機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
九条公人
テンカワアキトは、ナデシコの、ライブラリルームで、ホシノルリを見つけ不思議に思
って声をかけた。
彼女なら、思兼を使ってメインオペレートコンソールへいくらでも書籍のデータくらい
は、呼び出せるはずだからだ。
そのルリの目の前には、ブリタニカ百科事典が開かれていた。
「あ、テンカワさん、テンカワさんこそ珍しいですね」
「うん、俺は古い料理の本を探しに来たのさ」
そういうと、気に入ったレシピをコピーしたストレージをルリに示す。
「わたしは・・・」
いつもなら、それでもアキトには答えてくれるルリが言いよどむのを見てアキトは言う
「ああ、ごめん言いたくないなら、別にいわなくても良いんだ、一人っきりでどうした
のかなと思っただけだからさ」
「・・・いいえそんなんじゃないんです、ちょっと最近眠れなくて・・・」
「眠れないの」
「はい」
こころもち顔を赤らめるルリ
「・・・じゃこんな所で本を読んでてもだめじゃないかな」
「どうしたらいいでしょう」
「バーチャルルームへ行こうよ」
そういうと、アキトは、有無を言わさずルリの手を掴んだ。
「ここで、どうするんですか」
「ちょっと待ってて」
そういうと、アキトはなにやらコンソールを操る・
「こんなとこかな」
「んじゃあいきまぁす」
そう言って映し出されたのは、ルリの故郷とほぼ同じ風景・・・
「ここは・・・・」
「あの時、なんかルリちゃんの表情がとっても落ち着いて見えたからね」
そういうと、ルリの手を再び取ると、川のせせらぎの側に立つった巨木の根元に誘う。
ルリは、素直にそれに従い、アキトの隣へ腰を下ろした。
川のせせらぎが、耳に心地よい。
だが、それ以上に自分の手に触れているテンカワアキトの手の温かさが心地よかった。
今なら、ユリカやメグミそして他の大人の女性たちが、アキトの取りっこをしている理
由がなんとなく理解できる気がした。
そのアキトを一瞬とはいえ独占していることに、なぜかルリは、優越感を感じていた、
たとえ自分をアキトが少女・・・いや子どもとしてしか見てくれていないということを
理解していても・・・。
そうしているうちに、なんとなく気持ちよくなってうとうととしはじめたルリを見て、
アキトが突然そのルリを自分のひざの上に抱き上げた。
「あのあのあの」
顔を真っ赤にしながらルリが問う
「そのまま寝ちゃうと寒いだろ」
そういうと、アキトは、ルリを抱きしめた。
温かい、心地よい・・・アキトの鼓動が背中を伝わり、川の音を聞いているよりもさら
にルリを落ち着かせてくれた。
あ、ルリちゃんの髪の毛いい香りがする。
思いのほか軽かったルリがずり落ちないようにかるく抱きながらそんなことを思うアキ
トだった。
ところか、ルリの体温を感じているうちに、アキトの体に変化がおきてしまった。
こら、俺は単純に好意としてルリちゃんを抱っこしてるんだぞいくら、抱きしめてる手
にほんの少し膨らみかけた胸が触って柔らかいなぁと感じていても、ルリちゃんのおし
りがやけにふっくらしてて女性を感じちゃったとしたってそれは絶対失礼だぞ!こら反
応するなぁぁぁぁぁっ!!!
そうは言っても生理現象である、理性でそうは思っていても、一旦起こってしまったも
のはそう簡単には収まりは付かない。テンカワアキトも悲しいかな男だった。
そのルリも自分のお尻のしたにある物が固くなってきていることに半ばうとうととしつ
つ気がついていたが、眠気の方が彼女の気持ちの中でプライオリティが高かった。
それだけアキトを信頼しているということでもあったが、アキトにだったら少しくらい
悪戯をされてもいいかなとなどと思ってしまっていることもほんの少し事実だった。な
んで生理的嫌悪感を覚えないのか、思兼と話し合ってみようなどと頭の隅にメモってい
るのはいつもの癖かもしれない。
それよりも、こんなに人の肌が心地よいとはマシンチャイルドの自分は知らなかった、
人とはそれほど猿から進歩しているわけでは決してないというようなつまらないことを
考えてしまっているルリだった。
そのバーチャルルームをモニターしている1人の女性が居た。
いわずと知れたイネス・フレサンジュである。
マシンチャイルドのホシノルリの心理調査を行っているといえば聞こえはいいが、単に、
ルリの睡眠を邪魔してストレスをかけるとどういう心理反応を示すのかをあくまで自分
の興味本位で調査している悪の科学者であった。
しかも、バーチャルルームへ他の人間が入れないように邪魔をするあたり、もしかした
らルリの心を知ってのことかとか思わず邪推をしてしまう念の入れ様だった。
もしかしたらイネスは、ルリに自分を重ねているのかもしれない。
それは単なる代償行為というのではないのか、自分でもそんなことは理解している、だ
が、もしもアキトがルリを受け入れてくれたら、幼いときの自分をアキトが受け入れて
くれたと思い込むことが可能かもしれない。
それが同じ女性としてルリがどれだけ傷つく行為なのかを理解していても、アキトをも
傷つけることではあってもイネスには自分を止めることができなかった・・・。
なかなか、次にすすまないわね・・・。
イネスの顔に悪魔の微笑みが浮かぶ。
しかし悪の科学者として、色々と次の手が浮かんだのだが、ここは一つ、今回はこのま
まにしておくことと決めた。
なにも急ぐ必要はないのだ、時間は捨てるほどあるのだから・・・。
二人の関係が進むように自分がゆっくりと圧力をかければよい。
そう決心したイネスであった。
七時間後、ルリは、なにか物足りなさを感じつつも久しぶりに快眠をむさぼって目を覚
ました。
アキトも、自分をひざの上に抱いたまま眠り込んでいた。
お尻のしたの違和感は無くなっていた。
少し体をずらすと、ルリは、アキトの頬へそっと口付けた。
自分でも、どうしてそんなことをしたのか分からなかったが、無性にこのうだつの上が
らない優柔不断な男が愛おしく感じられてしまったからとしか言いようがなかった。
「ん・・・・あ、ルリちゃんよく眠れた?」
「はい、テンカワさんありがとございました」
「そう、良かった」
「あの・・・お願いがあります」
「何?」
「また、眠れなかったら抱っこしてください」
「ああ、いいよ、ルリちゃんが良いならいつでも」
「ありがとうございます」
そうして、ほぼ、五日に一度のペースでルリはテンカワアキトの腕の中で眠る習慣がで
きてしまった。
毎度バーチャルルームを占有するわけにも行かず、アキトのプライベートルームや、ル
リのプライベートルームで、ということが多かった。
何度目かの「お願い」のときルリはアキトの手のひらが自分の胸を包んでいることを自
覚したが、それが故意なのか、偶然なのか区別できずもどかしい思いをした。
それは、決して気持ちが悪い物ではなかったからだ。
それどころか、その触られている部分から、心地よさが全身へ広がってゆくような感覚
も覚えてしまった。
あれ・・・なんだろう・・・
ルリはその体の変化を違和感として感じた。
汗?・・・そんな所に汗をかくことがあるのかと思って、あとで調べようとこれもメモ
した。思兼とのディスカッションは、あまりうまく行かなかった、心理的な事象につい
てA.I.でしかない思兼は、あまり立派な話し相手にはなってくれなかったことを思
い出したが、それでも今はアキトの腕の中で心地よく眠りたかった。
アキトはアキトで、葛藤していた。
この手が悪いんだ、この手が!!
ルリを抱き上げたとき、思わず触れてしまった胸の膨らみに手を放すことができなくっ
てしまったのだ。
だが、その愛撫ともいえない触れかたで、ルリが初めての性的興奮を味わい、股間を濡
らしているなどということまでは、全く頭は回ってない。
だが、ルリはアキトを信頼して体を預けてくれているのだ、それを裏切る様なこともで
きなかった。
なんにしても優柔不断な男である。
仕方ないわね。
ルリのIFSテレメーターから、その体の変化を読み取ったイネスは、次のステップへ
進んでよいということ確信した。
「ルぅリルリ」
「あ、イネスさん」
「ねえ、あなた最近、テンカワ君と一緒に夜を過ごしていることがあるわよね」
「はい、最近眠れなくて、テンカワさんに話したら・・・抱っこしてくれてそれがとて
も気持ちよくて・・・」
「ああ、別に怒っているわけじゃないわ、眠れないんじゃ仕方がないじゃない」
自分のしたことを棚に上げいけしゃあしゃあというイネスである。
「はい」
「で、その時にテンカワ君に変な事されてないわよね」
「テンカワさんはそんな人じゃありません!!それは男性としての生理反応があるとき
もありますけど私の体に故意に触ったり無理矢理キスしてきたりは一回もありません!!」
「ふうん、立派だわね・・・・でもルリちゃんは、どうなのかな」
「え?」
「ルリちゃんは、そういうことをされても良いと思っているの?」
「・・・い・・・嫌です・・・」
「本当に?」
「私、自分のからだに触られるの好きじゃありませんから」
「でもテンカワ君には触らせてるわよね」
「それは・・・テンカワさんは・・・・そんなこといえません!!」
「あら、あら、それは、もっと気持ちよくしてもらえるかもしれないのに残念ね」
「そのくらい知ってます」
そう、あの後、医学書などで調べてそれが男性を受け入れる準備のための生理作用だと
いうことをルリは理解していた。
そしてそのことで自分の中でテンカワアキトという男の存在が大きくなりつつあること
も自覚してしまった。
「そう、流石はマシンチャイルド・ホシノルリだわ」
「でも・・・・」
「でも自分からもっと触れてくださいとはさすがに言えないわよね、女の子だもの」
まるで自分の心の中を覗いたかのような言葉を意地悪くそういったイネスにこくりとう
なづく事しかできないルリだった。
わたしが、テンカワくんにそれとなく伝えてあげるわ。
というイネスの言葉に、逆らえない自分がいることに驚きを感じた。
「ね、テンカワ君」
「あ、イネスさん何ですか?」
「ルリルリがね、あなたのこと「好き」ですって」
「・・・本当にそんな事言ってたんですか?」
「うそをついても私に得になることなんてないわよ」
「まあ、そりゃそうでしょうけど・・・」
「わたし、あなたとルリルリのね秘密知ってるわ」
「なんすかそれ」
「とぼけてもだめよ、あなたとルリルリのIFSモニターできること忘れてるでしょ?」
「でもあれは、ルリちゃんが眠れないから・・・あんな可愛い子がストレス感じて眠れ
ないなんて可愛そうじゃないですか!」
「あたしもそう思うから、今まで何もいわなかったでしょ?」
「ああ・・・そうっすね」
イネスの口調に怒りかけたアキトは少し冷静になる。
「あなたは、ルリルリのことどう思っているの、妹、単に可哀相なマシンチャイルド?
