《せいせいくわいく》の|神業《しんげふ》に |身《み》も|棚知《たなし》らに|仕《つか》ふべし
三
この|世《よ》の|栄《さか》ゆも|言霊《ことたま》ぞ |滅《ほろ》び|失《う》するも|言霊《ことたま》ぞ
|舌《した》の|劔《つるぎ》の|矛先《ほこさき》に |神《かみ》も|現《あ》れまし|鬼《おに》も|来《き》たる
ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》 |謹《つつし》むべきは|言霊《ことたま》の
|水火《いき》の|一《ひと》つにありといふ |真《まこと》の|教《をしへ》をかしこみて
かならず|罵《ののし》ることなかれ |人《ひと》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|宮《みや》
四
|神《かみ》は|吾等《われら》を|生《う》み|成《な》せし |誠《まこと》の|御祖《みおや》にましませば
|朝《あさ》な|夕《ゆふ》なに|大前《おほまへ》に ぬかづきひれ|伏《ふ》し|神恩《しんおん》を
|感謝《かんしや》なさずにあるべきや |御徳《みとく》を|仰《あふ》がであるべきや
|吾等《われら》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|宮《みや》
五
|天津御空《あまつみそら》より|恵《めぐ》みは|広《ひろ》く |稜威《みいづ》は|須弥《すみ》よりなほ|高《たか》し
|仰《あふ》ぎ|奉《まつ》れよ|父《ちち》の|徳《とく》 |慕《した》ひ|奉《まつ》れよ|母《はは》の|恩《おん》
|堅磐《かきは》に|常磐《ときは》に|皇神《すめかみ》の |定《さだ》めたまひし|大神律《おほみのり》は
|月日《つきひ》の|輝《かがや》き|渡《わた》るかぎり |亡《ほろ》びず|失《う》せじ|惟神《かむながら》
|神《かみ》のいさをぞ|畏《かしこ》けれ
六
|百千万《ももちよろづ》の|生言霊《いくことたま》の |変《かは》れる|国々《くにぐに》もいとひなく
|誠《まこと》|一《ひと》つを|楯《たて》となし |神《かみ》の|御《おん》ため|世《よ》のために
|厳《いづ》の|教《をしへ》を|伝《つた》へ|行《ゆ》く |誠《まこと》の|人《ひと》こそ|神《かみ》の|御子《みこ》
|神《かみ》は|汝等《なれら》と|倶《とも》にあり |勇《いさ》みて|立《た》てよ|道《みち》のため
|振《ふる》ひ|立《た》てたて|御代《みよ》のため |権力《ちから》の|主《ぬし》とあれませる
|神《かみ》は|守《まも》らせ|玉《たま》ふべし ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|神《かみ》の|御子達《みこたち》|奮《ふる》ひ|起《た》て もはや|神代《かみよ》は|近《ちか》づけり
第四六
一
|愛《あい》の|善徳《ぜんとく》|天地《あめつち》に かがやき|渡《わた》りて|現世《うつしよ》の
|雲《くも》きり|四方《よも》に|吹《ふ》き|払《はら》ふ |後《うし》ろにきらめく|日月《じつげつ》は
|信《しん》の|真《しん》なる|力《ちから》なり
二
|皇大神《すめおほかみ》の|言《こと》の|葉《は》は スメール|山《ざん》の|動《うご》きなき
|高《たか》き|姿《すがた》にさも|似《に》たり |八千万劫《はつせんまんごふ》の|末《すゑ》までも
|堅磐常磐《かきはときは》にゆるがまじ |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|神《かみ》の|教《のり》
三
|天地万有《てんちばんいう》|遺《お》ちもなく |神《かみ》の|御手《みて》|以《も》て|造《つく》られし
ものにしあれば|限《かぎ》りなき |恵《めぐ》みの|泉《いづみ》は|湧《わ》き|充《み》てり
|汲《く》めよまめ|人《ひと》|心《こころ》をきよめ |神《かみ》に|習《なら》ひて|生命《いのち》の|水《みづ》を
四
|月《つき》の|御神《みかみ》の|恵《めぐ》みの|露《つゆ》は |天地《あめつち》|四方《よも》に|限《かぎ》りなく
|雨《あめ》のごとくに|降《ふ》りそそぐ |清《きよ》き|身魂《みたま》の|盃《さかづき》|持《も》ちて
|尽《つ》きぬいつくしみ|汲《く》めよかし |生命《いのち》をつなぐ|真清水《ましみづ》を
五
|生命《いのち》は|深山《みやま》の|谷水《たにみづ》のごとく いや|永久《とこしへ》に|湧《わ》き|出《い》づる
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|清《きよ》ければ |汚《けが》れを|洗《あら》ひ|世《よ》をめぐみ
|清水《しみづ》となりて|人《ひと》を|生《い》かす |神《かみ》のいさをを|称《たた》へかし
|人《ひと》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|民《たみ》
六
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|誓約《うけひ》によりて |青人草《あをひとぐさ》は|日《ひ》に|月《つき》に
|八桑枝《やくはえ》|如《な》して|栄《さか》えゆく |罪《つみ》に|汚《けが》れし|人《ひと》の|子《こ》よ
|来《き》たりてすすげ|八洲《やす》の|河《かは》 |集《つど》ひて|飲《の》めよ|由良川《ヨルダン》の
|清《きよ》き|生命《いのち》の|真清水《ましみづ》を
第四七
一
|厳《いづ》の|御魂《みたま》の|御《み》ひかりは |至《いた》らぬ|隈《くま》なく|世《よ》を|照《て》らす
|罪《つみ》に|曇《くも》りてさまよへる |人《ひと》よ|来《き》たりて|御光《みひかり》あびよ
二
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》は|月《つき》にしあれば |寝《ねむ》れる|夜《よ》の|間《ま》も|守《まも》らせ|玉《たま》ふ
|東雲《しののめ》|近《ちか》く|朝日《あさひ》の|空《そら》も |蔭《かげ》に|坐《ゐ》まして|恵《めぐ》ませ|玉《たま》ふ
三
|瑞《みづ》の|御教《みのり》を|心《こころ》にかけて |日々《ひび》の|業務《なりはひ》いそしみ|励《はげ》み
|神《かみ》の|栄光《さかえ》を|世《よ》に|広《ひろ》く あらはし|奉《まつ》らむ|道《みち》のため
第四八
一
|神《かみ》のめぐみは|天地《あめつち》の はてしも|知《し》らぬ|御国《みくに》まで
|広《ひろ》けく|高《たか》くましまして その|神業《かむわざ》は|日《ひ》に|月《つき》に
いや|新《あたら》しく|現《あ》れませり
二
|天《あめ》と|地《つち》とを|抱《いだ》きつつ |霊《たま》の|御国《みくに》には|月《つき》と|化《な》り
|天津御国《あまつみくに》には|日《ひ》と|化《な》りて |天津使《あまつつかひ》や|信徒《まめひと》の
|霊魂《みたま》をいともねもごろに |恵《めぐ》まひたまふぞ|有難《ありがた》き
|海《うみ》とあらはれ|山《やま》となり |河野《かはの》となりて|物《もの》|皆《みな》に
|生命《いのち》を|授《さづ》くる|伊都《いづ》の|神《かみ》 |瑞《みづ》の|御魂《みたま》ぞいと|尊《たか》し
三
|八束《やつか》の|生髭《なまひげ》|抜《ぬ》き|取《と》られ |手足《てあし》の|爪《つめ》まで|除《のぞ》かれて
|血潮《ちしほ》に|染《そ》まりし|瑞御霊《みづみたま》 |天津国人《あまつくにびと》|地《ち》の|上《うへ》の
|青人草《あをひとぐさ》になりかはり |千座《ちくら》の|置戸《おきど》を|負《お》ひませし
|更生主《きみ》ぞ|誠《まこと》の|母《はは》に|坐《ま》す われらの|死《し》せるたましひに
|生命《いのち》の|清水《しみづ》そそがせて |呼《よ》び|生《い》け|浄《きよ》め|大神《おほかみ》の
|貴《うづ》の|御柱《みはしら》となさしめ|玉《たま》へ ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》ぞ|慕《した》はしき
四
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》のおんめぐみ われらに|降《くだ》らせ|玉《たま》ふ|上《うへ》は
|厳《いづ》の|御楯《みたて》を|前《まへ》におき |戦《たたか》ふごとき|思《おも》ひして
|身《み》もたなしらに|道《みち》のため |御神《みかみ》のために|仕《つか》ふべし
|守《まも》らせたまへ|瑞《みづ》みたま
第四九
一
|真誠《まこと》|一《ひと》つは|荒磯《あらいそ》に |並《なら》べる|千引《ちびき》の|巌《いは》のごと
|逆捲《さかま》きかみ|付《つ》き|襲《おそ》ひ|来《く》る |浪《なみ》にも|動《ゆる》がぬ|神国魂《みくにだま》よ
二
|神《かみ》のめぐみは|由良河《ゆらがは》の |真砂《まさご》のごとくいつまでも
|数《かぞ》へつくすべき|時《とき》もなし |大海《おほうな》なせるみづの|御魂《みたま》
三
|世《よ》は|紫陽花《あぢさゐ》の|七変《ななかは》り さだめなき|身《み》の|果敢《はか》なさを
|命《いのち》の|神《かみ》にまつろひて |永久《とは》の|栄光《さかえ》を|楽《たの》しまむ
四
|山《やま》と|積《つ》みてし|身《み》の|罪《つみ》や ふかき|心《こころ》のけがれをば
みづの|御魂《みたま》の|真清水《ましみづ》に |洗《あら》はれ|清《きよ》く|世《よ》に|生《い》きむ
第五〇
一
|遠《とほ》き|神代《かみよ》の|昔《むかし》より |末《すゑ》の|末《すゑ》までわが|魂《たま》を
|守《まも》り|玉《たま》ひし|伊都《いづ》の|神《かみ》 |瑞《みづ》の|御魂《みたま》ぞ|御祖神《みおやがみ》
二
|天《あめ》と|地《つち》との|別《わか》れざる |前《まへ》より|坐《ゐ》ます|皇神《すめかみ》は
|斯世《このよ》を|造《つく》りし|御祖《みおや》なる |大国常立《おほくにとこたち》の|大神《おほかみ》ぞ
三
|千年《ちとせ》|八千年《やちとせ》|万《よろづ》の|年《とし》も |神《かみ》の|御眼《みめ》より|見《み》たまへば
|川《かは》の|水泡《みなわ》か|草《くさ》の|露《つゆ》 |短《みじか》き|夏《なつ》の|夢《ゆめ》のごとし
四
|空蝉《うつせみ》の|世《よ》の|人《ひと》の|身《み》は |消《き》えて|跡《あと》なき|草《くさ》の|露《つゆ》
|水泡《みなわ》となりて|亡《ほろ》ぶとも |永久《とは》に|滅《ほろ》びず|栄《さか》えます
まことの|神《かみ》の|御《み》ひかりを |身魂《みたま》に|浴《あ》びて|限《かぎ》りなく
|天津御国《あまつみくに》に|栄《さか》えかし |人《ひと》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|民《たみ》
五
|天《あめ》と|地《つち》とは|変《かは》るとも |永久《とは》に|動《うご》かぬ|神《かみ》の|国《くに》
|伊都《いづ》の|御座《みくら》ぞ|尊《たふと》けれ われらが|御魂《みたま》の|住《す》む|家《いへ》は
|高天原《たかあまはら》の|貴《うづ》の|国《くに》 |夜《よる》と|冬《ふゆ》なき|神《かみ》のその
第五一
一
|伊都《いづ》の|大神《おほかみ》|瑞《みづ》の|神《かみ》 |深《ふか》き|恵《めぐ》みをうかがへば
|人《ひと》の|言葉《ことば》に|尽《つく》し|得《え》ぬ |尊《たふと》きひろき|限《かぎ》りなき
はかり|知《し》られぬ|姿《すがた》なり
二
|暗《くら》き|浮世《うきよ》にふみ|迷《まよ》ひ |道《みち》を|忘《わす》れし|人《ひと》の|身《み》に
|聖《きよ》き|光《ひかり》をあたへつつ |安《やす》きにすくふ|神《かみ》の|稜威《いづ》
こころおごりし|時《とき》にまた |慈悲《なさけ》の|鞭《むち》を|加《くは》へつつ
|眼《まなこ》を|覚《さ》まし|生魂《いくたま》の |力《ちから》を|振《ふ》り|立《た》て|給《たま》ふこそ
|実《げ》にも|尊《たふと》き|神《かみ》の|恩《おん》
三
いやしき|吾等《われら》の|身《み》にあまる |厚《あつ》きめぐみを|限《かぎ》りなく
|幼《をさな》き|時《とき》よりたまひつつ |山《やま》より|高《たか》く|海《うみ》よりも
|深《ふか》き|仁愛《みろく》の|御守《おんまも》り うれしみ|畏《かしこ》み|仰《あふ》ぎまつる
四
|月《つき》と|現《あ》れます|瑞御魂《みづみたま》 あつき|恵《めぐ》みの|露《つゆ》あびて
うつし|世《よ》かくり|世《よ》|隔《へだ》てなく |神《かみ》の|功績《いさを》を|称《たた》ふべし
第二篇 |神国《みくに》の|春《はる》
第六章 |神天《しんてん》〔一五五六〕
第五二
一
|天《あめ》と|地《つち》とを|統《す》べ|給《たま》ふ |元津御神《もとつみかみ》の|御功《みいさを》を
ほめよ|称《たた》へよ|人《ひと》の|子《こ》よ |御神《みかみ》のまします|高天原《たかあまはら》の
|珍《うづ》の|宮居《みやゐ》はきらきらと |月日《つきひ》のごとく|輝《かがや》きて
|千代《ちよ》に|八千代《やちよ》に|栄《さか》えけり
二
|真《しん》と|信《しん》との|光明《くわうみやう》を みけしとなして|八重雲《やへぐも》を
|珍《うづ》の|車《くるま》となしたまひ |鳴《な》る|雷《いかづち》を|遣《つか》はして
みさきを|馳《か》けらせ|玉《たま》ひつつ |天《あめ》と|地《つち》との|諸々《もろもろ》を
|知召《しろしめ》すこそ|畏《かしこ》けれ
三
|神《かみ》の|掟《おきて》のいすくはし |落《お》つるくまなく|雪《ゆき》としき
|恵《めぐ》みの|雨《あめ》は|非時《ときじく》に |降《くだ》りて|谷間《たにま》に|溢《あふ》れつつ
|河《かは》を|渡《わた》りて|海《うみ》に|入《い》る |命《いのち》の|風《かぜ》は|永遠《とは》に|吹《ふ》き
|栄光《さかえ》の|花《はな》は|咲《さ》き|匂《にほ》ふ
四
|塵《ちり》の|浮世《うきよ》に|生《うま》れたる |汚《けが》れ|切《き》りたる|人《ひと》の|身《み》は
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|真清水《ましみづ》に |清《きよ》むる|外《ほか》に|道《みち》ぞなき
|幾世《いくよ》|変《かは》らぬ|御恵《みめぐ》みを |与《あた》へたまひし|大御神《おほみかみ》
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|御功績《みいさを》を |謹《つつし》み|感謝《かんしや》し|奉《たてまつ》れ
第五三
一
|天津御神《あまつみかみ》の|永遠《とことは》の |厳《いづ》の|恵《めぐ》みをことほぎし
|称《たた》への|歌《うた》のうるはしさ |大海原《おほうなばら》に|鼓《つづみ》うつ
|浪《なみ》の|音《ね》よりも|弥高《いやたか》く |響《ひび》く|言霊《ことたま》|勇《いさ》ましき
|晨《あした》の|風《かぜ》や|夕風《ゆふかぜ》の |音《ね》よりも|清《きよ》く|聞《き》こゆなり
二
この|世《よ》を|洗《あら》ふ|瑞御霊《みづみたま》 |天津御神《あまつみかみ》の|御言《みこと》もて
|綾《あや》の|高天《たかま》に|天降《あも》りまし |限《かぎ》り|知《し》られぬ|慈愛《いつくしみ》
|開《ひら》かせたまふ|尊《たふと》さよ その|功績《いさをし》は|現世《うつしよ》に
たとふるものも|無《な》かるべし |聖《ひじり》の|君《きみ》の|筆《ふで》にさへ
|写《うつ》さむ|術《すべ》もなかるべし
三
わが|垂乳根《たらちね》の|父母《ちちはは》の |愛《あい》より|厚《あつ》く|恵《めぐ》みまし
|千尋《ちひろ》の|海《うみ》の|底《そこ》よりも |深《ふか》き|恵《めぐ》みを|垂《た》れたまふ
|厚《あつ》き|尊《たふと》き|御心《みこころ》は |人《ひと》の|思《おも》ひの|上《うへ》に|聳《そび》え
|大空《おほぞら》よりも|弥広《いやひろ》し
四
|金銀《きんぎん》|瑪瑙《めなう》|瑠璃《るり》|〓〓《しやこう》 |七宝《しちぱう》よりも|美《うる》はしき
|誠《まこと》の|宝《たから》は|御神《みかみ》より |下《くだ》し|給《たま》へる|御宝《みたから》ぞ
アア|諸人《もろびと》よ|諸人《もろびと》よ |神《かみ》に|受《う》けたる|魂《たましひ》を
|八洲《やす》の|河原《かはら》に|禊《みそ》ぎして |清《きよ》き|身魂《みたま》となり|変《かは》り
|神《かみ》の|御前《みまへ》に|勇《いさ》ましく |仕《つか》ふる|魂《たま》となれよかし
第五四
一
|奇《く》しき|貴《たふと》き|御恵《みめぐ》みの |珍《うづ》の|光《ひかり》は|現身《うつそみ》の
|世人《よびと》の|悩《なや》む|暗路《やみぢ》をば |清《きよ》く|照《て》らさせたまふなり
|神《かみ》は|愛《あい》なり|世《よ》を|守《まも》る |人《ひと》よ|愛《あい》せよ|愛《あい》の|神《かみ》を
二
|醜《しこ》の|叢雲《むらぐも》|塞《ふさ》がりて |珍《うづ》の|御顔《みかほ》を|包《つつ》めども
|誠《まこと》の|神《かみ》は|笑《ゑ》み|栄《さか》え |光《ひか》り|輝《かがや》き|給《たま》ふなり
|神《かみ》は|愛《あい》なり|光《ひかり》なり |人《ひと》よ|愛《あい》せよ|愛《あい》の|神《かみ》を
三
|百《もも》の|禍《わざはひ》|群起《むらおこ》り |吾《わ》が|身《み》を|責《せ》むる|時《とき》さへも
|愛《あい》の|御神《みかみ》は|弥広《いやひろ》き |望《のぞ》みを|吾等《われら》に|与《あた》へつつ
いと|平《たひ》らかに|安《やす》らかに |慰《なぐさ》め|給《たま》ふぞ|尊《たふと》けれ
|神《かみ》は|愛《あい》なり|光《ひかり》なり |人《ひと》よ|愛《あい》せよ|愛《あい》の|神《かみ》を
四
|世《よ》は|紫陽花《あぢさい》の|七変《ななかは》り |河《かは》の|淵瀬《ふちせ》と|移《うつ》るとも
|恵《めぐ》みの|光《ひかり》は|永久《とこしへ》に |輝《かがや》きわたり|給《たま》ふなり
|神《かみ》は|愛《あい》なり|光《ひかり》なり |人《ひと》よ|愛《あい》せよ|愛《あい》の|神《かみ》を
第五五
一
|吾《わ》が|身《み》の|末《すゑ》は|如何《いか》にして |浮世《うきよ》を|渡《わた》るか|知《し》らねども
|恵《めぐ》みの|深《ふか》き|皇神《すめかみ》は |厳《いづ》の|御霊《みたま》や|瑞御霊《みづみたま》
この|世《よ》に|降《くだ》したまひつつ |行手《ゆくて》を|照《て》らし|禍《わざはひ》を
|科戸《しなど》の|風《かぜ》に|吹《ふ》き|払《はら》ひ |安《やす》きに|導《みちび》き|給《たま》ふべし
二
|如何《いか》なる|曲《まが》の|襲《おそ》ふとも |心《こころ》たゆまず|恐《おそ》れずに
|神《かみ》の|光《ひかり》に|従《したが》ひて ひたすら|真道《まみち》を|進《すす》むべし
|世《よ》の|人々《ひとびと》は|変《かは》りゆき |総《すべ》ての|物《もの》は|移《うつ》るとも
わが|皇神《すめかみ》の|御心《みこころ》は いや|永久《とこしへ》に|動《うご》かまじ
|賞《ほ》めよ|称《たた》へよ|神《かみ》の|徳《とく》 |慕《した》ひまつれよ|神《かみ》の|愛《あい》
三
|荒《あら》き|海路《うなぢ》を|打《う》ち|開《ひら》き |限《かぎ》りも|知《し》らぬ|沙漠《さばく》をも
|厭《いと》ひ|給《たま》はず|雨《あめ》|降《ふ》らせ |恵《めぐ》みの|露《つゆ》を|平《たひ》らけく
|与《あた》へ|給《たま》ふぞ|尊《たふと》けれ |神《かみ》は|愛《あい》なり|光《ひかり》なり
|喜《よろこ》び|敬《うやま》へ|神《かみ》の|徳《とく》 |慕《した》ひまつれよ|神《かみ》の|愛《あい》
第五六
一
|皇神《すめかみ》の|深《ふか》き|恵《めぐ》みは|伊勢《いせ》の|海《うみ》
|如何《いか》でか|知《し》らむ|底《そこ》の|心《こころ》を
二
|罪汚《つみけが》れ|吾《わ》が|過《あやま》ちを|憐《あは》れみて
|赦《ゆる》すは|神《かみ》の|力《ちから》なりけり
三
|許々多久《ここたく》の|犯《をか》せる|罪《つみ》を|浄《きよ》めむと
|開《ひら》かせ|給《たま》ひぬ|命《いのち》の|門《かど》を
四
ためらはで|御神《みかみ》のかたに|任《まか》せかし
|罪《つみ》の|重荷《おもに》も|助《たす》けたまはむ
五
|皇神《すめかみ》の|清《きよ》めの|道《みち》を|聞《き》く|人《ひと》は
|人《ひと》より|幸《さち》の|多《おほ》き|身魂《みたま》ぞ
六
|言《こと》の|葉《は》に|称《たた》へ|尽《つく》せぬ|皇神《すめかみ》の
|恵《めぐ》みに|酬《むく》ふ|術《すべ》もなきかな
第五七
一
|高《たか》き|恵《めぐ》みはスメールの |珍《うづ》の|御山《みやま》の|白雪《しらゆき》に
|朝日《あさひ》|輝《かがや》く|如《ごと》くなり |天教山《てんけうざん》や|地教山《ちけうざん》
|高天原《たかあまはら》の|霊場《れいぢやう》の |姿《すがた》も|如何《いか》で|及《およ》ばむや
|神《かみ》は|愛《あい》なり|光《ひかり》なり
二
|厳《いづ》の|恵《めぐ》みはいと|深《ふか》し |窺《うかが》ふよしも|荒波《あらなみ》の
|千尋《ちひろ》の|海《うみ》も|如《し》かざらめ |夕日《ゆふひ》|輝《かがや》く|十和田湖《とわだこ》の
|水《みづ》にも|勝《まさ》り|深《ふか》きかな |神《かみ》は|愛《あい》なり|光《ひかり》なり
三
|瑞《みづ》の|恵《めぐ》みはいと|広《ひろ》し |空《そら》|打《う》ち|仰《あふ》ぐ|青雲《あをくも》の
|棚曳《たなび》くかぎり|白雲《しらくも》の |降居《おりゐ》むかふす|果《はて》までも
|限《かぎ》りあらしの|真砂地《まさごぢ》に |三五《さんご》の|月《つき》の|澄《す》みわたる
|蒙古《もうこ》の|野《の》にも|弥勝《いやまさ》る |霊《みたま》の|海《うみ》の|広《ひろ》きかな
|神《かみ》は|愛《あい》なり|光《ひかり》なり
第五八
一
|此《この》|世《よ》に|生《い》きとし|生《い》けるもの こぞりて|迎《むか》へ|奉《たてまつ》れ
|三千年《さんぜんねん》の|昔《むかし》より |待《ま》ちに|待《ま》ちたる|更生主《すくひぬし》
|厳《いづ》の|御霊《みたま》は|現《あ》れましぬ |瑞《みづ》の|御霊《みたま》は|現《あ》れましぬ
|五六七《みろく》の|御世《みよ》は|近《ちか》づきぬ
二
|堅《かた》く|鎖《とざ》せる|鉄《くろがね》の |厳《いづ》の|扉《とびら》を|打《う》ち|開《ひら》き
|擒《とりこ》となりし|罪人《つみびと》を |放《はな》ちて|許《ゆる》す|更生主《すくひぬし》
|厳《いづ》の|御霊《みたま》は|現《あ》れましぬ |瑞《みづ》の|御霊《みたま》は|現《あ》れましぬ
|五六七《みろく》の|御代《みよ》は|近《ちか》づきぬ
三
|天《あめ》と|地《つち》との|常世《とこよ》ゆく |常夜《とこよ》の|闇《やみ》を|打《う》ち|開《ひら》き
|照《て》らさせ|給《たま》ふ|御光《みひかり》と |厳《いづ》の|御霊《みたま》は|現《あ》れましぬ
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》は|現《あ》れましぬ |五六七《みろく》の|御世《みよ》は|近《ちか》づきぬ
四
|悩《なや》み|萎《しを》れし|村肝《むらきも》の |心《こころ》の|花《はな》を|馨《かを》らせて
|恵《めぐ》みの|露《つゆ》を|垂《た》れたまふ |厳《いづ》の|御霊《みたま》は|現《あ》れましぬ
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》は|現《あ》れましぬ |五六七《みろく》の|御代《みよ》は|近《ちか》づきぬ
五
|高天原《たかあまはら》の|主《ぬし》と|坐《ま》す |誠《まこと》の|神《かみ》の|一人子《ひとりご》と
|現《あら》はれたまひし|更生主《すくひぬし》 その|御功績《みいさを》を|信徒等《まめひとら》
|賞《ほ》めよ|称《たた》へよ|真心《まごころ》に |賞《ほ》めよ|称《たた》へよ|真心《まごころ》に
|賞《ほ》めよ|称《たた》へよ|神《かみ》の|御子《みこ》を
第五九
一
|勇《いさ》み|喜《よろこ》べ|人《ひと》の|子《こ》よ |命《いのち》の|神《かみ》は|現《あ》れましぬ
|闇《やみ》にとざせし|胸《むね》の|戸《と》を |神《かみ》の|御声《みこゑ》に|打《う》ち|開《ひら》き
|迎《むか》へ|奉《まつ》れよ|瑞御霊《みづみたま》 |神《かみ》は|愛《あい》なり|力《ちから》なり
二
|神《かみ》の|恵《めぐ》みの|御光《みひかり》は |天地《あめつち》|四方《よも》に|充《み》ち|足《た》らふ
|天津神人《あまつかみびと》はじめとし |蒼生《あをひとぐさ》も|諸共《もろとも》に
|珍《うづ》の|光《ひかり》を|謳《うた》へかし |神《かみ》は|愛《あい》なり|権威《ちから》なり
三
|醜曲神《しこまがかみ》に|呪《のろ》はれし |暗《くら》き|国《くに》にも|皇神《すめかみ》の
|恵《めぐ》みの|光《ひかり》|充《み》ちぬれば |茨《いばら》も|生《は》えず|曲《まが》もなく
|幸《さちは》ひあれと|祝《いは》ひ|玉《たま》ふ |神《かみ》は|愛《あい》なり|権威《ちから》なり
四
|神《かみ》が|表《おもて》に|現《あら》はれて |善《ぜん》と|悪《あく》とを|立《た》て|別《わ》ける
|此《この》|世《よ》を|造《つく》りし|神直日《かむなほひ》 |心《こころ》も|広《ひろ》き|大直日《おほなほひ》
|唯《ただ》|何事《なにごと》も|人《ひと》の|世《よ》は |神《かみ》の|御胸《みむね》に|任《まか》しつつ
われ|人《ひと》ともに|赤心《まごころ》を |捧《ささ》げて|仕《つか》へまつるべし
|神《かみ》は|愛《あい》なり|権威《ちから》なり
第六〇
一
|暗世《やみよ》を|照《て》らす|朝日子《あさひこ》の |光《ひかり》は|清《きよ》く|昇《のぼ》りけり
|罪《つみ》に|迷《まよ》へる|人々《ひとびと》よ |来《き》たりて|仰《あふ》げ|御光《みひかり》を
|愛《あい》の|御徳《みとく》に|充《み》てる|更生主《きみ》 |輝《かがや》き|玉《たま》へり|現世《うつしよ》に
|悩《なや》める|人《ひと》よ|逸早《いちはや》く |集《つど》ひ|来《き》たりて|御恵《みめぐ》みの
|露《つゆ》の|御玉《みたま》を|浴《あ》びよかし
二
|智慧《ちゑ》と|権威《ちから》に|充《み》ちたまふ |命《いのち》の|主《きみ》は|現《あ》れませり
|虐《しひた》げられし|人々《ひとびと》よ |集《あつ》まり|来《き》たりてひたすらに
|平安《やすき》と|栄光《さかえ》と|歓喜《よろこび》を |下《くだ》したまへと|願《ね》ぎまつれ
|五六七《みろく》の|神代《みよ》も|近《ちか》づきて |霊《たま》の|国《くに》より|瑞御霊《みづみたま》
|天津国《あまつくに》より|厳御霊《いづみたま》 |世界《せかい》|十字《じふじ》に|踏《ふ》み|鳴《な》らし
|豊葦原《とよあしはら》の|中津国《なかつくに》 その|真秀良場《まほらば》に|照《て》り|玉《たま》ふ
ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》 |神《かみ》の|御心《みこころ》|有難《ありがた》き
三
|憂《う》きを|慰《なぐさ》め|浄《きよ》めます |瑞《みづ》の|御霊《みたま》は|現《あ》れましぬ
|悩《なや》み|苦《くる》しむ|人々《ひとびと》は |来《き》たりて|珍《うづ》の|御前《おんまへ》に
|心《こころ》のたけを|告《つ》げまつれ |生命《いのち》を|賜《たま》ふ|神《かみ》の|御子《みこ》
|鳩《はと》の|如《ごと》くに|下《くだ》りましぬ |罪《つみ》と|汚《けが》れに|死《し》せし|人《ひと》
|来《き》たりて|生《い》きよ|神《かみ》の|前《まへ》
四
|現世《うつしよ》|幽世《かくりよ》もろともに |生《い》かさせ|給《たま》ふ|瑞御霊《みづみたま》
|綾《あや》の|聖地《せいち》に|下《くだ》りましぬ |貴《たか》き|卑《ひく》きの|隔《へだ》てなく
|老《おい》も|若《わか》きもおしなべて |来《き》たりて|祝《いは》へ|神《かみ》の|徳《とく》
五
|天《あめ》と|地《つち》とを|統《す》べたまふ |大国常立大御神《おほくにとこたちおほみかみ》
|光《ひかり》となりて|現《あ》れましぬ |蒼生《あをひとぐさ》はいふも|更《さら》
|山河草木《さんかそうもく》|一時《ひととき》に |動《どよ》みて|謳《うた》ふ|神《かみ》の|御代《みよ》
ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》 |恩頼《みたまのふゆ》ぞ|尊《たふと》けれ
第六一
一
|神々達《かみがみたち》は|栄《さか》えませ |大地《だいち》は|安《やす》く|穏《おだや》かに
|蒼生《あをひとぐさ》の|身魂《みたま》には |幸《さち》あれかしと|謳《うた》ひます
|御使達《みつかひたち》の|称《たた》へ|言《ごと》 |御歌《みうた》を|聞《き》きて|諸人《もろびと》よ
|共《とも》に|喜《よろこ》び|謳《うた》ひつつ |再《ふたた》び|此《この》|世《よ》に|現《あ》れましし
|命《いのち》の|主《きみ》を|称《たた》へかし
二
|世《よ》を|久方《ひさかた》の|神代《かみよ》より |定《さだ》めたまひし|時《とき》|来《き》たり
|救《すく》ひの|御手《みて》を|伸《の》べたまひ |天津御座《あまつみくら》を|立《た》ち|給《たま》ひ
|八重棚雲《やへたなぐも》を|掻《か》き|分《わ》けて |綾《あや》の|高天《たかま》に|下《くだ》りまし
いとも|卑《いや》しき|賤《しづ》の|女《め》の |身魂《みたま》に|宿《やど》りたまひつつ
|世人《よびと》の|中《なか》に|交《まじ》こりて |厳《いづ》の|御霊《みたま》の|御柱《みはしら》と
|現《あ》れます|教《をしへ》の|教祖神《みおやがみ》 |称《たた》へ|奉《まつ》れよ|信徒《まめひと》よ
三
|厳《いづ》の|御霊《みたま》は|東雲《しののめ》の |御空《みそら》を|照《て》らして|昇《のぼ》ります
|朝日《あさひ》のごとく|輝《かがや》きて |厳《いづ》の|光《ひかり》を|世《よ》に|放《はな》ち
|暗《くら》き|浮世《うきよ》を|照《て》らしつつ |地《つち》より|生《あ》れし|人《ひと》の|子《こ》に
|尽《つ》きぬ|生命《いのち》を|与《あた》へむと |国常立《くにとこたち》の|命《みこと》もて
|現《あら》はれましし|神柱《かむばしら》 |称《たた》へ|奉《まつ》れよ|信徒《まめひと》よ
|元津国《もとつくに》なる|神国《かみくに》に |生《う》まれあひたる|人々《ひとびと》よ
(大正一二・五・二 旧三・一七 明子録)
第七章 |神地《しんち》〔一五五七〕
第六二
一
|天津御空《あまつみそら》に|集《つど》ひます |神《かみ》の|使《つかひ》よ|詳細《まつぶさ》に
|洽《あまね》く|世人《よびと》に|伝《つた》へませ |珍《うづ》の|聖地《せいち》に|逸早《いちはや》く
|来《き》たりて|拝《をが》めよ|厳御魂《いづみたま》 |瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御柱《みはしら》をと
二
|教《をしへ》を|伝《つた》ふる|神司《かむつかさ》 |身《み》もたなしらに|励《いそし》みて
|空《そら》より|来《き》たる|清《きよ》めの|神《かみ》の |声《こゑ》を|畏《かしこ》み|逸早《いちはや》く
|厳《いづ》の|御魂《みたま》や|瑞御魂《みづみたま》 |下《くだ》りましたる|綾《あや》の|園《その》
|来《き》たりて|拝《をが》めよ|清《きよ》めの|主《きみ》を
三
|形《かたち》の|上《うへ》に|囚《とら》はれし |学《まな》びの|司《つかさ》よ|逸早《いちはや》く
|綾《あや》の|聖地《せいち》にあれ|給《たま》ふ |此上《こよ》なく|尊《たふと》き|御光《みひかり》を
|尋《たづ》ね|来《き》たりて|大稜威《おほみいづ》 |崇《あが》め|奉《まつ》れよ|厳御魂《いづみたま》
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|清《きよ》めの|主《きみ》を
四
|神《かみ》の|御霊《みたま》を|宿《やど》したる |翁嫗《おきなおうな》よ|逸早《いちはや》く
|綾《あや》の|御《み》そのに|上《のぼ》り|来《き》て |清《きよ》めの|主《きみ》の|御前《おんまへ》に
|心《こころ》のかぎり|告《つ》げ|奉《まつ》れ |汝等《なれら》を|浄《きよ》めむ|其《その》ために
|天《あめ》より|降《くだ》りし|瑞御魂《みづみたま》 |五六七《みろく》の|神《かみ》の|御前《おんまへ》に
五
|寄辺渚《よるべなぎさ》の|捨小舟《すてをぶね》 とりつく|島《しま》もなくばかり
|憂《うれ》ひに|沈《しづ》む|人々《ひとびと》よ |綾《あや》の|聖地《せいち》に|上《のぼ》り|来《き》て
|清《きよ》めの|主《きみ》を|伏《ふ》し|拝《をが》み |身魂《みたま》を|清《きよ》く|明《あき》らけく
|鍛《きた》へ|奉《まつ》れよ|神《かみ》の|前《まへ》 |五六七《みろく》の|神《かみ》は|天降《あも》りまし
|恵《めぐ》みの|御手《みて》を|伸《の》べさせて |汝《なれ》が|身魂《みたま》を|救《すく》ふべし
ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》 |神《かみ》の|御稜威《みいづ》ぞ|尊《たふと》けれ
第六三
一
|天津使《あまつつかひ》の|宣《の》る|歌《うた》は |御空《みそら》を|渡《わた》り|地《ち》に|響《ひび》く
|神《かみ》の|一人子《ひとりご》と|現《あ》れませる |瑞《みづ》の|御魂《みたま》は|御空《みそら》より
|地上《ちじやう》に|降《くだ》り|給《たま》ひぬと
二
|更生主《きみ》は|降《くだ》りて|世《よ》のために |賤《しづ》の|御舟《みふね》となり|給《たま》ひ
|宝座《みくら》となりて|現世《うつしよ》の |穢《けが》れし|人《ひと》の|身魂《みたま》をば
|珍《うづ》の|宮居《みやゐ》となし|給《たま》ふ
三
|高《たか》き|低《ひく》きも|押《お》し|並《な》べて |神《かみ》の|御子《みこ》なる|厳御魂《いづみたま》
|清《きよ》めの|主《きみ》を|祝《いは》ひませ |望《のぞ》みの|光《ひかり》の|天地《あめつち》に
|充《み》てる|東《あづま》の|月光《つきかげ》を |称《たた》へ|奉《まつ》れよ|人《ひと》の|子《こ》よ
四
|厳《いづ》の|御魂《みたま》よ|瑞御魂《みづみたま》 |吾等《われら》を|清《きよ》むる|神柱《かむばしら》
|御側《みそば》に|近《ちか》く|吾《わ》が|魂《たま》を |住《す》まはせ|給《たま》へ|現身《うつそみ》の
|生命《いのち》の|更生主《きみ》よ|永遠《とこしへ》に |吾等《われら》と|共《とも》にましませよ
第六四
一
|三千年《みちとせ》あまる|古《いにしへ》に |初《はじ》めて|天《あめ》より|降《くだ》りまし
|御代《みよ》を|守《まも》りし|厳御魂《いづみたま》 |瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|訪《おとづ》れを
あかして|此処《ここ》に|千万《ちよろづ》の |妙《たへ》なる|歌《うた》となりにけり
二
|世《よ》を|艮《うしとら》に|隠《かく》れたる |厳《いづ》の|御魂《みたま》の|表《あら》はれて