それとも将来ユリカさんと天秤にかけられる恋人候補?」
「イネスさんには関係ないじゃないですか」
「あら、関係あるわよ。二人の関係に気がついた以上いつまでも上層部へ黙っていると
いうわけにも行かないわ。特にルリルリは、まだ子供だもの」
「うっ・・・」
「で、どうなの、ルリルリのことどう思っているのかしら」
「そんな事・・・そりゃあ俺の腕の中で無防備に眠っちゃってるルリちゃん見てると、
守ってあげたいって思うっすけど、それは俺の気持ちだけですから」
「だから、ルリルリはあなたのこと好きって言ってるわ」
アキトは自分が墓穴を掘ったことを自覚した。
「で、イネスさんは、おれにどうしろっていうんすか」
「奪っちゃいなさい。」
ずいっと顔を近づけたイネスが言う。
「え゛・・・お、俺を、焚き付けてどうするんすかぁ・・・それにまだルリちゃんティ
ーンに足かかったばっかっすよぉ」
「彼女も望んでいるのよテンカワアキト君、それであの子の精神安定が得られるならレ
ートの高いトレードだと私は思うわ」
「望でりゃ良いってもんじゃないっすよ!」
「あなた意外に常識的なのね。」
「・・そりゃどういう意味っすか」
「それに、あなたとルリルリの年の差なんて大人になっちゃえばそんなに大きくないわ
よ」
「そりゃあそうかもしれないっすけど・・・そ、そ、そ、そういうもんだいじゃないで
しょう」
そのアキトに向かって口元を歪め笑い顔をつるイネス。
「ま、いいわ一つだけ覚えておきなさい。
彼女にあなたが拒絶されることは絶対にないわ、いつまでも据え是食わぬは男として
鼎の軽重を問われるわよ、わかった」
言いたいことだけ言うと、イネスはさっさと歩いていってしまった・・・。
残されたアキトは思ったのだ。
鼎の軽重ってこういう時に使う言葉だったかぁ?と・・・。
・・・おまえ、なんかずれてるぞそれ( --)/
そしてまた夜が来た・・・。
ルリの部屋である。
仮想ウインドウの放つ淡い水色の光に照らされた二人はベッドの前に立っていた。
「すいませんテンカワさん」
「ううん、いいんだよ」
どうも二人とも意識しまくりの状態である。
「あの・・・」
「どうしたの?」
「・・・いいえ」
アキトは、つとめてさりげなく、ベッドの上に座った。
「おいで」
いつものようにしていればいいんだ、決して嫌らしい感情なんか表に出さなければ、何
の問題もないじゃないか。
心の中でそう何度も反芻するアキト。
その声にいざなわれ完全に上気した表情でルリはアキトの腕の中に収まった。
いつものユニフォームでその腕に抱かれたルリは、なぜか胸がとても苦しかった。
ルリちゃんどきどきしてる・・・。
その鼓動を体に感じ、アキトの鼓動もいやが上にも高まってしまう。
いつものように抱きしめたルリの背中がとても熱く感じた。その二人の体温よって、強
く香ったルリのミルクのような果実のような少女特有の甘い体臭が嫌でも意識されてし
まう。
そして、テンカワアキトの理性もそこまでだった。
「ルリちゃん」
顔をルリの左耳へ近づけそっとその名を囁く。
それがくすぐったいのか、肩をすくめつ緊張しているのかハスキーな声でルリは答える。
「なんですか」
「イネスさんから聞いたんだ」
「そう・・・ですか・・・テンカワさんは、私を受け入れてくれますか?」
「もちろん。
俺の方こそ、ルリちゃんに嫌われたらどうしようと思っていたんだ」
「嫌うなんてことありません」
「じゃ」
「あの・・・」
「なに」
「やさしくしてください、私こういうの初めてですから・・・」
「うん、やさしくするよ」
そういうとアキトはルリの耳をそっと口へ含む。
そして、くちゅくちゅと音を立て唇で耳を弄ぶ。
くすぐったいのか、ルリは、先ほどから肩を竦めたままだ。
「ん・・・」
小さな吐息がルリの口からあふれた。
それと同時にアキトの手がベストのジッパーを下げ、ベストを脱がせてしまう。
「あ・・・」
アキトの手は、ブラウスのうえから、膨らみかけた胸をそっと包み込む。
「まだ艦長みたいに大きくないです」
消え入りそうな声で言う。
「気にしているの」
「ちがいます、テンカワさんはどっちが好きかなと思っただけです」
「俺は、どっちでもいいよ、ルリちゃんだったら」
その答えを聞くと普段はほとんど表情のないルリの顔に、朱がさした。
「う・・・うれしいです」
「だから、そんなこと気にしないで」
そっと掴んだ胸をやわやわと揉みながらいうアキト。
「ルリちゃんこっちむいて」
「は・・・い・・・」
荒い吐息の向こうからようやくアキトの声に答える。
首を曲げ朱のさしたままの顔がアキトの方へ向く。
そのひとみは、普段の全てを見とおすような醒めた冷たい表情でなく、半分眠った小猫
のようなコケティシュな表情を見せている。
その瞳がアキトの顔を捉えるまもなく、アキトに唇を奪われる。
それは、唇と唇をあわせるだけの小鳥のキスだった。
一瞬、ルリの瞳が大きく見開かれたが、やがて、瞼はゆっくりと閉じられる。
これから先幾度も繰り返され経験する行為だが、しかしそれは、ファーストキスと言う
名の一生でたった一度だけの行為だった。
やがて唇が離れると、ルリの唇から吐息がもれる。
どうやら息を詰めていたようだ。
ルリがその余韻を確かめるような表情で、アキトを見上げる。
胸を押し包んでいた両腕は、ルリをしっかり抱きしめる位置へ移動している。
その少し痛いほどの強さにルリはアキトの気持ちを感じ取る。
しばし、じいっと見詰め合っていた二人だったが、ルリが再び目を閉じたのが行為再開
の合図となった。
アキトの左手がそのちいさな顎にかかると、再び唇同士が重なる。
今度は、アキトの舌がルリの唇を割りその口腔内へ滑り込む。
・・・ミントの味がした。
その小さな歯列の先端は、まだ擦り減っていない幼少期特有のザラつきがあり、アキト
は、少し罪悪感を覚えた。
だがそれでも、自分の舌を小さなルリの舌と絡ませるように操り、ルリの気分を懸命に
高めようとする。
アキトの舌が上顎をくすぐったとき、ルリの体が一瞬跳ね上がる。
なるほど、彼女は上顎が弱点のようだ。
アキトの舌が、上顎を集中的に捉える。
その度に、ルリの小さくて華奢な体がアキトの腕の中ではねる。
だめです・・・くすぐったい・・・というルリの言葉は、
んん・・・んんん・・・という鼻音にしかならず、やがて二人の唇からは、粘液質の音
が漏れるようになる。
かなり長い時間唇を合わせていた二人だったが、ルリのからだが一瞬硬直し、次の瞬間
「くてっ」と脱力したことで唐突に終了した。
どうやらルリは、キスだけで軽いアクメに達してしまったらしい。
深く息をつぎながら、とろんとした表情で、アキトを見つめている。
そしてアキトは、その状態のときにやってしまいたい事を始める。
ブラウスの前ボタンを外し、タイトスカートのホックを外し、ジッパーを下げる。
そして器用にルリを抱いたまま、その黒いミニスカートを取り去ってしまう。
ルリの手を取ると、袖のボタンを両手で外す、しかしブラウスは脱がさなかった。
裸にされるのは恥ずかしい・・・と思っていたルリは、そんなことがとてもうれしかっ
た。
もっとも、ブラウスを脱がされたとしても、薄い絹で作られたシュミーズが最後の砦と
して残ってはいたのだか。ま、そんなことは気分の問題であろう。
ルリの呼吸が少し落ち着くのを待ち、ふたたび、アキトは唇を合わせる。
その手は、薄い胸板をなぞり、自己主張をしている突起にたどり着くと、突起のてっぺ
んへそっと指先を滑らせる。
そこを中心にルリのからだにぞくぞくとした心地よさが生まれる。
そしてルリは、腰の奥にもどかしい熱いものが生まれるのを感じた。
ルリの腕がそのもどかしさをなくそうと手のばす。
しかその手は、アキトの右腕にって両手とも掴まれてしまう。
そうして拘束された事によってルリの内のもどかしさがさらに高まり、腰をもじつかせ、
両足を交互に擦り付けなければ、いられなくなってしまう。
まるで言葉を失ってしまったかのごとく、イヤイヤをするようにルリが首を振る。
その様子に目を細めアキトがやさしく言う。
「だめだよ、楽しみは後に取っておかないと」
「いやぁん・・・お願い放してぇ・・・」
「ふぅん、ルリちゃんってそんなに嫌らしい女の子だったんだ」
「・・・アキトさん酷いです。
・・・・こんな、こんなふうにアキトさんがしたのに」
いつの間にか、呼び方がテンカワさんからアキトさんになっていた。
はらはらと紅涙(こうるい)を双眸(そうぼう)から落としながらルリが言う。
その涙に動かされたのではないだろうが、アキトの空いている左手がルリの足へ伸びる。
その時、ルリは自分がどんな状態にあるのか唐突に気がつく。
さんざん腰をひねり、足を擦り付けたショーツは、自らが分泌したものでかなり湿って
いた。
「だめです。アキトさん、恥ずかしいです。自分で脱ぎます」
だが、アキトの手はルリのショーツの上から、そこを押さえてしまった。
「ひゃっ」という声がルリの口から出る。
「だめ、だめ、だめ、だめぇ・・・」
その声とともにルリは、アキトの手を叩く、つねる、引っ掻く、引っ張る。
だか、アキトの手は、しっかりとそこを押さえ込んでしまっていた。
ぬ・・・濡れてる・・・?!
アキトはアキトで、そのさわり心地の良い絹のショーツの状態に驚いていたというのは
ご愛敬であろうか。
その上
<こ、こんな小さな子でも、やっぱり女の子なんだなぁ・・・>
などと妙な感動をしている、お莫迦なアキトであった。
その状態を、ルリは、勘違いされたと思い必死で弁明を試みる。
「ごめんなさい。
ごめんなさい。
これ・・・お漏らしじゃないんです。
女の子の反応なんです、信じてください」
アキトは、そのルリの頬に唇を寄せると、最前まで流れ落ちていた紅涙を吸い取る。
「え・・・」
「知ってる、ルリが女の子だって、感じちゃったってことだって知ってるよ」
「あ・・・」その声に再度、頬が朱に染まる。
「・・・ひどいです、アキトさん」
「ごめんよ、こんなに感じているなんて解らなかったから、大丈夫俺に任せて」
そういうと、みたび唇を合わせる。
そして、ショーツの上のアキトの指も動き始める。
真珠色のショーツが、そこだけほんの少し濃い色に染まっている。
そのショーツを食い込ませるように指が上下に動く。
「ん・・・はぁん・・・」
ルリのその部分は、充血し、喩えるならきめの細かいもちのような弾力をアキトの指に
返してくる。その肉を二つに割り裂くように指をうごめかす。
「くぅんん・・・」
そのつど、ルリは、喉を鳴らし、身を震わせ、腰を回し、まだ固い腿でアキトの手を挟
み付ける。
もっともっと強くして・・・
ルリは両足を開き、ベッドへおろし腰をアキトの腕にグラインドさせ擦り付ける。
もどかしい快感一歩手前の疼きがアキトの手と自分のその部分から沸き上がってくる。
「んんっ・・・んはぁん・・・んんんっっ・・・」
声すらその沸きあがってくる疼きに震えている。
唇は、アキトの唇を求め、両腕はたった一つの縋るものであるアキトの右腕を上下から
抱え込んでいる。
きもち・・・いい・・・。
知識が広がってゆく快楽とは全く別の溺れてしまえば戻ってこれないような強烈な快感
が自分の内にあることにルリは驚き、そしてそれがアキトによって与えられていること
に喜びを感じるのだ。
その思いがさらに心地よさを倍加させる。
そして最後のときが訪れる。
アキトの指が、割れ目の始まる固くしこった部分へ集中する。
そこは、ほんの小さくだがショーツをつんと突き上げ自己主張をしている部分。
ルリは知っている。そこがクリトリスという名前であることを、しかしそこをほんの少
しくじられただけで背筋に悪寒が走るほど凶悪な快感スイッチであることは知らなかっ
た。
アキトの指がそのスイッチを容赦なく押し続ける。
「いやぁ・・・
恐い・・・
恐い・・・
アキト恐いよ、こんなの私じゃない・・・」
そうくちにされた悲鳴は、しっかりとアキトの胸の中に抱きしめられることによって打
ち消される。
そしてアキトの指がショーツの上からそこをつまんだとき、ズキンという痛みと言って
もよい激しい波動がそこからルリの全身へ光速で広がった。
「ひぃあぁあああっっっ・・」
背中が海老反り、両足がはしたなく広げられたまま突っ張り、その先端の指はまるで巻
き込まれるかのように曲げられ激しく震え、両腕は、アキトの右腕に爪を立てるほど強
く握り締められる。
顔は、天を仰ぎ、口は大きく開かれ、そして瞳はさらに上を見るかのように瞼に半分隠
れ、全身が震える。
「・・・・ぃいいっっっくぅっっっ」
断末魔の声と同時にブルブルッという最後の痙攣がルリのからだを走り抜けると同時に
スイッチが切れたようにルリは初めてのオルガスムスを迎え果てたのだった。
ルリは、ベッドの上に横たえられ眠っている。
アキトは、人肌の蒸しタオルでルリのその部分の後始末をしている。
しどけなくひらかれたそこは、少女のそれであり、先ほどまでそこに眠る少女に狂おし
いほどの快楽を与えていたとは信じられなかった。
アキトは、そっとそこへ口ちびるを近づける。
果実のような香りが強く香るそこへ軽く唇を這わすと、産毛が頬にあたりくすぐったか
った。
このまま、もう一度・・・と思ったが、気持ちよく熟睡に入ってしまったルリを起こす
のはとても可哀相な気がして、きれいに拭き清めた後、真新しいショーツを履かせ、毛
布をかけ自分は、その隣へ滑り込んだ。
きっと次にはもっと違うルリが見られるに違いない。
るりの体に腕を回し、抱きしめながらそう思い、眠りに引き込まれていくアキトだった。
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一応Fin
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WRITING START DATE 1997/07/31 10:00
END  DATE 1997/08/02 01:05
ユリカとアキト「おそらくはそれさえも平穏な日々」
・・・アキトに鬼畜入ってます。
この話、ルリとアキトの続編のつもりでしたがどうも、ルリとアキトは九条の中で完
結しているので、ユリカを苛めちゃいます。
「続き」の、リクエストを頂いた皆様ごめんなさい。
なにげにナデシコの昼直組みは、昼休みである。
オムカレーを食べつつ、ファッション誌のバックナンバーを眺めていたユリカに、鍋
焼きうどんとかき氷という珍妙な組み合わせの昼食をトレーに乗せたメグミが、珍し
く声をかけて来た。
「ねぇ、艦長」
「なぁにメグちゃん」雑誌から目を上げずに器用に昼食を口に運ぶユリカは、口の中
のものを飲み込むと、間延びした心ここにあらずという声で答える。
「最近、アキトさんとルリちゃん、やけに仲が良いと思いません?」
「ん〜そうかなぁ・・・」
「そうなんです!ここ一週間、気にしていたら、ルリちゃんったら、アキトさにキス
をせがんでるんですよ!!アキトさんは、断っていたけど・・・」
「え゛〜なにそれぇ〜」
ようやくユリカの心が現実世界へ回帰してきた。多分、その頭の中ではアキトの気を
引くにはどの服がいいかしら?程度の発想から、例によって妄想シミュレーションへ
一気に突き進んで居たのだろう。
「それは、聞き捨てなりませんな」
眼鏡を光らせ「ぬぅうぅぅっ」と現われるのは、プロスペクター氏だ。
「でしょう!プロスさん!!」
メグミは理解者が現われ一気に気色ばむ。
「いいえ、気にする事はないわ」
そのプロスペクターのさらに後方から、口にタコさんウインナーをくわえたイネスが
登場する。
「イネスさん?!」
タコさんウインナーを飲み込むと、おもむろにイネスは得意の長広舌を発揮しはじめ
た。
「ルリルリは今、思春期のとばくちに差し掛かっているわ。
いわば人生の中で最も情緒不安定な時期であるわけ。
あなたたちも経験があるでしょ?
そういう時、干渉されるのは嫌ではなかった?