|三千世界《さんぜんせかい》の|梅《うめ》の|花《はな》 |薫《かを》る|常磐《ときは》の|春《はる》は|来《き》ぬ
|二度《ふたたび》|天《あま》の|岩屋戸《いはやど》を |開《ひら》きて|暗夜《やみよ》を|照《て》らします
その|神業《かむわざ》を|祝《ことほ》ぎて |今《いま》|千万《ちよろづ》の|称《たた》へ|歌《うた》
いとも|清《きよ》けくなりにけり
三
|老《おい》も|若《わか》きも|皆《みな》|歌《うた》へ |恵《めぐ》みの|日光《ひかげ》は|春《はる》のごと
|長閑《のどか》に|天地《てんち》に|輝《かがや》きて |冬《ふゆ》の|夜半《よは》さへ|春景色《はるげしき》
|変《かは》りし|五六七《みろく》の|神《かみ》の|世《よ》を |祝《いは》ひて|百千《ももち》の|歌《うた》|成《な》れり
四
|八十路《やそぢ》の|坂《さか》を|越《こ》えながら |罪《つみ》の|重荷《おもに》を|負《お》ひたまひ
|世人《よびと》を|清《きよ》め|助《たす》けむと |国常立《くにとこたち》の|命《みこと》もて
|現《あら》はれ|給《たま》ひし|厳御魂《いづみたま》 その|御恵《みめぐ》みを|称《たた》へむと
|百千万《ももちよろづ》の|歌《うた》|成《な》れり
第六五
一
|青人草《あをひとぐさ》に|御恵《みめぐ》みの |露《つゆ》をば|降《ふ》らせ|荒金《あらがね》の
|土《つち》には|平安《やすき》を|来《き》たしつつ |神《かみ》には|御栄光《みさかえ》あれかしと
|謳《うた》ふも|清《きよ》き|神《かみ》の|御子《みこ》 |天津使《あまつつかひ》の|涼《すず》しげに
|謳《うた》ふ|御声《みこゑ》は|春霞《はるがすみ》 |遥《はる》かに|更《ふ》けゆく|夜《よ》の|耳《みみ》に
いと|賑《にぎ》はしく|響《ひび》きけり
二
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|更生主《すくひぬし》 |数多《あまた》の|使《つかひ》ともろともに
つかれし|此《この》|世《よ》を|守《まも》らむと |綾《あや》の|高天《たかま》に|降《くだ》りまし
|騒《さや》ぎ|悲《かな》しむ|都路《みやこぢ》や |苦《くる》しみ|悩《なや》む|鄙《ひな》にさへ
|慰《なぐさ》め|与《あた》ふる|言霊《ことたま》の |栄光《さかえ》の|歌《うた》を|宣《の》り|給《たま》ふ
三
|罪《つみ》の|重荷《おもに》を|背負《せお》ひつつ |浮世《うきよ》の|旅路《たびぢ》に|行《ゆ》き|悩《なや》む
いとも|憐《あは》れな|人《ひと》の|子《こ》よ |頭《かしら》をもたげて|大空《おほぞら》に
|輝《かがや》き|渡《わた》る|喜《よろこ》びの |光《ひかり》を|謳《うた》ふ|神人《かみびと》の
いと|楽《たの》しげな|御声《みこゑ》をば |聞《き》きて|安《やす》けく|憩《いこ》へかし
四
|天津御国《あまつみくに》の|御使《みつかひ》の |清《きよ》けき|歌《うた》に|地《ち》の|上《うへ》は
|平安《やすき》と|栄光《さかえ》と|歓喜《よろこび》の |雨《あめ》はしきりに|降《ふ》り|来《き》たる
|代々《よよ》の|聖者《ひじり》のあこがれて |待《ま》ちに|待《ま》ちたる|神国《かみくに》に
|五六七《みろく》の|神《かみ》を|仰《あふ》ぎ|見《み》て |清《きよ》めの|主《きみ》と|称《たた》へつつ
|普《あまね》く|此《この》|世《よ》に|住《す》める|民《たみ》 |声《こゑ》を|揃《そろ》へて|御恵《みめぐ》みの
|広《ひろ》き|厚《あつ》きを|謳《うた》はなむ
第六六
一
|心《こころ》の|限《かぎ》り|身《み》のかぎり |天津御神《あまつみかみ》や|国津神《くにつかみ》
|拝《をろが》み|奉《まつ》り|吾《わ》が|魂《たま》を |清《きよ》め|助《たす》くる|瑞御魂《みづみたま》
|功績《いさを》を|称《たた》へて|勇《いさ》みたつ
二
|卑《いや》しきこの|身《み》も|捨《す》てまさず |御使人《みつかひびと》となし|玉《たま》ひ
|堅磐常磐《かきはときは》の|御末《みすゑ》まで |恩頼《みたまのふゆ》を|幸《さち》はひて
|恵《めぐ》ませ|玉《たま》ふ|嬉《うれ》しさよ
三
|神《かみ》の|御名《おんな》はいと|清《きよ》く その|神業《かむわざ》は|畏《かしこ》けれ
|世々《よよ》に|絶《た》えせぬ|慈愛《いつくしみ》 |真心《まごころ》こめて|朝夕《あさゆふ》に
|伊仕《いつか》ひ|奉《まつ》る|人《ひと》こそは |宇豆《うづ》の|恵《めぐ》みを|受《う》くるなり
四
|憂瀬《うきせ》に|落《お》ちて|悩《なや》みたる |孱弱《かよわ》き|人《ひと》を|救《すく》ひ|上《あ》げ
|高天原《たかあまはら》の|神国《かみくに》に |進《すす》ませ|給《たま》ふ|有難《ありがた》さ
|心《こころ》|驕《おご》れる|曲神《まががみ》を |言向和《ことむけやは》し|雲霧《くもきり》も
|朝《あした》の|御霧《みきり》と|打《う》ち|払《はら》ひ |守《まも》らせ|給《たま》ふ|尊《たふと》さよ
五
|此《この》|世《よ》を|照《て》らす|神《かみ》の|子《こ》の |御裔《みすゑ》を|永久《とは》に|省《かへり》みて
|五十鈴《いすず》の|川《かは》の|流《なが》れをば |忘《わす》れ|玉《たま》はず|永久《とこしへ》に
|洗《あら》はせ|玉《たま》ふ|瑞御魂《みづみたま》 その|功績《いさをし》ぞ|尊《たふと》けれ
第六七
一
|御空《みそら》に|清《きよ》く|澄《す》み|渡《わた》り |響《ひび》くは|何《なに》の|調《しらべ》ぞや
|天津使《あまつつかひ》の|寄《よ》り|合《あ》ひて |神《かみ》の|稜威《みいづ》の|妙《たへ》なるを
|歌《うた》ひ|舞《ま》ひつつ|叫《さけ》ぶ|声《こゑ》
二
|世《よ》の|大本《おほもと》を|造《つく》らしし |誠《まこと》|一《ひと》つの|皇神《すめかみ》に
|御栄《みさか》えあれとすがしくも |合《あ》ひたる|歌《うた》の|声《こゑ》|清《きよ》し
三
|神《かみ》の|恵《めぐ》みの|訪《おとづ》れは |高天原《たかあまはら》は|言《い》ふも|更《さら》
|豊葦原《とよあしはら》のはてまでも |神《かみ》のまにまに|響《ひび》き|行《ゆ》く
四
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|更生主《すくひぬし》 |天津御神《あまつみかみ》の|御言《みこと》もて
|地上《ちじよう》に|生《う》まれ|給《たま》ひけり |島《しま》の|八十島《やそしま》|八十《やそ》の|国《くに》
|至《いた》らぬ|隈《くま》なく|住《す》む|人《ひと》は |清《きよ》く|迎《むか》へて|御栄光《みさかえ》の
|誠《まこと》の|更生主《きみ》と|仰《あふ》ぐべし ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|五六七《みろく》の|御代《みよ》ぞ|有難《ありがた》き
第六八
一
|厳《いづ》の|御魂《みたま》の|清《きよ》め|主《ぬし》 |天《あめ》より|降《くだ》り|玉《たま》ひけり
|求《ま》ぎてや|行《ゆ》かむ|綾《あや》の|里《さと》 |清《きよ》き|御声《みこゑ》を|聞《き》かむため
二
|賤《しづ》が|伏屋《ふせや》に|生《あ》れましし |教御祖《をしへみおや》の|厳御魂《いづみたま》
|直日《なほひ》の|主《ぬし》の|神代《かみしろ》は |誠《まこと》の|神《かみ》の|御柱《みはしら》ぞ
|仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|百人《ももびと》よ
三
|天《あめ》にまします|皇神《すめかみ》に |御栄光《みさかえ》あれと|歌《うた》ひつる
|天津使《あまつつかひ》の|声《こゑ》すなり この|地《ち》の|上《うへ》に|住《す》む|人《ひと》も
|皆《みな》|押《お》し|並《な》べて|御光《みひかり》を |賞《ほ》め|称《たた》へつつ|村肝《むらきも》の
|心《こころ》の|玉《たま》を|研《みが》くべし いや|永久《とこしへ》の|御言葉《みことば》は
|今《いま》あらためて|降《くだ》りけり |五六七《みろく》の|御代《みよ》の|来《き》たる|日《ひ》を
|待《ま》ち|佗《わ》びゐたりし|諸人《もろびと》よ おのが|御幸《みさち》を|祝《いは》ふべし
第六九
一
|御空《みそら》に|閃《ひら》めく|千万《ちよろづ》の |伊都《いづ》の|星光《ほしかげ》|眺《なが》むれば
|神《かみ》の|御威稜《みいづ》を|永遠《とこしへ》に |謳《うた》ひ|奉《まつ》れど|罪人《つみびと》の
|清《きよ》めの|頼《たよ》りと|仰《あふ》ぎてし |光《ひかり》は|高《たか》き|花明山《かめやま》の
|御空《みそら》に|輝《かがや》く|三《み》つの|星《ほし》
二
|黒白《あやめ》も|分《わか》ぬ|暗《やみ》の|夜《よ》に |嵐《あらし》は|烈《はげ》しく|吹《ふ》き|猛《たけ》り
|荒《あ》れに|荒《あ》れたる|海原《うなばら》に |漂《ただよ》ふ|舟《ふね》は|危《あや》ふくも
|今《いま》や|沈《しづ》むと|死《し》を|待《ま》ちし |悲《かな》しき|時《とき》に|只《ただ》|一《ひと》つ
|望《のぞ》みとなりしは|花明山《かめやま》の |空《そら》に|輝《かがや》く|三《み》つの|星《ほし》
三
|嵐《あらし》を|残《のこ》し|暗《やみ》を|後《あと》に |見捨《みす》てて|船路《ふなぢ》|恙《つつが》なく
|神《かみ》の|港《みなと》に|来《き》たりけり |今《いま》より|夜《よ》な|夜《よ》な|畏《おそ》れ|謹《つつし》みて
|御空《みそら》を|仰《あふ》ぎ|手《て》を|拍《う》ちて |称《たた》へ|謳《うた》はむ|花明山《かめやま》の
|空《そら》に|輝《かがや》く|三《み》つの|星《ほし》
第七〇
一
|野山《のやま》の|草木《くさき》も|花《はな》|咲《さ》く|春《はる》を |焦《こが》れて|楽《たの》しく|眠《ねむ》りつつ
|木枯《こがらし》|荒《すさ》ぶ|冬《ふゆ》の|夜《よ》の |悩《なや》みも|知《し》らぬ|神心《かみごころ》
|天《あめ》と|地《つち》とに|隈《くま》もなく |望《のぞ》みは|充《み》ちて|月《つき》の|神《かみ》
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御誓《みちか》ひの なる|日《ひ》を|静《しづ》かに|待《ま》ち|暮《くら》す
|人《ひと》こそ|実《げ》にも|尊《たふと》けれ
二
|雨《あめ》と|露《つゆ》との|霑《うるほ》ひに |百《もも》の|草木《くさき》も|茂《しげ》るなり
|草木《くさき》によりて|諸々《もろもろ》の |生《い》きたるものは|皆《みな》|育《そだ》つ
おのれの|命《いのち》を|捨《す》ててこそ |始《はじ》めて|愛《あい》の|御業《みわざ》をば
|詳細《うまら》に|委曲《つばら》に|遂《と》ぐるなり
三
|元津御祖《もとつみおや》の|皇神《すめかみ》も |背《そむ》きし|御子《みこ》を|憐《あは》れみて
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|珍《うづ》の|子《こ》に |千座《ちくら》の|置戸《おきど》を|負《お》はせつつ
|世人《よびと》のために|御空《みそら》より |降《くだ》し|玉《たま》へる|有難《ありがた》さ
|限《かぎ》りも|知《し》らぬ|皇神《すめかみ》の |恵《めぐ》みの|露《つゆ》の|畏《かしこ》さを
|如何《いか》にうつさむ|術《すべ》もなし
四
|天津御空《あまつみそら》に|御使《みつかひ》の |輝《かがや》く|群《むれ》を|伏《ふ》し|拝《をが》め
|涼《すず》しく|響《ひび》く|琴《こと》の|音《ね》に いとも|清《きよ》けく|耳《みみ》すませ
|妙《たへ》なる|神《かみ》の|御歌《おんうた》に |寄《よ》りて|御国《みくに》とこの|世界《せかい》
|日月《いき》の|調《しらべ》は|整《ととの》ひぬ
五
|背《そむ》きし|仇《あだ》を|弥深《いやふか》く |慈《いつくし》みます|瑞御魂《みづみたま》
|此《この》|世《よ》の|清《きよ》めの|御柱《みはしら》と |貴《うづ》の|聖地《せいち》に|現《あ》れましぬ
いざ|人々《ひとびと》よ|身《み》も|魂《たま》も |捧《ささ》げて|今宵《こよひ》の|御恵《みめぐ》みを
|心《こころ》の|限《かぎ》り|祝《いは》へかし
六
|天地《てんち》も|清《きよ》き|今宵《こよひ》こそ |昔《むかし》の|神代《かみよ》ぞ|偲《しの》ばるる
|島《しま》の|八十島《やそしま》|八十《やそ》の|国《くに》 |神《かみ》の|御国《みくに》と|変《かは》り|行《ゆ》く
|五六七《みろく》の|末《すゑ》の|代《よ》|偲《しの》ぶ|時《とき》 |喜《よろこ》び|溢《あふ》れて|歌《うた》となりぬ
第七一
一
|東《あづま》の|空《そら》に|輝《かがや》ける |星《ほし》をしるべに|道《みち》|遠《とほ》く
たづね|来《き》たりし|識者《ものしり》が |救《すく》ひの|御子《みこ》に|会《あ》ひしごと
|今《いま》も|吾等《われら》を|御前《おんまへ》に |導《みちび》きたまへと|願《ね》ぎまつる
二
|喜《よろこ》び|胸《むね》に|充《み》ち|溢《あふ》れ |天津御神《あまつみかみ》の|一人子《ひとりご》を
|馬槽《ばさう》に|近《ちか》づき|拝《をが》みたる |人《ひと》の|如《ごと》くに|吾々《われわれ》も
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|更生主《すくひぬし》 |仰《あふ》がせたまへと|願《ね》ぎ|奉《まつ》る
三
|竜《たつ》の|宮居《みやゐ》の|皇神《すめかみ》の |授《さづ》け|玉《たま》ひし|玉手筥《たまてばこ》
|開《ひら》きし|如《ごと》く|大前《おほまへ》に |礼代《いやしろ》|通《とほ》して|吾《わ》が|宝《たから》
|一《ひと》つも|残《のこ》さず|大前《おほまへ》に いたさせ|玉《たま》へと|願《ね》ぎ|奉《まつ》る
四
|狭《せま》き|野道《のみち》も|嶮《けは》しき|坂《さか》も |踏《ふ》みあやまらで|草枕《くさまくら》
|旅路《たびぢ》|終《をは》らば|望月《もちづき》の しるべを|頼《たよ》らむ|神国《かみくに》に
|入《い》らしめ|玉《たま》へと|願《ね》ぎ|奉《まつ》る
五
|天津御国《あまつみくに》を|永遠《とこしへ》に |照《て》らす|光《ひかり》は|現世《うつしよ》の
|目《め》に|見《み》る|月日《つきひ》に|非《あら》ずして |永遠《とは》の|栄光《さかえ》の|御神《みかみ》なり
|神《かみ》の|御子《おんこ》と|生《う》まれたる |吾等《われら》は|朝夕《あさゆふ》|潔《いさぎよ》く
|神《かみ》の|称《たた》への|御声《おんこゑ》を |歌《うた》はせたまへと|祈《ね》ぎ|奉《まつ》る
(大正一二・五・二 旧三・一七 隆光録)
第八章 |神台《しんだい》〔一五五八〕
第七二
一
|此《この》|世《よ》を|造《つく》り|固《かた》めたる |元津御祖《もとつみおや》の|大神《おほかみ》の
|天降《あも》り|玉《たま》ひて|諸人《もろびと》の |罪《つみ》や|穢《けが》れを|清《きよ》めつつ
やすきに|生《い》かせ|玉《たま》ふなる |五六七《みろく》の|御代《みよ》は|近《ちか》づきぬ
ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》 |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|伊都御魂《いづみたま》
二
|綾《あや》の|高天《たかま》の|蓮華台《れんげだい》 |珍《うづ》の|御祭《みまつり》なす|毎《ごと》に
|御空《みそら》は|清《きよ》く|地《ち》の|上《うへ》は |恵《めぐ》みの|雨《あめ》に|霑《うるほ》ひて
|歓喜《くわんき》の|花《はな》は|咲《さ》き|匂《にほ》ふ |平和《へいわ》の|流《なが》れは|由良《ゆら》の|川《かは》
|清《きよ》めの|水《みづ》は|滔々《たうたう》と |溢《あふ》るるばかり|澄《す》み|渡《わた》る
|美都《みづ》の|御魂《みたま》の|御功績《おんいさを》 |喜《よろこ》び|祝《いは》ひ|奉《たてまつ》れ
三
|粟《あは》なす|百《もも》の|王《きみ》たちは |神《かみ》の|御前《みまへ》に|平伏《ひれふ》して
|黄金《こがね》|白銀《しろがね》|珍宝《うづたから》 |貢物《みつぎ》となして|奉《たてまつ》り
|世人《よびと》のために|祈《いの》りをば |日《ひ》ごと|夜《よ》ごとに|捧《ささ》げつつ
|五六七《みろく》の|御代《みよ》を|嬉《うれ》しみて |心《こころ》のかぎり|恋慕《こひした》ふ
|神《かみ》の|御稜威《みいづ》ぞ|畏《かしこ》けれ |神《かみ》の|光《ひかり》ぞ|尊《たふと》けれ
第七三
一
|東《あづま》の|空《そら》に|輝《かがや》きし |五六七《みろく》の|御代《みよ》を|三《み》つ|星《ぼし》や
|光《ひかり》を|下界《げかい》に|放《はな》ちつつ |清《きよ》めの|主《きみ》の|在《ま》す|村《むら》に
しるべとなりて|闇《やみ》の|夜《よ》に |迷《まよ》ふ|人々《ひとびと》|導《みちび》けよ
二
|雨《あめ》|洩《も》り|柱《はしら》|歪《ゆが》みたる |賤《しづ》が|伏屋《ふせや》に|産声《うぶごゑ》を
あげし|清《きよ》めの|瑞御魂《みづみたま》 |天《あめ》と|地《つち》との|神人《かみびと》の
|司《つかさ》となりて|世《よ》に|出《い》づる |神《かみ》の|仕組《しぐみ》ぞ|畏《かしこ》けれ
三
|四方《よも》の|国人《くにびと》いち|早《はや》く |深山《みやま》の|奥《おく》に|分《わ》け|入《い》りて
|黄金《こがね》|白銀《しろがね》|珍宝《うづたから》 |芽出《めで》たきものを|取集《とりあつ》め
|神世《かみよ》の|柱《はしら》とあれませる |浄《きよ》めの|主《きみ》に|真心《まごころ》を
つくして|捧《ささ》げ|奉《たてまつ》れ
四
|百千万《ももちよろづ》の|珍宝《うづたから》 |御前《みまへ》に|貢《みつ》ぎ|奉《たてまつ》り
|真心《まごころ》こめて|仕《つか》ふとも |神《かみ》の|恵《めぐ》みに|比《くら》ぶれば
|大海原《おほうなばら》に|漂《ただよ》へる |波《なみ》の|沫《しぶき》の|一《ひと》つだに
|及《およ》ぶ|術《すべ》なき|貢物《みつぎもの》 |神《かみ》の|御言《みこと》を|畏《かしこ》みて
|生《い》ける|勤《つと》めを|励《はげ》みなば これに|過《す》ぎたる|貢物《みつぎ》なし
|青人草《あをひとぐさ》よ|信徒《まめひと》よ |心《こころ》の|限《かぎ》り|身《み》の|極《きは》み
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|言《こと》の|葉《は》を |身魂《みたま》の|糧《かて》と|仰《あふ》ぎつつ
|仕組《しぐみ》に|仕《つか》へ|奉《たてまつ》れ
第七四
一
|青垣山《あをがきやま》を|繞《めぐ》らして |緑《みどり》|滴《したた》る|綾《あや》の|里《さと》に
そそぎ|玉《たま》ひし|恵《めぐ》みの|雨《あめ》は |乾《かわ》き|果《は》てたる|魂《たましひ》を
|清《きよ》く|豊《ゆた》かに|霑《うるほ》はし |永遠《とは》の|生命《いのち》を|与《あた》へ|玉《たま》ふ
二
|暗《やみ》にさまよふ|魔神《まがみ》の|胸《むね》を はらし|玉《たま》へる|神柱《かむばしら》
|珍《うづ》の|御声《みこゑ》を|畏《かしこ》みて |聞《き》かむと|先《さき》を|争《あらそ》ひつ
|寄《よ》り|来《く》る|身魂《みたま》ぞ|美《うる》はしき |来《き》たりて|聞《き》けよ|懐《なつか》しき
|情《なさ》けのこもる|御声《おんこゑ》を
三
|此《この》|世《よ》の|光《ひかり》に|立《た》ち|別《わか》れ |夜《よる》なき|国《くに》に|進《すす》む|時《とき》
ありし|昔《むかし》の|思《おも》ひ|根《ね》を |後《あと》に|残《のこ》さずすくすくと
|望《のぞ》みの|月《つき》の|神国《かみくに》へ |暗《くら》き|身魂《みたま》を|導《みちび》きて
|昇《のぼ》らせ|玉《たま》へ|惟神《かむながら》 |恩頼《みたまのふゆ》を|願《ね》ぎ|奉《まつ》る
四
|山《やま》の|尾《を》の|上《へ》の|一《いち》ノ|瀬《せ》の |教祖《をしへみおや》の|奥津城《おくつき》は
|千代《ちよ》に|尽《つ》きせぬ|御恵《みめぐ》みの かたみとこそはなりにけれ
|厳《いづ》の|御魂《みたま》の|我《わが》|教祖《みおや》 |吾等《われら》が|命《いのち》の|綱《つな》とまし
|死《し》せし|御魂《みたま》を|神国《かみくに》に |甦生《よみがへ》らせる|光《ひかり》なり
|仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|信徒《まめひと》よ |拝《をろが》み|奉《まつ》れ|奥津城《おくつき》を
第七五
一
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|言《こと》の|葉《は》は |此《この》|世《よ》の|中《なか》に|生《お》ひ|出《い》でし
|青人草《あをひとぐさ》の|朝夕《あさゆふ》に |行《おこな》ひ|行《ゆ》くべき|務《つと》めなり
その|行《おこな》ひは|唯人《ただびと》の |目《め》には|怪《あや》しく|映《うつ》れども
|天地《てんち》の|神《かみ》の|定《さだ》めてし |生《い》ける|誠《まこと》の|掟《おきて》なり
|心《こころ》を|清《きよ》めて|魂《たましひ》を |直日《なほひ》に|研《みが》き|磨《と》ぎすまし
|必《かなら》ず|過《あやま》つ|事《こと》|勿《なか》れ |神《かみ》は|愛《あい》なり|光《ひかり》なり
二
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|霊《たま》|幸《ち》はふ |恵《めぐ》みの|露《つゆ》は|天地《あめつち》に
|空気《くうき》の|如《ごと》く|充《み》ち|足《た》らふ |誠《まこと》の|宣言《のり》は|天地《あめつち》に
|伊行《いゆ》き|渡《わた》らひ|隈《くま》もなく |人《ひと》の|心《こころ》を|照《て》らし|行《ゆ》く
|仰《あふ》ぎ|尊《たふと》べ|厳御魂《いづみたま》 |御袖《みそで》の|影《かげ》に|立《た》ち|寄《よ》りて
三
|草木《くさき》も|生《は》えぬ|岩山《いはやま》も |荒野ケ原《あらのがはら》のはてまでも
|千代《ちよ》に|八千代《やちよ》に|語《かた》らねど |無言《むごん》の|言霊《ことたま》|相放《あひはな》ち
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御恵《みめぐ》みを いや|永久《とこしへ》に|称《たた》ふなり
|人《ひと》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|宮《みや》 いかで|山野《さんや》の|草《くさ》や|木《き》に
|劣《おと》りし|事《こと》のあるべきぞ |省《かへり》みせよや|皇神《すめかみ》の
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御聖苦《おんなやみ》
四
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》は|方円《はうゑん》の |器《うつは》に|随《したが》ひますと|聞《き》く
|此《この》|世《よ》に|生《い》ける|人《ひと》の|子《こ》よ |日《ひ》に|夜《よ》に|心《こころ》|行《おこな》ひを
|神《かみ》の|教《をしへ》に|照《て》らしつつ おのが|身魂《みたま》をよく|清《きよ》め
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御鏡《みかがみ》に |珍《うづ》の|姿《すがた》を|映《うつ》せかし
|神《かみ》は|汝《なんぢ》と|倶《とも》にあり
第七六
一
|罪《つみ》に|穢《けが》れし|人《ひと》の|身《み》も |栄《さか》えあれよと|朝夕《あさゆふ》に
|祈《いの》らせ|玉《たま》ふ|瑞御魂《みづみたま》 |情《なさ》けの|声《こゑ》は|山里《やまざと》も
|荒野《あれの》の|末《すゑ》も|変《かは》りなく |響《ひび》き|渡《わた》るぞ|尊《たふと》けれ
|仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|神《かみ》の|徳《とく》 |慕《した》ひまつれよ|神《かみ》の|愛《あい》
二
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御声《おんこゑ》の その|美《うる》はしさ|迦羅〓伽《カラビンガ》
|妙音菩薩《めうおんぼさつ》の|音楽《おんがく》も |例《たと》へにならぬ|勇《いさ》ましさ
|来《き》たりて|聞《き》けよ|神《かみ》の|声《こゑ》
三
|百《もも》の|罪科《つみとが》|穢《けが》れをば |祓《はら》はむために|朝夕《あさゆふ》に
|神《かみ》の|御前《みまへ》に|平伏《ひれふ》して |祈《いの》り|奉《まつ》りし|誠心《まごころ》を
|諾《うべな》ひまして|片時《かたとき》も |早《はや》く|御許《みもと》に|招《まね》き|寄《よ》せ
|生《い》かさせ|玉《たま》へと|惟神《かむながら》 |神《かみ》に|誓《ちか》ひて|願《ね》ぎ|奉《まつ》れ
四
|心《こころ》の|裡《うち》に|暴狂《あれくる》ふ |荒波《あらなみ》|高《たか》く|立《た》ち|騒《さわ》ぎ
|命《いのち》の|舟《ふね》を|覆《かへ》さむと |襲《おそ》ひ|来《き》たりし|魔暴風《まあらし》を
|鎮《しづ》める|由《よし》もなきままに |歎《なげ》き|悲《かな》しむ|時《とき》もあれ
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》は|忽《たちま》ちに |清《きよ》めの|舟《ふね》を|漕《こ》ぎ|出《だ》して
|千代《ちよ》に|八千代《やちよ》に|安《やす》らけき |珍《うづ》の|島根《しまね》に|救《すく》ひ|上《あ》げ
|恵《めぐ》み|玉《たま》ふぞ|尊《たふと》けれ |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|諸人《もろびと》よ
|愛《あい》の|御神《みかみ》の|御姿《みすがた》を
五
ゆく|手《て》は|闇《やみ》に|包《つつ》まれて |虎《とら》|狼《おほかみ》の|哮《ほ》え|猛《たけ》り
|恐《おそ》れ|惑《まど》へる|夜《よ》の|道《みち》も |伊都《いづ》の|言霊《ことたま》|宣《の》りつれば
|忽《たちま》ち|開《ひら》く|天地《あめつち》の |恵《めぐ》みの|光《ひかり》は|輝《かがや》かむ
|賞《ほ》めよ|称《たた》へよ|厳御魂《いづみたま》 |瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御功績《おんいさを》
|神《かみ》は|汝《なんぢ》と|倶《とも》にあり
第七七
一
|御恵《みめぐ》みに|輝《かがや》き|愛《あい》に|薫《かを》りたる
|厳《いづ》の|御魂《みたま》の|御跡《みあと》|美《うる》はし
二
|世《よ》の|人《ひと》の|憂《うれ》ひも|罪《つみ》も|身《み》|一《ひと》つに
|負《お》ひ|玉《たま》ひたる|御魂《みたま》ぞ|尊《たふと》し
三
|千座《ちくら》なす|置戸《おきど》を|負《お》へと|叫《さけ》びたる
|仇《あだ》をも|許《ゆる》す|瑞《みづ》の|神柱《みはしら》
四
|責《せ》めらるる|苦《くる》しき|身《み》にも|虐《しひた》ぐる
|仇《あだ》を|愛《あい》する|心《こころ》|賜《たま》はれ
五
|仇《あだ》をなす|醜人《しこびと》のみを|憐《あは》れみて
|平安《やすき》を|祈《いの》る|心《こころ》|賜《たま》へよ
第七八
一
|瑞御魂《みづみたま》|千座《ちくら》を|負《お》ひし|月《つき》と|日《ひ》に
|優《まさ》りて|尊《たふと》き|折《を》りこそあらめや
二
|宮垣内《みやがいち》|湧《わ》き|出《づ》る|水《みづ》は|世《よ》の|人《ひと》の
|罪《つみ》を|清《きよ》むる|命《いのち》なりけり
三
|世《よ》の|人《ひと》の|呪《のろ》ひを|愛《あい》に|宣《の》り|直《なほ》す
|人《ひと》の|心《こころ》に|神国《かみくに》はあり
四
|喜《よろこ》びと|悲《かな》しみ|胸《むね》に|往《ゆ》き|交《か》ひて
|涙《なみだ》のみづの|御跡《みあと》|霑《うるほ》す
五
|罪科《つみとが》も|恐《おそ》れもいつか|消《き》え|果《は》てて
|神《かみ》の|教《をしへ》に|望《のぞ》み|湧《わ》き|出《い》づ
六
|仰《あふ》ぐさへいとも|畏《かしこ》き|慈《いつくし》みの
|神《かみ》の|御許《みもと》を|吾《われ》|離《はな》れむや
第七九
一
|教祖《をしへみおや》の|厳御魂《いづみたま》 |貴《たか》き|御神《みかみ》の|御霊《みたま》なれど
|吾等《われら》の|罪《つみ》や|穢《けが》れをば |洗《あら》ひ|清《きよ》めて|生《い》かさむと
|賤《しづ》が|伏屋《ふせや》にあれまして |清《きよ》き|教《をしへ》を|宣《の》りたまふ
二
|醜《しこ》の|曲津《まがつ》の|荒《すさ》ぶなる |汚《きたな》き|浮世《うきよ》の|人《ひと》の|目《め》に
|天《てん》より|高《たか》う|咲《さ》く|花《はな》も |荒《あ》れたる|冬野《ふゆの》の|木《き》のごとく
|蔑《さげす》まれつつ|朝夕《あさゆふ》に |厳《いづ》の|言霊《ことたま》|宣《の》り|玉《たま》ふ
|深《ふか》き|恵《めぐ》みを|仰《あふ》ぐべし
三
|限《かぎ》り|知《し》られぬ|憂《う》き|苦労《くらう》 |艱難《なやみ》に|耐《た》へて|朝夕《あさゆふ》に
|安《やす》く|眠《ねむ》らむ|家《いへ》も|無《な》く |所《ところ》もなくて|悲《かな》しみの
|果敢《はか》なき|人《ひと》と|呼《よ》ばれつつ |清《きよ》めの|道《みち》を|宣《の》べ|玉《たま》ふ
|教祖《をしへみおや》ぞ|尊《たふと》けれ
四
|高天原《たかあまはら》の|霊国《れいごく》の |月《つき》の|御神《みかみ》は|聖霊《せいれい》を
|充《み》たして|瑞《みづ》の|神《かみ》の|子《こ》に |降《くだ》らせ|玉《たま》ひ|言霊《ことたま》の
|伊吹《いぶき》の|狭霧《さぎり》に|暗《やみ》の|夜《よ》を |照《て》らさせ|玉《たま》ふぞ|畏《かしこ》けれ
|仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|厳御魂《いづみたま》 |慕《した》ひ|奉《まつ》れよ|瑞御魂《みづみたま》
第八〇
一
|厳御魂《いづみたま》|暗《くら》き|此《この》|世《よ》に|降《くだ》り|来《き》て
|世人《よびと》のために|蔑《さげす》まれ|玉《たま》ふ
二
|瑞御魂《みづみたま》|負《お》はせ|玉《たま》へる|八千座《やちくら》の
|上《うへ》なき|恵《めぐ》みを|世《よ》の|人《ひと》は|知《し》らず
三
|一度《ひとたび》は|天津御神《あまつみかみ》や|国津神《くにつかみ》
|百《もも》の|罪科《つみとが》|負《お》はせ|玉《たま》ひぬ
四
|素盞嗚《すさのを》の|神《かみ》の|恵《めぐ》みに|村肝《むらきも》の
|心《こころ》せまりて|涙《なみだ》こぼるる
五
|河《かは》なせる|涙《なみだ》もいかで|報《むく》ゆべき
|身魂《みたま》|捧《ささ》げて|恵《めぐ》みに|報《むく》いむ
第八一
一
|神《かみ》の|恵《めぐ》みの|永久《とこしへ》に |流《なが》れ|溢《あふ》るる|由良川《ヨルダン》の
|清《きよ》き|真清水《ましみづ》|汲《く》む|人《ひと》は |罪《つみ》も|穢《けが》れも|苦《くる》しみも
|瀬織津姫《せおりつひめ》に|洗《あら》はれて |高天原《たかあまはら》の|信徒《まめひと》と
|仕《つか》ふる|身《み》とぞなりぬべし ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》ぞ|尊《たふと》けれ
二
|厳《いづ》の|御魂《みたま》や|瑞御魂《みづみたま》 |此上《こよ》なき|恵《めぐ》みを|身《み》にしめて
|罪《つみ》に|亡《ほろ》びし|世《よ》の|中《なか》を |生《い》かし|栄《さか》ゆる|神《かみ》の|道《みち》
|進《すす》みて|世《よ》のため|人《ひと》のため |吾《わ》が|身《み》を|忘《わす》れて|勤《つと》むべし
|神《かみ》は|汝《なんぢ》と|倶《とも》にあり
三
|百《もも》の|誹《そし》りや|嘲《あざけ》りも サタンの|審判《さばき》の|道《みち》なきも
|世人《よびと》の|為《ため》には|厭《いと》はずに |笑顔《ゑがほ》を|以《も》ちて|迎《むか》へたる
|浄《きよ》めの|主《きみ》の|御恵《みめぐ》みを |暗《やみ》にさまよふ|人々《ひとびと》は
|悟《さと》る|術《すべ》なき|果敢《はか》なさよ |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|厳御魂《いづみたま》
|慕《した》ひ|奉《まつ》れよ|瑞御魂《みづみたま》
(大正一二・五・三 旧三・一八 隆光録)
第九章 |神行《しんかう》〔一五五九〕
第八二
一
|移《うつ》り|行《ゆ》く|世《よ》にも|変《かは》らず|永遠《とことは》に
たたせたまへる|厳《いづ》の|御柱《みはしら》
二
|御教《みをしへ》の|光《ひかり》は|百《もも》の|罪咎《つみとが》を
|払《はら》ひ|清《きよ》むる|厳《いづ》の|言霊《ことたま》
三
|怖《おそ》れ|悩《なや》み|罪《つみ》に|囲《かこ》まる|身《み》なりとも
やすきを|与《あた》ふ|瑞霊《みづ》の|御柱《みはしら》
四
|瑞御霊《みづみたま》|厳《いづ》の|御霊《みたま》の|御光《みひかり》に
|人《ひと》の|踏《ふ》むべき|道《みち》を|悟《さと》りぬ
五
|世《よ》の|中《なか》の|善《よ》きも|悪《あ》しきも|幸《さいは》ひも
|禍《わざはひ》ともに|澄《す》ます|御教《みをしへ》
第八三
一
|千早《ちはや》|振《ふ》る|神《かみ》の|教《をしへ》に|従《したが》ひて
|愛《あい》の|溢《あふ》るる|神国《みくに》へ|往《ゆ》かむ
二
|千座《ちくら》なす|置戸《おきど》を|負《お》ひて|世《よ》の|為《ため》に
|尽《つく》したまひし|君《きみ》をしぞ|思《おも》ふ
三
|八千座《やちくら》の|上《うへ》にも|厳《いづ》の|喜《よろこ》びの
|絶《た》えず|溢《あふ》るる|瑞霊《みづみたま》かも
四
|夜《よる》もなく|冬《ふゆ》なき|国《くに》に|昇《のぼ》るまで
|千座《ちくら》の|下《もと》に|立《た》ちてぞ|待《ま》たむ
第八四
一
|常暗《とこやみ》の|夜《よ》はますますに|更《ふ》けゆきぬ
|民《たみ》|安《やす》かれと|祈《いの》るわが|更生主《きみ》
二
|皇神《すめかみ》の|胸《むね》もはりさく|苦《くる》しみを
|夢《ゆめ》にも|知《し》らぬ|御弟子《みこ》ぞうたてき
三
|世《よ》の|罪《つみ》に|泣《な》きて|祈《いの》れる|吾《わが》きみを
|元津御神《もとつみかみ》は|嘉《よみ》したまはむ
四
|大空《おほぞら》ゆ|天津使《あまつつかひ》の|下《くだ》り|来《き》て
|更生主《きみ》の|御前《みまへ》に|侍《はべ》る|尊《たふと》さ
第八五
一
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|千座《ちくら》を|見《み》れば |富《とみ》も|誉《ほまれ》も|希望《のぞみ》もなべて