しばらくルリルリの事そっと見守ってあげなさい。
まだルリルリは子供なんだから」
「いや、しかしですなぁ・・・」
例によって社内恋愛の禁止という社員規則を持ち出そうとするプロスに対して、イネ
スは別の答えも用意していた。
「プロスさん、私はIFSのテレメーターのモニターを常時行える立場にいます。
大丈夫ですわ、二人に間違いなど起こさせませんから」
「はあ・・・イネスさんがそうおっしゃるなら・・・そうですな。まあこの件は、あ
なたにお任せいたしましょう。女の子の不安定な時期ならば、女性に任せるしかあり
ませんからな」
「流石は、調停のプロ」
「いやいや、それが仕事ですから」
そう言うとプロスペクターは、昼食へ戻っていった。
「イネスさんが見ててくれるんだったら私も気にしない事にします。ルリルリも女の
子だもんね」
メグミも同年代だった頃の自分とルリを比べて思うところがあるらしく、そのままユ
リカの向かいに座るとうどんをすすりはじめた。
しかし、ユリカは、まったく納得していなかったのである。
「ア〜キ〜トぉ〜」
私室の扉のノックに続いて間延びした呼び声が部屋の中に響いた。
「なぁんだユリカか・・・」
「なんだ、はないでしょ。これでもユリカはナデシコの艦長さんなんだよ」
ぷぅと頬を膨らませて言うユリカ。
「ああ・・・ごめん。てぇことは公務で来たのか」
それなら、それなりの声のかけ方があるじゃんかと思いつつ謝ってしまうのは、アキ
トの人の良さなのだろう。
「・・・半分半分だよ」
「はん?」
「なか入っていい?」もじもじと艦長服のマントをいじくりながら上目遣いに問う。
「いいよ、例によって汚いけどな」
「で、何の用だ?」
「あ・・・あのね・・・アキトはルリちゃんと、どういう関係なの?」
「い、いきなり何だよ、それに関係って・・・」
「だってメグちゃんが言ってたんだもん、ルリちゃんがアキトにキスをせがんでたっ
て!」
「・・・ぷっ」
「何が可笑しいのよ!」
「それは、メグちゃんの誤解だ。あれはルリちゃんの目にゴミが入ったから取ってく
ださいって俺に言ってただけだ。俺は取れないからイネスさんの所へ連れていってあ
げた。それだけだぞ」
「ほんと?」
「もしもうそだと思うならイネスさんに聞いてみな」
もちろんイネス、アキト、ルリが口裏を合わせているのは、言うまでもない。見え透
いた作り話であるが、そこはイネスが一枚噛んでいるなどとは、誰も想像するはずも
無い。
それから、プライベートスペース以外で親しくするのは、止めようという申し合わせ
もできていた。
「うん・・・解った、信じる」
しかし、ユリカは納得したわけではなかった・・・。
そしてナデシコ内において最上位の指揮統帥権を持つユリカにたとえメインオペレー
ターと言えども、隠し事をしておける筈が無かったのである。
そして全てがユリカに露見したのは2日後だった・・・。
ユリカの私室に呼び出された二人は、逢瀬の決定的な録画を見せられ答えに窮してし
まっていた。
三人の目の前の仮想ウィンドウでは、アキトの左腕がルリのブラウスの中で蠢いてお
り。右腕は捲れ上がってしまっているスカートをくぐり、ピンクの可愛い下着の上か
ら、かわいらしく盛り上がった丘の上を押し包むように蠢いている。
張りのある腿は、しどけなく左右へ広げられ、時折ヒクンヒクンと震えている。
そしてルリの腰は、アキトの手に自らを押し付けるように上下に動かされている。
自らの体を完全にアキトに預けてしまって安心しきった表情のルリが、唇を突き出す。
アキトは、その唇へ自らの唇を押し付け吸う・・・。
音声がミュートになってしまっている為に、余計に嫌らしさが際立つ画像になってし
まっている。
この後、ピンクの可愛下着は取り去られアキトの唇がその部分に押し付けられルリは
何度も何度も頂点を味わうのだ。指でその部分をくつろげられ普段は感じる筈もない
外気にそこを晒した男性を受け入れる部分をアキトに音を立てて吸われると、まるで
体の全部を吸い出されてしまうような切なさがルリを捉え、何かにすがり付きたくて
シーツを握り締め、顎を仰け反らせ、押さえても押さえれない声が喉から迸り、そし
て果てしなく落ちて行く瞬間を迎えてしまう・・・その場面へ思いをはせると、ルリ
の頬は勝手に赤くなり、腰の奥がむずがゆくなってしまう。
しかしその前に映像は、アキトの指が下着に潜り込みルリのわれめを左右にくつろげ
た所で止められた。
「これ、どういうこと?」
怒気をはらみ、怒りに震えた低い声で二人を問い詰めるユリカ。
「どうもこうもない、見た通りだ」
一歩前に出、目の前に立つユリカからルリを自らの体で庇うように立ったアキトが答
える。
ルリは、自らの痴態に顔全体を真っ赤に染めつつも、愛しい人に全身をいじられ、気
持ち良くなっている自分をじいっと見つめていた。
なにしろエッチの場面を客観視ができる事などそうそうある機会ではない。
「弁解もしないっていうのっっっっ!!」
「覗き屋に弁解なんかする気はない」
「・・・覗き屋ってなによ!ルリちゃんまだ11才なのよ!!」
「へぇそうかユリカおまえ11の時、性欲無かったのか?変な奴だな」
もちろんこれはルリの年齢を持ち出したら、そう反撃しなさいというイネスによる入
れ知恵である。
「え゛?」
そして当然の如くアキトの突然の話題のすり替えに、まるでユリカは付いていけない。
「11才の頃の可愛いユリカちゃんは、ひとりエッチはしていなかったのか?」
「・・・し、してないもん!ユリカがひとりエッチ覚えたのは中学入ってからだもん!!
」真っ赤になりおもいっきり恥ずかしい反論をしてしまうユリカ。
「へぇ、本当かなぁ」
「う゛・・・」図星を指されたのか、下を向いて黙ってしまう。
「嘘をついちゃいけないなぁ」
そういいつつ、ユリカに近づき、見事な紡錘形に艦長服を突き上げている左右の乳房
に同時にそっと両手を這わす。
「あ、い・・・嫌・・・」
それは、触れるか触れないかという実に微妙な物だったが、それだけにユリカはそこ
に全神経を集中させてしまった。
・・・アキトの手がわたしの胸、触ってる・・・
そう思っただけで紡錘系の頂点にある突起が、硬く布地を突き上げてしまった。
アキトは、その変化を見逃さず、二つあるそこを親指と人差し指第二関節の脇腹で見
事につまみ、コリコリと転がす。
「ふぅん、ちょっと触っただけで、ここをこんなにしちゃうのに、ひとりエッチが中
学?・・・信じられないなぁ」
「嫌ぁ・・・離してアキト、痛いのぉ・・・」
「嘘付け!気持ちが良くて乳首をこんな風に「勃起」させといて、痛い筈がないだろ
う」
一句ごとにつまむ指に力を入れるのを忘れない。
勃起という直接的な表現に真っ赤になりながらユリカは力の無い抗いを見せる。
「嘘じゃないよぉ・・・痛いの離して」
ユリカの言うとおり、事実痛いのだ。
だが既にユリカの声には甘える様な雰囲気が混じってしまっている。
「じゃあ、調べてやる」
「え゛?」
「感じてなかったら、あそこからエッチなお汁は出てない筈だよな?」
「嫌!そんなの調べるなんて嫌!!アキトお願い、ユリカを許して」
「大丈夫だよユリカ、俺が調べるんじゃないから、女の子同士なら感じてなければ全
然平気だろ?」
アキトの声は、とても優しいものに変わっている、しかし残った三本の指は器用にユ
リカの乳房を揉みしだくことを忘れていない。
そんなの・・・駄目・・・
だって下着取り替えてないのに・・・。
昨晩この映像を見てから、何度この映像のルリを自分と置き換え、自らを慰めたか解
らない。なんどあさましく自らの指をそこへ突き立て、虚しい頂点へ達したのか・・
・。
そこが痺れて、感覚すら無くなってしまうほど・・・。そのまま小水をしぶかせ気を
失ってしまったほどだったのに・・・。
朝、気が付いてシャワーを浴びてかも・・・二人を呼び出すまでにも・・・。
だから駄目・・・。
ユリカのスカートの奥にはユリカの牝としての香りが染み付いてしまった恥ずかしい
下着が張り付いているのに・・・
「ルリちゃん」
「はい、テンカワさん」明瞭な声が帰ってくる。
「ユリカがエッチなお汁を滴らせていないか、調べてよ」
「でも、艦長嫌がっています」ルリは、いつもの口調で答える。
「大丈夫、感じていなければちょっと恥ずかしい思いをするだけさ」
あくまでも軽い口調のアキトにルリは、従いユリカの背後へ回り込む。
「嫌、ルリちゃん止めて。
お願いアキトもう許してぇ。
ごめんなさい、ユリカが悪かったの
だってユリカアキトをルリちゃんに取られちゃったから、悲しかったんだもん」
はらはらと大きな青い瞳から涙を零し哀願する。
「どうしたの?ユリカはナデシコの艦長さんじゃないか、ネルガル重工の社内規則を
守らなくちゃいけないんだろ?」
「ひどいよぉアキトぉ・・・もう許して」
「だぁめ、覗きをした罰は受けてもらうの、な」
アキトは、ユリカの背後に立ったルリへ言った。
「はい、艦長、覚悟を決めてください」
ルリは頷くと、そろそろと手を腿へ伸ばして行く。
そう、アキトは、ユリカの部屋に入ったときから、ユリカの牝の部分が放つその香り
に既に気が付いていたのだ。
ユリカの腕はアキトの手首をつかんでいたが、その手に力はなくブルブルと震えるだ
けで、その様子はまるで逆に自分の胸を良いように嬲るアキトの手にすがるかのよう
だ。
しかし、足をすぼめる事ならばできた。内股になりルリの手の侵入を拒むユリカ。
だが、それは事態をさらに悪化させただけだった。
なぜならば、内腿をすりあわせたことによって、自らのその部分を刺激してしまった
のだから。辛うじて平衡を保っていたユリカの官能は、胸を愛しい人に触られている
という事実と、恥ずかしい秘密が分かってしまうという精神的な負荷、そして自ら閉
じた足による直接的なその部分への刺激によってそれを失った。
「嫌ぁああああああああああああああっっっっっっっ・・・」
一瞬で高まったそれは、簡単にユリカを絶頂へ押し上げ、ユリカの口から悲鳴のよう
な声を上げさせ、腰の力の抜けたユリカはその場でぺったりと座り込んでしまう。
辛うじてアキトの腕を掴んでいたため、腰が抜けると同時にアキトも引っ張られる形
となり、釣られて中腰にならざるを得なかったため乳首を揉み潰されてしまうという
事態は避けれた。
そしてユリカの全身を駆け抜けた快楽の波は、アキトの腕にもブルブルという振動と
して伝わる。
「へぇ、胸をこんな風にされただけで頂っちゃっうんだ?」
しかし、アキトの言葉にユリカはこたえられない。
はあはあと肩で息を付き、大きく開かれた口から、唾液がスカートに滴る。
「ルリちゃん交代、後ろからこのでかい胸を少し揉んでやってよ」
「はい」
ぴとっという感じで、ユリカの背後に張り付くと、脇から腕をこじ入れ、ユリカの胸
へ手を這わしはじめる。
「柔らかいですね、マシュマロみたいです」
「もっと力入れてもいいよ、形が変わるくらいに揉んであげないと、気持ち良くなら
ないかもしれない」
「そうなんですか?」
二人の勝手な言葉に、首を振って答えるユリカ。
「もう許して・・・お願い・・・」
「駄目だ、まだエッチな艦長さんのあそこがどうなっているのか調べさせてもらって
ないからな」
「・・・濡れてるよ・・・濡れてるからこれ以上苛めないで、アキト、ユリカを許し
てぇ」
「へぇ、濡れてるんだ?だけどどれだけ濡れているか調べないとなぁ、この艦長さん
がどれだけえっちなのか解らないからなぁ」
「あ・・・嫌・・・ルリちゃんつねったら痛いよ・・・アキトもう止めてぇ止めてよ
ぉ・・・」
スンスンとしゃくりあげ哀願するユリカ、その言動がアキトの加虐心を煽っている事
に全く気が付いていない。
アキトは、ルリにもっとやって良いと目で伝える。
ルリは、ちいさく頷くと、爪を立てるように掴み上げる、乳房がルリのちいさな指の
間からすらあふれ出る。
「ああっっ、痛い痛いよぉ・・・」
そしてゆっくりと、掴れたままの腕をユリカのスカートの方へ下ろして行く。
座り込んでしまったときに、タイトスカートは、たくし上がってしまっており、スト
ッキングの切り替えしの悩ましいラインまでを覗く事ができる。
「もう少しで、ユリカがどれだけエッチなのかが解るぞ〜」
そしてアキトの指がそこを捉える。
「あああ・・・」
いくら愛しい男であるとはいえ、愛情のかけらもなく無理矢理、触られたのでは身を
捩り、その羞恥に耐えるしかないではないか。
「んん・・・判んないなぁ・・・本当に濡れてるの?」
二本の指でそこへ突き立てるように早いピッチで上下に動かす。
その指には、高級ストッキングの木目細かいナイロンの感触と、ユリカの股間を盛り
上げている媚肉のやわらかな感触以外には感じられない。
「ユリカ、腰を上げろよ、ストッキング破っちゃうぞ」
「嫌・・・」
ユリカの口からは拒絶の言葉しか出てこない。
「そうか、腰を上げるの嫌なら、仕方ないよな」
それでも幾分か水分を吸ったナイロンは、アキトが爪を立てるだけで簡単に裂ける。
び、びびびびびびっ・・・。
黒いストッキングの下には、本来は淡いブルーの下着が、ユリカの分泌した樹液を存
分に吸い込み、その部分のみ舟形に濃いブルーになっていた。
「すげえなぁ、糸引くぜ・・・」
指を押し付けると、じわっと水が浮き出すほどになっているそこから一旦指を離した
とき、下着と指との間に細い糸が橋を作る。
ユリカは、ふるふると震え、責めに耐えている。
そしてその指をユリカの開かれたままの口へ押し込み舌に擦り付ける。
あろうことか、ユリカはその指をぺろぺろと舐めはじめてしまう。
・・・堕ちたか?
「自分のジュースの味はどう?」
「・・・しょっぱいです・・・」
「しょっぱいのか」
口を嬲りながら別の腕は、下着の上から、小指の先ほどに大きくなっている敏感な肉
芽を見つけだしつねった。
「くふ、ぅううっ・・・美味しい・・・です・・・ふぅん・・・はぁああっ・・・」
薄い布の上からとはいえ、乱暴に一番感じる部分をつままれ、強く揉み込まれては、
たまらない。しかし、アキトの指は容赦無く、肉芽を強くつまみ、そして男を迎える
穴へ布地ごと指を押し込む。
だが、ズキズキするほどの痛みの中に、それ以上の心地よさが紛れており、その心地
よさにユリカは、無意識に腰を躍らせる。
絨毯に媚肉がこすれ腰を止める事ができない。
「アキト、アキトぉ・・・好き、好きなの・・・ユリカ、アキトが好き・・・アキト
がルリちゃんが好きならそれでも良いよ、ユリカも・・・ユリカも好きになってぇ・
・・ユリカも愛してよぉ・・・お願いだよアキトぉっっ・・・うぅあああああっっっ」
そして再び、頂点へ向かってユリカは無理矢理押し上げられ、そしてユリカの腰のし
たの絨毯の色がぴちゃぴちゃという音と共に徐々に濃く変わっていった。
やがて、座り込んでいるユリカのうつろな瞳に理性の光が戻ってきた。
「・・・普通、もらすかあ?」
自分で煽っておきながら、勝手な事を言うアキト。
「酷い・・・好きで洩らした訳じゃないもん・・・」
スンスンとしゃくりあげながら立ち上がるユリカ
「泣いても、洩らした事に変わりはない、な」
「そうですね、少し艦長はしまりがわるいのかもしれません」
「ガバガバか?」
「そうですバージンなのにガバガバじゃあアキトさんに嫌われて当然ですね」
「酷い!!ユリカ、ガバガバじゃないもんっっっっ!!!!」
最早、乙女の口から発せられて良い言葉ではない。
「ユリカ」「なによ?!」「おまえ自分で何口走ってるか解ってないだろ?」
「・・・もういいよ!!」
そう叫ぶと、着替えのために奥の部屋へ駆け込んでいってしまった。
「酷いよアキト・・・酷い・・・」
しゃくりあげつつマントを外し、艦長服とブラウスを脱ぎ、スカートを外し、破られ
たストッキングを脱ぐ、淡いブルーの下着も脱ぎ去ると、引き出しから真新しい下着
を取り出す。
だが、そのまま着用するのは躊躇われた。
「艦長・・・これ使ってくださいって、アキトさんが言ってました」
ルリが温かいタオルを数本持って入ってきた。
「・・・ルリちゃんノックくらいして!って・・・あ、ドア開いたままだった?」
「はい」
「ごめんね、録画したのは酷かった・・・私・・・二人のこと突然だったから・・・
取り乱しちゃったんだ・・・」
言い訳を口にしながら、ルリからタオルを受け取り、涙でぐちゃぐちゃになってしま
っている顔を拭う。腫れぼったい頬に蒸しタオルはヒリヒリとしみた。
「艦長、手伝いましょうか?」
「いいよ、1人でできるもん・・・あん・・・」
ユリカが断る前に、ルリはもうユリカの背後から局部にタオルを這わしていた。
そしてその動きは、拭き清める為の動きではなく、ユリカを感じさせる強弱を伴った
実に妖しい動きだった。
「や・・・やん、ルリちゃん、やめて頂戴・・・」
「どうしてですか?きれいにしているだけです」
「駄目ぇ・・・ルリちゃん許して・・・」
ごわごわとしたタオル地が、ユリカの敏感な部分をズルズルと引掻いて行く。
そこを守るはずの粘液は、全てタオルが吸ってしまい、敏感なその部分が布に直接擦
られる。
「・・・はんっ・・・い、痛いよ、ルリちゃんもっと優しくしてぇ・・・」
再び燃えはじめてしまった体に、ユリカの抗いの心は一瞬で消え、ルリにさえ甘い声
を上げてしまう。
「艦長、きれいになりました」ところが、ルリは、一通り汚れた部分を拭ってしまう
と、手を離してしまう。
おさまりが付かないのはユリカである。
「・・・ルリちゃん・・・」
かすみのかかった瞳で、つぶやくようにルリの名を呼ぶ。
「なんですか?」
「ユリカのここ、もっと奇麗にして・・・」
そう言うと、自らの手でそこをくつろげたのだった。
「どう?うまく行った?」
「ええ、大丈夫です、今もルリちゃんと、凄いありさまですよ」
「そう、良かった、これからはバレないように気を付けて愛し合うのよ」
「解りました。あ、そうだイネスさん、これありがとうございました」
そう言って、アキトが返した小さなビンには、強烈な催淫作用のために厳重な管理体
制以外では使用を禁止されている、痛み止めの乳液が入っていた。
艦長私室に呼び出されたとき、イネスがそれでユリカを堕とせと言ったのである。
思えば、酷い医者も居たものだ。
「ああ、それなら持ってて良いわよ、艦長それがなくっちゃ居られなくなっちゃった
と思うから」
「そうですか?」
「でもルリちゃんには絶対に使っちゃだめよ」
「解ってます。それに俺とルリちゃんにはこんなもの、必要ありませんよ」
「そうね」
ユリカとアキト「おそらくはそれさえも平穏な日々」
Fin
ルリルリとアキト Part 3.