|物《もの》の|数《かず》かは|誇《ほこ》るに|足《た》らず
二
|千座《ちくら》の|下《もと》に|吾《われ》|寄《よ》り|立《た》ちて |此《この》|世《よ》の|空《むな》しき|宝《たから》や|富《とみ》に
|卑《いや》しき|心《こころ》を|留《と》めざらしめよ
三
|手足《てあし》の|爪《つめ》まで|抜《ぬ》かれまし |血《ち》をもて|吾等《われら》の|罪咎《つみとが》を
|洗《あら》ひたまひし|尊《たふと》さよ
四
|総《すべ》ての|物《もの》を|奉《たてまつ》り |赤心《まごころ》|籠《こ》めて|尽《つく》すとも
|大御恵《おほみめぐみ》の|万分一《まんぶいつ》 |報《むく》ゆすべなき|人《ひと》の|身《み》は
|魂《たま》を|捧《ささ》げて|仕《つか》へなむ
五
|曇《くも》り|果《は》てたる|世《よ》の|中《なか》に |果敢《はか》なき|生命《いのち》を|保《たも》ちつつ
|千座《ちくら》の|置戸《おきど》を|負《お》ひましし |更生主《きみ》が|恵《めぐ》みを|嬉《うれ》しみて
|常世《とこよ》の|春《はる》を|過《す》ごさなむ
第八六
一
|清《きよ》めの|主《きみ》は|瑞御霊《みづみたま》 |蘇生《よみがへ》りしぞ|瑞御霊《みづみたま》
|栄《さか》えませしぞ|瑞御霊《みづみたま》 |尊《あが》めまつれよ|瑞御霊《みづみたま》
二
|千座《ちくら》を|負《お》ひし|瑞御霊《みづみたま》 |罪《つみ》に|勝《か》ちたる|瑞御霊《みづみたま》
|生命《いのち》の|主《きみ》の|瑞御霊《みづみたま》 |人《ひと》をば|生《い》かす|瑞御霊《みづみたま》
三
|悩《なや》みを|受《う》けし|瑞御霊《みづみたま》 |世人《よびと》を|癒《い》やす|瑞御霊《みづみたま》
|月《つき》の|御神《みかみ》は|瑞御霊《みづみたま》 |吾等《われら》の|友《とも》なる|瑞御霊《みづみたま》
第八七
一
|厳《いづ》の|御霊《みたま》の|神柱《かむばしら》 |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|清《きよ》め|主《ぬし》
|此《この》|世《よ》にあれます|其《その》|限《かぎ》り |吾等《われら》は|死《し》をも|恐《おそ》れまじ
二
|吾等《われら》の|御親《みおや》とあれませる |厳《いづ》の|御霊《みたま》は|永遠《とこしへ》に
|生《い》きて|守《まも》らす|其《その》|上《うへ》は |死《し》するは|滅《ほろ》びに|非《あら》ずして
いや|永遠《とこしへ》に|栄《さか》ゆなる |生命《いのち》にいるの|門《かど》ぞかし
三
|厳《いづ》の|御霊《みたま》の|神柱《かむばしら》 |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|在《ま》すかぎり
|夜《よ》も|死《し》も|冥途《めいど》の|曲津霊《まがつひ》も |如何《いか》でか|吾等《われら》を|襲《おそ》ふべき
|神《かみ》は|生命《いのち》の|御親《みおや》なり
四
|厳《いづ》の|御霊《みたま》の|神柱《かむばしら》 |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|清《きよ》め|主《ぬし》
|此《この》|世《よ》に|現《あら》はれいます|上《うへ》は |天地《あめつち》こぞりて|吾《あ》が|主《きみ》と
|斎《いつ》きまつらむ|五六七《みろく》の|代《よ》 |偲《しの》ぶも|嬉《うれ》しき|限《かぎ》りなり
五
|厳《いづ》と|瑞《みづ》との|二柱《ふたはしら》 |此《この》|世《よ》に|現《あら》はれます|限《かぎ》り
|天地《あめつち》|四方《よも》は|安《やす》らけく |花《はな》|咲《さ》く|春《はる》と|栄《さか》えゆく
その|功績《いさをし》ぞ|嬉《うれ》しけれ
第八八
一
|言霊御軍《ことたまいくさ》に|勝鬨《かちどき》あげて |綾《あや》の|高天《たかま》へ|帰《かへ》ります
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|御柱《みはしら》を |賞《ほ》めよ|称《たた》へよ|信徒等《まめひとら》
二
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|我《あ》が|更生主《きみ》は |悪魔《あくま》の|司《つかさ》や|死《し》の|国《くに》の
|長《をさ》の|軍《いくさ》をやぶらせて |高天原《たかあまはら》に|帰《かへ》りましぬ
三
|日《ひ》の|出《で》の|御代《みよ》となるならば |黄泉《よみ》の|国《くに》をば|晴《は》らしつつ
|綾《あや》の|高天《たかま》へ|勇《いさ》ましく |帰《かへ》りて|世《よ》をば|治《をさ》めたまふ
四
|千座《ちくら》の|置戸《おきど》に|吾《わ》が|霊《たま》の |死《し》をば|生《い》かされ|手《て》や|足《あし》の
|御創《みきず》の|血潮《ちしほ》に|吾《わ》が|悩《なや》み いと|安《やす》らけく|癒《い》やされぬ
|清《きよ》き|言霊《ことたま》|張《は》り|上《あ》げて |称《たた》へよ|謳《うた》へよ|貴美《きみ》の|稜威《いづ》
第八九
一
|黄泉《よみ》の|国《くに》よりうとび|来《く》る |曲《まが》の|軍《いくさ》に|立《た》ち|向《む》かひ
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》はことごとく |言向《ことむ》け|和《やは》したまひける
|四方《よも》の|国人《くにびと》|勇《いさ》みたて |悪魔《あくま》の|力《ちから》は|失《う》せ|果《は》てて
|神《かみ》の|御子《みこ》なる|人《ひと》の|身《み》に |永久《とは》の|生命《いのち》を|賜《たま》ふべし
|慕《した》へよ|祝《いは》へよ|厳御霊《いづみたま》 |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|神柱《かむばしら》
二
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|神柱《かむばしら》 |霊《たま》の|御国《みくに》のいと|高《たか》き
|清《きよ》き|御座《みくら》にましまして |天津使《あまつつかひ》に|囲《かこ》まれつ
|常世《とこよ》の|歌《うた》を|謳《うた》ひたまふ |喜《よろこ》び|勇《いさ》め|人々《ひとびと》よ
|限《かぎ》りも|知《し》らぬ|玉《たま》の|緒《を》の |生命《いのち》の|主《きみ》の|御前《おんまへ》に
三
|明日《あす》をも|知《し》れぬ|現身《うつそみ》の |生命《いのち》を|長《なが》らへ|苦《くる》しみの
|絶《た》えぬ|此《この》|世《よ》に|住《す》む|人《ひと》は いと|耐《た》へ|難《がた》く|悲《かな》しきを
|神《かみ》の|御稜威《みいづ》に|助《たす》けられ |今《いま》は|憂目《うきめ》も|知《し》らぬ|身《み》と
|栄《さか》え|行《ゆ》くこそ|尊《たふと》けれ |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|厳御霊《いづみたま》
|慕《した》ひまつれよ|瑞御霊《みづみたま》
四
|涙《なみだ》の|谷《たに》に|雨《あめ》|晴《は》れて |教《をしへ》の|道《みち》のいと|広《ひろ》く
|長閑《のどか》な|春《はる》の|花盛《はなざか》り いざいざ|謳《うた》へもろともに
|琴《こと》の|調《しらべ》もいや|高《たか》く |清《きよ》めの|神《かみ》の|御栄光《みさかえ》と
|世《よ》の|幸《さちは》ひを|祈《いの》れかし
第九〇
一
|曲津軍《まがついくさ》の|軍勢《いきほひ》に |勝《か》てりと|誇《ほこ》り|驕《たか》ぶりし
その|雄猛《をたけ》びは|一夜《ひとよさ》の |夢《ゆめ》と|消《き》え|行《ゆ》く|憐《あは》れさよ
|神《かみ》に|刄向《はむ》かふ|仇《あだ》はなし |勇《いさ》み|進《すす》めよ|神《かみ》の|道《みち》
|神《かみ》は|汝《なんぢ》と|倶《とも》にあり
二
|根底《ねそこ》の|国《くに》に|堕《お》とされし |元津御神《もとつみかみ》の|厳御霊《いづみたま》
|旭《あさひ》のごとく|昇《のぼ》りまし |悪魔《あくま》の|猛《たけ》る|醜国《しにくに》を
|高天原《たかあまはら》の|楽園《らくゑん》と |開《ひら》かせたまふぞ|有難《ありがた》き
三
|恵《めぐ》みと|愛《あい》と|御栄光《みさかえ》を |身《み》に|翳《かざ》します|皇神《すめかみ》の
|厳《いづ》の|姿《すがた》の|美《うる》はしさ |慕《した》ひて|来《き》たれ|綾《あや》の|里《さと》
|神《かみ》は|汝《なんぢ》を|待《ま》ちたまふ
四
|鬼《おに》と|大蛇《をろち》の|裔《すゑ》なるや |罪《つみ》の|鎖《くさり》につながれし
|此《この》|世《よ》に|住《す》める|諸人《もろびと》は |五六七《みろく》の|御代《みよ》の|近《ちか》づきて
|百《もも》の|罪科《つみとが》|赦《ゆる》すべき |教《をしへ》の|庭《には》は|現《あら》はれぬ
|慕《した》ひて|来《き》たれ|綾《あや》の|里《さと》
五
|豊葦原《とよあしはら》の|瑞穂国《みづほくに》 |住《す》む|人々《ひとびと》はことごとく
|厳《いづ》の|言霊《ことたま》|打《う》ち|揃《そろ》へ |清《きよ》めの|主《きみ》の|現《あ》れましし
その|瑞祥《ずゐしやう》を|喜《よろこ》びて |謳《うた》へよ|舞《ま》へよ|皆《みな》|踊《をど》れ
|神《かみ》は|愛《あい》なり|権威《ちから》なり
第九一
一
|天津神等《あまつかみたち》|国津神《くにつかみ》 |蒼生《あをひとぐさ》も|諸共《もろとも》に
|喜《よろこ》び|謳《うた》へ|今日《けふ》の|日《ひ》を |悪魔《あくま》に|勝《か》ちし|今日《けふ》の|日《ひ》は
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|生《う》まれたる |生日足日《いくひたるひ》ぞいさぎよく
|謳《うた》へよ|舞《ま》へよ|惟神《かむながら》 |神《かみ》の|恵《めぐ》みを|嬉《うれ》しみて
二
|海《うみ》の|内外《うちと》の|嫌《きら》ひなく |此《この》|世《よ》に|生《い》きとし|生《い》ける|人《ひと》
|精霊《みたま》も|共《とも》に|求《ま》ぎ|来《き》たれ くだらぬ|慾《よく》に|争《あらそ》ひて
|罪《つみ》を|犯《をか》せし|其《その》|昔《かみ》の |艱《なや》みを|忘《わす》れ|逸早《いちはや》く
|誠《まこと》の|神《かみ》の|立《た》てませる |珍《うづ》の|宮居《みやゐ》の|御教《みをしへ》を
|唯《ただ》|一言《ひとこと》も|漏《も》らさじと |耳《みみ》を|澄《す》まして|聞《き》けよかし
|神《かみ》は|言霊《ことたま》|権威《ちから》なり
三
|吾《われ》と|吾《わ》が|手《て》に|穿《うが》ちたる |暗《くら》き|穴《あな》へと|落《お》ち|込《こ》みて
|悩《なや》み|苦《くる》しむ|人々《ひとびと》よ |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|現《あら》はれて
|罪《つみ》の|悩《なや》みの|朽《く》ち|断《き》れし その|勲《いさをし》を|謳《うた》へよや
|人《ひと》の|皮《かは》|着《き》る|曲人《まがびと》は |一人《ひとり》も|残《のこ》らず|失《う》せゆきて
|誠《まこと》の|人《ひと》のみ|現《あら》はるる |五六七《みろく》の|神代《みよ》をほめよかし
|神《かみ》は|愛《あい》なり|権威《ちから》なり |汝等《なんぢら》|神《かみ》と|倶《とも》にあり
四
|神《かみ》の|御国《みくに》に|仇《あだ》をなす |醜《しこ》の|悪魔《あくま》に|打《う》ち|勝《か》ちて
|栄《さか》え|久《ひさ》しき|天津国《あまつくに》 |高天原《たかあまはら》の|聖場《せいぢやう》に
|厳《いづ》の|御霊《みたま》は|昇《のぼ》りましぬ |瑞《みづ》の|御霊《みたま》は|月《つき》の|国《くに》
|御座《みくら》を|放《はな》ち|八重雲《やへくも》を |伊都《いづ》の|千別《ちわ》きに|千別《ちわ》きつつ
|綾《あや》の|聖地《せいち》に|天降《あも》りましぬ |心《こころ》を|尽《つく》し|身《み》を|尽《つく》し
|清《きよ》めの|主《きみ》に|頼《たよ》りなば いや|永久《とこしへ》の|生命《いのち》をば
|現幽《げんいう》ともに|保《たも》ちつつ |花《はな》|咲《さ》き|匂《にほ》ふ|天国《てんごく》の
|春《はる》の|御園《みその》に|昇《のぼ》るべし |神《かみ》は|愛《あい》なり|権威《ちから》なり
|汝等《なれら》と|神《かみ》は|倶《とも》にます |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|厳《いづ》の|徳《とく》
|慕《した》ひまつれよ|瑞《みづ》の|愛《あい》 ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|恩頼《みたまのふゆ》を|願《ね》ぎまつれ
(大正一二・五・三 旧三・一八 於教主殿二階 明子録)
第一〇章 |神厳《しんげん》〔一五六〇〕
第九二
一
|朝日《あさひ》|輝《かがや》く|神《かみ》の|国《くに》 その|真秀良場《まほらば》に|築《きづ》きたる
|神《かみ》の|御庭《みには》に|上《のぼ》ります |天津使《あまつつかひ》の|瑞御魂《みづみたま》
|御魂《みたま》|幸《さち》はひましまして |罪《つみ》の|重荷《おもに》に|苦《くる》しめる
|百《もも》の|身魂《みたま》をいと|安《やす》く |珍《うづ》の|御前《みまへ》に|導《みちび》き|玉《たま》へ
二
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》と|現《あら》はれて |災《わざは》ひ|多《おほ》き|世《よ》の|中《なか》の
|艱難《なやみ》の|道《みち》も|悲《かな》しみの |山《やま》も|安々《やすやす》|過《す》ぎたまふ
|此《この》|世《よ》の|旅《たび》に|迷《まよ》ふなる |青人草《あをひとぐさ》を|導《みちび》きて
|明《あか》き|神国《みくに》へ|進《すす》ませ|玉《たま》へ
三
|天津御国《あまつみくに》の|御使《みつかひ》を |率《ひき》ゐて|再《ふたた》び|現世《うつしよ》に
|現《あら》はれ|玉《たま》ふ|時《とき》とこそ |今《いま》や|全《まつた》くなりにけり
|厳《いづ》の|御魂《みたま》の|御側《おんそば》に |吾等《われら》が|身魂《みたま》を|導《みちび》きて
つきぬ|喜《よろこ》び|栄光《さかえ》をば |得《え》させ|玉《たま》へと|願《ね》ぎ|奉《まつ》る
|神《かみ》は|愛《あい》なり|権威《ちから》なり |珍《うづ》の|御前《みまへ》に|伏《ふ》し|拝《をが》む
第九三
一
|現身《うつそみ》の|姿《すがた》そのまま|天津国《あまつくに》に
|上《のぼ》りて|行《ゆ》かむ|身《み》こそ|楽《たの》しき
二
|八雲《やくも》|立《た》つ|出雲小琴《いづもをごと》の|音《ね》に|合《あ》ひて
|神《かみ》と|人《ひと》との|息《いき》は|揃《そろ》へる
三
|根《ね》の|国《くに》の|御門《みかど》は|神《かみ》に|砕《くだ》かれて
|天津大道《あまつおほぢ》に|妨《さまた》げもなし
四
|死出《しで》の|山《やま》|醜《しこ》の|川辺《かはべ》も|何《なに》かあらむ
|恵《めぐ》みの|神《かみ》の|導《みちび》きあれば
第九四
一
|月日《つきひ》|輝《かがや》く|大空《おほぞら》を |八重棚雲《やへたなぐも》に|打《う》ち|乗《の》りて
|上《のぼ》り|行《ゆ》きます|瑞御霊《みづみたま》 |栄光《さかえ》の|主《きみ》の|神姿《みすがた》を
|眺《なが》めて|迎《むか》ふ|天使《あまづかひ》 |百《もも》の|音楽《おんがく》|奏《かな》でつつ
|御門《みかど》を|開《ひら》き|迎《むか》へ|入《い》る |称讃《たたへ》の|歌《うた》は|天地《あめつち》に
|響《ひび》き|渡《わた》るぞ|畏《かしこ》けれ
二
|五六七《みろく》の|殿《との》は|賑《にぎ》はしく |寄《よ》り|来《く》る|人《ひと》は|笑《ゑ》み|栄《さか》ゆ
|言霊軍《ことたまいくさ》を|統《す》べ|玉《たま》ふ |瑞《みづ》の|御魂《みたま》は|死《し》の|長《をさ》の
|御手《みて》より|此《この》|世《よ》をとり|返《かへ》し |生命《いのち》の|国《くに》を|開《ひら》きつつ
|勝《かち》の|祝《いは》ひを|平《たひ》らかに いと|安《やす》らかに|謳《うた》ひ|玉《たま》ふ
三
|元津御神《もとつみかみ》ともろともに |神《かみ》の|大道《おほぢ》を|歩《あゆ》みなば
|生命《いのち》と|滅亡《ほろび》と|別《わか》るる|道《みち》の |八衢街道《やちまたかいだう》も|何《なん》のその
|目《め》にも|止《と》まらず|皇神《すめかみ》の |栄光《さかえ》の|国《くに》へ|上《のぼ》るべし
|神《かみ》は|言霊《ことたま》|権威《ちから》なり
四
|土《つち》の|上《うへ》にて|朽《く》ち|果《は》つる |人《ひと》の|命《いのち》を|憐《あは》れみて
|栄《さか》え|久《ひさ》しき|天津国《あまつくに》 |千代《ちよ》の|御園《みその》に|昇《のぼ》らせて
|恵《めぐ》みの|露《つゆ》を|垂《た》れ|玉《たま》ふ |清《きよ》めの|神《かみ》の|御後《みあと》をば
|慕《した》ひまつれよ|人《ひと》の|子《こ》よ |振《ふ》りさけ|見《み》れば|大空《おほぞら》に
|吾等《われら》が|行《ゆ》くべき|千代《ちよ》の|里《さと》 いともさやかに|見《み》え|渡《わた》る
第九五
一
|千座《ちくら》の|置戸《おきど》を|負《お》ひましし |栄光《さかえ》の|主《きみ》の|瑞御魂《みづみたま》
その|名《な》を|聞《き》くも|潔《いさぎよ》し |青人草《あをひとぐさ》を|生《い》かさむと
|八束《やつか》の|髯《ひげ》を|抜《ぬ》きとられ |手足《てあし》の|爪《つめ》を|除《のぞ》かれて
|血潮《ちしほ》に|染《そま》り|身《み》に|罪《つみ》を |負《お》はせ|玉《たま》ひて|世《よ》の|人《ひと》を
|清《きよ》むる|神業《みわざ》を|詳細《まつぶさ》に |遂《と》げさせ|玉《たま》ふ|尊《たふと》さよ
二
|厳《いづ》の|御魂《みたま》の|大神《おほかみ》の |右《みぎ》に|居《ゐ》まして|永久《とこしへ》の
|珍《うづ》の|住居《すまゐ》を|構《かま》へつつ |吾等《われら》を|守《まも》る|瑞御魂《みづみたま》
|深《ふか》き|恵《めぐ》みを|嬉《うれ》しみて |賞《ほ》めよ|称《たた》へよ|御栄光《みさかえ》を
|人《ひと》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|宮《みや》
三
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御恵《おんめぐ》み |清《きよ》き|稜威《みいづ》は|世《よ》に|広《ひろ》く
|現《あら》はれましていと|高《たか》く |妙《たへ》に|尊《たふと》き|大神業《おほみわざ》
|天津使《あまつつかひ》と|相共《あひとも》に |世人《よびと》|挙《こぞ》りて|主《きみ》の|名《な》の
|輝《かがや》き|栄《さか》ゆる|有様《ありさま》を |賞《ほ》めよ|称《たた》へよ|真心《まごころ》に
第九六
一
|三五《あななひ》の|神《かみ》の|教《をしへ》の|司等《つかさたち》
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|徳《とく》を|仰《あふ》げよ
二
|天津日《あまつひ》の|神《かみ》の|御裔《みすゑ》とあれませる
|珍《うづ》の|御子《みこ》をば|敬《うやま》ひ|奉《まつ》れ
三
|許々多久《ここたく》の|罪《つみ》や|穢《けが》れを|身《み》に|負《お》ひて
|世人《よびと》|清《きよ》めし|主《きみ》を|崇《あが》めよ
四
|皇神《すめかみ》の|恵《めぐ》みと|主《きみ》の|悩《なや》みとを
|思《おも》ひ|出《い》だして|神《かみ》を|称《たた》へよ
五
|千万《ちよろづ》の|国《くに》の|益人《ますひと》|御前《おんまへ》に
|平伏《ひれふ》し|御稜威《みいづ》を|畏《かしこ》み|崇《あが》めよ
六
|永久《とこしへ》の|厳《いづ》の|御歌《みうた》に|声《こゑ》|合《あは》せ
|万司《よろづつかさ》の|主《きみ》を|崇《あが》めよ
第九七
一
|世《よ》を|洗《あら》ふ|厳《いづ》の|御魂《みたま》や|瑞御魂《みづみたま》
その|聖顔《かんばせ》は|伊照《いて》り|輝《かがや》く
二
|天地《あめつち》に|類《たぐひ》もあらぬ|清《きよ》め|主《ぬし》
|天津使《あまつつかひ》も|挙《こぞ》りて|仕《つか》ふ
三
|世《よ》の|人《ひと》を|憐《あは》れみ|玉《たま》ひ|千座《ちくら》をば
|負《お》ひて|落《お》ちゆく|主《きみ》ぞ|尊《たふと》き
四
|根《ね》の|国《くに》に|落《お》ちゆく|身魂《みたま》|憐《あは》れみて
|天津神国《あまつみくに》に|生《い》かす|君《きみ》はも
五
|限《かぎ》りなき|恵《めぐ》みを|受《う》けし|人《ひと》の|身《み》は
|心《こころ》の|限《かぎ》り|仕《つか》へまつれよ
第九八
一
|世《よ》の|人《ひと》を|恤《いたは》り|玉《たま》ふ|瑞御魂《みづみたま》 |御声《みこゑ》は|妙《たへ》に|天地《あめつち》に
|響《ひび》き|渡《わた》りぬ|世《よ》の|民《たみ》よ |厳《いづ》の|御魂《みたま》の|我主《わがきみ》に
|栄光《さかえ》の|冠《かむり》を|献《たてまつ》れ
二
|天津使《あまつつかひ》も|打《う》ち|伏《ふ》して |厳《いづ》の|御魂《みたま》の|御光《みひかり》を
あこがれ|拝《をが》む|尊《たふと》さよ いざ|諸人《もろびと》よ|清《きよ》めの|主《きみ》に
|栄光《さかえ》の|冠《かむり》を|捧《ささ》げよや
三
|矢叫《やさけ》びの|声《こゑ》|鬨《とき》の|声《こゑ》 にはかに|止《や》みて|戦《たたか》ひの
|庭《には》は|神国《みくに》となり|変《かは》る |祈《いの》りと|歌《うた》との|言霊《ことたま》は
|天《あめ》と|地《つち》とに|響《ひび》きけり |四方《よも》の|民草《たみぐさ》|平和《へいわ》の|主《きみ》に
|宝《たから》の|冠《かむり》を|献《たてまつ》れ |御空《みそら》の|極《きは》み|地《つち》のはて
|残《のこ》る|隈《くま》なく|御栄光《みさかえ》の |珍《うづ》の|光《ひかり》は|照《て》り|渡《わた》る
|厳《いづ》の|御魂《みたま》や|瑞御魂《みづみたま》 |此《この》|世《よ》を|知《し》らす|神柱《みはしら》に
|栄光《さかえ》の|冠《かむり》|献《たてまつ》れ
第九九
一
|総《すべ》ての|司《つかさ》とあれませる |清《きよ》めの|主《きみ》の|瑞御魂《みづみたま》
|賞《ほ》めつ|称《たた》へつ|神《かみ》の|声《こゑ》 |世人《よびと》の|声《こゑ》は|海山《うみやま》に
|隈《くま》なく|響《ひび》き|渡《わた》りけり |厳《いづ》の|御魂《みたま》よ|瑞御魂《みづみたま》
|諾《うべ》なひ|玉《たま》へ|惟神《かむながら》
二
|栄光《さかえ》の|主《きみ》よ|厳御魂《いづみたま》 |瑞《みづ》の|御魂《みたま》よ|神《かみ》の|世《よ》を
いや|永久《とこしへ》にしろしめし |神《かみ》の|稜威《みいづ》の|御光《みひかり》を
|洽《あまね》く|天地《てんち》に|輝《かがや》かし |凡《すべ》てを|生《い》かし|玉《たま》へかし
|珍《うづ》の|御前《みまへ》に|願《ね》ぎ|奉《まつ》る |厳《いづ》の|御魂《みたま》や|瑞御魂《みづみたま》
|守《まも》らせ|玉《たま》へ|惟神《かむながら》
三
|清《きよ》めの|主《きみ》よ|来《き》たりませ |珍《うづ》の|御声《みこゑ》を|嬉《うれ》しみて
|吾等《われら》が|身魂《みたま》を|清《きよ》めつつ |命《いのち》の|糧《かて》と|仕《つか》へなむ
たとへ|天地《てんち》は|失《う》するとも |吾等《われら》は|主《きみ》の|御恵《みめぐ》みを
いや|永久《とこしへ》に|喜《よろこ》びて |黄金《こがね》の|琴《こと》をかき|鳴《な》らし
|稜威《みいづ》を|仰《あふ》ぎ|奉《まつ》るべし |厳《いづ》の|御魂《みたま》や|瑞御魂《みづみたま》
|来《き》たらせ|玉《たま》へ|惟神《かむながら》
第一〇〇
一
|烏羽玉《うばたま》の|暗《くら》き|闇夜《やみよ》は|消《き》え|去《さ》りて
|東《あづま》の|空《そら》に|茜《あかね》さすなり
二
|美《うる》はしき|主《きみ》の|御影《みかげ》を|伏《ふ》し|拝《をが》み
|光《ひかり》の|主《きみ》と|仕《つか》へまつらむ
三
|神国《かみくに》の|光《ひかり》といます|厳御魂《いづみたま》
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御稜威《みいづ》|畏《かしこ》し
四
|皇神《すめかみ》の|恵《めぐ》みの|露《つゆ》に|生《お》ふる|民《たみ》の
|歓喜《よろこび》|栄光《さかえ》|何《なに》に|譬《たと》へむ
五
|大空《おほぞら》の|星《ほし》にも|勝《まさ》る|民《たみ》の|数《かず》
|恵《めぐ》ませ|玉《たま》ふ|神《かみ》ぞ|畏《かしこ》き
第一〇一
一
|厳御魂《いづみたま》|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|名《な》に|優《まさ》る
|清《きよ》きは|他《ほか》にあらじとぞ|思《おも》ふ
二
いと|貴《たか》き|神《かみ》の|御子《みこ》にしましませど
|世《よ》を|洗《あら》うため|降《くだ》りましぬる
三
|八千座《やちくら》の|上《うへ》に|掲《かか》げし|珍《うづ》の|名《な》を
|万国民《よろづくにたみ》|今《いま》や|仰《あふ》がむ
四
|皇神《すめかみ》の|右《みぎ》にぞ|坐《ま》して|神《かみ》の|世《よ》と
|現世《うつしよ》しらす|君《きみ》ぞ|畏《かしこ》し
(大正一二・五・三 旧三・一八 隆光録)
第三篇 |白梅《しらうめ》の|花《はな》
第一一章 |神浪《しんらう》〔一五六一〕
第一〇二
一
|天津御空《あまつみそら》は|捲《ま》き|去《さ》られ |大地《だいち》は|沈《しづ》み|崩《くづ》るとも
|堅磐常磐《かきはときは》に|高知《たかし》らす |伊都《いづ》の|御霊《みたま》は|唯《ただ》ひとり
|変《かは》らせたまふことぞなし |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|神《かみ》の|稜威《いづ》
二
|只《ただ》|一息《ひといき》の|言霊《ことたま》に |冠島《をしま》|沓島《めしま》の|荒風《あらかぜ》や
|伊《い》たけり|狂《くる》ふ|高浪《たかなみ》を |鎮《しづ》めて|珍《うづ》の|神島《かみしま》へ
|安《やす》く|穏《おだ》ひに|渡《わた》りたる |美都《みづ》の|御魂《みたま》の|神力《みちから》は
|今《いま》なほ|変《かは》らせ|玉《たま》ふなし |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|神《かみ》の|稜威《いづ》
三
そむける|教《をしへ》の|司等《つかさら》も |憐《あは》れみ|捨《す》てずいつくしみ
まどへる|信人《まめひと》を|導《みちび》きて |助《たす》けたまへる|神柱《かむばしら》
|深《ふか》き|恵《めぐ》みは|永遠《とこしへ》に |流《なが》れて|尽《つ》きぬ|由良《ゆら》の|川《かは》
|来《き》たりてすすげ|汚《けが》れし|魂《たま》を
四
|罪《つみ》とけがれに|沈《しづ》みたる あまたの|人《ひと》の|子《こ》ことごとく
|愛《めぐ》しき|吾《わ》が|子《こ》と|生《お》ふしたて |育《はぐく》みたまふ|瑞御魂《みづみたま》
|仁慈無限《じんじむげん》の|御心《みこころ》は |千代《ちよ》に|八千代《やちよ》に|変《かは》りなし
|慕《した》ひまつれよ|神《かみ》の|稜威《いづ》
第一〇三
一
みづみづし|教《をしへ》の|主《きみ》の|御姿《みすがた》は
|空《そら》|照《て》り|渡《わた》る|月《つき》のかんばせ
二
|春《はる》の|朝《あさ》|露《つゆ》にほころぶ|白梅《しらうめ》の
|花《はな》にもまして|美《うつく》しき|貴美《きみ》
三
|秋《あき》の|夜《よ》の|御空《みそら》に|澄《す》める|月《つき》かげも
|貴美《きみ》の|姿《すがた》に|見惚《みと》れたまはむ
四
|清々《すがすが》しく|夏《なつ》の|夕《ゆふ》べの|風《かぜ》よりも
|冬《ふゆ》の|雪《ゆき》にも|勝《すぐ》れたる|貴美《きみ》
五
|瑞御魂《みづみたま》|神《かみ》の|栄光《さかえ》を|身《み》に|浴《あ》びて
|吾等《われら》のために|天降《あも》りたまひぬ
第一〇四
一
|神《かみ》の|御栄光《みさかえ》|御功績《みいさを》は |高《たか》く|広《ひろ》けく|限《かぎ》りなし
|黄金《こがね》の|琴《こと》をかきならし |天津御使《あまつつかひ》と|相共《あひとも》に
うたひ|調《しら》べを|競《きそ》はまし
二
|天地《あめつち》|百《もも》の|罪人《つみびと》を |生《い》かせたまひし|瑞御霊《みづみたま》
|千座《ちくら》の|置戸《おきど》のいさをしを |八雲《やくも》の|小琴《をごと》をかき|鳴《な》して
|天津使《あまつつかひ》と|相共《あひとも》に |心《こころ》の|限《かぎ》りうたはまし
三
まことに|充《み》ちて|御恵《みめぐ》みの |溢《あふ》るる|貴美《きみ》を|言《こと》の|葉《は》の
かぎりを|尽《つく》し|御《み》さかえを |天津使《あまつつかひ》と|相共《あひとも》に
|小琴《をごと》に|合《あは》せてうたはまし
四
|清《きよ》めの|主《きみ》によろこびて |見《まみ》ゆる|日《ひ》こそ|近《ちか》づきぬ
|限《かぎ》りも|知《し》らぬ|幸《さち》はひを |授《さづ》けたまへる|嬉《うれ》しさを
|八雲《やくも》の|小琴《をごと》に|合《あは》せつつ |調《しら》べも|清《きよ》くうたはまし
第一〇五
一
|日《ひ》かげも|清《きよ》く|大空《おほぞら》は いや|広《ひろ》らかに|澄《す》みわたり
|霜《しも》を|送《おく》りし|木枯《こがらし》やみて |常世《とこよ》の|春《はる》は|生《う》まれ|来《き》ぬ
|草木《くさき》は|若芽《わかめ》を|吹《ふ》き|出《い》だし |花《はな》いろいろに|咲《さ》き|匂《にほ》ふ
|勇《いさ》みよろこべ|五六七《みろく》の|神《かみ》は |綾《あや》の|高天《たかま》に|現《あ》れましぬ
二
|叢雲《むらくも》おこりて|大空《おほぞら》ふさぎ |雷《いかづち》|轟《とどろ》き|稲妻《いなづま》の
|東《ひがし》の|空《そら》より|西《にし》のはて ひらめき|走《はし》り|降《ふ》る|雨《あめ》は
いかに|激《はげ》しくありとても |五六七《みろく》の|神《かみ》の|現《あ》れし|上《うへ》は
|恐《おそ》れもなやみもあらざらむ いさみ|歓《よろこ》べ|諸人《もろびと》よ
三
|高《たか》き|尊《たふと》きいと|美《うる》はしき みいづを|纒《まと》ひてめぐみの|衣《ころも》
|身《み》につけながら|降《くだ》りたまふ |五六七《みろく》の|神《かみ》の|御栄光《みさかえ》を
いさみて|仰《あふ》げ|神代《かみよ》は|近《ちか》し
四
|誠《まこと》の|貴美《きみ》はあらがねの |地《つち》に|降《くだ》りて|世《よ》を|守《まも》る
|古《ふ》りにし|悪《あく》は|根絶《こんぜつ》し |聖《きよ》きよろこび|茂《しげ》るらむ
|粟《あは》なす|司《つかさ》とく|来《き》たれ |神《かみ》は|日《ひ》に|夜《よ》に|待《ま》ち|玉《たま》ふ
第一〇六
一
|木枯《こがらし》すさび |万木《ばんぼく》|枯《か》るる
|悪魔《あくま》の|如《ごと》き |冬《ふゆ》|去《さ》りゆきて
|希望《きばう》に|充《み》てる |春日《はるひ》は|来《き》たる
|森羅万象《しんらばんしやう》 |挙《こぞ》りて|勇《いさ》め
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》ぞ |現《あら》はれたまふ
二
|悲《かな》しきこの|世《よ》の |旅人《たびびと》たちよ
|勇《いさ》みよろこべ |清《きよ》めの|主《きみ》は
|月《つき》の|御神《みかみ》の |栄光《さかえ》に|充《み》ちて
|綾《あや》の|高天《たかま》に |現《あら》はれましぬ
|神《かみ》の|本宮《ほんぐう》の |聖《せい》エルサレム
|淤能碁呂島《おのころじま》の |真秀良場《まほらば》に
三
|神《かみ》の|御国《みくに》の |御許《みもと》をはなれ
|四方《よも》にさすらふ |珍《うづ》の|民草《たみぐさ》よ
|五六七《みろく》の|神《かみ》の |再降臨《さいかうりん》を
|迎《むか》ふる|時《とき》こそ |近《ちか》づき|来《き》たりぬ
よろこび|勇《いさ》め |神《かみ》の|御民《みたみ》よ
四
|五六七《みろく》の|神代《かみよ》は |早《はや》|近《ちか》づきて
この|世《よ》は|日《ひ》に|夜《よ》に あらたまり|行《ゆ》く
その|瑞祥《ずゐしやう》を あがめまつりて
|歌《うた》へよ|舞《ま》へよ |四方《よも》の|人《ひと》の|子《こ》
第一〇七
一
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|更生主《かうせいしゆ》 |東《あづま》の|空《そら》に|現《あら》はれて
|塩《しほ》の|八百路《やほぢ》の|浪《なみ》を|超《こ》え |舟《くも》に|乗《の》りつつ|神司《かむつかさ》
あまた|引連《ひきつ》れエルサレム |神《かみ》の|都城《みやこ》にしづしづと
|降《くだ》り|玉《たま》はむ|時《とき》は|来《き》ぬ |万《よろづ》の|国《くに》の|人草《ひとぐさ》は
|貴美《きみ》の|御栄光《みさかえ》|御恵《みめぐ》みの |露《つゆ》にうるほひ|勇《いさ》みたち
|天地《てんち》も|動《ゆる》ぐ|言霊《ことたま》の |水火《いき》を|合《あは》せて|伏《ふ》し|拝《をが》む
その|光景《くわうけい》の|眼前《がんぜん》に |現《あら》はれ|来《き》たるぞ|楽《たの》しけれ
二
まこと|一《ひと》つの|瑞御魂《みづみたま》 メシヤの|神《かみ》は|舟《くも》にのり
|神《かみ》の|都《みやこ》のエルサレム |再《ふたた》び|御姿《みすがた》あらはして
|今《いま》まで|神《かみ》の|大道《おほみち》を |嘲《あざけ》り|破《やぶ》り|御使《みつかひ》を
|傷《きず》つけ|殺《ころ》しし|曲人《まがびと》を |審判《さばき》たまへば|罪人《つみびと》は
|恐《おそ》れをののき|平伏《ひれふ》して |嘆《なげ》き|悲《かな》しむ|時《とき》は|来《き》ぬ
アア|諸人《もろびと》よ|諸人《もろびと》よ |一日《ひとひ》も|早《はや》く|眼《め》を|覚《さま》せ
|五六七《みろく》の|御代《みよ》は|近《ちか》づけり
三
この|世《よ》を|洗《あら》ふミカエルの |面《おもて》は|月日《つきひ》と|輝《かがや》きぬ
|千座《ちくら》のおき|戸《ど》を|負《お》はせつつひ |囚獄《ひとや》の|中《なか》に|苦《くる》しみし
|貴美《きみ》の|恵《めぐ》みは|幸《さち》はひて |日出《ひい》づる|神代《みよ》と|成《な》りにけり
よろこび|祝《いは》へ|人《ひと》の|子《こ》よ
四
|天《あめ》と|地《つち》とは|新《あたら》しく |生《う》まれ|来《き》たりし|心地《ここち》せり
|広《ひろ》きこの|世《よ》をしろしめす メシヤの|御座《みくら》は|定《さだ》まりぬ