機動戦艦ナデシコ 「帰還」
ナデシコのクルー達の集う、食堂において、艦を預かる最高責任者であるミスマル
ユリカを裁判長とした、軍事裁判が開かれている。
その法廷の被告席に立つのは、テンカワアキト、従軍コック・・・ではなくパイロ
ットである。
彼の弁護に立ったのは、被害者であるホシノルリ嬢及び、イネス・フレサンジュの
二名のみであった。
そして・・・。
「判決を言い渡します。主文、被告テンカワアキトは、未成年者に対する、淫行罪
で・・・死刑。なお、刑の執行は即刻、手近なエアロックからの追放という形で行わ
れます」
おれが死刑?
死刑?
死刑!
「ちょ、ちょっとまて、ユリカ、俺の話を聞け! 俺はルリちゃんを・・・」
「愛しているの? ふん、たった11才の女の子を、愛しているって理由を付けて、
その体を弄んだだけでしょ!! もう裁判は、終わったのよ。これ以上、利く耳持つ
必要ないわ! ジュン君、アカツキさん、テンカワ死刑囚の刑の執行を行ってくださ
い」
ユリカの命にしたがい、アキトの左右の腕を、二人が掴み、手錠と足枷の付けられ
た不自由なアキトを、食堂から、一番手近のエアロックへ向かい、連行して行く。
「ユリカぁ!!! 違うぞ、それは、絶対に違う!! おれはルリちゃんの体だけ
が欲しくてこんなことをしたんじゃない!! 絶対に違うぞ!!!」
引きずり倒されて行くテンカワアキトを見送る視線は、とても冷たかった・・・
「違う、ちがうんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああっっ!!」
情けない悲鳴を上げ、テンカワアキトは、ベッドから跳ね起きた。
そして、自分のいる場所が、いつもの自分部屋であることを確認し、ため息を吐い
た。
<・・・夢かよ・・・>
<俺は、ルリちゃんとこうなった事を後悔しているのか・・・?>
昨晩もまた、二人は、床を共にした。
アキトの腕の中で、いつものように小さくなっているルリのまだ幼さの残る固い体
に、アキトは、指を這わせる。
薄い下着の上から、ほんのすこ膨らんだ胸を押し包み、そっと揉みしだく。
真っ白いうなじへ吸い付いた後、ほんの少し歯をを立てる。
びくんとルリの体が震える。
「そこ・・・くすぐったい・・・」
「どこ」
「・・・いじわる」その言葉に直接答えずアキトは、右手を、張りのある腿へ滑ら
せる。
「あし開いて」
ルリは、耳元へそうささやかれ、素直に足を広げる。
アキトの手は、広げられた、足の付け根へ、吸い寄せれる。
「いじわるっていうのは、こういうことを言うんだよ」
アキトは、ルリの一番感じる部分の周りを人差し指で、くるくると円を描くように
刺激する。
そして時折、その可愛い肉芽へ指をニアミスさせる。
その度に、ルリの越しがビクンと反応する。
すでに、そこを覆っている、白いショーツには、ルリが分泌した恥ずかしい液体で
染みが描き出されている。
その温かい湿り気を指に感じたアキトは、まだ閉ざされている、ルリの割れ目にそ
って指を上下にこすり付ける。
やがて、ルリのその可愛らしい割れ目は、華が咲くようにほころびはじめる。
「ルリちゃん、エッチだなぁ、もう染みができてる」
「だって、それはアキトさんが・・くぅん・・・」
ビクンとルリのからだが震えたのは、アキトの指が、ショーツの布地の上から肉芽
を摘まんだためだ。
「だめ・・・アキトさん・・・そこ摘まんじゃ・・・だめぇ・・・あぁぁっ・・・」
軽いアクメがルリの体を駆け抜けたのだ。
ふるふると体を震わせ、頬を赤く染め上げ、ルリは、アキトの左腕にしがみ付いて
いる。
「やっぱりルリちゃんは、エッチだよ、こんなとこ摘ままれただけで、気持ち良く
てブルブルと震えちゃうんだから」
そう言いつつ、アキトの手は、ショーツの上のゴムをくぐる。
産毛すらない、その部分は、熱く湿っていた。
中指を割れ目に沿わせ埋めてゆく。熱い谷間に中指が埋もれて行く。
ひくひくとまるで別の生き物のように蠢くその部分の感触を中指で十分楽しんだ後、
人差し指と、薬指で、器用にその谷間を広げると、一気にルリの未だに狭隘な膣へ中
指を進入させる。
「ふぅぅんっっ」
ルリも準備ができていたとは言え、突然の進入に、思わず固くその部分を締め付け
てしまう。
しかし逆にその締め付けが、ルリ体に官能の大波となって跳ね返った。
「ぅあああっっっ」
まるで、唇できつく絞られるような突然の締め付けにアキトは思わず、指を引き抜
こうとしてしまう。それが、敏感な肉芽を真下から突き上げる形となり、ルリのその
部分は、手のひらと指に挟まれ、上下からの激しい突き上げられるかのような快感に
さらされた。
そしてあっというまにルリは絶頂へ追い上げられてしまった。
「・・・あ、あああぁぁぁぁっ!」
アキトの腕に掴った、指にぎゅっと力が入り、爪がアキトの腕に食い込む。
そしてアキトの指を迎え入れたまま、ルリはぐったりと脱力してしまった。
はぁはぁと肩で息をするルリをベッドへ寝かすと、アキトは、ルリの唇を奪う。
呼吸のために開かれていた小さな唇は、アキトの舌を容易に迎え入れる。
さらに、アキトの右手は、ルリのその部分を弄(いじ)くる事を止めていない。
ぐりぐりとやさしくかき回され、そして爪先で、一番奥の器官まで突き上げられる
度ルリの腰は、ヒクヒクと打ち震える。
甘いルリの唾を思う存分飲み干したアキトは、唇を放すと、右手も引き抜いてしま
う。
「あ・・・いや・・・」
思わずはしたないそんな言葉がルリ口を衝いた。
「あれ、おかしいなぁルリちゃんは、エッチじゃなかったんだよね?」
意地の悪い口調で問うてしまう。
「し・・・知りません!!・・・」
プイと拗ねたように横を向いてしまうルリ。
「え゛? 怒った?」
「怒りました。アキトさん嫌いです」
体も横を向いて、膝を抱えてしまう、ルリ。
心なしか、瞳が潤んでいるようにみえる。
・・・もちろんそれは、一度迎えた絶頂のためだが、アキトは、誤解した。
「ごめんよ、ルリちゃん、機嫌直して。きょうは取って置きしてあげるから」
普段は、一度ルリが絶頂してしまえば、信じれない事だが、本当に時折ルリの中に
放つこともあるが、元来アキトが蛋白な質な為かそれで終わってしまう事が圧倒的に
多い。
この後、朝まで固く抱き合って眠るという行為の方が、二人にとっては、よほど重
要な事だった。
だが、時折、ルリが指だけで行けなかった時など、それをしてあげる事があった。
「・・・だめ?」
ルリは、小さく首を振る事で、アキトを許した。
アキトは、ルリのからだを上へ向かせると、小さなショーツを、そっと脱がす。
おもわず見とれてしまうような可愛いその部分が、外気に晒される。
そして足を大きく広げると、その部分へ顔を近づけ、そして小さく口を開いている
その部分に、口付ける。
「はぁぁぁぁ・・・」
舌が、小さな肉芽を追いつめ、そして露にされたその部分を吸いたてる。
小さなその部分がヒクヒクと震えるのが、アキトの両頬に感じられる。
ピチャピチャと音を立てて、舌が使われ、ルリの分泌した液が、アキトに飲み干さ
れて行く。
そして最前まで指が入れられていた部分へ舌が突き入れられる。
「くううっ・・」
鼻で、肉芽を押し込み、そしてこねましつつ、舌は、ルリの体の中で唯一鮮紅色の
部分である割れ目全体をまんべんなく舐め上げる。
そして、指を使って広げたそこへ吸い付き、全てを吸い取るように音を立てて吸い
上げる。
「あ、あああっ吸っちゃ吸っちゃ駄目ですぅぅ・・・あ、ああああっっっ」
後から後から湧いてくる泉を、飲み干そうとしていかのように、それは止められる
ことなく続く。
そして、その泉の味が変わった事を感じたアキトは素早く体を引き上げると、屹立
した己のものでルリを一気に貫いた。
「ふぁぁぁぁあああああああっ、ああああああっ」
すでに軽いアクメに達していた、ルリは、アキトの熱いもので貫かれた事で、それ
がオーガズムまで一気に高まり、絶頂した。
しかし、アキトは、それを余所に、ルリの最奥部まで貫いたそれを、再び引き抜き、
そしてもう一度貫くという動作を繰り返す。
その度に、子宮口を突き上げられ、ルリは、アクメを繰り返す。
「も・・・もう・・・アキト、もう・・・駄目・・・駄目ぇ・・・」
幾度も繰り返されるアクメに、荒い呼吸の向うからルリは、せっぱ詰まった声でア
キトへ最後が近い事を伝えてくる。
「オレも・・・」
「・・・私の中にっ、中に出してっ」
ルリのその部分が最後の痙攣に打ち震える。
揉みしだかれるかのようなその動きに、たまらずアキトは、白濁したものをルリの
中に解き放つ。
そしてルリは、アキトの温かい放出を感じ、最後の大きな波に飲み込まれたのだっ
た。
ぬらつく顔面の脂汗を、手でぬぐったアキトは、突然目の前に寝ているはずのルリ
の顔がぬぅっと現われ、絶句した。
「・・・アキトさん、どうしたの、気分が・・・悪いの?」
アキトのその悄然(しょうぜん)とした様子に、ルリは、アキトの腕にすがるよう
に聞いた。
二人きりのとき、ルリは、アキトにたいして敬語を使う事を止めた。
というよりも、アキトが止めさせたのだ。
『他人みたいだろ? オレ達は、好きな者同士なんだから、敬語は止めようよ』
そういったアキトにルリは、少しうつむき、頬を赤らめ、小さく頷いた。
「あ、起こしちゃったか、ごめん。
大した事じゃないよ変な夢を見たんだ、ルリちゃんは、気にしないで良いよ」
やさしく、ツインテールの解かれた髪を撫でつつそう優しく答える。
アキトは、ルリの髪のきめの細かい、まるで絹糸のような感触が、とても好きだっ
た。
だが、そう言ったアキトの頭を、逆にルリがそっと自分の胸に抱き寄せた。
「恐い、夢だったの? でももう、大丈夫」
トクン・・・。
トクン・・・。
と、いう規則正しいルリの鼓動が、そのはだけられた胸から伝わってくる。。
トクン・・・。
トクン・・・。
トクン・・・。
自分の胸に、アキトの頭を擁いたままルリは、アキトの髪をそっと撫でさする。
その仕種は、そう、まるで我が子を擁く母の様だ。
<・・・なんだろうルリちゃんの鼓動・・・とっても懐かしい気がする・・・>
そしてその愛撫を受けながら、アキトの心は、ゆっくりと緊張を解いていった。
<ルリちゃん・・・いや、これは・・・かあさん?・・・>
それを単にマザーコンプレックス、男性の子宮回帰願望だと片づけてしまう事は容
易いことだろう。
しかし、この時、初めてアキトはルリの内に自らの聖母たるべき<女性>としての
姿をを見出し、その心に本当の安らぎを得る事が出来たのかもしれなかった。
そのルリの規則正しい鼓動がアキトを再び眠りにいざなった。
そしてルリの中でも、アキトを愛しいと思う心が、本当に芽生えた瞬間だったのか
もしれなかった。
「それはねぇ心の奥で罪悪感が拭い切れていないからだわ」
「でも、オレ・・・ルリちゃんのことは本気っすよ」
「だ〜か〜ら〜、心の奥底といったでしょう。
自分の事意外にモラリストだったと思って安心してなさい」
翌朝のイネスの部屋である。
アキトは、安らぎを得たものの、どうにも夢の内容は気になってしまい、朝一番に
イネスの所へ駆け込んだのだ。
「イネスさん、意外には、酷いっすよ」
「あら、11歳の女の子に手を出しておいてモラリストとは言わせないわよ」
「・・・」
容赦のない、イネスの言葉に二の句が継げないアキトだった。
「それからもう一つあるわ」
「なんすか?」
「二人の関係が、クルーに知られる事をあなた恐れている」
「そ・・・そりゃあ」
「まあ当然よね、でもこれってそんなに変な事? あなたとルリルリ、どれだけ年
が離れているの? あなたは19、ルリルリは、11、8才違い、あなたが26で、
ルリルリ18、全然おかしくないわ」
「あ・・・」
今まで、全くそのことに気が付いていなかったアキトもアキトである。
「でしょ? あたしとあなたの年の差よりも小さいくらいよ」
「イネスさんって・・・」
「ええい、それ以上口にするな!」
「なにいってるんすか、イネスさん自分でいったんっすよぉ!」
「あ、そうだったわね」
「・・・でも、なんかそう考えると、とっても楽になりました」
「でしょ? もっと早く気が付くべきよね」
その時、ルリの声でアナウンスが入った。
『木星とかげ接近!エステバリス隊、発進準備願います』
「さあ、テンカワ君、行ってきなさい」
「はい!」
だが、この日の木星とかげは、やたらと手強かった。
新型電人を基幹に数百のジョロやバッタが、数次にわたって、ナデシコへ波状攻撃
を仕掛けてきたのだ。
「ちくしょうきりがないぜ!!」
第5次攻撃を退けたとき、スバルリョーコまでもが珍しく根を上げた。
そして、補給の終わった、アカツキ機と、アキト機が交代しようとしたとき、電人
が襲ってきた。
「くっそぉぉぉぉ、ボゾンジャンプなんてぇのはよ、反則だぜっっ!!!」
「テンカワ、無茶をするな!」
「そうだテンカワアキト、後は、ボクに任せて、君は、補給に戻りたまえ!」
だが、とても後退できるような余裕が存在していない事も、誰の目にも明らかだっ
た。
「ちくしょう! こっちの射線は、ことごとくテンカワのエステを盾にして防いで
やがるぜ!」
そてテンカワ機を援護をしようにも、その隙がリョーコにもイズミにもヒカルにも、
アカツキにも見出せないでいた。
その時、イネスが唐突に回線に割り込んできた。
『CCを使いなさい』
「イネスなにを、無茶なことを!」
アカツキが吼える。
『じゃあ、あなたには、ほかにあの電人を打ち破る手があるとでも言うの?』
「い・・・いや・・・それは・・・そのぉ・・・」
イネスに強気に出られ、アカツキは、次の科白が出てこない。
『エステの一部をボゾンジャンプさせて、核融合を起こさせるのよ、それでけりが
付くわ』
「けどそんな器用な事テンカワにできるのか?」
『テンカワ君にならきっとできるわ』
「わかりました。やります、俺自身もどこへ飛ぶのか、また解らないけど・・・や
ります」
『だめ!!』
『「ルリちゃん!!」』
幾つもの仮想ウインドウの中で、異口同音にその名が呼ばれる。
『行っちゃ嫌です。
行っちゃ嫌。
嫌。
いやっっっっっ!
・・・アキト行っちゃいやっっっっっっ!!』
アキト機のコクピット内の一際大きな仮想ウインドウの中で、ルリは大粒の涙をハ
ラハラと零していた。
その涙を思わずぬぐおうとして、手にウインドウを素通りさせつつ、アキトが答え
る。
「・・・ルリ、大丈夫、きっとオレ戻ってくる」
微笑んだ、アキトに、静かにルリは、目を閉じた。
そうして二人は仮想ウインドウ越しにキスを交わした。
「今、オレは、ルリちゃんのその涙ぬぐってあげられないけど、その涙オレが帰っ
てきたときに取っといてくれよ」
「は・・・はい」
涙声ではあるが、ルリがそう答え、そしてアキトの体は光に包まれた。
電人崩壊・・・。
ジョロ、バッタ、第6次攻撃・・・撃退。
ナデシコは、生き残る事が出来た。
そして・・・。
「いてててっ・・・ここは・・・どこだ?」
まったくみおぼえのない場所にテンカワアキトは、倒れていた。
「ここは、数億年前に火星に栄えた超古代文明が作った、ボゾンジャンプターミナ
ルよ」
年の頃ならば、そうルリよりも1つか2つ年上に見える、どことなく幼さの残っ
た栗毛色の髪の少女がアキトの独白に答えた。
「君は・・・」
そう問おうとしたとき、アキトは、その少女に見覚えのあることに気が付いた。
「もしかして、君・・・ア・・・アイちゃん?!」
そう、テンカワアキトの火星での最後の日、助けようとした少女アイ。
その数年成長した姿が、目の前の少女だった。
「うん!! 覚えててくれたのね、おにいちゃん」
「数億年前って、じゃあここは、そんな昔なのかい?」
そうして見上げた空は、青い。
確かに、この時代の火星には、厚い大気の層が存在しているのだ。
そして今いるこの場所は、まるで巨大なすり鉢の底のようだった。
「そうよ、火星人の人たちは、おにいちゃんは、時差それほど無しに戻れるって言
っていたわ良かったよね。あたしみたく世界線が切れちゃってなくて、お兄ちゃんは
つながっているんだって」
「世界線?」
「うん、その時間世界との接点っていうのかなぁ・・・簡単に言うと心理的な<絆
>のことらしいわ」
「絆・・・」
言われて思い浮かぶのは、涙を流していたルリの表情である。
「ねえお兄ちゃん」
「なんだい」
「お願いがあるの」
「なに?」
「あたしに、おにいちゃんの世界との絆を置いていって」
「え゛?」
「あたしも、私が生まれた時間へ帰りたい、火星人の人たちは、優しくしてくれる
けど、人とは違うわ・・・たった一人で、ここで生きていくのは嫌!」
「だけど・・・絆って言われても・・・」
「私の初めての男(ひと)になって・・・」
そういってアイは真っ赤になってしまった。
「なななななな・・・そんなだって」
突然アイの言葉に、アキトは、うろたえるしかない。
「あたし、おにいちゃんのこと好きだよ、だっておにいちゃん、あたしのこと最後
まで守ってくれたもの・・・だから、お兄ちゃんのいる世界に戻りたいの!」
「だって、そんな事・・・」
「・・・おにいちゃん好きな人が居るんだ」
「う・・・うん・・・」
「だったら、その人だと思って抱いて」
「そんなこと、できるわけないだろう」
「だってわたし帰りたいもの・・・帰りたいんだもの・・・あの火星に帰りたいの!!
<一旦切れてしまった、世界線を紡ぎ直すのは、とても難しい。
特に、君のように自我の確立されていない幼い子は、思い出すらまだ蓄積されてい
ない>
どうしたら帰れるの?