ハレルヤ ハレルヤ|神《かみ》の|御国《みくに》
第一〇八
一
|心《こころ》|清《きよ》めて|仰《あふ》いで|待《ま》てよ |東《あづま》の|空《そら》を|輝《かがや》かし
|栄光《さかえ》に|充《み》てる|舟《くも》にのり やがて|輝《かがや》く|日《ひ》の|下《もと》に
あまたの|御使《みつかひ》を|伴《ともな》ひまして |仁慈《じんじ》の|露《つゆ》にうるほひ|光《ひか》る
|眼《まなこ》を|照《て》らし|降《くだ》りまさむ |夢々《ゆめゆめ》うたがふこと|無《な》かるべし
|東雲《しののめ》の|空《そら》|茜《あかね》さして やがて|日《ひ》の|出《で》は|近《ちか》づき|来《き》たらむ
二
この|世《よ》を|照《て》らす|皇神《すめかみ》は |厳《いづ》の|御燈明《みひかり》|油《あぶら》なり
|清《きよ》めのために|瑞御魂《みづみたま》 |弘誓《ぐぜい》の|舟《ふね》に|身《み》を|任《まか》せ
|神《かみ》に|親《した》しむ|氏《うぢ》の|子《こ》を |慰《なぐさ》め|安《やす》んじみちからを
あたへむために|来《き》たるべし |勇《いさ》みよろこびまごころを
こめて|貴美《きみ》をば|迎《むか》へまつれ
三
|光《ひかり》と|権威《ちから》に|充《み》たせる|主《きみ》よ |大地《だいち》を|包《つつ》みし|黒雲《くろくも》を|払《はら》ひ
まちこがれたる|誠《まこと》の|民《たみ》を |救《すく》はむために|三千年《みちとせ》の|間《あひだ》
|忍《しの》びたまひし|其《そ》の|有難《ありがた》さ しひたげられし|大日《おほひ》の|下《もと》の
|清《きよ》き|神民《みたみ》を|初《はじ》めとなして |万《よろづ》の|国《くに》の|民草《たみぐさ》らをば
|神《かみ》の|御国《みくに》に|生《い》かせ|玉《たま》はむ ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|御霊《みたま》|幸《さち》はへ|坐《ま》しませよ
第一〇九
一
この|世《よ》の|終末《をはり》はちかづきぬ |瑞《みづ》の|御魂《みたま》のミカエルは
|八重《やへ》たな|雲《ぐも》をかきわけて |東《あづま》の|空《そら》のエルサレム
ヨルダン|河《がは》の|上流《みなかみ》に |千座《ちくら》を|負《お》ひて|生《あ》れましぬ
|浮世《うきよ》の|泥《どろ》に|染《そ》みながら |諸《もも》のなやみを|身《み》にうけて
|普《あまね》く|世人《よびと》にあざけられ いばらの|冠《かむり》を|被《かぶ》せられ
|笑《ゑ》みを|湛《たた》へて|言霊《ことたま》の |大道《おほぢ》を|開《ひら》き|玉《たま》ひつつ
|再《ふたた》び|舟《くも》に|打《う》ちのりて |天《あめ》と|地《つち》との|中空《なかぞら》を
|黄金《こがね》の|棹《さを》をさしながら |大日《おほひ》の|本《もと》のエルサレム
|都《みやこ》をさして|降《くだ》ります |時《とき》こそ|近《ちか》づき|来《き》たりけり
|万《よろづ》の|国人《くにびと》|勇《いさ》ましく |音楽《おんがく》かなで|花《はな》かざし
|清《きよ》めの|主《きみ》の|再臨《さいりん》を |仰《あふ》ぎよろこび|迎《むか》へかし
二
|伊都《いづ》の|御魂《みたま》の|御《み》をしへを |信《うべ》なひまつり|美都御魂《みづみたま》
|清《きよ》めの|御手《みて》に|取《と》りすがり |御言《みこと》のまにまに|謹《つつし》みて
まことの|道《みち》によみがへり |天津御国《あまつみくに》にのぼりゆき
|上《こよ》なき|喜悦《きえつ》に|充《み》ちあふれ |天津御神《あまつみかみ》のおんもとに
つかふる|身魂《みたま》となれよかし
三
|罪《つみ》にけがれし|人《ひと》の|眼《め》は |仁慈《じんじ》の|神《かみ》の|御顔《おんかほ》も
いかりのおもてとながむべし |神《かみ》は|愛《あい》なり|仁《じん》なれば
かならず|人《ひと》を|捨《す》てまさじ |一日《ひとひ》も|早《はや》く|罪《つみ》を|悔《く》い
|神《かみ》の|御前《みまへ》にひれ|伏《ふ》して その|日《ひ》の|来《き》たるを|待《ま》てよかし
四
この|世《よ》の|終《をは》りとなりにけり |仁慈《じんじ》の|神《かみ》は|瑞御魂《みづみたま》
|清《きよ》めの|主《ぬし》とさだめまし |栄光《さかえ》の|舟《くも》にのらせつつ
|日《ひ》の|下国《もとくに》へ|現《あ》れまさむ |聖《きよ》き|月日《つきひ》は|迫《せま》りきぬ
さばきの|御声《みこゑ》のいと|高《たか》く |聞《き》こゆるまでにたましひを
|研《みが》き|清《きよ》めてそなへせよ
第一一〇
一
つみ|人《びと》をさばかせたまふ|時《とき》は|来《き》ぬ
|悔《く》いあらためよ|魂《たま》をきよめて
二
わが|名《な》をば|洩《も》らし|玉《たま》はず|神《かみ》の|書《ふみ》に
しるさせ|玉《たま》へ|伊都《いづ》の|大神《おほかみ》
二
うたがひや|恐《おそ》れの|雲《くも》を|吹《ふ》きはらひ
みちびき|玉《たま》へ|神《かみ》のます|国《くに》へ
四
えらまれし|人《ひと》をあつむる|笛《ふえ》の|音《ね》の
|耳《みみ》に|入《い》るまでみがかせたまへ
第一一一
一
|更生主《すくひぬし》|降《くだ》らせ|玉《たま》ふ|日《ひ》は|近《ちか》し
|心《こころ》の|燈火《あかり》とりて|迎《むか》へむ
二
|皇神《すめかみ》の|清《きよ》きしもべの|誉《ほまれ》をば
|受《う》けさせ|玉《たま》へわれを|導《みちび》きて
三
|村肝《むらきも》の|心《こころ》の|空《そら》の|清《きよ》くして
|神《かみ》の|柱《はしら》となるぞ|尊《たふと》き
四
|思《おも》はざる|時《とき》に|思《おも》はず|降《くだ》ります
|神《かみ》の|栄光《さかえ》に|入《い》る|人《ひと》ぞ|尊《たふと》き
(大正一二・五・三 旧三・一八 鮮月録)
第一二章 |神徳《しんとく》〔一五六二〕
第一一二
一
うつし|世《よ》に|為《な》せる|業《わざ》をば|神《かみ》の|前《まへ》に
さらけ|出《だ》さるる|時《とき》は|来《き》にけり
二
むら|肝《きも》の|心《こころ》のそこに|潜《ひそ》みたる
|鬼《おに》も|大蛇《をろち》も|今《いま》や|怖《お》ぢつつ
三
よしあしも|洩《も》れなくさばく|伊都御魂《いづみたま》
|世《よ》に|現《あら》はれぬ|謹《つつし》み|悔《く》いよ
四
|人《ひと》の|身《み》はいつ|死《まか》るとも|白露《しらつゆ》の
|果敢《はか》なきものぞ|神《かみ》に|頼《たよ》れよ
第一一三
一
|聖霊《せいれい》よ|吾《わ》が|身《み》に|宿《やど》らせたまひつつ
|妙《たへ》なるちからわかち|玉《たま》はれ
二
|皇神《すめかみ》の|御教《みのり》の|書《ふみ》をおろかなる
われにも|正《ただ》しく|悟《さと》らせ|玉《たま》へ
三
いや|広《ひろ》きめぐみの|翼《つばさ》|伸《の》べ|玉《たま》ひ
|曇《くも》りし|魂《たま》を|守《も》る|伊都《いづ》の|神《かみ》
四
|諸々《もろもろ》の|罪《つみ》に|曇《くも》りしたましひを
|照《て》らさせたまへ|伊都《いづ》の|光《ひかり》に
五
いや|深《ふか》き|愛《あい》のながれの|水底《みなそこ》を
はからせ|玉《たま》へ|伊都《いづ》の|光《ひかり》に
六
|古《いにしへ》のモーゼ エリヤにハリストス
ヨハネの|魂《たま》のみつの|御柱《みはしら》
七
|御《み》めぐみの|光《ひかり》は|豊《ゆた》にみつ|御魂《みたま》
|暗《やみ》を|照《て》らして|現《あ》れましにけり
第一一四
一
|曇《くも》り|切《き》りたる|御魂《みたま》を|照《て》らし いさみ|歓《よろこ》び|溢《あふ》るるいづみ
|汲《く》みて|嬉《うれ》しく|思《おも》はず|知《し》らず たたへの|御歌《みうた》うたふ|大前《おほまへ》
二
|悲《かな》しき|辛《つら》き|思《おも》ひに|沈《しづ》む |果敢《はか》なき|身《み》にも|光《ひかり》をあたへ
|守《まも》りたまへば|思《おも》はず|知《し》らず よろこび|歌《うた》ふ|貴美《きみ》の|大前《おほまへ》
三
|玉《たま》の|殿《との》にも|伏屋《ふせや》の|軒《のき》も |仁慈《めぐみ》の|神《かみ》は|照《て》りかがやきて
のぞみ|坐《ま》すこそいと|尊《たふと》けれ |清《きよ》き|祈《いの》りを|諾《うべ》なひまして
|罪《つみ》もけがれも|伊吹《いぶき》にはらひ |千代《ちよ》の|宮居《みやゐ》と|住《す》まはせ|玉《たま》へ
四
|皇神《すめかみ》と|倶《とも》にありせば|陸奥《みちのく》の
|荒野《あらの》の|末《すゑ》もなにか|恐《おそ》れむ
五
|鳥《とり》さへも|通《かよ》はぬ|深《ふか》き|山奥《やまおく》も
|神《かみ》とありせば|天津御国《あまつみくに》ぞ
六
|朝夕《あさゆふ》にあふるる|恵《めぐ》みを|身《み》にうけて
|露《つゆ》の|生命《いのち》の|玉《たま》はかがやく
第一一五
一
|瑞御魂《みづみたま》|吾《わ》が|魂《たましひ》に|降《くだ》りまして
|神《かみ》の|御姿《みすがた》をがませ|玉《たま》へ
二
ねぎごとを|御心《みこころ》|平《たひ》らにやすらかに
|聞《き》こしたまひて|守《まも》りませ|岐美《きみ》
三
|岐美《きみ》といへどこの|世《よ》を|治《をさ》むる|君《きみ》ならず
|魂《たま》を|治《をさ》むる|清《きよ》めの|神《かみ》ぞや
四
|瑞御魂《みづみたま》【きみ】とふ|名《な》をば|楯《たて》にとり
|醜《しこ》のたぶれの|迫《せま》り|来《く》るかも
五
|現世《うつしよ》の|君《きみ》より|外《ほか》にきみなしと
おもふ|人《ひと》こそ|愚《おろ》かなりけり
六
|伊邪那岐《いざなぎ》の|岐《き》の|字《じ》と|並《なら》び|伊邪那美《いざなみ》の
|美《み》の|字《じ》|合《あは》せて|岐美《きみ》とこそなれ
七
|神《かみ》といひ|岐美《きみ》と|称《とな》ふも|一《ひと》つなり
|夢《ゆめ》あやまつな|神《かみ》の|御子《みこ》たち
八
|聖霊《せいれい》よけがれし|身《み》をもめぐまひて
|宮居《みやゐ》となして|宿《やど》らせたまへ
九
|叢雲《むらくも》を|伊吹《いぶき》|払《はら》ひて|天津日《あまつひ》の
|魂《たま》の|光《ひかり》を|照《て》らしませ|岐美《きみ》
一〇
|春風《はるかぜ》の|薫《かを》りて|諸《もも》の|花《はな》|開《ひら》く
|長閑《のどか》な|御代《みよ》となさしめ|玉《たま》へ
第一一六
一
|暗夜《やみよ》を|照《て》らす|厳御魂《いづみたま》 |世人《よびと》を|守《まも》る|瑞御魂《みづみたま》
|定《さだ》めなき|世《よ》のたづきをも |知《し》らず|浮世《うきよ》の|旅《たび》をなす
|人《ひと》を|導《みちび》き|天津日《あまつひ》の |神国《みくに》に|来《こ》よと|宣《の》り|給《たま》ふ
|珍《うづ》の|御声《みこゑ》を|具《まつぶ》さに かけさせたまへと|願《ね》ぎまつる
二
|光《ひかり》つきせぬ|厳御魂《いづみたま》 |月《つき》より|清《きよ》き|瑞御魂《みづみたま》
|栄光《さかえ》と|希望《のぞみ》の|消《き》え|失《う》せし |常世《とこよ》の|暗《やみ》に|踏《ふ》み|迷《まよ》ひ
|恐《おそ》れ|戦《おのの》きする|民《たみ》を |恵《めぐ》みの|御手《みて》をさしのべて
|天津御空《あまつみそら》の|神国《かみくに》に |登《のぼ》り|来《き》たれと|宣《の》りたまふ
|珍《うづ》の|御声《みこゑ》を|安《やす》らかに |聞《き》かしめ|玉《たま》へと|宣《の》り|奉《まつ》る
三
|千座《ちくら》の|置戸《おきど》のあななひに ひたすら|頼《たよ》り|世《よ》の|中《なか》の
|百《もも》の|務《つと》めを|相果《あひは》たし |天津御空《あまつみそら》の|故郷《ふるさと》へ
|勇《いさ》みて|上《のぼ》る|佳《よ》き|日《ひ》をば |喜《よろこ》び|勇《いさ》み|松《まつ》の|御代《みよ》
|早《はや》く|来《き》たれと|玉《たま》の|声《こゑ》 かけさせ|玉《たま》ふ|瑞御魂《みづみたま》
|命《いのち》の|頼《たよ》りを|願《ね》ぎ|奉《まつ》る ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|御霊《みたま》|幸《さち》はひましませよ
第一一七
一
|浮雲《うきくも》のかかる|心《こころ》を|打《う》ち|開《ひら》き
|日《ひ》の|出《で》の|国《くに》に|上《のぼ》らせ|玉《たま》へ
二
|罪《つみ》|穢《けが》れ|清《きよ》めて|生《い》かす|瑞御魂《みづみたま》
|常世《とこよ》の|春《はる》に|導《みちび》き|玉《たま》へ
三
|皇神《すめかみ》の|稜威《いづ》の|光《ひかり》に|疑《うたが》ひの
|暗《くら》き|雲霧《くもきり》はれ|渡《わた》り|行《ゆ》く
四
|限《かぎ》りなき|又《また》|新《あたら》しき|命《いのち》をば
|賜《たま》ふ|主《きみ》こそ|珍《うづ》の|母《はは》なる
五
|皇神《すめかみ》の|魂《たま》の|光《ひかり》を|身《み》に|受《う》けて
|愛《あい》の|御園《みその》に|進《すす》む|嬉《うれ》しさ
第一一八
一
|吾《わ》が|祈《いの》る|誠《まこと》を|愛《め》でて|惟神《かむながら》
|奇《く》しき|力《ちから》を|授《さづ》け|玉《たま》へよ
二
|暗《やみ》の|夜《よ》を|稜威《いづ》の|光《ひかり》に|照《て》らしつつ
|命《いのち》の|道《みち》に|進《すす》ませ|玉《たま》へ
三
|厳御魂《いづみたま》|燃《も》ゆる|焔《ほのほ》に|現身《うつそみ》の
|穢《けが》れを|焼《や》きて|吾《あ》を|清《きよ》めませ
四
|科戸辺《しなどべ》の|風《かぜ》の|響《ひび》きに|四方《よも》の|国《くに》
|神《かみ》の|訪《おとづ》れ|宣《の》べ|伝《つた》へませ
五
|八咫烏《やたからす》|愛《あい》の|翼《つばさ》に|吾《わ》が|魂《たま》を
|乗《の》せて|神国《みくに》へつれ|行《ゆ》けよかし
六
|聖霊《せいれい》よ|吾《わ》が|言霊《ことたま》を|諾《うべ》なひて
|神《かみ》の|柱《はしら》と|使《つか》はせ|玉《たま》へ
第一一九
一
|照《て》り|渡《わた》る|清《きよ》き|御魂《みたま》の|御光《みひかり》に
|照《て》らし|玉《たま》はれ|暗《くら》き|心《こころ》を
二
|百《もも》の|罪《つみ》に|曇《くも》る|心《こころ》を|研《みが》き|上《あ》げ
|妙《たへ》なる|力《ちから》を|下《くだ》し|玉《たま》はれ
三
|天津国《あまつくに》の|永遠《とは》の|歓喜《よろこび》この|身《み》にも
|充《み》たし|玉《たま》はれ|神《かみ》の|御使《みつかひ》
四
|村肝《むらきも》の|心《こころ》に|住《す》みて|天使《あまつかひ》
|治《をさ》め|玉《たま》へよ|吾《わ》が|魂《たましひ》を
第一二〇
一
|鳩《はと》の|如《ごと》|天降《あも》りましたる|天使《あまつかひ》
|吾《わ》が|魂《たましひ》を|慰《なぐさ》め|玉《たま》へ
二
|村肝《むらきも》の|心《こころ》の|思《おも》ひ|為《な》す|業《わざ》も
いと|清《きよ》かれと|守《まも》らせ|玉《たま》へ
三
|明《あきら》けき|神《かみ》の|大道《おほぢ》を|歩《あゆ》むべく
|厳《いづ》の|光《ひかり》を|吾《われ》に|与《あた》へよ
四
|皇神《すめかみ》の|御前《みまへ》を|去《さ》らず|謹《つつし》みて
|心《こころ》のかぎり|仕《つか》へしめ|玉《たま》へ
五
|永久《とこしへ》の|命《いのち》の|主《きみ》に|従《したが》ひて
|天津御国《あまつみくに》へ|進《すす》む|嬉《うれ》しさ
六
|吾《わ》が|身魂《みたま》|清《きよ》めて|神《かみ》の|御舎《みあらか》に
|進《すす》ませ|玉《たま》へ|導《みちび》き|玉《たま》へ
第一二一
一
|冷渡《ひえわた》る|吾《わ》が|身《み》に|愛《あい》の|焔《ほのほ》をば
|燃《も》やし|玉《たま》へよ|厳《いづ》の|大神《おほかみ》
二
さまよひて|果敢《はか》なき|影《かげ》を|追《お》ひ|慕《した》ひ
|露《つゆ》だに|知《し》らぬ|身《み》こそ|悲《かな》しき
三
|力《ちから》なき|吾等《われら》の|祈祷《いのり》も|称《たた》へ|言《ごと》も
いと|安《やす》らかに|聞《き》こし|食《め》す|主《きみ》
四
|八千座《やちくら》を|負《お》ひし|主《きみ》をば|思《おも》はずに
|夢現《ゆめうつつ》にて|暮《くら》す|愚《おろ》かさ
五
|瑞御魂《みづみたま》|恵《めぐ》みの|聖火《せいくわ》を|下《くだ》しつつ
|冷《つめ》たき|心《こころ》を|温《あたた》め|玉《たま》ふ
(大正一二・五・五 旧三・二〇 隆光録)
第一三章 |神雨《しんう》〔一五六三〕
第一二二
一
|御恵《みめぐ》みの|雨《あめ》しげく|降《ふ》る|神《かみ》の|園《その》に
|千花《ちばな》|百花《ももばな》|咲《さ》き|薫《かを》るなり
二
|木枯《こがらし》の|吹《ふ》き|荒《すさ》ぶなる|此《こ》の|身《み》にも
|花《はな》を|咲《さ》かせよ|恵《めぐ》みの|雨《あめ》に
三
|春雨《はるさめ》のいと|長閑《のどか》なる|姿《すがた》より
まさりて|楽《たの》し|恵《めぐ》みの|雨《あめ》は
四
|瑞御魂《みづみたま》|清《きよ》き|誓《ちか》ひに|頼《たよ》りつつ
|常世《とこよ》の|春《はる》を|仰《あふ》ぎ|待《ま》たなむ
第一二三
一
|古《いにしへ》の|神代《かみよ》のごとく|厳御魂《いづみたま》
|長閑《のどか》なる|世《よ》と|恵《めぐ》ませ|玉《たま》へ
二
|瑞御魂《みづみたま》|吾《わ》が|身《み》に|充《み》ちて|古《いにしへ》の
|神代《かみよ》の|人《ひと》とならしめ|玉《たま》へ
三
|瑞御魂《みづみたま》|降《くだ》り|玉《たま》ひて|萎《しを》れたる
|心《こころ》の|花《はな》を|霑《うるほ》し|玉《たま》へ
四
|瑞御魂《みづみたま》|弱《よわ》き|吾《わ》が|身《み》に|降《くだ》りまし
|珍《うづ》の|力《ちから》に|富《と》ましめ|玉《たま》へ
五
|瑞御魂《みづみたま》|汚《けが》れし|魂《たま》を|清《きよ》めつつ
|清《きよ》めの|道《みち》に|入《い》らしめ|玉《たま》へ
第一二四
一
|厳御魂《いづみたま》|与《あた》へ|玉《たま》へる|恵《めぐ》みこそ
|生命《いのち》を|守《まも》る|宝《たから》なりけり
二
|苦《くる》しみの|深《ふか》き|谷間《たにま》に|落《お》ちしとき
|生命《いのち》の|綱《つな》となるぞこの|神書《ふみ》
三
|死《し》の|影《かげ》の|暗路《やみぢ》に|迷《まよ》ふ|時《とき》こそは
|明燈《あかり》とならむこれの|神書《みふみ》は
四
|天津日《あまつひ》の|光《ひかり》を|仰《あふ》ぎまつるまで
|導《みちび》きたまへ|厳《いづ》の|大神《おほかみ》
第一二五
一
|厳《いづ》の|神書《みふみ》|瑞《みづ》の|言葉《ことば》はこの|上《うへ》も
なき|生命《せいめい》の|御綱《みつな》とこそ|知《し》れ
二
|暗路《やみぢ》|往《ゆ》く|道《みち》の|燈火《ともしび》|渇《かわ》きたる
|喉《のど》を|霑《うるほ》す|水《みづ》の|流《なが》れよ
三
|御教《みをしへ》は|厳《いづ》の|生命《いのち》の|糧《かて》なるぞ
いざ|諸人《もろびと》よ|来《き》たり|繙《ひもと》け
四
|日《ひ》の|守《まも》り|夜《よる》の|守《まも》りと|月《つき》と|日《ひ》の
あれます|限《かぎ》り|何《なに》か|恐《おそ》れむ
五
かくれたる|神勅《みのり》の|奥《おく》を|悟《さと》るべく
|誠《まこと》の|智慧《ちゑ》をわかたせ|玉《たま》へ
第一二六
一
|大空《おほぞら》の|広《ひろ》きは|神《かみ》の|御栄光《みさかえ》を
|完全《うまら》に|詳細《つばら》に|示《しめ》すなりけり
二
|限《かぎ》りなく|空《そら》に|輝《かがや》く|星影《ほしかげ》は
|神《かみ》の|宣勅《みのり》を|現《あら》はしにけり
三
|天伝《あまつた》ふ|月日《つきひ》の|光《ひかり》キラキラと
|神《かみ》の|力《ちから》を|声《こゑ》なく|語《かた》る
四
|御教《みをしへ》の|書《ふみ》|見《み》るたびに|思《おも》ふかな
|神《かみ》の|御審判《みさばき》|厳《おごそ》かなるを
五
|瑞御魂《みづみたま》|宣《の》らす|言霊《ことたま》|神書《ふみ》|見《み》れば
|深《ふか》き|恵《めぐ》みの|露《つゆ》ぞ|滴《したた》る
六
|村肝《むらきも》の|心《こころ》も|暗《くら》き|世《よ》の|旅《たび》に
|迷《まよ》ふ|世人《よびと》を|照《て》らす|神《かみ》はも
七
|御光《みひかり》を|日《ひ》に|夜《よ》に|受《う》くる|嬉《うれ》しさは
|教《をしへ》の|神書《みふみ》の|賜物《たまもの》とぞ|知《し》る
第一二七
一
|永遠《とは》の|生命《いのち》を|賜《たま》ふたる |神《かみ》の|言葉《ことば》はいと|清《きよ》し
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|言霊《ことたま》は |底《そこ》ひも|知《し》らぬ|奇《くし》びさよ
|目《め》に|見《み》ぬ|神《かみ》の|御心《みこころ》を つぶさに|諭《さと》し|神姿《みすがた》を
いと|明《あき》らかに|現《あら》はせり |厳《いづ》の|言葉《ことば》は|生命《いのち》なり
|瑞《みづ》の|言葉《ことば》は|薬《くすり》なり |奇《くし》びなるかな|神《かみ》の|経綸《のり》
二
|厳《いづ》の|御魂《みたま》の|御教《おんをしへ》 |瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|言《こと》の|葉《は》は
いと|慕《した》はしき|珍《うづ》の|声《こゑ》 |普《あまね》く|四方《よも》に|轟《とどろ》きて
|迷《まよ》ひ|悩《なや》める|罪人《つみびと》を |天津御国《あまつみくに》に|救《すく》ひます
|崇《あが》めよ|称《たた》へよ|神《かみ》の|徳《とく》 |慕《した》ひまつれよ|神《かみ》の|愛《あい》
三
|五六七《みろく》の|御代《みよ》の|近《ちか》づくと |宣《の》らせ|玉《たま》ひし|訪《おとづ》れの
たえず|聞《き》こゆる|嬉《うれ》しさよ |赦罪《ゆるし》と|歓喜《よろこび》|栄光《さかえ》をば
|授《さづ》くる|神《かみ》の|御恵《おんめぐ》み |光《ひかり》となりて|現身《うつそみ》の
|世界《せかい》に|清《きよ》く|現《あら》はれぬ ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|感謝《かんしや》し|仕《つか》へ|奉《たてまつ》れ
第一二八
一
|賤田巻《しづたまき》|数《かず》ある|神書《みふみ》の|其《そ》の|中《なか》に
|誠《まこと》の|書《ふみ》は|厳《いづ》の|神書《かみふみ》
二
|奥山《おくやま》の|暗《くら》き|谷間《たにま》を|潜《くぐ》るとも
|神《かみ》の|恵《めぐ》みは|行《ゆ》く|手《て》を|照《て》らす
三
|世《よ》の|中《なか》の|物識人《ものしりびと》の|踏《ふ》みしてふ
|道《みち》を|諭《さと》すはこれの|神書《かみふみ》
四
|幾度《いくたび》も|繰返《くりかへ》しつつ|眺《なが》むれど
|神書《みふみ》の|旨《むね》をはかり|兼《か》ねつつ
五
|如何《いか》にして|神書《みふみ》の|旨《むね》を|悟《さと》るべき
|智慧《ちゑ》も|力《ちから》もなき|身《み》なりせば
六
|惟神《かむながら》|道《みち》の|誠《まこと》の|尊《たふと》さは
|踏《ふ》みての|後《のち》に|悟《さと》りこそすれ
七
|許々多久《ここたく》の|書《ふみ》の|心《こころ》は|悟《さと》るとも
|神《かみ》の|神書《みふみ》は|悟《さと》りがたかり
八
|皇神《すめかみ》に|祈《いの》らざりせば|百千度《ももちたび》
|読《よ》むも|悟《さと》らじ|神《かみ》の|心《こころ》は
九
|愚《おろ》かなる|人《ひと》も|誠《まこと》にかなひなば
|神《かみ》の|心《こころ》は|悟《さと》り|得《え》られむ
一〇
|円山《まるやま》に|燃《も》ゆる|躑躅《つつじ》の|色《いろ》|赤《あか》き
|魂《たま》をうつして|神《かみ》に|仕《つか》へむ
一一
|天《あめ》の|涯《はて》|地《つち》の|極《きは》みもおつるなく
|照《て》らす|光《ひかり》と|現《あら》はれし|岐美《きみ》
一二
|神《かみ》の|書《ふみ》|繙《ひもと》くごとに|新《あたら》しく
|思《おも》ふは|神《かみ》の|恵《めぐ》みなりけり
第一二九
一
|大空《おほぞら》ゆ|下《くだ》りて|人《ひと》となりましし
|教《をしへ》の|主《きみ》の|御教《みのり》|守《まも》れよ
二
|厳《いづ》の|神書《ふみ》|瑞《みづ》の|言葉《ことば》は|世《よ》に|迷《まよ》ふ
|暗《くら》き|心《こころ》を|照《て》らす|御鏡《みかがみ》
三
|限《かぎ》りなき|智慧《ちゑ》の|言葉《ことば》を|連《つら》ねたる
|神《かみ》の|神書《みふみ》は|世《よ》の|宝《たから》なる
四
|弥広《いやひろ》くこの|神《かみ》の|世《よ》を|照《て》らせよと
|神《かみ》の|授《さづ》けしこれの|神書《かみふみ》
五
|如意宝珠《によいほつしゆ》|黄金《こがね》の|玉《たま》もこの|神書《ふみ》に
|潜《ひそ》みてありぬ|探《さぐ》りて|受《う》けよ
六
|狭霧《さぎり》こむ|大海原《おほうなばら》を|行《ゆ》く|船《ふね》の
|燈火《あかり》とぞなる|厳《いづ》の|神書《かみふみ》
七
|風《かぜ》|荒《あら》く|波《なみ》|猛《たけ》るなる|海原《うなばら》を
|安《やす》く|導《みちび》く|瑞《みづ》の|言霊《ことたま》
八
|雲《くも》は|晴《は》れ|暗《やみ》は|消《き》え|失《う》せ|世《よ》を|照《て》らす
|主《きみ》を|拝《をろが》む|厳《いづ》の|神書《かみふみ》
九
|惟神《かむながら》|神《かみ》の|光《ひかり》を|身《み》に|受《う》けて
|万《よろづ》の|国《くに》を|照《て》らさせ|玉《たま》へ
第一三〇
一
|瑞御魂《みづみたま》|千座《ちくら》の|置戸《おきど》の|贖罪《あがなひ》に
|国《くに》の|礎《いしずゑ》みたて|玉《たま》ひぬ
二
|国々《くにぐに》に|御名《みな》を|変《か》へさせ|玉《たま》ひつつ
|清《きよ》めのために|降《くだ》ります|主《きみ》
三
|争《あらそ》ひは|四方《よも》に|起《おこ》りて|人々《ひとびと》の
|艱難《なやみ》|払《はら》はむために|来《き》ましぬ
四
|皇神《すめかみ》は|祈祷《いのり》を|聞《き》きて|人々《ひとびと》の
|歎《なげ》きを|歌《うた》と|変《かは》らせ|玉《たま》はむ
五
|現世《うつしよ》に|残《のこ》りし|人《ひと》も|死《みまか》りし
|人《ひと》をも|共《とも》に|守《まも》ります|神《かみ》
六
|永久《とこしへ》の|安《やす》き|生命《いのち》を|待《ま》ち|佗《わ》びて
|岐美《きみ》の|来《き》ますを|祈《いの》る|民草《たみぐさ》
第一三一
一
|永久《とこしへ》の|岩《いは》の|礎《いしずゑ》いや|固《かた》に
|神《かみ》の|都《みやこ》は|栄光《さかえ》|充《み》ちぬる
二
|皇神《すめかみ》は|愛《あい》の|石垣《いしがき》|囲《めぐ》らして
|民《たみ》の|安《やす》きを|守《まも》らせたまふ
三
つくるなき|愛《あい》の|泉《いづみ》は|永遠《とことは》に
|生命《いのち》の|水《みづ》と|湧《わ》き|出《い》でにけり
四
|永久《とこしへ》に|恵《めぐ》みの|露《つゆ》に|霑《うるほ》ひし
|神《かみ》の|御子等《みこら》は|渇《かわ》く|事《こと》なし
五
|皇神《すめかみ》の|守《まも》らせ|玉《たま》ふエルサレム
|上《のぼ》る|人《ひと》こそ|楽《たの》しかるらむ
六
|塵《ちり》の|世《よ》の|人《ひと》の|嘲《あざけ》り|何《なに》かあらむ
|神《かみ》に|生《い》きたる|吾《わ》が|身《み》なりせば
七
|露《つゆ》のごと|忽《たちま》ち|消《き》ゆる|楽《たの》しみや
|空《むな》しき|富《とみ》に|迷《まよ》ふ|曲人《まがひと》
八
|惟神《かむながら》|厳《いづ》の|恵《めぐ》みに|霑《うるほ》ひて
|情《つれ》なき|此《こ》の|世《よ》を|安《やす》く|渡《わた》らむ
(大正一二・五・五 旧三・二〇 隆光録)
第一四章 |神服《しんふく》〔一五六四〕
第一三二
一
|皇大神《すめおほかみ》の|御教《みをしへ》に |服従《まつろ》ひまつる|人《ひと》の|身《み》は
|千引《ちびき》の|巌《いはほ》と|動《うご》きなく スメール|山《ざん》と|聳《そび》え|立《た》つ
二
|神《かみ》の|教《をしへ》に|清《きよ》まりし |選《えら》みの|民《たみ》を|子《こ》のごとく
|抱《いだ》かせたまふ|愛《あい》の|御手《みて》 いと|柔《やは》らかに|穏《おだ》やかに
|抱《いだ》きたまひて|珍《うづ》の|国《くに》 |神《かみ》の|都《みやこ》に|導《みちび》き|玉《たま》ふ
三
|貴《うづ》の|御国《みくに》の|花園《はなぞの》に |導《みちび》きたまふ|瑞御魂《みづみたま》
|限《かぎ》りも|知《し》らぬ|御栄光《みさかえ》の |中《なか》に|安《やす》けくわが|霊《たま》を
|住《す》まはせたまふぞ|尊《たふと》けれ
第一三三
一
|興《おこ》りては|直《すぐ》に|倒《たふ》るる|国々《くにぐに》は
|皆《みな》かげろふの|姿《すがた》なりけり
二
|永久《とこしへ》に|動《うご》かず|立《た》てる|神国《かみくに》は
|乱《みだ》れも|知《し》らず|嵐《あらし》だもなし
三
|立《た》ち|騒《さわ》ぐ|浪《なみ》にも|似《に》たる|世《よ》の|中《なか》に
|心《こころ》やすくて|住《す》む|人《ひと》はなし
四
|山《やま》のごと|動《うご》かぬ|国《くに》は|伊都能売《いづのめ》の
|神《かみ》のまします|松《まつ》の|神国《かみくに》
五
|皇神《すめかみ》の|広《ひろ》き|心《こころ》は|和田《わだ》の|原《はら》
|目《め》にも|留《と》まらぬ|如《ごと》くなりけり
六
|神国《かみくに》の|清《きよ》き|力《ちから》は|潮《うしほ》なす
|海《うみ》の|底《そこ》ひもはかり|知《し》られじ
第一三四
一
あな|尊《たふと》|千座《ちくら》を|負《お》ひて|罪人《つみびと》を
|生《い》かせたまひし|岐美《きみ》の|御姿《みすがた》
二
|吾《わ》が|魂《たま》の|礎《いしずゑ》|固《かた》し|瑞御霊《みづみたま》
その|御懐《みふところ》に|抱《いだ》かれし|上《うへ》は
三
|赤心《まごころ》の|清《きよ》き|涙《なみだ》を|濺《そそ》ぎつつ
|清《きよ》めの|貴美《きみ》の|艱《なや》みをぞ|思《おも》ふ
四
|皇神《すめかみ》の|御座《みくら》の|前《まへ》に|近《ちか》づきて
|友《とも》に|交《まじ》はる|事《こと》の|楽《たの》しき
五
|曲神《まがかみ》の|深《ふか》き|企《たく》みに|勝《か》たせかし
きみのきみなる|厳《いづ》の|大神《おほかみ》
六
|皇神《すめかみ》の|誠《まこと》の|道《みち》の|栄《さか》ゆれば
|天地《てんち》の|幸《さち》は|神都《みやこ》にぞ|降《ふ》る
第一三五
一
|現世《うつしよ》はよしや|悪魔《あくま》と|変《かは》るとも
|吾《われ》は|変《かは》らじ|神《かみ》のまにまに
二
|天地《あめつち》は|砕《くだ》け|壊《やぶ》るる|事《こと》あるも
やすくあるべし|神《かみ》の|都《みやこ》は
三
|父母《ちちはは》の|情《なさけ》も|友《とも》の|親《した》しみも
|変《かは》る|御代《みよ》にも|神《かみ》は|変《かは》らじ
四
|皇神《すめかみ》の|恵《めぐ》みの|露《つゆ》は|永久《とこしへ》に
かわきし|霊《たま》に|降《ふ》りそそぐなり
五
|火《ひ》に|焼《や》かれ|水《みづ》に|溺《おぼ》るる|苦《くる》しさも
|心《こころ》はやすし|神《かみ》の|御民《みたみ》は
第一三六
一
|友《とも》となりまた|仇《あだ》となる|国々《くにぐに》も
|同《おな》じ|御神《みかみ》の|露《つゆ》に|霑《うるほ》ふ
二
|御恵《みめぐ》みの|露《つゆ》を|降《ふ》らして|世《よ》を|洗《あら》ふ
|瑞《みづ》の|大神《おほかみ》いとぞ|尊《たふと》し
三
|皇神《すめかみ》の|珍《うづ》の|御舎《みあらか》|仕《つか》へてし
|清《きよ》き|心《こころ》を|神《かみ》は|愛《め》でなむ
四
|喜《よろこ》びの|御歌《みうた》うたひて|御舎《みあらか》を
|仕《つか》へまつりし|人《ひと》を|愛《め》でます
四
|赤心《まごころ》の|清《きよ》き|祈《いの》りにこたへつつ
たまふ|恵《めぐ》みのいや|広《ひろ》きかな
六
|世《よ》の|民《たみ》を|瑞《みづ》の|御霊《みたま》に|清《きよ》めつつ
|幸《さち》はひたまふ|珍《うづ》の|言霊《ことたま》
七
|又《また》も|世《よ》に|現《あら》はれまして|天《あめ》の|下《した》
|知《し》らすよき|日《ひ》にあはせたまはれ
八
|愛善《あいぜん》のつくる|事《こと》なき|父《ちち》の|神《かみ》
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》を|与《あた》へたまへり
九
この|上《うへ》もなき|御栄《みさかえ》の|永久《とこしへ》に
あれよと|祈《いの》る|信徒《まめひと》|天晴《あは》れ
第一三七
一
|元津御祖《もとつみおや》の|皇神《すめかみ》の |恵《めぐ》みの|露《つゆ》の|弥広《いやひろ》く
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》を|世《よ》に|下《くだ》し |罪《つみ》に|死《し》したる|人草《ひとぐさ》を
|甦《よみがへ》らして|神国《かみくに》へ |導《みちび》きたまひ|今日《けふ》よりは
|御民《みたみ》の|数《かず》に|入《い》らしめよ
二
|元津御神《もとつみかみ》は|瑞御霊《みづみたま》 |下津御国《したつみくに》に|下《くだ》しまし
|千座《ちくら》の|置戸《おきど》を|負《お》はせつつ |世人《よびと》の|罪《つみ》の|贖《あがな》ひの
|清《きよ》めの|主《きみ》となしたまふ |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|神《かみ》の|恩《おん》
|慕《した》ひまつれよ|瑞御霊《みづみたま》
三
|暗《くら》き|司《つかさ》の|魔《ま》の|手《て》より |諸《もも》の|罪《つみ》をば|贖《あがな》はれ
|世人《よびと》のために|千万《ちよろづ》の |艱《なや》みをうけし|瑞御霊《みづみたま》
|諸《もも》の|悪魔《あくま》は|争《あらそ》ひて |亡《ほろ》ぼしくれむと|攻《せ》め|来《き》たる
その|光景《くわうけい》の|物凄《ものすご》さ |神《かみ》の|御子《みこ》たる|瑞御霊《みづみたま》
|仁慈《じんじ》の|鞭《むち》をふり|上《あ》げて |言向和《ことむけやは》し|神《かみ》の|代《よ》の
|栄光《さかえ》を|清《きよ》く|現《あら》はして |眠《ねむり》をさまし|玉《たま》ひけり
四
|厳《いづ》の|御霊《みたま》や|瑞御霊《みづみたま》 |清《きよ》めのきみの|御《おん》もとに
|生《い》きては|頼《たよ》り|死《まか》りては |御側《みそば》に|近《ちか》く|縋《すが》りつき
|恵《めぐ》みに|離《はな》るる|事《こと》もなく |清《きよ》く|正《ただ》しく|永久《とこしへ》に
つかはせたまへ|惟神《かむながら》 |謹《つつし》みゐやまひ|願《ね》ぎまつる
第一三八
一
|暗《くら》き|世《よ》の|光《ひかり》となりて|天降《あも》ります
|厳《いづ》の|御霊《みたま》の|御稜威《みいづ》かしこし
二
|今《いま》よりは|命《いのち》の|主《きみ》の|御手《みて》のままに
うちまかせつつ|神国《みくに》に|進《すす》まむ
三
|素盞嗚《すさのを》の|神《かみ》の|血潮《ちしほ》に|洗《あら》はれし
|人《ひと》は|御国《みくに》に|直《ただ》に|進《すす》まむ
四
|罪《つみ》に|死《し》し|恵《めぐ》みに|生《い》きて|皇神《すめかみ》の
|御《み》もとに|栄《さか》ゆる|身《み》こそ|嬉《うれ》しき
五
|皇神《すめかみ》の|教《をしへ》の|御子《みこ》の|数《かず》に|入《い》る
その|御《み》しるしの|守神祭《しゆじんさい》かな
六
|許々多久《ここたく》の|罪《つみ》を|清《きよ》むる|身《み》の|幸《さち》は
|世《よ》に|比《くら》ぶべきものこそあらめ
七
|吾《わ》が|霊《たま》も|身体《からだ》も|捧《ささ》げて|皇神《すめかみ》の
|御名《みな》を|称《たた》へつ|月日《つきひ》を|送《おく》らむ
第一三九
一
|三千年《みちとせ》の|月日《つきひ》|重《かさ》ねて|今《いま》もなほ
|変《かは》りたまはぬ|神《かみ》の|御瑞兆《みしるし》
二
|奥《おく》|深《ふか》くはかり|知《し》られぬ|秘事《ひめごと》を
やすく|覚《さと》りぬ|神《かみ》の|御文《みふみ》に
三
|蓮華台《れんげだい》|清《きよ》き|御庭《みには》に|集《あつ》まりし
|身魂《みたま》を|永久《とは》に|照《て》らさせたまへ
四
|永久《とこしへ》の|誠《まこと》のみのり|結《むす》ぶべく
すすがせたまへおのが|身魂《みたま》を
第一四〇
一
|八束髯《やつかひげ》|手足《てあし》の|爪《つめ》を|剥《は》がれつつ
|血《ち》をもて|世《よ》をば|清《きよ》めたまひぬ
二
|許々多久《ここたく》の|罪《つみ》も|汚《けが》れも|皇神《すめかみ》の
|血潮《ちしほ》によりて|洗《あら》はれにける
三
|御恵《みめぐ》みの|教《をしへ》の|文《ふみ》を|謹《つつし》みて
|味《あぢ》はふ|霊魂《たま》とならしめたまへ
四
|安河《やすかは》に|誓約《うけひ》の|業《わざ》を|始《はじ》めたる
|厳《いづ》と|瑞《みづ》との|神《かみ》ぞ|尊《たふと》き
五
|八衢《やちまた》の|醜《しこ》の|大蛇《をろち》の|帯《お》ばせたる
|厳《いづ》の|劔《つるぎ》を|奉《たてまつ》りたる|君《きみ》
第一四一
一
|選《えら》まれし|神《かみ》の|御民《みたみ》よ|声《こゑ》|高《たか》く
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》を|称《たた》へ|唱《うた》へよ
二
|言霊《ことたま》のあらむ|限《かぎ》りを|尽《つく》すとも
|如何《いか》でうつし|得《え》む|瑞《みづ》の|御勲《みいさを》
三
|現世《うつしよ》におどろき|難儀《なんぎ》|多《おほ》けれど
|神《かみ》としあれば|撓《たわ》むことなし
四
|千座《ちくら》なす|置戸《おきど》を|負《お》ひて|神人《かみびと》の
|生命《いのち》|守《まも》りしきみぞ|尊《たふと》き
五
|風流《みやび》なる|御歌《みうた》うたひて|瑞御霊《みづみたま》
ほめ|称《たた》へなむ|高《たか》き|勲《いさを》を
六
|飢《う》ゑ|渇《かわ》く|心《こころ》に|生命《いのち》の|糧《かて》と|水《みづ》
|豊《ゆた》かにたまひし|瑞《みづ》の|大神《おほかみ》
七
|御恵《みめぐ》みののどかなりける|筵《むしろ》には
|掟《おきて》の|影《かげ》も|消《き》えてゆくなり
八
|玉《たま》の|緒《を》の|生命《いのち》と|誠《まこと》の|御光《みひかり》と
|輝《かがや》き|玉《たま》ふ|厳《いづ》の|大神《おほかみ》
九
|夜《よ》は|更《ふ》けて|曲《まが》の|軍《いくさ》の|狂《くる》ひ|立《た》つ
|折《を》りにも|神《かみ》は|安《やす》きを|賜《たま》へり
(大正一二・五・五 旧三・二〇 於教主殿 明子録)
第一五章 |神前《しんぜん》〔一五六五〕
第一四二
一
|皇大神《すめおほかみ》の|永久《とこしへ》に |鎮《しづ》まり|居《ゐ》ます|天津国《あまつくに》
|大御座《おほみくら》よりこぼれたる |屑《くづ》だに|拾《ひろ》ふ|価《あたひ》なき
|吾《わ》が|身《み》を|如何《いか》に|過《す》ごさむや あはれみたまへ|瑞御霊《みづみたま》
|厳《いづ》の|御霊《みたま》の|御前《おんまへ》に |赤心《まごころ》|捧《ささ》げて|願《ね》ぎまつる
二
|諸《もも》の|罪科《つみとが》ことごとく |赦《ゆる》させたまふ|大神《おほかみ》の
|広《ひろ》き|誓《ちか》ひをひたすらに |身魂《みたま》の|綱《つな》と|頼《たの》みつつ
|厳《いづ》のおめしに|従《したが》ひて |御許《みもと》にゆくより|道《みち》はなし
ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》 |謹《つつし》み|敬《うやま》ひ|願《ね》ぎまつる
三
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|笑顔《ゑがほ》をば |胸《むね》の|帳《とばり》を|引《ひ》きあけて
|拝《をろが》みまつる|其《そ》の|時《とき》は |浪風《なみかぜ》|猛《たけ》る|世《よ》の|中《なか》も
|何《なん》の|苦《く》もなく|勇《いさ》ましく |再《ふたた》び|生《い》きて|働《はたら》かむ
|神《かみ》の|恵《めぐ》みは|上《うへ》もなく その|功績《いさをし》は|果《は》てもなし
四
|罪《つみ》を|重《かさ》ねし|吾々《われわれ》の |醜《みにく》き|身魂《みたま》を|科戸辺《しなどべ》の
|風《かぜ》に|苦《く》もなく|吹《ふ》き|払《はら》ひ |勇《いさ》みて|此《こ》の|世《よ》にながらへつ
|雄々《をを》しく|大道《おほぢ》の|真中《まんなか》を |進《すす》ませたまへと|願《ね》ぎまつる
五
|厳《いづ》の|御声《みこゑ》の|嬉《うれ》しさに |吾《わ》が|身《み》を|忘《わす》れて|大前《おほまへ》に
|近《ちか》づき|清《きよ》き|信徒《まめひと》の |集《あつ》まる|筵《むしろ》に|連《つら》なりて
|御稜威《みいづ》を|讃《ほ》めさせたまへかし
六
|今日《けふ》の|生日《いくひ》の|御祭《みまつり》の |限《かぎ》りも|知《し》らぬ|喜《よろこ》びに
|身《み》も|魂《たましひ》も|包《つつ》まれて いや|永久《とこしへ》に|饗応《ふるまひ》の
|筵《むしろ》に|加《くは》へたまへかし ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|御前《みまへ》に|感謝《かんしや》し|奉《たてまつ》る
第一四三
一
|夜《よる》なき|国《くに》を|永久《とこしへ》に |知召《しろしめ》さむと|御空《みそら》より
|下《くだ》らせたまふ|五六七神《みろくしん》 |常世《とこよ》の|春《はる》の|来《き》たるまで
|守《まも》る|尊《たふと》き|神《かみ》の|法《のり》 |悟《さと》らせたまへと|願《ね》ぎ|奉《まつ》る
二
|世人《よびと》のために|赤心《まごころ》を |尽《つく》す|誠《まこと》の|無《な》き|人《ひと》は
|深遠微妙《しんゑんびめう》の|神《かみ》の|法《のり》 |如何《いか》でか|悟《さと》り|得《え》らるべき
|心《こころ》を|鎮《しづ》めて|皇神《すめかみ》の |厳《いづ》の|御文《みふみ》を|調《しら》ぶべし
三
|心《こころ》の|中《うち》に|犯《をか》したる |吾《わ》が|身《み》の|罪《つみ》を|悔《く》ゆること
|知《し》らざるものは|如何《いか》にして |神《かみ》の|教《をしへ》の|悟《さと》れむや
|改悟《かいご》の|涙《なみだ》なき|人《ひと》は |如何《いか》でか|知《し》らむ|皇神《すめかみ》の
|尽《つ》きせぬ|恵《めぐ》みの|御心《みこころ》を |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|苦《くる》しみを
|心《こころ》を|潜《ひそ》めてよく|悟《さと》り |味《あぢ》はひかしこみ|守《まも》りなば
これの|教《をしへ》は|明《あき》らかに |手《て》に|取《と》るごとく|悟《さと》り|得《え》む
|千代《ちよ》に|尽《つ》きせぬ|命《いのち》をば |受《う》けし|吾等《われら》は|生《う》みの|子《こ》の
|弥《いや》つぎつぎに|言《い》ひ|伝《つた》へ |守《まも》り|進《すす》まむ|神《かみ》の|法《のり》
第一四四
一
|恵《めぐ》みの|主《きみ》にうれしくも |高天原《たかあまはら》の|聖場《せいぢやう》に
|親《した》しく|謁《まみ》え|奉《たてまつ》り |永遠《とは》に|尽《つ》きせぬ|幸《さちは》ひを
|身魂《みたま》に|受《う》けし|嬉《うれ》しさよ
二
|命《いのち》の|神《かみ》の|降《くだ》ります |目出《めで》たき|生日《いくひ》を|頼《たの》もしく
|思《おも》ひかへして|現世《うつしよ》の |重荷《おもに》を|下《お》ろし|皇神《すめかみ》の
|珍《うづ》の|筵《むしろ》にうら|安《やす》く つかせたまへと|願《ね》ぎまつる
三
|神《かみ》の|恵《めぐ》みのたれる|時《とき》 |永遠《とは》の|生命《いのち》の|充《み》てる|時《とき》
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》と|諸共《もろとも》に |生日《いくひ》を|祝《いは》ひて|過《す》ごすべし
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|贖罪《あがなひ》に すべての|霊《みたま》は|清《きよ》まりぬ
四
|玉《たま》の|御声《みこゑ》を|耳《みみ》にして |悩《なや》みは|忽《たちま》ち|喜《よろこ》びと
|変《かは》りゆくこそ|尊《たふと》けれ
五
|汚《けが》れも|頓《とみ》に|清《きよ》まりて |厳《いづ》の|力《ちから》は|日《ひ》に|月《つき》に
|加《くは》はり|行《ゆ》くこそ|畏《かしこ》けれ |天津御国《あまつみくに》の|喜《よろこ》びの
|宴会《うたげ》の|幸《さち》は|如何《いか》ならむ |現世《うつしよ》さへも|斯《か》くばかり
|楽《たの》しき|清《きよ》き|喜《よろこ》びの |宴会《うたげ》の|蓆《むしろ》|眺《なが》むれば
|神国《みくに》の|姿《すがた》ぞ|偲《しの》ばるる
第一四五
一
|咲《さ》き|匂《にほ》ふ|春《はる》の|花野《はなの》に|遊《あそ》べよと
|珍《うづ》の|御声《みこゑ》のかかる|嬉《うれ》しさ
二
|人足《ひとあし》も|絶《た》えて|淋《さび》しき|陸奥《みちのく》の
|荒野《あらの》が|原《はら》にも|恵《めぐ》みの|花《はな》|咲《さ》く
三
|親《おや》が|子《こ》を|恋《こ》ふる|如《ごと》くに|大道《おほみち》に
|迷《まよ》ふ|吾等《われら》をいたはりたまふ
四
|谷《たに》|深《ふか》み|人《ひと》も|通《かよ》はぬ|山奥《やまおく》の
|花《はな》にも|神《かみ》の|恵《めぐ》みありけり
五
|瑞御霊《みづみたま》その|面影《おもかげ》は|見《み》えずとも
|珍《うづ》の|心《こころ》を|諭《さと》す|神文《かみふみ》
六
|瑞御霊《みづみたま》いづくのはてに|潜《ひそ》むとも
|清《きよ》めたまはむ|安《やす》けき|国《くに》へ
第一四六
一
|罪《つみ》|深《ふか》き|身《み》を|持《も》ちながら|貴美《きみ》の|前《まへ》に
|額《ぬか》づき|得《え》しぞ|恵《めぐ》みなるらむ
二
|信徒《まめひと》が|共《とも》に|手《て》を|曳《ひ》き|変《かは》りなく
|相見《あひみ》る|幸《さち》の|如何《いか》に|尊《たふと》き
三
|現世《うつしよ》の|醜《しこ》の|戦《たたか》ひ|諸《もも》の|罪《つみ》
|鎮《しづ》まりて|行《ゆ》く|神《かみ》の|権威《ちから》に
四
|許々多久《ここたく》の|艱《なや》み|憂《うれ》ひも|御心《みこころ》ぞ
やがては|深《ふか》き|喜《よろこ》びとならむ
五
|勇《いさ》ましく|瑞《みづ》の|御霊《みたま》に|従《したが》ひて
|千座《ちくら》を|負《お》はむ|栄光《さかえ》のために
六
|滅《ほろ》び|行《ゆ》く|世《よ》を|生《い》かします|瑞御霊《みづみたま》
めぐみの|露《つゆ》の|清《きよ》くしたたる
第一四七
一
|神《かみ》の|前《まへ》よしや|離《はな》れて|行《ゆ》くとても
|心《こころ》はなすな|清《きよ》めの|主《きみ》に
二
|大神業《おほみわざ》|清《きよ》くつとめて|村肝《むらきも》の
|心《こころ》|一《ひと》つに|励《はげ》め|信徒《まめひと》
三
|日《ひ》に|月《つき》に|神《かみ》の|御畑《みはた》を|耕《たがや》せば
|秋《あき》の|垂穂《たりほ》は|豊《ゆた》かなるべし
四
|天津国《あまつくに》|神《かみ》の|御前《みまへ》に|舞《ま》ひ|昇《のぼ》り
|教《をしへ》の|御子《みこ》と|共《とも》に|楽《たの》しむ
五
かくならば|別《わか》れなやみも|非《あら》ずして
いや|永久《とこしへ》につきぬ|親《した》しみ
第一四八
一
|世《よ》の|幸《さち》を|来《き》たさむために|瑞御霊《みづみたま》
シオンの|山《やま》にくだりますかも
二
|仇《あだ》に|勝《か》ち|世《よ》を|知召《しろしめ》す|厳御霊《いづみたま》
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|神《かみ》ぞうるはし
三
|千早《ちはや》|振《ふ》る|神《かみ》の|御代《みよ》より|待《ま》ち|佗《わ》びし
|命《いのち》の|主《きみ》のくだる|嬉《うれ》しさ
四
|上《かみ》つ|代《よ》の|聖《ひじり》もつひに|知《し》らざりし
|光《ひかり》|見《み》る|身《み》の|頼《たの》もしきかな
五
|丸山《まるやま》の|台《うてな》におこる|神歌《かみうた》は
|四方《よも》の|国々《くにぐに》|響《ひび》き|渡《わた》れり
六
|四方《よも》の|国《くに》もらさず|落《お》とさず|生命《せいめい》の
|教《をしへ》の|道《みち》に|入《い》らしめ|給《たま》へ
第一四九
一
|誰《たれ》も|彼《か》も|神《かみ》の|給《たま》ひし|御恵《みめぐ》みを
|受《う》けざるはなし|堅磐常磐《かきはときは》に
二
|飢《う》ゑ|渇《かわ》く|人《ひと》に|真清水《ましみづ》|糧《かて》|与《あた》へ
|生《い》かさせたまふ|瑞《みづ》の|大神《おほかみ》
三
|選《えら》まれし|民《たみ》の|受《う》けたる|御恵《みめぐ》みを
|広《ひろ》く|分《わか》てよ|四方《よも》の|人等《ひとら》に
四
つかれたる|人《ひと》には|安息《いこひ》|飢《う》ゑ|渇《かわ》く
まづしき|者《もの》に|糧《かて》を|与《あた》ふる
五
|冬《ふゆ》さむき|薄衣《うすぎ》に|慄《ふる》ふ|民草《たみぐさ》も
やがては|開《ひら》く|花《はな》の|春《はる》|来《こ》む
六
|御恵《みめぐ》みを|喜《よろこ》ぶ|声《こゑ》は|迦陵〓伽《からびんが》の
|鳴《な》く|音《ね》よりもなほ|心地《ここち》よきかな
七
|来《く》る|春《はる》の|花《はな》|咲《さ》き|匂《にほ》ふ|楽《たの》しさは
ミロクの|御代《みよ》の|兆《しるし》なりけり
第一五〇
一
|皇神《すめかみ》に|捧《ささ》ぐるものは|悉《ことごと》く
|神《かみ》より|受《う》けし|御賜《みたまもの》なり
二
|皇神《すめかみ》に|受《う》けし|宝《たから》をおとさずに
|清《きよ》く|用《もち》ひよ|道《みち》の|信徒《まめひと》
三
|放《はな》たれて|山路《やまぢ》に|迷《まよ》ふ|人《ひと》もあり
|神《かみ》の|恵《めぐ》みに|囚《とら》はるもあり
四
|冷《ひえ》わたり|恵《めぐ》みの|花《はな》は|打萎《うちしを》れ
のぞみなき|家《や》は|数《かず》|限《かぎ》りなし
五
|曲道《まがみち》に|迷《まよ》ふ|羊《ひつじ》を|皇神《すめかみ》の
|大路《おほぢ》にかへし|清《きよ》むる|神人《かみびと》
六
|皇神《すめかみ》の|厳《いづ》の|神業《みわざ》に|神習《かむなら》ひ
|捧《ささ》ぐる|誠《まこと》|受《う》けさせたまふ
第一五一
一
|天地《あめつち》を|造《つく》り|固《かた》めし|大神《おほかみ》の
いづの|恵《めぐ》みに|酬《むく》ふ|術《すべ》なし
二
|春《はる》は|花《はな》|秋《あき》は|紅葉《もみぢ》と|折《を》りをりに
|世人《よびと》を|笑《ゑ》ませ|給《たま》ふ|大神《おほかみ》
三
|家族《うから》|親族《やから》|睦《むつ》び|親《した》しみ|家《いへ》の|業《わざ》
|富《と》み|栄《さか》ゆるも|神《かみ》の|賜《たまもの》
四
|瑞御霊《みづみたま》|千座《ちくら》の|置戸《おきど》を|負《お》はせつつ
|世人《よびと》の|犠牲《にえ》と|降《くだ》りましけり
五
|瑞御霊《みづみたま》|天津空《あまつそら》より|降《くだ》らせて
|吾等《われら》が|霊《たま》を|生《い》かせたまへり
六
|神国《かみくに》に|昇《のぼ》る|望《のぞ》みを|与《あた》へます
|皇大神《すめおほかみ》に|酬《むく》ふ|術《すべ》なし
七
|白銀《しろがね》も|黄金《こがね》も|玉《たま》も|悉《ことごと》く
|錆腐《さびくさ》り|行《ゆ》く|仮《かり》の|宝《たから》ぞ
八
|皇神《すめかみ》を|称《たた》へまつりて|備《そな》へ|奉《まつ》る
|宝《たから》は|神国《みくに》の|倉《くら》に|納《をさ》まる
九
|錆腐《さびくさ》る|仮《かり》の|宝《たから》も|神《かみ》の|国《くに》の
|貢《みつぎ》となして|受《う》けさせたまへ
一〇
|御恵《みめぐ》みの|深《ふか》きに|酬《むく》い|足《た》らねども
|身《み》も|魂《たましひ》も|喜《よろこ》び|捧《ささ》げむ
(大正一二・五・五 旧三・二〇 於教主殿 明子録)
第四篇 |風山雅洋《ふうざんがやう》
第一六章 |神英《しんえい》〔一五六六〕
第一五二
一
|左手《ゆんで》にて|施与《ほどこし》するを|右《みぎ》の|手《て》にて
|知《し》らせざるこそ|神《かみ》に|叶《かな》へり
二
|川《かは》の|瀬《せ》に|落《お》ちて|流《なが》るる|種子《たね》さへも
|何《いづ》れの|岸《きし》にか|生《お》ひたつものを
三
|惟神《かむながら》|神《かみ》のまにまに|何事《なにごと》も
|務《つと》めゆく|身《み》に|過失《あやまち》はなし
四
|荒風《あらかぜ》に|裂《さ》き|折《を》られしと|見《み》えし|木《き》の
|木蔭《こかげ》にさへも|人《ひと》は|寄《よ》り|来《く》る
第一五三
一
|常暗《とこやみ》の|夜《よ》は|明《あ》けゆきて|地《ち》の|上《うへ》に
|住《す》む|人《ひと》の|子《こ》も|眼《まなこ》さましぬ
二
|御教《みをしへ》を|聞《き》いて|涙《なみだ》に|咽《むせ》びつつ
|犯《をか》せし|罪《つみ》を|悔《く》ゆる|尊《たふと》さ
三
|大八洲《おほやしま》|八十《やそ》の|国人《くにびと》ことごとく
|御前《みまへ》に|畏《かしこ》む|時《とき》|近《ちか》づきぬ
四
|千万《ちよろづ》の|国《くに》の|人草《ひとぐさ》|心《こころ》より
|御空《みそら》|仰《あふ》ぎて|恵《めぐ》みを|慕《した》ふ
五
いと|清《きよ》し|由良《ゆら》の|流《なが》れに|罪《つみ》を|洗《あら》ひ
|神《かみ》の|御国《みくに》に|行《ゆ》くぞかしこき
六
|瑞御霊《みづみたま》|現《あら》はれ|玉《たま》ひ|御恵《みめぐ》みの
|潤《うるほ》ふ|日《ひ》まで|忍《しの》ばせ|玉《たま》へ
第一五四
一
|世界《せかい》を|繞《めぐ》る|氷《こほり》の|山《やま》も |照《て》る|日《ひ》にやける|真砂《まさご》の|浜《はま》も
|神《かみ》の|恵《めぐ》みを|求《もと》めつつ |叫《さけ》ぶ|声《こゑ》こそ|響《ひび》きけり
|艱《なや》みの|鎖《くさり》|解《と》けよ|放《はな》てよ
二
|皇神《すめかみ》の|恵《めぐ》みの|露《つゆ》は|草《くさ》にすら
|豊《ゆた》かにかかり|月日《つきひ》は|宿《やど》る
三
|厳《いづ》の|恵《めぐ》みは|足曳《あしびき》の |山《やま》にも|野《の》にも|充《み》ちたらふ
|万《よろづ》の|物《もの》の|司《つかさ》なる |人《ひと》をば|見捨《みす》て|玉《たま》はむや
|慕《した》ひまつれよ|神《かみ》の|愛《あい》 |上《うへ》なる|神《かみ》の|御智慧《おんちゑ》に
|暗《くら》き|心《こころ》を|照《て》らされし われ|等《ら》はいかで|御光《みひかり》を
|暗《くら》きに|迷《まよ》ひ|苦《くる》しめる |世人《よびと》に|照《て》らさで|秘《ひ》めおかむや
四
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|世《よ》を|治《し》らす |五六七《みろく》の|御代《みよ》の|来《き》たるまで
|身魂《みたま》を|磨《みが》き|生命《せいめい》の |光《ひかり》の|御旗《みはた》|掲《かか》げつつ
|四方《よも》の|国々《くにぐに》|照《て》らせかし
第一五五
一
|天津日《あまつひ》の|照《て》らすかぎりは|皇神《すめかみ》の
|御国《みくに》となりて|永遠《とは》に|栄《さか》えむ
二
|厳御魂《いづみたま》|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御名《みな》により
|捧《ささ》ぐる|祈祷《いのり》は|安《やす》く|受《う》けまさむ
三
|諸々《もろもろ》の|国々《くにぐに》の|民《たみ》|皇神《すめかみ》の
|御名《みな》を|称《たた》ふる|時《とき》は|来《き》にけり
四
|囚人《めしうど》は|罪《つみ》は|赦《ゆる》され|貧《まづ》しきは
|富《と》みて|恵《めぐ》みの|雨《あめ》に|潤《うるほ》ふ
五
|天ケ下《あめがした》|万《よろづ》の|物《もの》は|皇神《すめかみ》の
|御名《みな》を|謳《うた》ひて|歓《えら》ぎ|楽《たの》しむ
第一五六
一
|地《ち》の|上《うへ》の|総《すべ》ては|神《かみ》に|服《まつろ》ひしと
|天《あめ》なる|神《かみ》は|喜《よろこ》び|玉《たま》ふ
二
|高山《たかやま》も|低山《ひきやま》も|皆《みな》|皇神《すめかみ》に
|仕《つか》へて|御名《みな》を|称《たた》ふる|神《かみ》の|代《よ》
三
|五六七《みろく》の|世《よ》|現《あら》はれ|来《き》たる|日《ひ》を|待《ま》ちて
|祈《いの》る|吾等《われら》の|誠《まこと》を|聞《き》こしめせ
第一五七
一
|夜《よ》の|守《まも》り|日《ひ》の|御守《みまも》りと|朝夕《あさゆふ》に
|恵《めぐ》みの|光《ひかり》|照《て》らす|皇神《すめかみ》
二
|山《やま》の|端《は》に|輝《かがや》く|星《ほし》の|光《かげ》|見《み》れば
|旅《たび》の|夕《ゆふ》べのいとど|楽《たの》しき
三
|東《ひむがし》の|空《そら》に|輝《かがや》く|星《ほし》かげに
|信徒《まめひと》|永遠《とは》の|希望《のぞみ》を|仰《あふ》ぐ
四
|永久《とこしへ》につきぬ|恵《めぐ》みも|御教《みをしへ》も
|今《いま》はさやかにきらめきにけり
五
いと|寒《さむ》き|露《つゆ》をばあびて|夜《よ》を|守《まも》る
|業《わざ》の|勉《つと》めも|果《は》つる|日《ひ》|近《ちか》し
六
|世《よ》の|道《みち》に|悩《なや》みて|旅行《たびゆ》く|人々《ひとびと》の
|憩《いこ》ふ|時《とき》こそ|近《ちか》づきにけり
第一五八
一
|国々《くにぐに》に|輝《かがや》き|渡《わた》る|御恵《みめぐ》みの
|光《ひかり》は|瑞《みづ》の|御霊《みたま》なりけり
二
|日《ひ》に|月《つき》に|弥益《いやます》|幸《さち》を|得《え》よかしと
|光《ひかり》の|神《かみ》を|祈《いの》りこそすれ
三
ほろびしと|世《よ》に|思《おも》はれし|三五《あななひ》の
|神業《みわざ》の|焔《ほのほ》またも|燃《も》えつつ
四
|常世《とこよ》|行《ゆ》く|暗《やみ》を|照《て》らして|厳《いづ》の|神《かみ》
|罪《つみ》の|根城《ねじろ》を|砕《くだ》かせ|玉《たま》ふ
五
|日《ひ》の|下《もと》に|天降《あも》りましたる|御使《みつかひ》を
|慕《した》ひて|来《き》たれ|世《よ》の|悉《ことごと》は
六
|厳御霊《いづみたま》|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|力《ちから》ならで
|誰《たれ》か|此《こ》の|世《よ》を|清《きよ》め|得《う》べしや
七
|手毬《てまり》なす|雲《くも》も|忽《たちま》ち|大空《おほぞら》を
|塞《ふさ》ぐが|如《ごと》き|三五《あななひ》の|道《みち》
八
|地《ち》の|上《うへ》の|在《あ》りの|悉《ことごと》|潤《うるほ》はむ
|恵《めぐ》みの|雨《あめ》の|降《ふ》りしきる|世《よ》は
九
|一粒《ひとつぶ》の|粟《あは》|種子《たね》|蒔《ま》きて|万倍《まんばい》の
|実《み》を|結《むす》ぶなる|三五《あななひ》の|道《みち》
第一五九
一
|厳《いづ》の|御霊《みたま》や|瑞御霊《みづみたま》 |穢《けが》れを|清《きよ》め|世《よ》を|生《い》かす
よき|訪《おとづ》れは|久方《ひさかた》の |天《あめ》にも|地《つち》にも|雷《いかづち》の
|轟《とどろ》く|如《ごと》く|鳴《な》り|響《ひび》く |山河草木《やまかはくさき》|相共《あひとも》に
|五六七《みろく》の|御代《みよ》を|称《たた》へつつ |調《しらべ》を|合《あは》せ|御栄光《みさかえ》を
|謳《うた》ひ|楽《たの》しむ|時《とき》は|来《き》ぬ |朝日《あさひ》の|如《ごと》く|輝《かがや》きて
|御空《みそら》に|上《のぼ》る|皇神《すめかみ》の |光《ひかり》を|共《とも》に|仰《あふ》げかし
二
|万《よろづ》の|戦《たたか》ひ|治《をさ》まりぬ |百《もも》の|国人《くにびと》|生命《せいめい》の
|御旗《みはた》の|下《もと》に|馳《は》せついて |平安《やすき》と|栄光《さかえ》を|祈《いの》るべし
|憂《うれ》ひ|艱《なや》みの|雲《くも》はれて |恵《めぐ》みの|月日《つきひ》|空《そら》に|照《て》り
いや|永久《とこしへ》にやすむべき |目出《めで》たき|日《ひ》こそ|来《き》たりけり
|厳《いづ》の|御魂《みたま》の|御教《おんをしへ》 |瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御誓《おんちか》ひ
|充《み》つる|時《とき》こそ|来《き》たりけり |待《ま》ち|焦《こが》れたる|再臨《さいりん》の
|月日《つきひ》を|喜《よろこ》び|謳《うた》ひつつ |喜《よろこ》び|見《み》るべき|時《とき》は|来《き》ぬ
第一六〇
一
|風《かぜ》|荒《すさ》み|波《なみ》は|逆巻《さかま》く|海《うみ》の|上《うへ》に
|船《ふね》を|操《あやつ》る|人《ひと》ぞ|危《あやふ》き
二
いと|安《やす》く|港《みなと》に|進《すす》む|御力《みちから》を
|授《さづ》け|助《たす》くる|神《かみ》ぞ|恋《こひ》しき
三
|黄昏《たそが》れて|嶮《けは》しき|山《やま》に|迷《まよ》ふ|身《み》も
|誠《まこと》の|神《かみ》は|照《て》らし|玉《たま》はむ
四
|吾《わ》が|思《おも》ふ|心《こころ》のままに|貧《まづ》しきを
|賑《にぎ》はす|宝《たから》なきぞ|悲《かな》しき
五
|形《かたち》ある|宝《たから》を|持《も》ちてつくすより
|誠《まこと》の|教《のり》に|身魂《みたま》|洗《あら》へよ
六
|星光《ほしかげ》の|洩《も》れ|来《く》る|伏屋《ふせや》に|住《す》むとても
|喜《よろこ》び|多《おほ》き|神《かみ》の|教《をし》へ|子《ご》
七
|秋《あき》の|田《た》に|立《た》ち|出《で》て|厳《いづ》の|八束穂《やつかほ》を
|集《あつ》むる|人《ひと》ぞ|楽《たの》しかるらむ
八
|神国《かみくに》の|神苑《みその》に|種《たね》をおろしなば
|弥《いや》まさりたる|収穫《みのり》あるべし
九
|心《こころ》なき|田人《たびと》のうとく|残《のこ》したる
|落穂《おちほ》|拾《ひろ》ひて|道《みち》にささげむ
一〇
|雨《あめ》の|漏《も》る|賤ケ伏屋《しづがふせや》の|軒《のき》にさへ
|菫《すみれ》は|香《にほ》ひ|蒲公英《たんぽぽ》は|咲《さ》く
一一
|蟇《ひきがへる》|頭《かしら》にさへも|夜《よる》|光《ひか》る
|玉《たま》の|潜《ひそ》める|例《ためし》ありけり
一二
|真砂《まさご》にも|黄金《こがね》の|混《まじ》る|物《もの》ぞかし
|心《こころ》をとめて|探《さぐ》り|求《もと》めよ
一三
|何処《いづこ》にも|人《ひと》の|為《な》すべき|神業《かむわざ》の
|開《ひら》かれあるを|人《ひと》は|知《し》らざり
第一六一
一
|天津日《あまつひ》の|光《ひかり》の|届《とど》かぬ|国《くに》さへも
|神《かみ》の|恵《めぐ》みの|雨《あめ》は|降《ふ》るなり
二
|三五《あななひ》の|神《かみ》の|教《をしへ》は|常世《とこよ》|行《ゆ》く
|暗《やみ》を|分《わ》け|行《ゆ》く|月日《つきひ》なりけり
三
|目《め》の|見《み》えぬあはれ|果敢《はか》なき|人《ひと》の|身《み》を
|神《かみ》は|宿《やど》りて|守《まも》り|玉《たま》ひぬ
四
|世《よ》の|人《ひと》の|悩《なや》み|苦《くる》しみ|患《わづら》ひを
|憐《あは》れみ|清《きよ》むる|瑞《みづ》の|大神《おほかみ》
五
|吾《わ》が|生命《いのち》|永遠《とは》に|与《あた》ふる|皇神《すめかみ》は
|身魂《みたま》の|燈火《あかり》|照《て》らし|玉《たま》ひぬ
六
|現世《うつしよ》の|暗路《やみぢ》に|光《ひかり》|与《あた》へつつ
|神《かみ》の|御国《みくに》へ|進《すす》ませ|玉《たま》ふ
七
|瑞御魂《みづみたま》|命《いのち》の|主《きみ》よ|海原《うみ》の|如《ごと》
みたさせ|玉《たま》へ|厳《いづ》の|恵《めぐ》みを
八
|惟神《かむながら》|神知《かみし》ろしめす|世《よ》の|中《なか》は
|心《こころ》|一《ひと》つで|曲神《まがかみ》もなし
(大正一二・五・六 旧三・二一 隆光録)
第一七章 |神月《しんげつ》〔一五六七〕
第一六二
一
あな|尊《たふと》あな|美《うる》はしき|綾《あや》の|里《さと》に
|珍《うづ》の|光《ひかり》の|照《て》りそめにける
二
|常暗《とこやみ》に|迷《まよ》ひ|苦《くる》しむ|民草《たみぐさ》も
|此《この》みしるしをことほぎ|奉《まつ》れ
三
あな|尊《たふと》あな|美《うる》はしき|聖地《せいち》の|朝《あさ》
|心《こころ》|楽《たの》しき|日《ひ》は|来《き》たりけり
四
|日《ひ》の|本《もと》の|日《ひ》の|出《で》の|島《しま》も|諸国《もろくに》も
|今《いま》こそ|神《かみ》の|幸《さち》を|受《う》けなむ
五
|山《やま》も|野《の》も|花《はな》|咲《さ》き|匂《にほ》ひ|永久《とこしへ》の
|泉《いづみ》|湧《わ》き|出《づ》る|神代《かみよ》|来《き》にけり
六
ミロクの|代《よ》|喜《よろこ》び|祝《いは》ふ|声々《こゑごゑ》は
|山《やま》の|尾上《をのへ》にも|響《ひび》き|渡《わた》れり
七
スメールの|山《やま》より|高《たか》く|皇神《すめかみ》の
|御稜威《みいづ》を|清《きよ》く|称《たた》へまつれよ
八
|三五《あななひ》の|教《をしへ》の|道《みち》の|輝《かがや》きて
|遍《あまね》く|闇《やみ》を|照《て》らしゆくなり
第一六三
一
|秋《あき》の|田《た》の|黄金《こがね》の|浪《なみ》は|益人《ますひと》の
|齢《よはひ》をわたす|御船《みふね》とぞ|知《し》れ
二
|八束穂《やつかほ》の|足穂《たりほ》は|色《いろ》づき|満《み》ちにけり
いざ|苅《か》り|取《と》れよ|秋《あき》の|最中《もなか》に
三
|苅《か》り|入《い》るる|稲穂《いなほ》は|多《おほ》く|苅《か》る|人《ひと》は
|少《すく》なし|下僕《しもべ》いそしみ|仕《つか》へよ
四
|東雲《しののめ》と|共《とも》に|起《お》き|出《い》で|八束穂《やつかほ》を
|苅《か》らしめ|給《たま》へ|夕暮《ゆふぐ》るるまで
五
|苅入《かりい》れの|終《をは》りし|上《うへ》は|天津国《あまつくに》の
|御倉《みくら》に|納《をさ》めて|祝《いは》ひまつらむ
第一六四
一
|心《こころ》|傲《おご》れる|国人達《くにびとたち》も いづの|御神《みかみ》によく|仕《つか》へ
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》に|頼《たよ》り|来《く》る よき|日《ひ》を|早《はや》く|来《き》たらせたまへ
二
|栄《さか》えの|夢《ゆめ》に|酔《よ》ひ|果《は》てし |泡《あわ》なすきみも|村肝《むらきも》の
|心《こころ》おどろき|馳《は》せ|来《き》たり |命《いのち》の|主《きみ》を|世柱《よはしら》と
|仰《あふ》ぐ|神代《かみよ》を|速《すみ》やかに |来《き》たらせたまへ|惟神《かむながら》
|御前《みまへ》に|平伏《ひれふ》し|願《ね》ぎまつる
三
|劔《つるぎ》も|太刀《たち》も|大砲《おほづつ》も |軍《いくさ》の|艦《ふね》も|武夫《もののふ》も
|用《よう》なき|御代《みよ》にかへしまし |平和《やすき》と|栄光《さかえ》と|歓喜《よろこび》を
|此《この》|世《よ》に|来《き》たす|瑞御霊《みづみたま》 ミロクの|神《かみ》の|大神《おほまへ》に
|心《こころ》|清《きよ》めて|願《ね》ぎまつる
四
いとも|尊《たふと》き|奇《くしび》なる |神《かみ》の|御業《みわざ》を|畏《かしこ》みて
|栄《さか》えつきせぬ|大御名《おほみな》を |国人《くにびと》おのおの|称《たた》へあげ
|恵《めぐ》みの|教《をしへ》を|完全《まつぶさ》に |語《かた》り|広《ひろ》めさせたまへかし
第一六五
一
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|恵《めぐ》みの|雨《あめ》の |普《あまね》く|下界《げかい》に|降《ふ》りそそぐ
|清《きよ》き|御音《みおと》を|今《いま》ぞ|聞《き》く |濺《そそ》がせたまへ|村肝《むらきも》の
|心《こころ》|汚《きたな》き|吾《わ》が|身《み》にも
二
|乾《かわ》きし|地《つち》も|潤《うるほ》ひぬ |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|御恵《おんめぐ》み
|命《いのち》の|雨《あめ》の|一滴《ひとしづく》 |下《くだ》させたまへ|吾《わ》が|身《み》にも
三
|厳《いづ》の|御霊《みたま》の|御父《おんちち》よ |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|母神《ははがみ》よ
|吾等《われら》を|捨《す》てさせたまふなく この|地《ち》の|上《うへ》に|永久《とこしへ》に
|留《とど》まりたまひて|人草《ひとぐさ》を |守《まも》り|恵《めぐ》まひたまへかし
四
|命《いのち》の|主《きみ》の|瑞御霊《みづみたま》 |清《きよ》き|御名《みな》をば|慕《した》はしめ
|御神《みかみ》と|共《とも》に|永久《とこしへ》に |尽《つ》きぬ|生命《いのち》を|長《なが》らへて
|希望《のぞみ》と|栄光《さかえ》と|歓喜《よろこび》に |弱《よわ》き|身魂《みたま》を|生《い》かしませ
|心《こころ》|静《しづ》かに|大前《おほまへ》に |謹《つつし》み|敬《うやま》ひ|願《ね》ぎまつる
五
|厳《いづ》の|御霊《みたま》や|瑞御霊《みづみたま》 |月日《つきひ》の|如《ごと》き|御光《みひかり》に
|眩《くら》みし|眼《まなこ》を|押《お》し|開《ひら》き |神《かみ》の|御国《みくに》の|有様《ありさま》を
|吾《われ》にも|見《み》させたまへかし ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|神《かみ》の|稜威《みいづ》を|仰《あふ》ぐなり
第一六六
一
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|御恵《みめぐ》みは |堅磐常磐《かきはときは》に|湧《わ》き|出《い》でて
|流《なが》れも|清《きよ》きヨルダンの |水《みづ》|永久《とこしへ》に|現世《うつしよ》を
|潤《うるほ》し|生《い》かし|衰《おとろ》へし |世《よ》の|民草《たみぐさ》に|真清水《ましみづ》を
|与《あた》へて|千代《ちよ》に|栄《さか》えしめ その|御勲《みいさを》を|口々《くちぐち》に
|讃《ほ》めつ|称《たた》へつ|謳《うた》はしめよ
二
|神《かみ》の|恵《めぐ》みのなかりせば |人《ひと》は|此《こ》の|世《よ》に|如何《いか》にして
|生《い》きて|栄《さか》ゆる|事《こと》を|得《え》む |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|命《いのち》の|主《きみ》に
まつろひ|奉《まつ》り|仕《つか》へつつ |弱《よわ》き|吾《わ》が|身《み》に|御力《みちから》を
|乞《こ》ひ|願《ね》ぎまつる|赤心《まごころ》を |諾《うべな》ひまして|天津御国《あまつみくに》まで
|導《みちび》きたまへと|願《ね》ぎまつる
第一六七
一
|瑞御霊《みづみたま》|世《よ》に|賜《たま》ひたる|皇神《すめかみ》の
|御稜威《みいづ》|畏《かしこ》く|仰《あふ》ぎ|見《み》るかな
二
|皇神《すめかみ》は|栄光《さかえ》にみちてわが|魂《たま》を
|生《い》かしたまはむ|仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ
三
|厳御霊《いづみたま》|降《くだ》したまひし|月神《つきかみ》の
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|恵《めぐ》みかしこし
四
|天津火《あまつひ》を|豊葦原《とよあしはら》の|民草《たみぐさ》に
|燃《も》やして|希望《のぞみ》を|抱《いだ》かせたまへ
五
|日《ひ》の|下《もと》に|降《くだ》らせたまふ|生命《いのち》の|主《きみ》は
|日《ひ》の|出《で》の|島《しま》に|輝《かがや》きたまふ
第一六八
一
|瑞御霊《みづみたま》|厳《いづ》の|清《きよ》めにもらさじと
|導《みちび》きたまへ|安《やす》き|神国《みくに》へ
二
|朽《く》ち|果《は》てし|心《こころ》の|家《いへ》をたてなほし
|安《やす》く|御国《みくに》に|住《す》まはせたまへ
三
|大前《おほまへ》に|平伏《ひれふ》し|悔《く》ゆる|吾《わ》が|罪《つみ》の
|嘆《なげ》きを|赦《ゆる》し|力《ちから》をたまへ
四
いと|弱《よわ》き|吾《わ》が|身《み》は|神《かみ》の|御力《みちから》に
|生《い》かさるるより|外《ほか》に|道《みち》なし
五
|久方《ひさかた》の|天《あめ》にも|地《つち》にも|一柱《ひとはしら》
|吾等《われら》を|生《い》かす|神《かみ》はまします
第一六九
一
|厳《いづ》の|御声《みこゑ》を|天地《あめつち》に |響《ひび》かせたまへ|角笛《つのぶえ》を
|吹《ふ》き|立《た》て|世人《よびと》に|隈《くま》もなく |平和《やすき》と|栄光《さかえ》と|歓喜《よろこび》に
|充《み》てる|神《かみ》の|代《よ》|来《き》たること |知《し》らしめたまへ|惟神《かむながら》
|畏《かしこ》み|畏《かしこ》み|願《ね》ぎまつる
二
|千座《ちくら》の|置戸《おきど》の|贖罪《あがなひ》に |洗《あら》はれたりし|諸人《もろびと》よ
|神《かみ》の|大道《おほぢ》に|従《したが》ひて |喜《よろこ》び|勇《いさ》みて|久方《ひさかた》の
|天津国《あまつくに》なる|故郷《ふるさと》へ |疾《と》く|疾《と》く|急《いそ》ぎ|立《た》ち|帰《かへ》れ
|神《かみ》は|汝《なんぢ》と|倶《とも》にあり
三
|誠《まこと》の|道《みち》の|信徒《まめひと》よ いとも|尊《たふと》き|皇神《すめかみ》の
|畏《かしこ》き|罪《つみ》の|贖罪《あがなひ》に |死《し》したる|御霊《みたま》は|甦《よみがへ》り
|笑《わら》ひ|栄《さか》へつ|天津国《あまつくに》 |喜《よろこ》び|尽《つ》きぬ|故郷《ふるさと》に
|帰《かへ》りて|神《かみ》に|仕《つか》ふべき よき|日《ひ》はもはや|近《ちか》づきぬ
|仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へ|諸人《もろびと》よ |神《かみ》は|吾等《われら》の|御親《みおや》なり
四
ミロクの|御代《みよ》は|近《ちか》づきぬ |千座《ちくら》の|置戸《おきど》の|麻柱《あななひ》に
|清《きよ》められたる|人々《ひとびと》よ |喜《よろこ》び|勇《いさ》みて|久方《ひさかた》の
|天津御国《あまつみくに》の|故郷《ふるさと》へ |疾《と》く|疾《と》く|急《いそ》ぎ|立《た》ち|帰《かへ》れ
|神《かみ》は|汝《なんぢ》と|倶《とも》にあり
第一七〇
一
|起《た》てよ|奮《ふる》へよ|勇《いさ》めよ|醒《さ》めよ |神《かみ》に|受《う》けたる|吾等《われら》が|精霊《みたま》
|罪《つみ》も|汚《けが》れも|恐《おそ》れも|知《し》らず |此《この》|世《よ》の|慾《よく》を|打《う》ち|捨《す》てて
|夜《よる》なき|厳《いづ》の|故郷《ふるさと》へ |帰《かへ》らせたまへと|願《ね》ぎまつれ
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》は|汝《な》がために |天津御神《あまつみかみ》の|御言《みこと》もて
|此《この》|世《よ》に|下《くだ》りたまひけり
二
|元津御祖《もとつみおや》の|皇神《すめかみ》の |右《みぎ》にまします|瑞御霊《みづみたま》
|世《よ》の|罪人《つみびと》を|神直日《かむなほひ》 |見直《みなほ》しまして|吾《わ》が|名《な》をも
|生命《いのち》の|文《ふみ》に|記《しる》しまし |永久《とは》の|栄光《さかえ》と|御恵《みめぐ》みを
|下《くだ》したまふぞ|尊《たふと》けれ |仰《あふ》ぎゐやまへ|諸人《もろびと》よ
|神《かみ》は|汝《なんぢ》と|倶《とも》にあり
三
|誠《まこと》|一《ひと》つの|言霊《ことたま》に |天津御神《あまつみかみ》の|御心《みこころ》は
いとも|穏《おだ》ひにやはらぎて |赦《ゆる》しの|御声《みこゑ》をかけたまふ
|人《ひと》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|宮《みや》 |父《ちち》と|母《はは》との|皇神《すめかみ》を
|慕《した》ひまつりて|恐《おそ》れずに |近《ちか》づき|仕《つか》へまつるべし
|神《かみ》の|御名《おんな》は|恵《めぐ》みなり
第一七一
一
|何事《なにごと》も|我《われ》に|任《まか》せと|宣《の》りたまふ
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》のこころ|尊《たふと》き
二
|罪《つみ》|深《ふか》き|吾《わ》が|身《み》の|幸《さち》も|唯神《ただかみ》の
|御霊《みたま》の|中《なか》にあるぞ|畏《かしこ》き
三
|黒鉄《くろがね》のたゆまぬ|堅《かた》き|心《こころ》をも
|砕《くだ》く|力《ちから》は|神《かみ》にまします
四
|何一《なにひと》つ|世《よ》に|功績《いさをし》はなけれども
|岐美《きみ》の|力《ちから》に|栄《さか》えゆくかな
五
|滅《ほろ》びたる|吾《わ》が|魂《たましひ》も|甦《よみがへ》る
|岐美《きみ》の|恵《めぐ》みの|露《つゆ》に|霑《うるほ》ひて
(大正一二・五・六 旧三・二一 於教主殿 明子録)
第一八章 |神人《しんじん》〔一五六八〕
第一七二
一
|神素盞嗚《かむすさのを》の|大神《おほかみ》の |負《お》はせたまひし|罪《つみ》のかせ
|千座《ちくら》の|置戸《おきど》に|清《きよ》められ われ|等《ら》は|日々《ひび》に|栄《さか》ゆなり
二
|力《ちから》|空《むな》しき|吾《わ》が|身魂《みたま》 |神《かみ》の|任《よさ》しの|幸《さち》ふかく
|醜《しこ》のまがひに|打《う》ち|勝《か》ちて |常世《とこよ》の|御国《みくに》に|昇《のぼ》りゆく
三
|誠《まこと》|一《ひと》つの|麻柱《あななひ》の |教《をしへ》をかしこみうやまひて
すめらみことの|御《おん》ために |尽《つく》す|御国《みくに》の|益良夫《ますらを》が
|伊寄《いよ》り|集《つど》へる|神《かみ》の|園《その》 |綾《あや》の|高天《たかま》に|開《ひら》かれぬ
四
たたへまつれよ|我《わが》|日《ひ》の|国《くに》の |柱《はしら》と|坐《ゐ》ます|日《ひ》の|御子《みこ》の
|清《きよ》き|尊《たふと》き|大《おほ》みいづ |神《かみ》にぞ|坐《ゐ》ます|主師親《おほぎみ》を
第一七三
一
まがのさへぎる|山路《やまぢ》をわけて |清《きよ》き|楽《たの》しき|高天原《たかあまはら》の
|神国《みくに》に|昇《のぼ》り|行《ゆ》く|人《ひと》は |神《かみ》に|愛《あい》され|皇神《すめかみ》を
|心《こころ》の|限《かぎ》り|愛《あい》したる |誠《まこと》|一《ひと》つの|麻柱《あななひ》の
いと|美《うる》はしき|身魂《みたま》なり
二
|迷《まよ》ひつかれし|心《こころ》の|暗《やみ》を |苦《く》もなく|破《やぶ》りて|神国《かみくに》に
|昇《のぼ》る|誠《まこと》のまめひとは |真理《まこと》の|燈火《ひかり》と|倶《とも》にあり
三
|世人《よびと》の|生命《いのち》を|左右《さいう》する |醜《しこ》のつかさに|打《う》ちかつは
|生命《いのち》の|基《もと》の|瑞御魂《みづみたま》 |清《きよ》めの|主《きみ》の|御神力《みちから》ぞ
|仰《あふ》ぎ|敬《ゐやま》へ|神《かみ》の|稜威《いづ》
四
|真理《まこと》と|生命《いのち》と|道《みち》なる|主《きみ》を いよいよ|明白《さやか》に|悟《さと》り|得《う》る
|身魂《みたま》は|尊《たふと》き|天津国《あまつくに》 |神《かみ》の|御書《みふみ》に|誌《しる》されて
|常世《とこよ》の|春《はる》を|楽《たの》しみつ |神《かみ》のまにまに|栄《さか》ゆべし
第一七四
一
|宇都《うづ》のみやこにとこしへに |鎮《しづ》まり|坐《ゐ》ます|日《ひ》の|御子《みこ》の
|大御恵《おほみめぐみ》をかしこみて |国民《くにたみ》こぞり|麻柱《あななひ》の
まことを|尽《つく》し|身《み》も|魂《たま》も |捧《ささ》げて|御国《みくに》を|守《まも》れかし
二
|千座《ちくら》の|置戸《おきど》を|負《お》ひましし |命《いのち》の|神《かみ》の|御功績《みいさを》を
かたじけなみて|朝夕《あさゆふ》に |天津祝詞《あまつのりと》の|太祝詞《ふとのりと》
|称《とな》へ|奉《まつ》れよ|神国人《みくにびと》
三
|四方《よも》の|国民《くにたみ》ことごとく |恵《めぐ》みの|冠《かむり》を|与《あた》へむと
|大御心《おほみこころ》を|朝夕《あさゆふ》に |配《くば》らせたまふ|日《ひ》の|御子《みこ》の
|仁愛《きみ》の|恩頼《みたまのふゆ》をば |束《つか》のあひだも|忘《わす》るなく
|真心《まごころ》ささげて|仕《つか》へまつれ
四
|天津御祖《あまつみおや》の|皇神《すめかみ》は |聖《きよ》き|仁慈《めぐみ》の|日《ひ》の|御子《みこ》を
|豊葦原《とよあしはら》の|国中《くになか》に |天《あめ》の|八重雲《やへくも》かきわけて
|降《くだ》し|玉《たま》ひし|畏《かしこ》さよ |朝《あさ》な|夕《ゆふ》なに|謹《つつし》みて
|君《きみ》の|御光《みかげ》を|伏《ふ》しをがみ |心《こころ》の|限《かぎ》り|身《み》の|限《かぎ》り
まこと|一《ひと》つに|仕《つか》ふべし
第一七五
一
|天津御光《あまつみひかり》かがやきて |暗《くら》きこの|世《よ》を|守《まも》りまし
|罪《つみ》になやみし|身魂《みたま》をば |照《て》らさせ|玉《たま》ふぞかしこけれ
二
|天津御光《あまつみひかり》うくるわれ |暗《やみ》をも|知《し》らぬ|身《み》となりぬ
|尽《つ》きぬ|恵《めぐ》みは|心《こころ》の|空《そら》に |月日《つきひ》となりてかがやきぬ
三
|天津御光《あまつみかげ》にあひそむき |罪《つみ》に|溺《おぼ》れし|人草《ひとぐさ》の
|栄光《さかえ》の|花《はな》のひらくべき |仰《あふ》げ|月日《つきひ》の|御姿《みすがた》を
第一七六
一
|労《つか》れなやめるはらからよ |一日《ひとひ》もはやく|伊都御魂《いづみたま》
あらはれませる|神園《かみその》に |来《き》たりてつみの|重荷《おもに》をば
おろして|休《やす》めとくやすめ |神《かみ》のまねきの|御声《みこゑ》こそ
いとも|長閑《のどか》に|聞《き》こゆなり
二
|身魂《みたま》のゑさに|飢《う》ゑかわく こころ|貧《まづ》しき|人《ひと》の|子《こ》よ
とくとく|来《き》たれ|神園《かみその》へ |伊都《いづ》の|御魂《みたま》の|招《まね》きます
|御声《みこゑ》|長閑《のどか》に|聞《き》こゆなり
三
|常夜《とこよ》のやみにさまよひて |苦《くる》しみなやめる|人《ひと》の|子《こ》よ
とくとく|来《き》たれとく|来《き》たれ |伊都《いづ》の|御魂《みたま》や|麻柱《あななひ》の
まことの|玉《たま》の|御光《みひか》りを |照《て》らして|汝《なれ》を|招《まね》きます
|御声《みこゑ》のどかに|聞《き》こゆなり
第一七七
一
|日《ひ》に|夜《よ》に|慕《した》ひたてまつる |瑞《みづ》の|御魂《みたま》のうるはしさ
|三五《さんご》の|月《つき》か|花紅葉《はなもみぢ》 なににたとへむすべもなし
二
なやみ|苦《くる》しみもだへたる |悲《かな》しき|時《とき》の|吾《わ》がちから
|仰《あふ》ぐもうれし|神《かみ》の|稜威《いづ》 |三五《さんご》の|月《つき》か|花紅葉《はなもみぢ》
なににたとへむすべもなし
三
まこと|一《ひと》つのあななひの |神《かみ》のをしへにすがりなば
いや|永久《とこしへ》の|御契《おんちぎ》り ほどくることもあらなみの
|水《みづ》にも|火《ひ》にもおそれなし |悪魔《あくま》をふせぐ|岐美《きみ》は|城《しろ》
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御守《おんまも》り |身魂《みたま》もやすく|栄《さか》ゆべし
四
|伊都《いづ》の|御魂《みたま》のうるはしさ |身魂《みたま》は|照《て》りて|日《ひ》か|月《つき》か
はた|白梅《しらうめ》か|松《まつ》みどり |世《よ》にたとふべきものもなし
第一七八
一
|皇神《すめかみ》のいづの|御顔《みかほ》ををがむまで
みあと|慕《した》ひて|昇《のぼ》り|行《ゆ》かなむ
二
|永久《とこしへ》の|生命《いのち》にすすむ|道《みち》なれば
いさみて|行《ゆ》かむ|神《かみ》の|御前《みまへ》に
三
いと|清《きよ》き|教《をしへ》の|友《とも》とあひともに
|勇《いさ》みすすまむ|神《かみ》の|御園《みその》へ
四
いかにして|身魂《みたま》のつみを|清《きよ》めむと
|心《こころ》|砕《くだ》きぬ|道《みち》しらぬうちは
五
|瑞《みづ》の|道《みち》ここにありとて|招《まね》き|玉《たま》ふ
うれしき|御声《みこゑ》|聞《き》くぞ|楽《たの》しき
六
|村肝《むらきも》の|心《こころ》のままに|大前《おほまへ》に
|言《こと》あげやせむわれ|等《ら》|神《かみ》の|子《こ》は
七
|人《ひと》の|身《み》の|罪《つみ》をいとはず|受《う》けたまふ
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》のこころうるはし
八
|豊《ゆた》かなるめぐみの|露《つゆ》にうるほひて
|笑《ゑ》みさかえけり|朝《あさ》な|夕《ゆふ》なに
第一七九
一
|神《かみ》の|御前《みまへ》にのがれ|来《き》て |諸《もも》の|汚《けが》れも|清《きよ》まりぬ
|八岐大蛇《やまたをろち》やしこ|鬼《おに》に |勝《か》たせたまひし|瑞御霊《みづみたま》
|外《ほか》に|頼《たよ》らむすべも|無《な》し
二
この|世《よ》に|生《う》まれて|露《つゆ》ほども いさをし|立《た》てしこともなき
|罪《つみ》にけがれし|吾《わ》が|身魂《みたま》 |生命《いのち》の|清水《しみづ》に|清《きよ》めつつ
|安《やす》きを|賜《たま》ふ|瑞御霊《みづみたま》 |嬉《うれ》しみかしこみ|祝《ほ》ぎまつる
三
|日《ひ》に|夜《よ》に|神《かみ》の|御《み》こころに そむきし|吾等《われら》が|身魂《みたま》をば
にくみたまはずねもごろに |導《みちび》きたすけ|永久《とこしへ》の
|栄光《さかえ》をたまふたふとさよ
第一八〇
一
|万国《よろづくに》のまことの|君《きみ》をさとりたる
|今日《けふ》こそ|吾《われ》はすくはれにけり
二
|退《しりぞ》きも|進《すす》みもならぬ|今《いま》の|世《よ》は
|神《かみ》のみひとり|力《ちから》なりけり
三
|大君《おほきみ》の|御命《みこと》かしこみ|謹《つつし》みて
|仕《つか》ふは|民《たみ》のつとめなりけり
四
|日《ひ》の|御子《みこ》の|深《ふか》き|恵《めぐ》みをさとりなば
|怪《け》しき|心《こころ》もおこらざらまし
第一八一
一
さざれ|石《いし》の|巌《いはほ》とならむ|時《とき》もあり
|五六七《みろく》の|御代《みよ》の|来《き》たらざらめや
二
|地《ち》の|上《うへ》の|凡《すべ》てのものは|亡《ほろ》ぶとも
|神《かみ》と|君《きみ》とのめぐみは|尽《つ》きせじ
三
|月《つき》は|落《お》ち|日《ひ》はいや|暗《くら》く|隠《かく》るとも
|神《かみ》と|君《きみ》とのめぐみは|尽《つ》きせじ
四
|門《かど》を|掃《は》き|清《きよ》めて|待《ま》たむ|日《ひ》の|御子《みこ》の
|空《そら》を|照《て》らして|来《き》たります|日《ひ》を
(大正一二・五・六 旧三・二一 鮮月録)
第一九章 |神恵《しんけい》〔一五六九〕
第一八二
一
|久方《ひさかた》の|天津御国《あまつみくに》にまごころの
|宝《たから》|積《つ》むより|越《こ》ゆる|幸《さち》なし
二
|言《こと》の|葉《は》のあらむ|限《かぎ》りを|尽《つく》すとも
|称《たた》へつくせじ|神《かみ》のめぐみは
三
|瑞御魂《みづみたま》|命《いのち》の|主《きみ》の|幸《さきは》ひに
こころうれしき|身《み》とはなりけり
四
わざはひの|限《かぎ》り|知《し》られずおこる|世《よ》に
いと|安《やす》らけく|栄《さか》ゆるまめひと
五
よろこびを|朝《あさ》な|夕《ゆふ》なにうたひつつ
|神《かみ》のめぐみに|安世《やすよ》をわたらふ
六
|皇神《すめかみ》の|命《いのち》の|言霊《ことたま》|世《よ》に|広《ひろ》く
|宣《の》べ|伝《つた》へゆく|神《かみ》の|宣教師《みつかひ》
第一八三
一
|生《う》まれてゆしらずしらずにをかしたる
わが|重《おも》き|罪《つみ》|赦《ゆる》します|貴美《きみ》
二
|現世《うつしよ》のなぎさ|放《はな》れて|進《すす》みゆく
|命《いのち》の|御舟《みふね》のいさましきかな
三
ときの|間《ま》に|彼方《あなた》の|岸《きし》に|進《すす》むなり
|恵《めぐ》みの|風《かぜ》を|受《う》けし|白帆《しらほ》は
四
|永久《とこしへ》の|天津御国《あまつみくに》の|花園《はなぞの》も
|早《はや》ちかづきしここちこそすれ
五
|和田《わだ》の|原《はら》|漕《こ》ぎゆく|舟《ふね》を|弄《もてあそ》ぶ
|荒《あら》き|浪風《なみかぜ》|和《な》ぎし|御言葉《みことば》
六
|浪風《なみかぜ》を|只《ただ》|一言《ひとこと》にしづめたる
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》のいさをたふとき
七
|瑞御魂《みづみたま》|弘誓《ぐぜい》の|船《ふね》に|棹《さを》さして
|諸《もも》の|罪人《つみびと》|御国《みくに》へおくる
八
|村肝《むらきも》のこころ|静《しづ》かにうたひつつ
|天津御国《あまつみくに》へ|昇《のぼ》るうれしさ
第一八四
一
|淵《ふち》の|如《ごと》|深《ふか》きけがれに|沈《しづ》みたる
|魂《たま》|清《きよ》めむと|漕《こ》ぎ|来《く》る|神船《みふね》
二
|雨《あめ》の|日《ひ》も|風《かぜ》|吹《ふ》く|夜半《よは》も|皇神《すめかみ》の
|弘誓《ぐぜい》の|御船《みふね》いとど|安《やす》けし
三
|一人《ひとり》だも|滅《ほろ》びの|淵《ふち》に|沈《しづ》めじと
|命《いのち》の|船《ふね》を|見立《みた》てたまひつ
四
|皇神《すめかみ》の|道《みち》にさかひし|人《ひと》の|子《こ》を
なだめすかして|大道《おほぢ》を|示《しめ》さす
五
|伊都御魂《いづみたま》のぞみ|豊《ゆた》かに|人《ひと》の|子《こ》の
|昇《のぼ》り|来《き》たるを|待《ま》ちたまひつつ
六
|世《よ》の|憂《う》きになやみ|苦《くる》しむ|涙《なみだ》より
|猶更《なほさら》ふかくなげかせたまふ
七
|世《よ》のなさけ|夢《ゆめ》にも|知《し》らぬ|醜人《しこびと》の
こころにさへも|宿《やど》らせたまふ
八
|母《はは》とます|瑞《みづ》の|御魂《みたま》のおもかげを
ながむるたびに|涙《なみだ》こぼるる
第一八五
一
|常暗《とこやみ》の|世《よ》に|住《す》む|人《ひと》も|皇神《すめかみ》の
|光《ひかり》にこころ|照《て》らされ|栄《さか》ゆる
二
|偽《いつは》りの|浮世《うきよ》の|夢《ゆめ》も|今《いま》さめて
|楽《たの》しき|身魂《みたま》と|復活《よみがへ》りたり
三
|御恵《みめぐ》みの|露《つゆ》おき|足《た》らし|世《よ》を|生《い》かす
|神《かみ》の|息《いき》より|吹《ふ》く|天津風《あまつかぜ》
四
|天津風《あまつかぜ》に|心《こころ》の|塵《ちり》もはらはれて
|清《きよ》き|身魂《みたま》とよみがへるなり
五
|皇神《すめかみ》の|造《つく》り|玉《たま》ひし|大道《おほみち》を
|知《し》らずに|邪《よこ》さの|道《みち》を|行《ゆ》くあり
六
|目《め》|醒《さ》めたる|朝《あした》の|空《そら》に|照《て》りわたる
|日影《ひかげ》はいとも|麗《うるは》しく|見《み》ゆ
第一八六
一
めぐみも|深《ふか》き|五十鈴川《いすずがは》 |溢《あふ》るる|泉《いづみ》に|許々多久《ここたく》の
|罪《つみ》やけがれをよく|清《きよ》め |皇大神《すめおほかみ》の|大前《おほまへ》に
|誠《まこと》|一《ひと》つに|祈《いの》りなば |歓喜《くわんき》の|雨露《うろ》は|忽《たちま》ちに
おのが|身魂《みたま》に|降《くだ》るべし
二
|罪《つみ》やけがれを|根底《ねそこ》より |洗《あら》ひ|清《きよ》むる|五十鈴川《いすずがは》
|流《なが》れに|身魂《みたま》ひたしつつ |天津御国《あまつみくに》の|神国《かみくに》に
|昇《のぼ》らせ|玉《たま》へとひたすらに いづの|清《きよ》めを|願《ね》ぎまつれ
|仁慈《じんじ》に|充《み》てる|大神《おほかみ》は かならずゆるし|賜《たま》ふべし
三
|万《よろづ》の|国《くに》の|人々《ひとびと》の |身魂《みたま》の|清《きよ》め|済《す》むまでは
|絶《た》ゆる|事《こと》なき|五十鈴川《いすずがは》 |生《い》きたる|人《ひと》も|死人《しにびと》も
|皆《みな》|押並《おしな》べて|限《かぎ》りなき |恵《めぐ》みを|受《う》けむ|神《かみ》の|国《くに》
第一八七
一
わが|罪《つみ》を|悔《く》ゆる|心《こころ》は|皇神《すめかみ》の
|依《よ》さし|玉《たま》ひし|御賜《みたまもの》なり
二
ふるさとの|天津御国《あまつみくに》は|永久《とこしへ》に
おのが|霊魂《みたま》の|住処《すみか》なりけり
三
|人々《ひとびと》の|暗《やみ》に|犯《をか》せし|罪《つみ》とがを
|悟《さと》る|御神《みかみ》の|大前《おほまへ》にのれ
四
|皇神《すめかみ》のいづの|御前《みまへ》にぬかづきて
|犯《をか》せし|罪《つみ》を|宣《の》れよ|洩《も》れなく
五
|瑞御魂《みづみたま》|鎮《しづ》まりゐます|神《かみ》の|園《その》に
すすみておのが|身魂《みたま》を|清《きよ》めよ
六
|罪《つみ》の|子《こ》を|憐《あは》れみたまふ|御涙《おんなみだ》の
ながれて|由良《ゆら》の|川《かは》となりけむ
七
まごころに|一日《ひとひ》も|早《なや》く|復活《よみがへ》り
|神《かみ》と|君《きみ》との|御楯《みたて》とぞなれ
八
|三五《あななひ》の|神《かみ》の|大道《おほぢ》は|現世《うつしよ》と
かくり|世《よ》ことごと|照《て》らす|御燈明《みあかし》
第一八八
一
|神《かみ》は|門《かど》の|戸《と》|打叩《うちたた》き |外面《そとも》に|立《た》ちて|開《ひら》けよと
|声《こゑ》も|涼《すず》しく|宣《の》りたまふ |罪《つみ》に|曇《くも》りし|人々《ひとびと》は
|珍《うづ》の|御声《みこゑ》を|畏《かしこ》みて |悪魔《あくま》の|如《ごと》く|忌《い》み|嫌《きら》ひ
ますます|門《かど》の|戸《と》|堅《かた》く|締《し》め |拒《こば》みまつるぞ|嘆《うた》てけれ
二
|広《ひろ》き|尊《たふと》き|皇神《すめかみ》の |大御恵《おほみめぐみ》ははかられず
|愛《あい》の|涙《なみだ》をたたへつつ |日毎《ひごと》|夜毎《よごと》に|人々《ひとびと》の
|門戸《かど》を|訪《おとな》ひ|玉《たま》へども |道《みち》に|背《そむ》きし|醜魂《しこたま》は
|畏《おそ》れて|閉《とざ》す|門《かど》の|口《くち》 ますます|闇《やみ》に|沈《しづ》み|行《ゆ》く
|身《み》の|果《は》てこそは|憐《あは》れなれ
三
|命《いのち》の|神《かみ》の|訪《おとな》ひを |力《ちから》|限《かぎ》りに|相拒《あひこば》む
|生命《いのち》|知《し》らずの|愚《おろ》かもの |生命《いのち》の|主《きみ》は|朝夕《あさゆふ》に
|門《かど》の|戸《と》|開《あ》けと|宣《の》り|玉《たま》ふ |心《こころ》を|清《きよ》めて|一時《ひととき》も
|早《はや》く|迎《むか》へ|入《い》れ|奉《まつ》れ |永遠《とは》の|生命《いのち》の|基《もとゐ》なる
|此《この》|世《よ》を|生《い》かす|神《かみ》の|御子《みこ》よ
第一八九
一
|定《さだ》めなき|浮世《うきよ》の|風《かぜ》に|誘《さそ》はれて
|世《よ》を|去《さ》る|時《とき》の|神《かみ》は|力《ちから》ぞ
二
|或《ある》は|散《ち》り|或《あるひ》は|残《のこ》り|現世《うつしよ》の
|嵐《あらし》を|忍《しの》ぶ|人《ひと》の|身《み》の|上《うへ》
三
|世《よ》にありて|犯《をか》せし|罪《つみ》の|捨《す》て|所《どころ》
|底《そこ》なき|亡《ほろ》びの|淵《ふち》とこそ|知《し》れ
四
|吾《わ》が|魂《たま》も|罪《つみ》もろともに|亡《ほろ》び|行《ゆ》く
|酬《むく》いの|淵《ふち》ぞ|恐《おそ》ろしきかな
五
|山風《やまかぜ》の|明日《あす》をも|待《ま》たず|吹《ふ》くならば
|吾《わ》が|魂《たましひ》も|如何《いか》になるらむ
六
うかれ|行《ゆ》く|吾《わ》が|魂《たましひ》を|導《みちび》きて
|生《い》かさせ|玉《たま》へ|瑞《みづ》の|大神《おほかみ》
七
|散《ち》りもせず|萎《しぼ》みもやらで|咲《さ》き|匂《にほ》ふ
|常世《とこよ》の|春《はる》に|会《あ》ふぞ|嬉《うれ》しき
八
|咲《さ》き|匂《にほ》ふ|御園《みその》の|花《はな》を|尋《たづ》ねむと
|真心《まごころ》|尽《つく》せ|人《ひと》の|御子達《みこたち》
第一九〇
一
|高天原《たかあまはら》は|開《ひら》けたり |命《いのち》の|光《ひかり》は|輝《かがや》きぬ
二
|高天原《たかあまはら》の|御光《みひかり》は |世人《よびと》のために|開《ひら》かれぬ
|青垣山《あをがきやま》を|繞《めぐ》らせる |下津岩根《したついはね》の|霊場《れいぢやう》に
三
|人《ひと》のことごと|望《のぞ》むがままに |高天原《たかあまはら》の|花苑《はなぞの》に
|喜《よろこ》び|迎《むか》へ|入《い》れ|玉《たま》ふ |瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御恵《おんめぐ》み
|慎《つつし》み|敬《うやま》ひ|奉《たてまつ》れ |高天原《たかあまはら》の|聖場《せいぢやう》が
|下津岩根《したついはね》に|開《ひら》かれて |御光《みひかり》|四方《よも》に|輝《かがや》けば
|群《むら》がる|仇《あだ》も|恐《おそ》れなく |誠《まこと》|一《ひと》つに|進《すす》むべし
四
|八十《やそ》の|曲霊《まがひ》の|魔軍《まいくさ》に |向《む》かつて|打《う》ち|出《だ》す|言霊《ことたま》の
|光《ひかり》に|言向《ことむ》け|和《やは》しつつ |勝鬨《かきどき》あげて|御前《おんまへ》に
|功績《いさをし》たつる|目出《めで》たさよ |厳《いづ》の|御魂《みたま》や|瑞御魂《みづみたま》
その|功績《いさをし》を|愛《め》で|玉《たま》ひ |栄光《さかえ》と|平安《やすき》と|歓喜《よろこび》に
|充《み》てる|黄金《こがね》の|冠《かんむり》を |必《かなら》ず|与《あた》へ|玉《たま》ふべし
ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》 |恩頼《みたまのふゆ》ぞ|畏《かしこ》けれ
第一九一
一
|永久《とこしへ》に|消《き》えぬ|光《ひかり》は|瑞《みづ》の|神《かみ》
|千座《ちくら》の|上《うへ》の|輝《ひかり》なりけり
二
|偲《しの》ぶだにいとも|畏《かしこ》き|主《きみ》の|恵《めぐ》み
など|人《ひと》の|子《こ》の|来《き》たり|受《う》けざる
三
|類《たぐひ》なき|主《きみ》の|恵《めぐ》みは|永久《とこしへ》に
|月日《つきひ》|墜《お》つとも|変《かは》らざらまし
四
いと|高《たか》き|主《きみ》の|恵《めぐ》みは|大空《おほぞら》の
|神《かみ》の|宝座《みくら》の|栄《さか》えなりけり
五
|千早《ちはや》|振《ふ》る|神《かみ》は|更《さら》なり|御代《みよ》|知《し》らす
|我《わが》|日《ひ》の|御子《みこ》の|恵《めぐ》み|忘《わす》れそ
(大正一二・五・八 旧三・二三 隆光録)
第二〇章 |神郷《しんきやう》〔一五七〇〕
第一九二
一
|皇神《すめかみ》の|早《はや》く|来《き》たれと|召《め》したまふ
|愛《あい》の|御声《みこゑ》を|恐《おそ》れ|逃《に》げゆく
二
|永久《とこしへ》に|栄《さか》え|目出《めで》たき|故郷《ふるさと》に
|生《い》かさむとする|神《かみ》ぞ|尊《たふと》き
三
|現世《うつしよ》の|業《わざ》みな|終《を》へて|故郷《ふるさと》に
|早《はや》く|帰《かへ》れと|召《め》したまふ|主《きみ》
四
|八衢《やちまた》に|行《ゆ》き|悩《なや》みたる|旅人《たびびと》の
|愛《あい》の|御声《みこゑ》に|耳《みみ》をすまさむ
五
|皇神《すめかみ》の|厳《いづ》の|御門《みかど》に|入《い》るならば
|休《やす》ませ|玉《たま》はむ|重荷《おもに》おろして
六
|御恵《みめぐ》みの|充《み》ち|溢《あふ》れたる|吾《わ》が|神《かみ》は
|罪《つみ》ある|魂《たま》も|招《まね》きたまひぬ
七
|罪科《つみとが》を|身《み》に|負《お》ひしまま|故郷《ふるさと》に
|帰《かへ》る|者《もの》さへ|恵《めぐ》ませたまふ
八
|我《わが》|神《かみ》の|恵《めぐ》みの|奥《おく》は|限《かぎ》りなし
|善《よし》と|悪《あし》とにとらはれ|玉《たま》はず
九
|我《わが》|神《かみ》の|永久《とこしへ》に|在《ま》す|御殿《みとの》こそ
いとも|楽《たの》しき|珍《うづ》の|御舎《みあらか》
一〇
とく|来《こ》よと|御門《みかど》を|開《ひら》き|待《ま》ちたまふ
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御前《みまへ》にすがれ
一一
いと|清《きよ》くやさしき|御声《みこゑ》|聞《き》くごとに
|心《こころ》の|悩《なや》みうち|忘《わす》れける
第一九三
一
|麻柱《あななひ》の|命《いのち》の|道《みち》を|疑《うたが》ふな
|愛《あい》の|御神《みかみ》の|教《をしへ》なりせば
二
とく|来《き》たれ|罪《つみ》も|穢《けが》れも|打《う》ち|捨《す》てて
|生命《いのち》を|得《え》よと|招《まね》かせ|玉《たま》ふ
三
|常世《とこよ》|行《ゆ》く|暗《やみ》の|中《なか》にも|我《わが》|神《かみ》の
|深《ふか》き|恵《めぐ》みは|輝《かがや》きわたる
四
|八千座《やちくら》の|置戸《おきど》を|負《お》ひし|我《わが》|神《かみ》の
|愛《あい》と|力《ちから》をたのめ|罪人《つみびと》
五
|我《わが》|神《かみ》を|措《お》いて|誰《たれ》をか|頼《たの》まむや
|罪《つみ》を|償《つぐな》ふ|神《かみ》しなければ
六
|神《かみ》の|子《こ》と|生《うま》れたまひし|瑞御魂《みづみたま》
|岐美《きみ》より|外《ほか》に|世《よ》に|力《ちから》なし
第一九四
一
|疾《と》く|来《こ》よと|玉《たま》の|御手《みて》をばさし|伸《の》べて
|暗路《やみぢ》に|迷《まよ》ふ|魂《たま》を|招《お》ぎます
二
|招《まね》かれて|吾《わ》が|故郷《ふるさと》に|帰《かへ》る|時《とき》
|近《ちか》き|審判《さばき》を|見守《みも》らせ|玉《たま》ふ
三
|八衢《やちまた》の|厳《いづ》の|審判《さばき》を|和《なご》めむと
|誠《まこと》の|道《みち》を|示《しめ》し|玉《たま》ひぬ
四
|身《み》も|魂《たま》も|主《きみ》に|任《まか》して|進《すす》み|行《ゆ》け
|醜《しこ》の|嵐《あらし》に|遭《あ》ふ|例《ためし》なし
第一九五
一
わが|前《まへ》に|早《はや》く|憩《いこ》へと|宣《の》らす|声《こゑ》
|疲《つか》れし|身魂《みたま》の|耳《みみ》にこそ|入《い》れ
二
|数《かず》ならぬ|吾《わ》が|身魂《みたま》をも|憐《あは》れみて
|守《まも》らせ|玉《たま》ふ|主《きみ》ぞ|畏《かしこ》し
三
|八束髯《やつかひげ》|生血《なまち》と|共《とも》に|抜《ぬ》かれたる
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》は|天地《あめつち》の|岐美《きみ》
四
|八洲河《やすかは》の|誓約《うけひ》になれる|真清水《ましみづ》は
|罪《つみ》てふ|罪《つみ》を|洗《あら》ひ|清《きよ》むる
五
|由良川《ヨルダン》の|流《ながれ》に|立《た》ちて|溺《おぼ》れ|来《く》る
|世人《よびと》の|罪《つみ》を|洗《あら》ひます|主《きみ》
六
|天地《あめつち》はよし|崩《くづ》るるも|我《わが》|主《きみ》の
|御側《みそば》は|安《やす》し|厳《いづ》の|御守護《みまもり》
第一九六
一
|急《いそ》ぎて|来《き》たれ|諸人《もろびと》よ |五六七《みろく》の|御代《みよ》は|近《ちか》づきぬ
二
|暗《やみ》と|悩《なや》みに|取囲《とりかこ》まれて |亡《ほろ》びぬ|前《さき》に|早《はや》|来《き》たれ
三
|天津御空《あまつみそら》は|掻《か》き|曇《くも》り |氷雨《ひさめ》は|降《ふ》りて|風《かぜ》の|音《おと》
いと|凄《すさま》じく|襲《おそ》ひ|来《く》る |神《かみ》は|吾等《われら》の|力《ちから》なり
四
|死《し》の|波《なみ》|高《たか》く|打寄《うちよ》せて やがて|焔《ほのほ》は|降《ふ》り|来《き》たる
|暫《しば》しの|間《うち》に|恐《おそ》ろしや |背《そむ》きし|国《くに》は|亡《ほろ》び|行《ゆ》く
|神《かみ》の|使《つかひ》の|導《みちび》くままに |身魂《みたま》|任《まか》せて|走《はし》り|行《ゆ》け
五
|後《あと》ふり|返《かへ》り|形《かたち》ある |宝《たから》に|心《こころ》|迷《まよ》はさず
|急《いそ》ぎに|急《いそ》げよ|諸人《もろびと》よ |此《こ》の|世《よ》の|亡《ほろ》ぶる|時《とき》|来《く》れば
第一九七
一
|海《うみ》の|果《は》て|山《やま》の|奥《おく》にも|吾《わ》が|魂《たま》の
|休《やす》らひぬべき|花園《はなぞの》はなし
二
|厳御魂《いづみたま》|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|現《あら》はれし
|聖地《せいち》ぞ|千代《ちよ》の|住所《すみか》なりけり
三
|浮《う》き|沈《しづ》みしげき|此《こ》の|世《よ》に|何《なに》ものも
|頼《たの》みとすべきものはあらじな
四
|只《ただ》|神《かみ》にすがりて|誠《まこと》|尽《つく》すより
|吾《わ》が|身《み》を|救《すく》ふ|力《ちから》だになし
五
|死《し》するとも|魂《たま》は|必《かなら》ず|霊界《かくりよ》に
ありて|御神《みかみ》と|共《とも》に|栄行《さかゆ》く
六
|空蝉《うつせみ》の|身《み》はよし|永《なが》く|保《たも》つとも
|霊魂《みたま》の|生命《いのち》なき|人《ひと》もあり
七
|年《とし》|老《お》いず|死《まか》る|事《こと》なき|神《かみ》の|国《くに》は
|永遠《とは》の|生命《いのち》の|住所《すみか》なりけり
八
|罪《つみ》の|身《み》は|朝《あした》の|露《つゆ》と|消《き》ゆるとも
|魂《たま》は|残《のこ》りて|永遠《とは》に|苦《くる》しむ
九
|永久《とこしへ》の|生命《いのち》も|愛《あい》も|我《わが》|神《かみ》の
|抱《いだ》かせ|玉《たま》ふ|力《ちから》なりけり
第一九八
一
|明日《あす》の|日《ひ》も|知《し》れぬ|果敢《はか》なき|人《ひと》の|身《み》は
|急《いそ》ぎて|来《き》たれ|神《かみ》の|御前《みまへ》に
二
|明日《あす》の|日《ひ》を|思《おも》ひまはせば|安々《やすやす》と
|世《よ》を|渡《わた》るべき|心《こころ》|起《おこ》らじ
三
|束《つか》の|間《ま》も|死《し》の|魔《ま》はあたり|附《つ》け|狙《ねら》ふ
とくとく|来《き》たれ|神《かみ》の|教《をしへ》に
四
|大神《おほかみ》の|御許《みもと》に|早《はや》く|立《た》ち|帰《かへ》れ
|露《つゆ》の|生命《いのち》の|消《き》え|失《う》せぬ|間《ま》に
五
|我《わが》|主《きみ》の|恵《めぐ》み|幸《さちは》ひはや|受《う》けよ
|思《おも》はぬ|時《とき》に|亡《ほろ》び|来《き》たらむ
第一九九
一
|門《かど》の|戸《と》を|打《う》ち|叩《たた》きつつ|我《わが》|神《かみ》は
|心《こころ》|静《しづ》かに|訪《おとな》ひたまふ
二
|幾度《いくたび》も|表《おもて》に|立《た》ちて|御栄《みさか》えの
|珍《うづ》の|御声《みこゑ》を|放《はな》ち|玉《たま》ひぬ
三
|仇《あだ》さへも|生《い》かさむために|朝夕《あさゆふ》に
|門《かど》に|立《た》たせる|主《きみ》ぞ|尊《たふと》き
四
|吾《わ》が|魂《たま》の|力《ちから》ともなり|友《とも》となる
|命《いのち》の|主《きみ》を|慕《した》ひまつれよ
五
いろいろと|心《こころ》の|空《そら》を|包《つつ》みたる
|迷《まよ》ひの|雲《くも》を|晴《は》らす|我《わが》|主《きみ》
六
|許々多久《ここたく》の|罪《つみ》の|寝所《ふしど》を|掃《は》き|清《きよ》め
|珍《うづ》の|御園《みその》と|開《ひら》かせたまふ
七
|身《み》も|魂《たま》も|命《いのち》の|主《きみ》に|捧《ささ》げつつ
|慕《した》ふ|心《こころ》は|生命《いのち》なりけり
八
|永久《とこしへ》の|生命《いのち》の|基《もと》とあれませし
|清《きよ》めの|主《きみ》を|夢《ゆめ》な|忘《わす》れそ
第二〇〇
一
|久方《ひさかた》の|天津使《あまつつかひ》の|讃《ほ》め|称《たた》ふ
|栄光《さかえ》の|主《きみ》を|寿《ことほ》ぎまつれ
二
|暗《やみ》を|晴《は》らし|朝日《あさひ》の|如《ごと》く|輝《かがや》ける
|光《ひか》りの|主《きみ》の|御後《みあと》|慕《した》へよ
三
|吾《わ》が|罪《つみ》も|歎《なげ》きも|払《はら》ふ|瑞御魂《みづみたま》
|臨《のぞ》ませ|玉《たま》へと|祈《いの》れ|信徒《まめひと》
四
|八洲河《やすかは》の|誓約《うけひ》の|水《みづ》は|吾《わ》が|罪《つみ》を
|祓《はら》ひ|清《きよ》むる|瑞御魂《みづみたま》なる
五
|千万《ちよろづ》の|罪《つみ》を|一《ひと》つに|引受《ひきう》けて
さすらひ|玉《たま》ふ|神《かみ》ぞ|尊《たふと》し
第二〇一
一
|思《おも》ひまはせば|恐《おそ》ろしや |厳《いづ》の|御魂《みたま》や|瑞御魂《みづみたま》
|命《いのち》の|神《かみ》の|御許《おんもと》を |遠《とほ》く|離《はな》れて|踏《ふ》み|迷《まよ》ひ
あとなき|夢《ゆめ》の|後《あと》を|追《お》ひ |空《むな》しき|道《みち》を|楽《たの》しみし
|今日《けふ》の|吾《わ》が|身《み》ぞ|悲《かな》しけれ |大橋《おほはし》|越《こ》えてまだ|先《さき》へ
|行衛《ゆくゑ》|分《わか》らぬ|後戻《あともど》り |皆《みな》|慢心《まんしん》の|罪《つみ》ぞかし
|赦《ゆる》させ|玉《たま》へ|惟神《かむながら》 |御前《みまへ》に|祈《いの》り|奉《たてまつ》る
二
|珍《うづ》の|聖地《せいち》を|後《あと》にして |習《なら》はぬ|業《わざ》の|牧場守《まきばもり》
|朝夕《あしたゆふ》べの|起臥《おきふし》に よくふり|返《かへ》り|世《よ》の|中《なか》を
|心《こころ》|鎮《しづ》めて|眺《なが》むれば |人《ひと》の|情《なさけ》の|薄衣《うすごろも》
|身《み》に|沁《し》む|浮世《うきよ》の|荒風《あらかぜ》を |凌《しの》ぐ|術《すべ》なき|苦《くる》しさよ
|赦《ゆる》させ|玉《たま》へ|惟神《かむながら》 |悔《く》い|改《あらた》めて|大前《おほまへ》に
|慎《つつし》み|敬《うやま》ひ|願《ね》ぎ|奉《まつ》る
三
|綾《あや》の|聖地《せいち》を|打《う》ち|捨《す》てて |後《あと》|白雲《しらくも》の|国《くに》のはて
さまよひ|巡《めぐ》りて|村肝《むらきも》の |心《こころ》を|痛《いた》め|魂《たま》|曇《くも》り
|破《やぶ》れし|袂《たもと》におく|露《つゆ》も |神《かみ》の|恵《めぐ》みを|偲《しの》ばせて
|無明《むみやう》の|闇《やみ》も|明《あ》けぬべし |一日《ひとひ》も|早《はや》く|故郷《ふるさと》の
|綾《あや》の|聖地《せいち》に|安《やす》らかに かへさせ|玉《たま》へと|天地《あめつち》に
|平伏《ひれふ》し|祈《いの》り|奉《たてまつ》れ ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|御霊《みたま》|幸《さち》はひましませよ
(大正一二・五・八 旧三・二三 隆光録)
第五篇 |春陽自来《しゆんやうじらい》
第二一章 |神花《しんくわ》〔一五七一〕
第二〇二
一
|掟《おきて》を|忘《わす》れ|村肝《むらきも》の |心《こころ》のままに|世《よ》を|過《す》ごす
|汚《きたな》き|身魂《みたま》となりにけり |恵《めぐ》みの|深《ふか》き|父母《ちちはは》に
|逆《さか》らひ|背《そむ》く|子《こ》の|如《ごと》く |誠《まこと》の|神《かみ》の|御恵《みめぐ》みを
|忘《わす》れてもとの|故郷《ふるさと》の |永遠《とは》の|住所《すみか》を|捨《す》てにけり
ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》 |今《いま》|悔《く》いまつる|吾《わ》が|罪《つみ》を
|赦《ゆる》させ|玉《たま》へと|願《ね》ぎまつる
二
|虎《とら》|狼《おほかみ》や|獅子《しし》|熊《くま》の |咆《ほ》え|猛《たけ》るなる|岩山《いはやま》や
|荒野《あらの》を|洩《も》れず|相尋《あひたづ》ね |飢《う》ゑ|渇《かわ》きたる|人《ひと》の|子《こ》を
|劬《いたは》り|抱《いだ》きて|大神《おほかみ》の |永遠《とは》にまします|神国《かみくに》へ
|進《すす》ませ|玉《たま》ふ|瑞御魂《みづみたま》 |仰《あふ》ぎ|敬《うやま》へひたすらに
|命《いのち》の|守《まもり》は|外《ほか》になし
三
パリサイ|人《じん》が|吾《わ》が|罪《つみ》を |教《をしへ》の|主《きみ》に|負《お》はせつつ
その|身《み》の|安《やす》きを|祈《いの》るをり |憐《あは》れみ|給《たま》ひて|瑞御魂《みづみたま》
|千々《ちぢ》に|心《こころ》を|砕《くだ》きつつ |平安《やすき》と|栄光《さかえ》を|与《あた》へむと
|仇《あだ》なす|身魂《みたま》を|守《まも》ります その|御恵《みめぐ》みは|海《うみ》よりも
|深《ふか》きを|思《おも》ひ|明《あき》らめて |夢《ゆめ》にも|忘《わす》るる|事《こと》なかれ
|神《かみ》の|愛《あい》には|限《かぎ》りなし |人《ひと》の|愛《あい》には|限《かぎ》りあり
四
|厳《いづ》の|御魂《みたま》の|御教《みをしへ》を |朝《あさ》な|夕《ゆふ》なに|畏《かしこ》みて
|百《もも》の|艱難《なやみ》を|打《う》ち|忘《わす》れ |日毎《ひごと》|夜毎《よごと》に|現世《うつしよ》を
|楽《たの》しく|清《きよ》く|送《おく》るべし |神《かみ》は|愛《あい》なり|力《ちから》なり
|愛《あい》と|力《ちから》と|充《み》ちませる |命《いのち》の|主《きみ》に|身《み》も|魂《たま》も
あななひまつれよ|人《ひと》の|子《こ》よ |神《かみ》は|汝《なんぢ》と|倶《とも》にあり
|神《かみ》は|無限《むげん》の|力《ちから》なり ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》
|御霊《みたま》|幸《さち》はひましませよ
第二〇三
一
|皇神《すめかみ》の|御赦《みゆる》しなくば|現世《うつしよ》の
|身《み》も|魂《たましひ》も|亡《ほろ》び|行《ゆ》くべし
二
|此《こ》のままに|吾《わ》が|魂《たましひ》を|此《こ》のままに
|救《すく》はせ|玉《たま》へ|神《かみ》の|御国《みくに》に
三
|罪《つみ》ばかり|身《み》に|重《かさ》なりて|功績《いさをし》は
なけれど|神《かみ》は|恵《めぐ》ませ|給《たま》ふ
四
|御恵《みめぐ》みを|得《う》くべき|身魂《みたま》にあらねども
|命《いのち》を|玉《たま》へ|神《かみ》の|御名《おんな》に
五
|大神業《おほみわざ》|仕《つか》へまつらむ|身魂《みたま》ぞと
|守《まも》らせ|玉《たま》へ|瑞《みづ》の|大神《おほかみ》
第二〇四
一
|百《もも》の|艱難《なやみ》に|驚《おどろ》きて |瑞《みづ》の|御霊《みたま》を|捨《す》て|去《さ》りし
|醜《しこ》の|身魂《みたま》の|行末《ゆくすゑ》は |浮《うか》ぶ|瀬《せ》のなき|涙川《なみだがは》
|御旨《みむね》をなみし|御恵《みめぐ》みを |拒《こば》みて|逃《に》ぐる|人草《ひとぐさ》の
いとかたくなな|魂《たましひ》を |黄金《こがね》の|鎚《つち》を|打《う》ち|振《ふる》ひ
|砕《くだ》かせ|玉《たま》へと|願《ね》ぎまつる |頑迷不霊《ぐわんめいふれい》の|魂《たましひ》を
|黄金《こがね》の|鎚《つち》もて|打《う》ち|砕《くだ》き |平安《やすき》と|栄光《さかえ》に|充《み》ち|足《た》らふ
|神《かみ》の|言葉《ことば》に|従《したが》ひて |五六七《みろく》の|御代《みよ》の|神業《かむわざ》に
|身《み》もたなしらに|仕《つか》へ|行《ゆ》く |珍《うづ》の|柱《はしら》となさしめよ
二
|御目《みめ》に|溢《あふ》るる|涙《なみだ》もて |知《し》らずに|犯《をか》せし|罪《つみ》なれば
|直日《なほひ》に|見直《みなほ》し|宣《の》り|直《なほ》し |許《ゆる》させ|給《たま》へ|厳《いづ》の|神《かみ》
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|麻柱《あななひ》に
三
|栄光《さかえ》つきせぬ|天津国《あまつくに》 |光《ひか》りの|園《その》の|訪《おとづ》れを
いと|平《たひ》らけく|安《やす》らけく |知《し》らしめ|玉《たま》へと|願《ね》ぎ|奉《まつ》る
第二〇五
一
|許々多久《ここたく》の|罪《つみ》を|悔《く》いたる|吾《わ》が|魂《たま》を
|赦《ゆる》させたまへ|厳《いづ》の|大神《おほかみ》
二
|朝夕《あさゆふ》に|罪《つみ》をば|詫《わ》ぶる|吾《わ》が|乞《こ》ひを
|憐《あは》れみたまへ|瑞《みづ》の|大神《おほかみ》
三
|身《み》の|罪《つみ》の|重《おも》きに|朝夕《あさゆふ》むせびつつ
|不断《たえぬ》|祈《いの》りを|赦《ゆる》させたまへ
四
|吾《わ》が|罪《つみ》の|只《ただ》|一《ひと》つだに|贖《あがな》はむ
|術《すべ》なき|身《み》をば|憐《あは》れみたまへ
五
|罪《つみ》|穢《けが》れ|亡《ほろ》びの|道《みち》に|遠《とほ》ざかり
|神国《みくに》に|上《のぼ》る|魂《たま》ぞ|畏《かしこ》き
第二〇六
一
|御心《みこころ》に|背《そむ》きまつりし|吾《わ》が|魂《たま》の
|進《すす》み|得《う》べきや|神《かみ》の|大前《おほまへ》
二
|罪科《つみとが》に|包《つつ》まれ|亡《ほろ》ぶ|吾《わ》が|魂《たま》を
|甦《よみが》へらせよ|瑞《みづ》の|大神《おほかみ》
三
|虫族《むしけら》も|命《いのち》を|玉《たま》ふ|皇神《すめかみ》よ
|罪《つみ》の|此《こ》の|身《み》を|赦《ゆる》させたまへ
四
|偲《しの》ぶだにいと|恐《おそ》ろしき|吾《わ》が|罪《つみ》を
|赦《ゆる》すは|主《きみ》の|力《ちから》なるかも
五
|戦《おのの》きて|御前《みまへ》に|平伏《ひれふ》す|罪《つみ》の|身《み》も
|希望《のぞみ》を|賜《たま》ふ|瑞《みづ》の|大神《おほかみ》
第二〇七
一
|咽《むせ》び|泣《な》く|悔悟《くわいご》の|涙《なみだ》を|乾《かわ》かせて
|身《み》を|照《て》らします|神《かみ》ぞ|尊《たふと》き
二
|御恵《みめぐ》みの|涙《なみだ》の|川《かは》に|身《み》を|浸《ひた》し
|世《よ》を|清《きよ》めゆく|主《きみ》ぞ|尊《たふと》き
三
|如何《いか》にせむ|人《ひと》の|心《こころ》の|薄衣《うすごろも》
|浮世《うきよ》の|風《かぜ》を|凌《しの》ぐ|術《すべ》なし
四
|破《やぶ》れたる|衣《ころも》の|袖《そで》を|翻《ひるがへ》し
|命《いのち》を|賜《たま》ふ|時《とき》は|来《き》にけり
五
|飢《う》ゑ|渇《かわ》き|亡《ほろ》びゆく|身《み》を|憐《あは》れみて
|生命《いのち》の|清水《しみづ》|与《あた》へ|給《たま》ひぬ
六
|仇人《あだびと》の|手《て》にも|足《あし》にも|口《くち》づけて
|親《した》しみたまふ|瑞《みづ》の|大神《おほかみ》
七
|渡《わた》されて|獄舎《ひとや》の|中《なか》に|苦《くる》しみつ
|世人《よびと》を|恵《めぐ》む|厳《いづ》の|大神《おほかみ》
八
|夜《よる》|深《ふか》く|肌《はだ》も|寒《さむ》けき|獄舎《ひとや》にて
いと|暖《あたた》かき|道《みち》|宣《の》り|給《たま》ふ
九
|梅《うめ》の|花《はな》|一度《いちど》に|開《ひら》く|時《とき》|来《き》ぬと
|叫《さけ》び|給《たま》ひし|御祖《みおや》ぞ|畏《かしこ》き
一〇
|許々多久《ここたく》の|艱難《なやみ》|苦《くる》しみ|悟《さと》ります
|教祖《をしへみおや》の|教《をしへ》|尊《たふと》し
一一
|死《し》の|艱《なや》み|黄泉《よみ》の|苦《くる》しみ|悉《ことごと》く
|祓《はら》ひ|給《たま》ひぬ|生言霊《いくことたま》に
第二〇八
一
|思《おも》ひまはせばまはす|程《ほど》 |吾《わ》が|身《み》の|深《ふか》き|罪科《つみとが》を
|知《し》らずに|友《とも》の|諌止《いさめ》をば |心《こころ》になみし|嘲《あざけ》りて
|真心《まごころ》こめての|祈《いの》りをば |笑《わら》ひ|罵《ののし》り|皇神《すめかみ》の
|御旨《みむね》に|背《そむ》きまつりたる |吾《わ》が|身《み》の|罪《つみ》ぞ|恐《おそ》ろしき
|友《とも》の|心《こころ》の|有難《ありがた》き
二
|雲霧《くもきり》|深《ふか》く|包《つつ》みたる |心《こころ》の|闇《やみ》にさまよひて
|吾《わ》が|魂《たましひ》は|曇《くも》りはて |厳《いづ》の|光《ひかり》に|遠《とほ》ざかり
|知《し》らず|識《し》らずに|百《もも》の|罪《つみ》 |犯《をか》せし|事《こと》も|咎《とが》めずに
|玉《たま》の|御手《みて》をばさし|伸《の》べて |明《あか》きに|導《みちび》き|給《たま》ひたる
|大御恵《おほみめぐみ》ぞ|有難《ありがた》き |道《みち》の|光《ひかり》の|畏《かしこ》けれ
三
|罪《つみ》の|淵瀬《ふちせ》に|陥《おちい》りて とまる|瀬《せ》もなく|漂《ただ》よひし
|孱弱《かよわ》き|身魂《みたま》を|皇神《すめかみ》は |憐《あは》れみまして|玉《たま》の|手《て》を
のべて|命《いのち》を|玉《たま》ひけり いや|永久《とこしへ》の|歓喜《よろこび》と
|平安《やすき》を|来《き》たす|嬉《うれ》しさは |天地《てんち》に|譬《たと》ふるものもなし
ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》 |神《かみ》の|恵《めぐ》みの|有難《ありがた》き
第二〇九
一
|涙《なみだ》は|雨《あめ》と|降《ふ》りそそぎ |雷《いかづち》|空《そら》に|轟《とどろ》きて
|水瀬《みなせ》は|溢《あふ》れ|住家《すみか》をば |吾《わ》が|身《み》と|共《とも》に|流《なが》すとも
|赦《ゆる》されまじき|吾《わ》が|罪《つみ》を |千座《ちくら》の|置戸《おきど》の|御徳《おんとく》に
|洗《あら》はせ|玉《たま》ふ|有難《ありがた》さ |慎《つつし》み|感謝《かんしや》し|奉《たてまつ》る
二
|心《こころ》を|千々《ちぢ》に|砕《くだ》きつつ |朝《あさ》な|夕《ゆふ》なによき|業《わざ》を
|励《はげ》みて|神《かみ》に|仕《つか》ふとも |大御恵《おほみめぐみ》の|万分一《まんぶいち》
|如何《いか》で|酬《むく》いむ|惟神《かむながら》 |愛《あい》の|御神《みかみ》の|御手《みて》により
|罪《つみ》を|洗《あら》はれ|久方《ひさかた》の |神《かみ》の|御国《みくに》に|進《すす》むより
|頼《たよ》りも|力《ちから》もなかるべし |如何《いか》に|尊《たふと》き|御教《みをしへ》を
|朝《あさ》な|夕《ゆふ》なに|聞《き》くとても |誠《まこと》の|行《おこな》ひなき|時《とき》は
|如何《いか》でか|清《きよ》めむ|罪《つみ》の|身《み》を
第二一〇
一
|誠《まこと》の|神《かみ》の|御旨《みむね》をば |悟《さと》りも|得《え》せず|厳《おごそ》かな
|奇《く》しき|神示《みのり》を|疑《うたが》ひて |吾《わ》が|身《み》の|力《ちから》を|頼《たの》みてし
その|愚《おろ》かさを|今《いま》となり |神《かみ》の|光《ひかり》に|照《て》らされて
やうやく|悟《さと》り|悔《く》いにけり |許《ゆる》させ|玉《たま》へ|厳御魂《いづみたま》
二
|神《かみ》より|受《う》けし|身《み》を|忘《わす》れ やがて|朽《く》つべき|宝《たから》をば
|貪《むさぼ》り|慕《した》ひし|恐《おそ》ろしさ |神《かみ》の|光《ひかり》に|照《て》らされて
|誠《まこと》の|宝《たから》の|所在《ありか》をば |覚《さと》りて|悔《く》ゆる|身《み》となりぬ
アア|有難《ありがた》し|神《かみ》の|教《のり》
三
|天津御空《あまつみそら》の|神国《かみくに》に いや|永久《とこしへ》に|咲《さ》き|匂《にほ》ふ
|恵《めぐ》みの|花《はな》を|他《よそ》にして |咲《さ》けば|忽《たちま》ち|散《ち》り|失《う》する
|物《もの》|言《い》ふ|花《はな》の|色《いろ》や|香《か》に |酔狂《よひくる》ひたる|恐《おそ》ろしさ
|神《かみ》の|光《ひかり》に|照《て》らされて |今《いま》は|悟《さと》りぬ|且《かつ》|悔《く》いぬ
ああ|惟神《かむながら》|々々《かむながら》 いとも|尊《たふと》き|神《かみ》の|教《のり》
第二一一
一
|限《かぎ》りなき|神《かみ》の|恵《めぐ》みはありとても
|赦《ゆる》されまじと|歎《なげ》きてしかな
二
|皇神《すめかみ》の|御稜威《みいづ》をなみし|且《かつ》あざみ
|背《そむ》きまつりし|心《こころ》|忌々《ゆゆ》しき
三
|玉《たま》の|手《て》を|拡《ひろ》げて|主《きみ》は|待《ま》ちたまふ
いかで|捨《す》つべき|迷《まよ》はで|来《こ》よと
四
|憐《あは》れみの|涙《なみだ》に|宿《やど》る|月影《つきかげ》は
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|姿《すがた》なるらむ
五
|濁江《にごりえ》の|底《そこ》にも|月《つき》は|御姿《みすがた》を
|映《うつ》して|暗《やみ》を|照《て》らし|玉《たま》ひぬ。
(大正一二・五・八 旧三・二三 隆光録)
第二二章 |神日《しんじつ》〔一五七二〕
第二一二
一
|功《いさを》なき|御霊《みたま》を|千座《ちくら》に|贖《あがな》ひて
|洗《あら》ひたまひぬ|天津御国《あまつみくに》に
二
|罪咎《つみとが》の|汚《けが》れを|洗《あら》ふ|術《すべ》なきを
|清《きよ》めたまひぬ|瑞《みづ》の|御霊《みたま》に
三
|疑《うたが》ひの|雲霧《くもきり》|晴《は》れて|久方《ひさかた》の
|天《あめ》にのぼらむ|身《み》こそ|嬉《うれ》しき
四
|病《いたづき》に|悩《なや》める|身《み》をも|癒《いや》します
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|御稜威《みいづ》かしこし
五
|頼《たよ》り|来《く》る|人《ひと》に|清《きよ》めと|生命《いのち》をば
|誓《ちか》はせ|玉《たま》ふ|三五《あななひ》の|神《かみ》
六
|罪《つみ》|深《ふか》き|吾《わ》が|身《み》をかくまで|憐《あは》れみて
いつくしみます|救主《きみ》ぞ|尊《たふと》き
第二一三
一
|罪《つみ》や|汚《けが》れを|悉《ことごと》く |清《きよ》めの|神《かみ》に|打《う》ち|任《まか》せ
|清《きよ》き|御心《みこころ》そのままに |恵《めぐ》みの|河《かは》に|導《みちび》かれ
|御霊《みたま》を|清《きよ》め|汚点《しみ》さへも |残《のこ》らず|洗《あら》ひ|清《きよ》めつつ
|神《かみ》の|御許《みもと》に|頼《たの》もしく |進《すす》みゆくこそ|有難《ありがた》き
二
|疲《つか》れ|果《は》てたる|吾《わ》が|霊《たま》も |恵《めぐ》みに|強《つよ》き|我《わが》|貴美《きみ》の
|御手《みて》に|抱《いだ》かれ|御心《みこころ》に よりて|誠《まこと》の|大道《おほみち》に
|進《すす》みて|往《ゆ》かむ|惟神《かむながら》 |心《こころ》|長閑《のどか》に|人《ひと》の|世《よ》を
|神《かみ》のまにまに|過《す》ごすべし
三
|弥生《やよひ》の|空《そら》の|山桜《やまざくら》 のどかな|風《かぜ》に|吹《ふ》かれつつ
こぼるる|薫《かを》り|世《よ》に|匂《にほ》ふ |命《いのち》の|神《かみ》の|珍《うづ》の|名《な》を
いと|麗《うるは》しく|有難《ありがた》く |讃《ほ》めよ|称《たた》へよ|人《ひと》の|子《こ》よ
四
|心《こころ》やさしく|頼《たの》もしく |愛《あい》に|富《と》みます|瑞御魂《みづみたま》
|清《きよ》き|御性《みさが》を|得《え》させませ |天津使《あまつつかひ》の|宣《の》り|給《たま》ふ
|御歌《みうた》を|学《まな》び|朝夕《あさゆふ》に |尊《たふと》き|御名《みな》を|称《たた》ふべし
第二一四
一
|厳《いづ》の|御魂《みたま》や|瑞御魂《みづみたま》 |現《あら》はれたまふ|竜館《たつやかた》
|寄《よ》り|来《く》る|人《ひと》は|現身《うつそみ》の きぬ|脱《ぬ》ぎ|捨《す》てて|惟神《かむながら》
|大道《おほぢ》に|進《すす》むものもあり |又《また》あやまちの|根《ね》の|国《くに》の
|萱野ケ原《かやのがはら》を|行《ゆ》くもあり
二
|罪《つみ》も|汚《けが》れも|皆《みな》|洗《あら》ひ |綾《あや》の|高天《たかま》の|御力《みちから》と
|選《えら》ませたまへと|朝夕《あさゆふ》に |祈《いの》る|誠《まこと》の|信徒《まめひと》は
|夜《よ》も|暁《あかつき》の|星《ほし》のごと いと|少《すく》なきぞうたてけれ
三
|厚《あつ》き|恵《めぐ》みのパラダイス |高天原《たかあまはら》に|来《き》ながらも
|氷《こほり》のごとく|冷《ひえ》きりし |心《こころ》をもちて|大前《おほまへ》に
|進《すす》み|呉《く》るこそうたてけれ |厚《あつ》き|恵《めぐ》みの|御光《みひかり》に
|照《て》らされ|胸《むね》に|敬愛《けいあい》の |炎《ほのほ》をもやし|惟神《かむながら》
|神《かみ》の|心《こころ》となれよかし
四
|此《この》|世《よ》の|暗路《やみぢ》に|行《ゆ》き|悩《なや》む あはれ|果敢《はか》なき|人草《ひとぐさ》の
|心《こころ》を|昼《ひる》に|立《た》てかへて |恵《めぐ》みの|光《ひかり》を|照《て》らしませ
|厳《いづ》の|御霊《みたま》や|瑞御霊《みづみたま》
五
|黄泉路《よみぢ》の|風《かぜ》の|吹《ふ》き|荒《すさ》び |死《し》の|河《かは》|浪《なみ》は|高《たか》くとも
いと|安《やす》らけく|平《たひ》らけく |仁慈《じんじ》の|御手《みて》に|棹《さを》さして
|天津御国《あまつみくに》の|彼《か》の|岸《きし》に つかせ|玉《たま》へや|瑞御霊《みづみたま》
第二一五
一
|曲神《まがかみ》の|伊猛《いたけ》り|狂《くる》ふ|世《よ》の|中《なか》に
|希望《のぞみ》|抱《かか》へて|神《かみ》は|居《ゐ》ませり
二
|荒浪《あらなみ》に|漂《ただよ》ひ|迷《まよ》ふ|吾《わ》が|霊《たま》を
|救《すく》ふは|神《かみ》の|力《ちから》なりけり
三
|風《かぜ》|強《つよ》く|浪《なみ》|立《た》つ|夜半《よは》も|皇神《すめかみ》は
|碇《いかり》おろして|守《まも》りたまひぬ
四
|世《よ》の|終末《をはり》せまり|来《き》たりし|際《きは》にさへ
|神《かみ》に|祈《いの》れば|生《い》くる|道《みち》あり
五
|幽界《かくりよ》に|移《うつ》りし|時《とき》に|杖《つゑ》となり
|力《ちから》となるは|御神《みかみ》のみなり
第二一六
一
|罪汚《つみけが》れ|洗《あら》ひ|清《きよ》めて|由良川《ヨルダン》の
ほとりに|居《ゐ》ます|神《かみ》に|詣《まう》でよ
二
|皇神《すめかみ》の|掟《おきて》にたへず|泣《な》き|叫《さけ》ぶ
|声《こゑ》も|罪《つみ》をば|拭《ぬぐ》ふ|力《ちから》なし
三
|瑞御魂《みづみたま》|幸《さちは》ひなくば|現世《うつしよ》に
|生《い》きて|栄《さか》ゆる|術《すべ》なかるべし
四
|現世《うつしよ》も|幽《かく》れし|界《よ》をも|知召《しろしめ》す
|神《かみ》の|恵《めぐ》みに|陰日向《かげひなた》なし
第二一七
一
|高熊山《たかくまやま》の|岩窟《がんくつ》に |神《かみ》の|御言《みこと》を|蒙《かうむ》りて
|身《み》も|棚《たな》しらに|仕《つか》へたる |昔《むかし》の|業《わざ》は|知《し》らねども
|今《いま》|目《ま》のあたり|仕《つか》へます |御業《みわざ》を|眺《なが》めて|皇神《すめかみ》の
|慈愛《じあい》の|心《こころ》を|悟《さと》りけり |神《かみ》は|愛《あい》なり|権力《ちから》なり
二
|棚《たな》なし|船《ぶね》に|棹《さを》さして |冠島《をしま》|沓島《めしま》に|立《た》て|籠《こも》り
|雨《あめ》にさらされ|風《かぜ》に|浴《あ》び |朝《あさ》な|夕《ゆふ》なに|神業《かむわざ》に
|仕《つか》へたまひし|厳御霊《いづみたま》 |罪《つみ》に|苦《くる》しむ|人草《ひとぐさ》を
|清《きよ》めむために|命毛《いのちげ》の |御筆《みふで》を|揮《ふる》ひやがて|来《く》る
ミロクの|教《をしへ》を|宣《の》べたまふ |神《かみ》は|愛《あい》なり|権力《ちから》なり
三
|鞍馬《くらま》の|山《やま》に|立向《たちむ》かひ |世人《よびと》の|罪《つみ》を|清《きよ》めむと
|老《おい》の|御足《みあし》も|健《すこや》かに |登《のぼ》らせたまふ|雄々《をを》しさよ
|昔《むかし》の|御業《みわざ》は|見《み》えねども |残《のこ》しおかれし|神《かみ》の|文《ふみ》
|珍《うづ》の|御声《みこゑ》を|聞《き》くたびに |教祖《をしへみおや》の|御心《みこころ》を
いとも|畏《かしこ》くうかがひぬ |神《かみ》は|愛《あい》なり|権力《ちから》なり
四
|杵築《きづき》の|宮《みや》に|参詣《まゐまう》で |十五《じふご》の|御弟子《みでし》に|語《かた》られし
|生言霊《いくことたま》の|尊《たふと》さよ |火《ひ》と|水《みづ》|土《つち》の|神業《かむわざ》に
|赤心《まごころ》|籠《こ》めて|仕《つか》へまし |神《かみ》の|御術《みわざ》をいや|広《ひろ》に
いそしみたまひし|我《わが》|教祖《みおや》 |仰《あふ》ぐも|尊《たふと》き|限《かぎ》りなり
|神《かみ》は|愛《あい》なり|権力《ちから》なり
五
|弥仙《みせん》の|山《やま》に|立《た》て|籠《こも》り |神《かみ》の|御言《みこと》を|畏《かしこ》みて
|七日七夜《ななかななや》の|荒行《あらぎやう》に |仕《つか》へたまひし|厳御魂《いづみたま》
|今《いま》は|御姿《みすがた》|見《み》えねども のこし|玉《たま》ひし|言《こと》の|葉《は》に
|大御光《おほみひかり》は|現《あら》はれて |暗《くら》き|心《こころ》も|澄《す》みわたる
|神《かみ》は|愛《あい》なり|権力《ちから》なり
第二一八
一
|吾《わ》が|霊魂《たましひ》を|永久《とこしへ》に |恵《めぐ》ませたまふ|瑞御魂《みづみたま》
|風《かぜ》|吹《ふ》き|荒《すさ》み|浪《なみ》は|立《た》ち |船《ふね》は|沈《しづ》まむばかりなる
|危《あや》ふき|此《こ》の|身《み》を|守《まも》らせて |彼方《かなた》の|岸《きし》にやすやすと
|導《みちび》きたまふぞ|有難《ありがた》き |神《かみ》は|愛《あい》なり|生命《いのち》なり
二
|吾《わ》が|往《ゆ》く|先《さき》は|天津国《あまつくに》 |御園《みその》をのぞきて|外《ほか》に|又《また》
|寄《よ》る|隠所《かくれが》もあらざらむ |吾《わ》が|霊魂《たましひ》を|皇神《すめかみ》に
ゆだねまつりて|仕《つか》ふれば |瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御翼《みつばさ》に
|乗《の》せて|神国《みくに》へやすやすと |導《みちび》きたまへ|瑞御魂《みづみたま》
|神《かみ》は|愛《あい》なり|生命《いのち》なり
三
|日毎《ひごと》|夜毎《よごと》に|吾《わ》が|霊魂《たましひ》は |罪《つみ》や|汚《けが》れに|染《そ》まれども
|清《きよ》めの|神《かみ》は|御恵《みめぐ》みと |誠《まこと》の|栄光《さかえ》に|充《み》ちたまひ
|霊《れい》と|肉《にく》とをことごとく |元《もと》の|如《ごと》くに|清《きよ》めまし
|疲《つか》れし|御魂《みたま》を|慰《なぐさ》めて |御園《みその》に|導《みちび》きたまふべし
|神《かみ》は|愛《あい》なり|生命《いのち》なり
四
|厳《いづ》の|御魂《みたま》や|瑞御魂《みづみたま》 |生命《いのち》の|元《もと》にましませば
|恵《めぐ》みの|露《つゆ》は|永久《とこしへ》に |湧《わ》き|出《い》で|胸《むね》に|溢《あふ》れつつ
|吾等《われら》が|霊魂《みたま》をうるほして |渇《かわ》きと|飢《う》ゑを|止《とど》めまし
いや|永久《とこしへ》に|御栄光《みさかえ》と |平安《やすき》を|与《あた》へたまふべし
|神《かみ》は|愛《あい》なり|生命《いのち》なり
第二一九
一
|千早《ちはや》|振《ふ》る|神《かみ》の|恵《めぐ》みに|辿《たど》りつつ
|定《さだ》めなき|世《よ》を|安《やす》く|渡《わた》らむ
二
|天地《あめつち》をたもたせ|玉《たま》ふ|主《きみ》の|御手《みて》は
など|人《ひと》の|子《こ》を|守《まも》らざらめや
三
|皇神《すめかみ》の|御座《みくら》の|前《まへ》に|跪《ひざまづ》き
|罪《つみ》の|重荷《おもに》をおろしやすめよ
四
|神《かみ》の|稜威《いづ》|朝《あさ》な|夕《ゆふ》なに|謳《うた》ふ|身《み》は
|厳《いづ》の|御国《みくに》の|民《たみ》となりぬる
第二二〇
一
|風《かぜ》に|乗《の》り|浪《なみ》の|上《うへ》をば|歩《あゆ》むとも
|神《かみ》の|御業《みわざ》に|如何《いか》でしかめや
二
|永久《とこしへ》に|朽《く》ちぬ|宝《たから》を|秘《ひ》め|置《お》きし
|世継王《よつを》の|山《やま》を|仰《あふ》ぎ|見《み》るかな
三
|大空《おほぞら》に|醜《しこ》の|黒雲《くろくも》|満《み》ち|渡《わた》る
|中《なか》よりぞ|神《かみ》の|恵《めぐ》み|照《て》り|来《く》る
四
|皇神《すめかみ》の|御顔《みおもて》さへも|押《お》しかくす
|闇夜《やみよ》はことに|短《みじか》かりけり
五
|浮雲《うきぐも》の|晴《は》れゆく|空《そら》を|待《ま》てしばし
|朝日《あさひ》かがやく|東雲《しののめ》|近《ちか》し
第二二一
一
|世《よ》の|中《なか》の|栄《さか》えを|如何《いか》で|望《のぞ》まむや
|夜《よる》なき|国《くに》に|救《すく》はせたまへ
二
|禍《わざは》ひの|降《ふ》りかかりたる|身《み》の|上《うへ》も
おぢぬ|心《こころ》を|与《あた》へたまはれ
三
|現世《うつしよ》の|旅《たび》|往《ゆ》く|時《とき》も|皇神《すめかみ》の
|聖《きよ》き|御《み》あとを|踏《ふ》ましめたまへ
四
|我《わが》|神《かみ》は|親《した》しきおのが|友垣《ともがき》と
たよる|心《こころ》をもたせ|玉《たま》はれ
(大正一二・五・八 旧三・二三 明子録)
第二三章 |神暉《しんき》〔一五七三〕
第二二二
一
|黄昏《たそが》れて|家路《いへぢ》を|遠《とほ》く|迷《まよ》ふ|時《とき》
|行《ゆ》く|手《て》を|照《て》らす|厳《いづ》の|大神《おほかみ》
二
|御恵《みめぐ》みの|稜威《いづ》の|光《ひかり》に|暗《やみ》の|夜《よ》も
いと|明《あき》らけくなりにけるかな
三
|人足《ひとあし》の|行《ゆ》く|手《て》の|暗《やみ》を|具《まつぶさ》に
|照《て》らし|玉《たま》はば|進《すす》み|行《ゆ》かなむ
四
|吾《わ》が|弱《よわ》き|足《あし》を|守《まも》りて|山坂《やまさか》を
いと|安《やす》らけく|渡《わた》らせ|玉《たま》へ
五
|定《さだ》めなき|世《よ》にさすらひて|死《し》の|影《かげ》の
|襲《おそ》ひ|来《き》たるを|恐《おそ》れ|戦《おのの》く
六
|皇神《すめかみ》の|恵《めぐ》みの|光《ひかり》なかりせば
|常世《とこよ》の|暗《やみ》を|如何《いか》に|渡《わた》らむ
七
|皇神《すめかみ》は|野《の》にも|山《やま》にも|永遠《とことは》の
|光《ひかり》を|投《な》げて|恵《めぐ》み|玉《たま》ひぬ
八
|古《いにしへ》ゆ|厳《いづ》の|力《ちから》を|隠《かく》しつつ
|五六七《みろく》の|御代《みよ》を|待《ま》ち|玉《たま》ひけり
九
|永久《とこしへ》の|世《よ》の|曙《あけぼの》となりぬれば
|身《み》の|亡《ほろ》び|行《ゆ》く|人《ひと》もありけり
一〇
|麻柱《あななひ》の|道《みち》の|友垣《ともがき》|寄《よ》り|集《つど》ひ
|笑《ゑ》み|栄《さか》えつつ|神《かみ》を|迎《むか》ふる
第二二三
一
|弥広《いやひろ》き|智慧《ちゑ》と|力《ちから》の|充《み》ち|玉《たま》ふ
|神《かみ》の|言葉《ことば》に|仇言《あだこと》はなし
二
いと|弱《よわ》き|神《かみ》の|僕《しもべ》も|日《ひ》に|月《つき》に
|厳《いづ》の|力《ちから》を|受《う》けて|栄《さか》ゆる
三
|塵《ちり》の|世《よ》に|住《す》む|人《ひと》の|子《こ》は|神事《かみごと》に
|愚《おろ》かなるこそ|歎《うたて》かりけり
四
|麻柱《あななひ》の|教《のり》の|光《ひかり》の|輝《かがや》きて
|愚《おろ》かなる|世《よ》を|照《て》らして|救《すく》ふ
五
|足曳《あしびき》の|山《やま》より|高《たか》き|御恵《みめぐ》みを
はかり|知《し》るべき|術《すべ》もなきかな
六
|和田津見《わだつみ》の|底《そこ》より|深《ふか》き|神《かみ》の|智慧《ちゑ》
|暗《くら》きわが|身《み》の|如何《いか》で|知《し》るべき
七
|悩《なや》む|時《とき》|喜《よろこ》ぶ|時《とき》も|押《お》し|並《な》べて
|神《かみ》の|恵《めぐ》みを|夢《ゆめ》な|忘《わす》れそ
八
|御恵《みめぐ》みの|雨《あめ》に|潤《うるほ》ふ|人《ひと》の|身《み》は
|飢《う》うる|事《こと》なく|渇《かわ》く|事《こと》なし
九
|友垣《ともがき》や|家族《うから》|親族《やから》は|離《はな》るとも
|神《かみ》の|恵《めぐ》みは|永久《とは》にはなれず
一〇
|人《ひと》の|親《おや》の|愛《あい》と|恵《めぐ》みは|限《かぎ》りあり
|限《かぎ》りなきこそ|神《かみ》の|御恵《みめぐ》み
第二二四
一
|月夜見《つきよみ》の|神《かみ》の|御手《おんて》にひかれつつ
|浮世《うきよ》を|渡《わた》る|身《み》こそ|嬉《うれ》しき
二
|木枯《こがらし》の|吹《ふ》き|荒《すさ》びたる|冬《ふゆ》の|夜《よ》も
|恵《めぐ》みの|神《かみ》は|倶《とも》にまします
三
|吾《わ》が|身魂《みたま》いと|懇《ねもごろ》に|導《みちび》きて
|神《かみ》の|神園《みその》に|遊《あそ》ばせたまふ
四
|行《ゆ》きなやむ|嶮《けは》しき|山《やま》も|谷底《たにそこ》も
|神《かみ》としあれば|安《やす》く|過《す》ぎまし
五
|死《し》の|川《かは》の|荒波《あらなみ》いかで|恐《おそ》れむや
|御神《みかみ》は|吾《われ》と|倶《とも》にありせば
第二二五
一
|夜《よ》の|守《まも》り|日《ひ》の|御守《みまも》りと|月《つき》と|日《ひ》の
|恵《めぐ》みの|神《かみ》は|世《よ》をば|導《みちび》く
二
|荒波《あらなみ》の|伊猛《いたけ》り|狂《くる》ふ|波《なみ》の|上《へ》も
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|恵《めぐ》みたふとし
三
|荒波《あらなみ》は|虎《とら》のごとくに|咆《ほ》え|猛《たけ》り
|迫《せま》り|来《く》るともいかで|恐《おそ》れむ
四
|神《かみ》|吾《われ》と|倶《とも》にいまさば|曲津霊《まがつひ》も
|醜《しこ》の|大蛇《をろち》もさやる|事《こと》なし
五
|春《はる》の|日《ひ》の|花《はな》|咲《さ》き|匂《にほ》ふ|元津国《もとつくに》へ
|伴《ともな》ひ|玉《たま》へ|瑞《みづ》の|大神《おほかみ》
第二二六
一
|揺《ゆる》ぎなき|神《かみ》の|言葉《ことば》は|麻柱《あななひ》の
|清《きよ》めの|道《みち》の|基《もとゐ》なりけり
二
|御言葉《みことば》に|頼《たよ》る|身魂《みたま》はスクスクと
|常世《とこよ》の|暗《やみ》も|安《やす》く|渡《わた》らむ
三
|我《わが》|神《かみ》は|吾《わ》が|身《み》を|愛《あい》し|親《した》しみて
|夜昼《よるひる》もなく|守《まも》らせ|玉《たま》ふ
四
|御恵《みめぐ》みの|珍《うづ》の|御手《みて》こそいや|強《つよ》し
|吾《わ》が|身《み》に|添《そ》ひて|離《はな》れまさねば
五
|苦《くる》しみの|川《かは》|深《ふか》くともためらはず
|進《すす》みて|行《ゆ》かむ|神《かみ》のまにまに
六
|喜《よろこ》びの|彼方《あなた》の|岸《きし》に|渡《わた》らひの
|神《かみ》は|吾等《われら》と|倶《とも》にありけり
七
|吾《わ》が|身魂《みたま》|研《みが》かせ|玉《たま》ふ|御心《みこころ》の
|火《ひ》は|燃《も》えたちぬ|彼方《あなた》こなたに
八
|瑞御魂《みづみたま》|貴《うづ》の|守護《まもり》のある|上《うへ》は
|火《ひ》も|焼《や》くを|得《え》じ|水《みづ》も|浸《をか》さじ
九
|霜雪《しもゆき》の|頭《かしら》に|積《つ》もる|老《おい》の|身《み》も
|神《かみ》の|恵《めぐ》みにあたためられつつ
一〇
|変《かは》りなき|神《かみ》の|恵《めぐ》みにある|吾《われ》は
いと|安《やす》らけく|栄《さか》え|行《ゆ》くべし
第二二七
一
|荒野原《あれのはら》|道《みち》にさまよふ|吾《わ》が|魂《たま》を
|照《て》らさせたまへ|厳《いづ》の|大神《おほかみ》
二
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》|恵《めぐ》みの|露《つゆ》を|下《くだ》しつつ
|暗《くら》きに|迷《まよ》ふ|魂《たま》を|潤《うるほ》す
三
|人《ひと》の|身《み》の|力《ちから》となりて|夜昼《よるひる》の
|区別《わかち》もなしに|守《まも》るわが|救主《きみ》
四
いと|安《やす》く|由良川《ヨルダンがは》の|波《なみ》を|越《こ》え
|珍《うづ》の|聖地《せいち》に|上《のぼ》らせ|玉《たま》へ
五
|永久《とこしへ》に|尽《つ》きぬ|流《なが》れは|皇神《すめかみ》の
|恵《めぐ》みの|露《つゆ》の|溢《あふ》れしならむ
第二二八
一
|罪《つみ》|深《ふか》き|吾《わ》が|現身《うつそみ》も|魂《たましひ》も
|神《かみ》の|清《きよ》めによりて|安《やす》けし
二
|世《よ》の|中《なか》の|業《わざ》を|営《いとな》む|折《を》りをりに
|降《くだ》らせ|玉《たま》ふ|神《かみ》の|御恵《みめぐ》み
三
|悲《かな》しみの|雨《あめ》しきりなる|夕《ゆふ》べにも
いと|安《やす》らけし|神《かみ》の|懐《ふところ》は
四
|親《おや》と|子《こ》と|遠《とほ》く|離《はな》れて|住《す》むとても
いと|安《やす》らけし|神《かみ》の|教《をし》へ|子《ご》
五
|陸奥《みちのく》の|深山《みやま》の|奥《おく》に|住《す》むとても
|神《かみ》としあれば|心《こころ》|安《やす》けし
六
たとへ|身《み》は|朽《く》ち|果《は》つるとも|魂《たましひ》は
|常世《とこよ》の|春《はる》に|安《やす》く|住《す》むべし
七
|瑞御魂《みづみたま》|情《なさ》けの|御手《みて》にすがりつき
|安《やす》き|御国《みくに》に|進《すす》む|嬉《うれ》しさ
第二二九
一
|世《よ》は|亡《ほろ》び|身《み》はいつしかに|朽《く》つるとも
|何《なに》か|恐《おそ》れむ|神《かみ》とありせば
二
|許々多久《ここたく》の|罪《つみ》の|清《きよ》めを|得《え》しと|聞《き》く
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御声《みこゑ》|尊《たふと》し
三
|身体《からたま》も|時《とき》も|宝《たから》も|皆《みな》|神《かみ》の
|物《もの》とし|聞《き》けば|捧《ささ》げまつらむ
四
|身体《からたま》は|萎《しぼ》みて|朽《く》ちて|失《う》するとも
|生命《いのち》の|国《くに》に|甦《よみがへ》り|行《ゆ》く
五
|永久《とこしへ》に|歓喜《よろこび》|溢《あふ》れ|御栄光《みさかえ》の
|尽《つ》きぬは|神《かみ》の|御国《みくに》なりけり
六
|厳御魂《いづみたま》あれます|神《かみ》の|花園《はなぞの》に
|立《た》ち|寄《よ》る|人《ひと》ぞ|珍《うづ》の|御子《みこ》なり
第二三〇
一
|御恵《みめぐ》みのもとに|集《あつ》まる|人《ひと》の|子《こ》は
いかなる|業《わざ》も|安《やす》く|遂《と》げなむ
二
|緑《みどり》なす|牧場《まきば》に|吾《われ》を|休《やす》ましめ
|上《のぼ》らせ|給《たま》へ|夜《よる》なき|国《くに》へ
三
|亡《ほろ》び|行《ゆ》く|吾《わ》が|魂《たましひ》を|呼《よ》び|返《かへ》し
|光《ひかり》の|道《みち》に|導《みちび》きたまふ
四
|死《し》して|後《のち》|醜《しこ》の|谷間《たにま》を|行《ゆ》くとても
いかで|恐《おそ》れむ|神《かみ》とありせば
五
|御教《みをしへ》の|恵《めぐ》みあふるる|蓆《むしろ》には
|醜《しこ》の|曲霊《まがひ》も|集《つど》ふ|術《すべ》なし
六
|永久《とこしへ》の|神《かみ》の|御国《みくに》にある|限《かぎ》り
|身《み》の|幸《さいは》ひの|尽《つ》くることなし
第二三一
一
|高天原《たかあまはら》に|永久《とこしへ》に |鎮《しづ》まりゐます|大御神《おほみかみ》
|月日《つきひ》の|御魂《みたま》を|降《くだ》しまし |世人《よびと》の|胸《むね》を|照《て》らさむと
|厳《いづ》の|言霊《ことたま》|宣《の》り|伝《つた》へ いや|永久《とこしへ》に|人草《ひとぐさ》の
|魂《たま》を|守《まも》りて|故郷《ふるさと》に |帰《かへ》らせ|給《たま》ふ|御仕組《おんしぐみ》
|仰《あふ》ぐも|畏《かしこ》し|麻柱《あななひ》の |教柱《をしへはしら》の|大御神《おほみかみ》
二
|誠《まこと》|一《ひと》つの|麻柱《あななひ》の |教《をしへ》の|道《みち》よ|永久《とこしへ》の
|生命《いのち》の|綱《つな》よと|仰《あふ》ぎつつ |厳《いづ》の|御霊《みたま》や|瑞御霊《みづみたま》
|宣《の》らせ|給《たま》へる|言霊《ことたま》を |朝《あさ》な|夕《ゆふ》なに|畏《かしこ》みて
|守《まも》る|身魂《みたま》は|御光《みひかり》の |輝《かがや》きわたる|故郷《ふるさと》に
|安《やす》く|楽《たの》しく|帰《かへ》るべし |仰《あふ》ぎ|喜《よろこ》べ|神《かみ》の|徳《とく》
三
|命《いのち》の|主《きみ》とあれませる |瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|月《つき》の|神《かみ》
|神《かみ》の|僕《しもべ》と|朝夕《あさゆふ》に |勇《いさ》み|仕《つか》ふる|人《ひと》の|身《み》を
|守《まも》らせ|給《たま》ひ|災《わざは》ひに |歎《なげ》き|悲《かな》しむ|折《を》りをりも
|尽《つ》きぬ|希望《のぞみ》を|与《あた》へまし |身魂《みたま》を|立《た》たしめ|給《たま》へかし
四
|無限《むげん》|絶対《ぜつたい》|無始《むし》|無終《むしう》 |宇宙《うちう》の|主《あるじ》とあれませる
|大国常立大御神《おほくにとこたちおほみかみ》 その|分身《ぶんしん》と|現《あら》はれし
|厳《いづ》と|瑞《みづ》との|神御霊《かむみたま》 いや|永久《とこしへ》の|生命《いのち》をば
|神《かみ》の|御子《みこ》なる|人草《ひとぐさ》に |与《あた》へ|給《たま》ひし|尊《たふと》さよ
|吾等《われら》は|神《かみ》の|子《こ》|神《かみ》の|宮《みや》 いかなる|災《わざは》ひ|来《き》たるとも
|大御心《おほみこころ》とあきらめて |只《ただ》|一歩《ひとあし》も|退《しりぞ》かず
|御神《みかみ》のために|進《すす》むべし |守《まも》らせ|給《たま》へ|惟神《かむながら》
|御幸《みさち》を|祈《いの》り|奉《たてまつ》る
(大正一二・五・九 旧三・二四 隆光録)
第二四章 |神泉《しんせん》〔一五七四〕
第二三二
一
|貴美《きみ》の|名《な》を|聞《き》くたびごとに|悲《かな》しみも
|怖《おそ》れも|消《き》えてこころ|安《やす》けし
二
|疲《つか》れたる|身《み》の|憩《いこ》ひともなり|吾《わ》が|霊魂《たま》の
|餌《ゑさ》ともならむ|珍《うづ》の|言《こと》の|葉《は》
三
|瑞御霊《みづみたま》|厳《いづ》の|御霊《みたま》の|御名《みな》こそは
めぐみの|露《つゆ》の|源泉《みなもと》となれ
四
|永遠《とことは》の|生命《いのち》のもとと|生《あ》れませる
|月《つき》の|御霊《みたま》を|仰《あふ》げ|世《よ》の|人《ひと》
五
|珍《うづ》の|御名《みな》|称《たた》ふるごとにうるはしき
|調《しらべ》となりて|吾《わ》が|霊《たま》|勇《いさ》む
六
|死《みまか》りて|神《かみ》の|御傍《みそば》に|至《いた》りなば
|称《たた》へまつらむ|清《きよ》めの|御名《みな》を
第二三三
一
|河《かは》の|岸辺《きしべ》を|行《ゆ》く|時《とき》も |艱《なや》みの|荒波《あらなみ》|渡《わた》り|行《ゆ》く
|折《を》りにも|心《こころ》いと|安《やす》し |神《かみ》は|吾等《われら》と|倶《とも》に|在《ま》せば
二
|群《むら》がる|仇《あだ》は|猛《たけ》りつつ |人垣《ひとがき》なして|囲《かこ》めども
|吾《わ》が|霊魂《たましひ》を|試《こころ》むる もの|出《い》で|来《き》たり|永遠《とことは》の
|希望《のぞみ》を|砕《くだ》くことあるも |如何《いか》でくだかむ|瑞御霊《みづみたま》
|吾《わ》が|身《み》にそひてましませば
三
|瑞《みづ》の|御霊《みたま》の|贖罪《あがなひ》に |重《おも》き|吾《わ》が|罪《つみ》|失《う》せにけり
|思《おも》ひ|悩《なや》みし|吾《わ》が|霊《たま》は |甦《よみがへ》りつつ|益良夫《ますらを》の
|如《ごと》くに|勇《いさ》み|奮《ふる》ひ|起《た》つ
四
|厳《いづ》の|御魂《みたま》の|御力《みちから》に |天津御空《あまつみそら》は|捲《ま》き|去《さ》られ
|大地《だいち》は|崩《くづ》れやぶる|時《とき》 |罪《つみ》に|沈《しづ》みし|人《ひと》の|子《こ》は
|声《こゑ》を|放《はな》ちて|騒《さわ》ぐとも |神《かみ》の|大道《おほぢ》を|歩《あゆ》む|身《み》は
|如何《いか》で|怖《おそ》れむ|惟神《かむながら》 |厳《いづ》の|御魂《みたま》や|瑞御魂《みづみたま》
|清《きよ》めの|神《かみ》のます|上《うへ》は
第二三四
一
|瑞《みづ》の|御手《おんて》をさしのべて |導《みちび》きたまへ|神《かみ》の|国《くに》
二
|山路《やまぢ》は|如何《いか》に|暗《くら》くとも |浪路《なみぢ》は|如何《いか》に|荒《あら》くとも
|吾《われ》は|厭《いと》はじ|皇神《すめかみ》の |神《かみ》の|御旨《みむね》と|知《し》る|上《うへ》は
三
|力《ちから》を|頼《たの》み|吾《わ》が|知恵《ちゑ》に |任《まか》せて|一人《ひとり》|世《よ》の|道《みち》を
|選《えら》ぶな|採《と》るな|人《ひと》の|子《こ》よ ただ|何事《なにごと》もかむながら
|神《かみ》に|委《ゆだ》ねて|大道《おほみち》を |正《ただ》しく|清《きよ》く|進《すす》むべし
四
|生命《いのち》の|泉《いづみ》の|盃《さかづき》を |授《さづ》けたまひし|瑞御魂《みづみたま》
|押《お》し|頂《いただ》いて|飲《の》む|上《うへ》は |永久《とは》の|喜《よろこ》び|溢《あふ》るまで
|充満《みた》しめ|給《たま》ふぞ|尊《たふと》けれ すべてを|君《きみ》にかへしまつり
|神《かみ》の|御国《みくに》を|開《ひら》くため |悩《なや》みも|責《せ》めも|滅《ほろ》びをも
|何《なに》かはあらむ|道《みち》のため
第二三五
一
|苦《くる》しめる|時《とき》の|助《たす》けは|我《わが》|神《かみ》の
|限《かぎ》りも|知《し》らぬ|力《ちから》とぞ|知《し》る
二
|地《ち》は|変《かは》り|山《やま》は|移《うつ》りて|海《うみ》となる
|世《よ》に|住《す》むとても|如何《いか》でおそれむ
三
|皇神《すめかみ》の|珍《うづ》の|神都《みやこ》に|流《なが》れたる
|生命《いのち》の|水《みづ》は|由良《ヨルダン》の|河《かは》
四
|瑞御魂《みづみたま》その|言霊《ことたま》は|疲《つか》れをば
いやす|生命《いのち》の|清水《しみづ》なりけり
五
|皇神《すめかみ》の|御許《みもと》に|集《つど》ひ|来《き》たる|身《み》は
|悩《なや》み|苦《くる》しみ|消《き》えて|安《やす》けし
第二三六
一
|旅人《たびびと》の|夕暮《ゆふぐれ》|近《ちか》き|淋《さび》しさを
|恵《めぐ》ませたまふ|厳《いづ》の|御光《みひかり》
二
|悲《かな》しみの|雨《あめ》は|夜《よ》の|間《ま》に|晴《は》れわたり
|永久《とは》の|喜《よろこ》び|朝日《あさひ》と|輝《かがや》く
三
|怯《お》ぢ|惑《まど》ふ|諸《もも》の|人々《ひとびと》|村肝《むらきも》の
こころ|鎮《しづ》めて|神力《みちから》に|頼《たよ》れ
四
|重《おも》き|罪《つみ》に|悩《なや》み|苦《くる》しむ|人々《ひとびと》は
|仰《あふ》ぎて|待《ま》てよ|希望《のぞみ》の|光《ひかり》を
五
|悲《かな》しみの|滝津涙《たきつなみだ》をぬぐはれて
|喜《よろこ》び|勇《いさ》む|晨《あした》は|近《ちか》し
第二三七
一
|仇人《あだびと》の|攻《せ》め|来《き》たるとも|荒風《あらかぜ》の
|吹《ふ》き|猛《たけ》るとも|夢《ゆめ》なおそれそ
二
|山《やま》のごと|心《こころ》|鎮《しづ》めて|動《うご》かざれ
|神《かみ》の|守《まも》りのある|人《ひと》の|身《み》は
三
|乱《みだ》れゆく|千々《ちぢ》の|思《おも》ひも|安《やす》らかに
|生《い》かさせたまふ|瑞《みづ》の|大神《おほかみ》
四
|静《しづ》かなる|心《こころ》の|波《なみ》は|永久《とこしへ》の
|花《はな》|咲《さ》く|岸《きし》に|渡《わた》す|神船《かみふね》
五
|帰《かへ》り|来《き》ぬ|死出《しで》の|山路《やまぢ》も|根《ね》の|国《くに》も
|神《かみ》としあれば|実《げ》にも|長閑《のど》けし
六
|吾《わ》が|霊魂《みたま》|導《みちび》きたまふ|神《かみ》ませば
|暗《くら》き|黄泉路《よみぢ》も|如何《いか》で|恐《おそ》れむ
第二三八
一
|言霊《ことたま》の|清《きよ》き|祈《いの》りは|皇神《すめかみ》の
|大御心《おほみこころ》を|慰《なぐさ》めまつらむ
二
|濁《にご》りたるその|言霊《ことたま》は|皇神《すめかみ》の
|清《きよ》き|心《こころ》を|曇《くも》らせまつる
三
|皇神《すめかみ》は|生命《いのち》と|権威《ちから》にましませば
|醜《しこ》の|言霊《ことたま》|怖《おそ》れたまはず
四
さりながら|醜言霊《しこことたま》を|宣《の》る|時《とき》は
|忌《い》ませ|玉《たま》ふぞゆゆしかりける
五
|幼《いとけ》なき|唇《くちびる》をもて|幸《さち》|祈《いの》る
その|言霊《ことたま》ぞ|神《かみ》の|栄光《みさかえ》
六
|大空《おほぞら》の|天津神国《あまつみくに》の|御座《みくら》まで
|響《ひび》き|聞《き》こゆる|幼《をさな》の|祈《いの》り
七
|罪人《つみびと》の|迷《まよ》ひの|道《みち》より|帰《かへ》り|来《く》る
|綱《つな》は|祈《いの》りの|言霊《ことたま》ぞかし
八
|喜《よろこ》びの|歌《うた》を|合唱《あは》せて|天使《あまつかひ》
|琴《こと》|掻《か》き|鳴《な》らし|信徒《まめひと》|迎《むか》ふ
九
|大前《おほまへ》に|祈《いの》る|言葉《ことば》は|永久《とこしへ》の
|生命《いのち》を|保《たも》つ|御綱《みつな》なりけり
一〇
|天津御国《あまつみくに》の|御門《みかど》の|開《ひら》く|合言葉《あひことば》
ともなり|行《ゆ》かむ|厳《いづ》の|言霊《ことたま》
第二三九
一
|心《こころ》|鎮《しづ》めて|祈《いの》る|時《とき》 |霊《たま》さえわたりいと|楽《たの》し
|悩《なや》みの|多《おほ》き|現世《うつしよ》の |覊《きづな》を|離《はな》れ|大前《おほまへ》に
|心《こころ》の|希望《のぞみ》を|宣《の》り|上《あ》げて |神《かみ》の|正《ただ》しき|兵士《つはもの》と
|力《ちから》を|得《う》るぞ|尊《たふと》けれ
二
|神《かみ》の|御前《みまへ》に|平伏《ひれふ》して |祈《いの》る|時《とき》こそ|楽《たの》しけれ
|闇《やみ》に|迷《まよ》へる|吾《わ》が|霊《たま》を |清《きよ》めて|危《あや》ふき|魔道《まだう》より
|神《かみ》の|御国《みくに》の|大道《おほみち》へ |導《みちび》きたまふ|心地《ここち》すれ
三
|珍《うづ》の|御前《みまへ》に|平伏《ひれふ》して |祈《いの》る|時《とき》こそ|楽《たの》しけれ
スメール|山《ざん》の|上《うへ》よりも |高《たか》き|心地《ここち》ぞせられける
|昇《のぼ》る|旭《あさひ》は|慰安《なぐさめ》を |与《あた》へて|千代《ちよ》の|喜《よろこ》びを
|身魂《みたま》にみたしたまふなり
第二四〇
一
|花《はな》の|朝《あさ》|月《つき》の|夕《ゆふ》べも|皇神《すめかみ》に
|祈《いの》らで|如何《いか》で|世《よ》を|渡《わた》り|得《え》む
二
|大前《おほまへ》に|祈《いの》る|言霊《ことたま》たちまちに
|修羅《しゆら》の|巷《ちまた》も|松風《まつかぜ》|匂《にほ》ふ
三
|吠《ほ》え|猛《たけ》る|獅子《しし》の|穴《あな》をもおそれなし
|神《かみ》の|御前《みまへ》に|祈《いの》るこの|身《み》は
四
|疑《うたが》ひの|雲《くも》も|憂《うれ》ひの|時雨《しぐれ》をも
|祈《いの》りの|声《こゑ》にまたく|晴《は》れ|行《ゆ》く
五
|大前《おほまへ》の|祈《いの》りに|勝《まさ》るものはなし
|実《げ》にも|奇《くす》しき|言霊《ことたま》の|力《ちから》よ
第二四一
一
|月《つき》の|影《かげ》|西《にし》の|山辺《やまべ》に|薄《うす》れゆきて
|東《ひがし》の|山《やま》にあかねさしけり
二
|夕日影《ゆふひかげ》|浪《なみ》のまにまに|沈《しづ》み|行《ゆ》きて
|東《あづま》の|空《そら》にのぼる|月影《つきかげ》
三
|御恵《みめぐ》みの|露《つゆ》にうるほひ|撓《たわ》む|草《くさ》も
|今《いま》は|月夜《つきよ》に|甦《よみがへ》りける
四
|飛《と》ぶ|小鳥《ことり》|梢《こずゑ》の|風《かぜ》も|皇神《すめかみ》を
|称《たた》への|調《しらべ》に|声《こゑ》を|合《あ》はしつ
五
|高熊《たかくま》の|岩窟《いはや》の|前《まへ》に|祈《いの》りてし
|人《ひと》の|昔《むかし》を|偲《しの》ばれてけり
六
|沓島山《めしまやま》|海《うみ》|吹《ふ》く|風《かぜ》に|曝《さら》されて
|法《のり》をつたへし|教祖《みおや》ぞ|尊《たふと》き
七
|吾《わ》がために|神《かみ》の|御国《みくに》に|朝夕《あさゆふ》に
|祈《いの》らせたまふ|主《きみ》ぞ|尊《たふと》き
(大正一二・五・九 旧三・二四 於教主殿 明子録)
第二五章 |神家《しんけ》〔一五七五〕
第二四二
一
|一日《いちにち》の|業《わざ》を|終《をは》りし|黄昏《たそがれ》に
|御前《みまへ》に|祈《いの》るこころ|楽《たの》しさ
二
|千早《ちはや》|振《ふ》る|神《かみ》をおきては|聞《き》くものも
なき|山奥《やまおく》に|伏《ふ》し|歎《なげ》くかな
三
|吾《わ》が|罪《つみ》のいと|恐《おそ》ろしくなりゆきて
|家《いへ》にも|居《を》れぬ|胸《むね》の|苦《くる》しさに
四
|行末《ゆくすゑ》の|幸《さち》を|思《おも》ひて|朝夕《あさゆふ》に
|珍《うづ》の|御前《みまへ》に|祈《いの》りけるかな
五
|何事《なにごと》も|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|我《わが》|主《きみ》に
|萎《ゆだ》ねまつるぞ|歓喜《よろこび》の|種《たね》
六
|仮《かり》の|身《み》に|沁《し》み|渡《わた》り|来《く》る|寒《さむ》さをも
|神《かみ》を|思《おも》へば|暖《あたた》かくなりぬ
七
|現世《うつしよ》の|日影《ひかげ》を|後《あと》に|行《ゆ》く|時《とき》は
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》ぞ|力《ちから》なりけり
第二四三
一
|神《かみ》の|御国《みくに》へ|安々《やすやす》と |上《のぼ》りて|千代《ちよ》の|楽《たの》しみを
|受《う》くるものとは|知《し》りながら |親《した》しきものを|後《あと》におき
|慣《な》れし|此《この》|世《よ》をたつ|時《とき》は |名残《なごり》|惜《を》しまぬ|人《ひと》やある
|祈《いの》れよ|祈《いの》れ|御前《おんまへ》に |祈《いの》りに|勝《まさ》る|力《ちから》なし
二
|人《ひと》は|此《この》|世《よ》を|後《あと》にして |神《かみ》の|御国《みくに》に|旅立《たびだち》し
いや|永久《とこしへ》の|命《いのち》をば |保《たも》ちて|栄《さか》ゆる|事《こと》の|由《よし》
|完全《うまら》に|詳細《つばら》に|悟《さと》れども あとに|残《のこ》りしもの|共《ども》に
|別《わか》れて|行《ゆ》かむその|憂《うれ》ひ いかで|惜《を》しまぬ|人《ひと》やある
|祈《いの》れよ|祈《いの》れ|大前《おほまへ》に |祈《いの》りは|誠《まこと》の|力《ちから》なり
三
|災《わざは》ひ|多《おほ》き|現世《うつしよ》の |仮《かり》の|栄耀《さかえ》は|願《ねが》はずも
|家族《うから》|親族《やから》は|飢《う》ゑ|渇《かわ》き その|惨《みぢ》めさを|見《み》るにつけ
|心《こころ》を|痛《いた》めず|安《やす》らかに |世《よ》に|住《す》む|者《もの》はあらざらめ
|祈《いの》れよ|祈《いの》れ|大前《おほまへ》に |祈《いの》りは|誠《まこと》の|力《ちから》なり
四
|艱《なや》みのつきぬ|世《よ》に|住《す》めど |厳《いづ》の|御魂《みたま》や|瑞御魂《みづみたま》
|教《をしへ》の|幸《さち》に|力《ちから》|得《え》て |弱《よわ》きこの|身《み》も|曲津霊《まがつひ》に
|勝《か》ちて|行《ゆ》くこそ|嬉《うれ》しけれ |祈《いの》れよ|祈《いの》れ|大前《おほまへ》に
|祈《いの》りは|誠《まこと》の|力《ちから》なり
第二四四
一
|厳《いづ》の|御魂《みたま》や|瑞御魂《みづみたま》 |命《いのち》の|神《かみ》は|人草《ひとぐさ》の
|罪科《つみとが》|憂《うれ》ひを|科戸辺《しなどべ》の |言霊風《ことたまかぜ》に|吹《ふ》き|払《はら》ひ
|安《やす》きに|清《きよ》め|玉《たま》ふべし アア|諸人《もろびと》よ|諸人《もろびと》よ
|心《こころ》の|歎《なげ》きを|打《う》ちあけて |命《いのち》の|御手《みて》に|縋《すが》らざる
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》のわが|貴美《きみ》は |弱《よわ》き|吾等《われら》の|身魂《みたま》をば
|憐《あは》れみ|玉《たま》ひ|許々多久《ここたく》の |悲《かな》しみ|艱《なや》みを|治《をさ》めまし
|慰《なぐさ》め|玉《たま》ふぞ|有難《ありがた》き
二
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|我《わが》|救主《きみ》は |永遠《とは》に|変《かは》らぬ|御恵《みめぐ》みの
|深《ふか》くまします|神柱《かむばしら》 |世人《よびと》の|吾《われ》を|棄《す》つる|時《とき》
|仁慈《じんじ》の|深《ふか》き|涙《なみだ》もて |劬《いたは》り|玉《たま》ふぞ|有難《ありがた》き
第二四五
一
|村肝《むらきも》の|心《こころ》|清《きよ》めて|大前《おほまへ》に
|祈《いの》る|誠《まこと》を|神《かみ》は|受《う》けまさむ
二
|御恵《みめぐ》みの|充《み》ち|足《た》らひたる|月《つき》の|神《かみ》は
|人《ひと》の|祈祷《いのり》を|恵《めぐ》ませ|玉《たま》ふ
三
|許々多久《ここたく》の|罪《つみ》や|穢《けが》れを|洗《あら》ひ|去《さ》り
|清《きよ》く|安《やす》けき|身《み》となし|玉《たま》へ
四
|清《きよ》まりし|吾《わ》が|身魂《みたま》をば|御心《みこころ》の
ままに|柱《はしら》とならしめ|玉《たま》へ
五
|朝夕《あさゆふ》に|祈《いの》る|吾《わ》が|身《み》を|幸《さち》はひて
いや|永久《とこしへ》に|守《まも》らせ|玉《たま》へ
六
|清《きよ》らかにいと|安《やす》らかに|世《よ》を|送《おく》り
|天津御国《あまつみくに》に|帰《かへ》らせ|給《たま》へ
第二四六
一
|現世《うつしよ》の|波《なみ》|切《き》り|抜《ぬ》けて|永久《とこしへ》に
|休《やす》らふ|港《みなと》は|神《かみ》の|大前《おほまへ》
二
|薫《かんば》しき|教《をしへ》の|花《はな》の|咲《さ》き|出《い》でて
|春《はる》めき|渡《わた》る|神《かみ》の|御園《みその》は
三
|山川《やまかは》をよし|隔《へだ》つとも|神《かみ》にある
|御霊《みたま》は|共《とも》に|親《した》しく|住《す》まむ
四
|天《あま》の|戸《と》を|開《ひら》きて|下《くだ》り|給《たま》ひたる
|厳《いづ》の|御魂《みたま》は|生命《いのち》なりけり
第二四七
一
|昼《ひる》も|夜《よ》も|謳《うた》ひ|称《たた》へて|尚《なほ》|足《た》らず
|思《おも》ひ|悩《なや》むは|神《かみ》の|御恵《みめぐ》み
二
|吾《わ》が|魂《たま》の|歓喜《よろこび》|希望《のぞみ》|生命《いのち》をば
|永遠《とは》に|授《さづ》くる|御神《みかみ》|尊《たふと》し
三
|瑞御魂《みづみたま》|慕《した》ひて|来《き》たる|人《ひと》の|子《こ》の
|背《せな》|撫《な》でさすり|慈《いつく》しみ|給《たま》ふ
四
|道《みち》もなき|荒野ケ原《あらのがはら》を|踏《ふ》み|分《わ》けて
|行《ゆ》き|悩《なや》みたる|身《み》を|照《て》らしませ
五
|山奥《やまおく》に|踏《ふ》み|迷《まよ》ひつつ|佇《たたず》める
|吾《わ》が|身《み》を|仇《あだ》は|嘲《あざけ》り|笑《わら》ふ
六
|御恵《みめぐ》みの|主《きみ》に|会《あ》はむと|萱草《かやくさ》の
|野辺《のべ》をば|分《わ》けて|来《き》たる|床《ゆか》しさ
七
わが|主《きみ》のやさしき|笑《ゑみ》に|御使《みつかひ》も
|青人草《あをひとぐさ》も|仰《あふ》ぎ|喜《よろこ》ぶ
八
|御言葉《みことば》の|其《そ》の|美《うる》はしき|花《はな》の|香《か》に
|天地《あめつち》|百《もも》の|神《かみ》うた|謳《うた》ふ
九
|御恵《みめぐ》みの|御声《みこゑ》を|聞《き》くぞ|嬉《うれ》しけれ
たえぬ|命《いのち》の|力《ちから》と|思《おも》へば
第二四八
一
|皇神《すめかみ》の|尊《たふと》き|御名《みな》を|讃《ほ》め|称《たた》へ
|喜《よろこ》ぶ|声《こゑ》は|天地《あめつち》に|充《み》つ
二
へりくだり|人《ひと》に|傲《おご》らず|衒《てら》はずに
|神《かみ》の|心《こころ》をこころとし|行《ゆ》け
三
|生《い》くるともはた|死《し》するとも|只《ただ》|神《かみ》を
|祈《いの》るこころを|授《さづ》けたまはれ
四
|村肝《むらきも》の|心《こころ》を|清《きよ》めて|御恵《みめぐ》みを
|充《み》たす|御神《みかみ》に|神《かむ》ならはまし
五
|瑞御魂《みづみたま》とく|来《き》たりまして|吾《わ》が|胸《むね》に
|清《きよ》き|御名《みな》をば|記《しる》さしめ|給《たま》へ
第二四九
一
|現世《うつしよ》をあとに|神国《みくに》に|帰《かへ》り|行《ゆ》く
|身《み》を|照《て》らしませ|厳《いづ》の|大神《おほかみ》
二
|吾《わ》が|胸《むね》に|充《み》ちし|喜《よろこ》び|今《いま》は|早《はや》
|御園《みその》の|花《はな》となりにけるかな
三
|逃《に》げ|去《さ》りし|清《きよ》き|霊魂《みたま》よ|枉《まが》を|悔《く》いし
|吾《わ》が|身《み》にとくとく|帰《かへ》らせ|給《たま》へ
四
|何事《なにごと》も|皆《みな》|打捨《うちす》てて|世柱《よはしら》の
|誠《まこと》の|神《かみ》に|仕《つか》へまつらむ
五
|麻柱《あななひ》の|道《みち》の|教《をしへ》を|諾《うべな》ひて
|綾《あや》の|高天原《たかま》に|勇《いさ》み|進《すす》まむ
第二五〇
一
|皇神《すめかみ》の|御許《みもと》に|詣《まう》づる|事《こと》ならば
|百《もも》の|悩《なや》みを|潜《くぐ》りて|行《ゆ》かむ
二
|冬《ふゆ》もなく|夜《よる》なき|国《くに》に|上《のぼ》る|身《み》は
|神《かみ》に|選《えら》れし|身魂《みたま》なりけり
三
|日《ひ》は|暮《く》れて|草《くさ》の|褥《しとね》に|石枕《いしまくら》
|淋《さび》しき|折《を》りも|神《かみ》は|守《まも》らす
四
|皇神《すめかみ》の|御許《みもと》に|心《こころ》|近《ちか》づけて
|夢路《ゆめぢ》に|入《い》りし|時《とき》の|楽《たの》しさ
五
|大空《おほぞら》に|輝《かがや》く|星《ほし》の|数《かず》|多《おほ》く
|恵《めぐ》みの|露《つゆ》のはかり|知《し》られず
六
|瑞御魂《みづみたま》|恵《めぐ》みのもとに|近《ちか》づきて
|罪《つみ》の|重荷《おもに》を|卸《おろ》し|休《やす》まむ
七
|朝《あさ》まだき|枕《まくら》に|通《かよ》ふ|涼風《すずかぜ》は
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》の|御息《みいき》なるらむ
八
|暖《あたた》かき|褥《しとね》の|中《なか》に|身《み》を|安《やす》く
|横《よこ》たはるだも|神《かみ》の|御恵《みめぐ》み
九
|天翔《あまか》けり|神国《みくに》に|至《いた》る|吾《わ》が|魂《たま》は
|瑞《みづ》の|御魂《みたま》ぞ|力《ちから》なりけり
一〇
|美《うる》はしき|主《きみ》の|面《おもて》を|拝《をが》みなば
|吾《わ》がたましひは|甦《よみがへ》るべし
第二五一
一
|小男鹿《さをしか》の|水《みづ》を|慕《した》ひてあへぐ|如《ごと》
|吾《わ》が|魂《たましひ》は|神《かみ》を|尋《たづ》ぬる
二
|谷川《たにかは》の|水《みづ》|清《きよ》らけく|流《なが》るとも
|許《ゆる》しなければ|如何《いか》で|汲《く》み|得《え》む
三
|仇人《あだびと》に|虐《しへた》げられし|吾《わ》が|涙《なみだ》は
|御国《みくに》に|進《すす》む|栞《しをり》なるかも
(大正一二・五・九 旧三・二四 隆光録)
(昭和一〇・五・一四 王仁校正)
-----------------------------------
霊界物語 第六一巻 山河草木 子の巻
終り