<君のように、ジャンプハザードによって、同時代からの遭難者を待って、その遭
難者と強い絆を作るしかない・・・>
解った・・・。
「いくよ・・・」
「うん」
結局、アキトは、アイの涙によって<落ちた>
せめて破瓜の痛みだけでも和らげようというアキトの考えによって、アイは、舌と
指の愛撫によって幾度も絶頂させられた。
一度目は、下着の上からその部分を吸いたてられられ。
二度目は、下着を取り去られ、さらけ出された、その部分を舐め上げられ。
三度目は、両手でくつろげられたその部分に舌を突き立てられ。
四度目は、敏感な肉芽を甘噛みされ。
五度目は、その部分に指を迎え入れ、そして裏側から、肉芽を付き上げられ。
六度目は、その突き上げられた肉芽を舌で潰され。
そしてアイは、、破瓜の瞬間を迎えようとししていた。
幾度もの絶頂でぐったりとした、アイの狭隘な部分へ、アキトのものがそっと押し
当てられる。
そして、ゆっくりと腰が押し進められる。
トロトロに蕩けたその部分は、アキトのそれを、比較的容易に受け入れる。
だがそれが少し、入り込んだ辺りで、抵抗を受けた。
「本当に良いの?」
「うん」
アイは、朦朧とした状況でも、それだけは答えた。
アキトは、意を決し、腰を進める。
<ぶつん>
とい音が二人に聞こえた気がした。
その抵抗を潜り抜けると、狭くはあったが、アイのそこは、アキトのものを着実に
飲み込んでいく。
そして根元まで四分の一程度を残し、アキトのものがアイのまだ幼い子宮口へ突き
当たった。
アキトは、無理に動かず、腰を揺するだけのかるい刺激をその部分へ送る。
それでも直接子宮を刺激され、その部分は、感じているらしい。
その部分からは、さらにアキトを飲み込むようにきゅっきゅっという締め付けが帰
ってくる。
「んんっ・・・」
アイは、整った眉目を歪ませ、シーツを掴み、頭を左右に揺らし、その刺激に耐え
る。
そしてアキトも耐えられなくなり、腰をひく、
「ぅぅぅぅぅうんっっっ」
引き抜かれて行く、媚粘膜を刺激される感覚にアイの口か思わず、悩ましい声が漏
れた。
その半ばまで引き抜かれたアキトにまとわり付いた、アイ透明な樹液にピンクの筋
が幾つも見られるのが、やはり痛々しい。
入り口付近まで引き抜いたそれを再び、突き当たりまで押し込む。
やがて、その動きが速くなり、アキトの最後が近い事がアイにも判った。
「・・・あたしの胎(なか)に・・・来てっっっ・・・」
そしてアイは、アキトの白濁を受け止めた瞬間、最後の絶頂を迎えた。
気が付けば、エステバリスのコクピットに居た。
「ん・・・戻って来たのか・・・」
時差1日。エステバリスのクロノメーターは、そう伝えてきていた。
『お帰りなさい』
やはり一番最初に気づいたのは、ルリだった。
アキトのIFSのモニターが生き返った事で、それに気が付いたルリは、アキト機
が収容された格納庫まで降りて来て、キャットウオークにまで上り、コクピットの正
面で初めて、通信を開いたのだ。
それに一瞬で気が付いたアキトは、ハッチ解放のレバーを引いた。
なぜか、アキトの腕に有ったはずの思兼のターミナルは、無くなっていたから・・
・。
「た・・・ただいまっ・・・うわああっっっ」
ハッチが解放されると同時に、ルリがアキトの胸に飛び込んだのだ。
「もう、嫌です。一人で行ったら、嫌です」
多分、寝ていなかったのだろう、真っ赤になってしまっている瞳から再び、涙を溢
れさせ、そう胸の中でつぶやく、ルリをしっかり抱き止めるとアキトは言った。
「ごめん」・・・と。
約束通り、アキトは、ルリの涙をその手で拭った。
そして二人は、ウインドウ越しではなく長い長い口付けをかわす。
そして、もう一人、IFSをモニタリングしていたイネスもキャットウオークに上
がってきた。
やけに古ぼけたアキトのターミナルを携え。
「おかえりなさい」
「た、ただいま」
「腕を出して、忘れ物付けてあげるわ」
アキトは、唖然とした表情で、腕をイネスへ預けその古ぼけたターミナルを付けて
もらう。
やがて、アキトの表情が唖然としたものから、納得した表情へ徐々に変わっていっ
た。
そして、アキトの口から、その場にもっともふさわしい言葉が紡がれた。
「お帰り、アイちゃん」
「うん・・・ただいま、おにいちゃん」
ルリルリとアキト Part 3.
機動戦艦ナデシコ 「帰還」
Fin
機動戦艦ナデシコ
ルリとアキト完結編 「比翼」
〜an engagement〜
1.成婚
「汝テンカワアキト、ホシノルリを妻と認め心苦しき時も、心楽しき時も、常に共
にある事を誓うか?」
「はい、誓います」
「汝、ホシノルリテンカワアキトを夫とし久遠なる愛をささげる事を誓うか?」
「誓います」
「では、誓いの口付けを・・・」
アキトの手がベールをそっと上げ、雪花のように白く透き通った肌の、ただそこだ
けが、まるでバラの莟のように紅色をした唇へ、そっと口付けた。
「指輪の交換を行い、婚姻の証と成す・・・指輪をここへ」
牧師の言葉に誘われ、控えていた少年が、しずしずと、それを捧げ持って歩み寄っ
てくる。
少年の持つ黒いピロードのしかれたトレイの上には、質素なプラチナの指輪が一組
置かれていた。
アキトは、純白のドレスに身を包んだルリの白いシルクの手袋を取りその左手の薬
指へリングをそっとはめ込んだ。
そこは、夏ににぎわうリゾート地の小さなチャペルであった。
突然現われた、二人の不意の申し出に、そこを管理している牧師は、快く式を上げ
させてくれたのだ。
真冬の今、そのリゾート地に人影はなく、ただ、昨夜降り積もった新雪の上に、二
人の寄り添う足跡が、ふたりの借りたコテージへ向かい続いている。
「本当におれで良かったの」
暖炉に薪をくべつつ、アキトが問う。
「あなたじゃなくちゃ駄目って知ってるくせに、そういう意地悪を言うのね、昔か
らあなたって変わらない」
アンバーの瞳が可笑しそうに細められる。
「あのときから、ずっと一緒にいるって約束してくれたでしょ」
「わかってるよ、だけど、僕がそれに縛られても君がそれに縛られる必要はないん
だからね」
「わたしが縛られたいの・・・ばかね」
拗ねたような口調で言うルリ。
「そりゃあネルガル重工ファーストプライムオペレーターの君と比べられたら僕の
立つ瀬がないよ」
そういうと、ルリの隣へ腰を下ろす。
「いろんな事が有ったけど、これからもずっと一緒にいてね、あなた」
ふたりの唇が自然と近づき・・・。
薪の爆ぜるパチパチという音と、炎の作り出すやわらかなシルエットが重なった。
はっ、と意識が戻ってくる。
今、自分が何処にいるのか、はっきりと認識が出来ない。
ここは・・・ああ、ナデシコの艦内、テンカワアキトのプライベートルームだ。
ルリは、夢の中でとても幸せそうな自分の姿が現実であったならと、まだ完全に醒
めきっていない頭の隅で思っていた。
あたしは、あんな「大人の女性」になれるのだろうか・・・アキトさんと、あんな
会話をできるような・・・。
そう言えば、すこし背伸びをすればアキトとキスができる背丈だったし、胸もミナ
トほどではないが、少なくともメグミほどには豊かになっていたように思う。
そして、チャペルでの二人だけの結婚式!!
いつかは・・・女の子であるならば一度は夢を見るビジョンであるのだろう。
自分にそんな思いがあったことにルリは、驚きも感じだが、喜びも感じた。
そして、自分の目の前で無防備に寝息を立てている、青年とずっとずっと一緒にい
たい。 強くそれを思った時、なぜか涙が出てきてしまった。
まるで、子供のように、しゃくりあげ始めてしまった自分にうろたえる。
あ、あたし・・・どうして泣いてるんだろう。
その小さな鳴咽にアキトが目を覚ました。
「ルリ、どうしたの?」
「・・・ヒック・・・なんでも・・・エッ・・・ないんです・・・なんでもないん
ですけど・・・」
「けど、涙がでるの?」
「はい・・・ヒクッ・・・どうしてなんでしょう」
「オレにも解らないけど・・・ルリが恐かったり、寂しかったり、どこか痛かった
りするんじゃなければ、泣いても良いよ」
アキトは、ルリを自分の胸元へ抱き寄せると、そのまま胸の中へ抱きしめる。
やがて鳴咽は収まり寝息へと変わった。
アキトは、頬を流れていた、涙をそっと吸い取ると、ルリの熱い体温を感じながら
眠りに就いた。
「・・・って、こんなことがあったのよ、覚えている?」
「そんな事、幾度も有ったさ」
「え〜?! これ一回きりよ」
「ぼくは、知ってるよ君が意外に泣き虫だって事」
「そ・・・そうだった?」
「そうだよ、それにあの時は、その前に大事な事があったのを覚えているかい?」
「・・・あ・・・」
「そうだよ、ルリ。ルリが<女>になった夜のことだったよね・・・」
2.破瓜
「ねえ、思兼」
深夜のメインオペレーターシートにホシノルリの姿がある。
IFSでコンタクトをしているのは、戦艦であるND−001ナデシコ全ての機能
を司っているメインコンピュータに展開されたスーパーAIの思兼である。
『なんでしょう』
「あのさあ」『はい』
「あのねぇ」『はあ』
「・・・えーと」『どうしました?』
ルリの呼びかけに律義に一枚づつウインドウを開いて答える思兼。
「・・・初めての時って痛いのかな?」
あまりに要領を得ない問いであるがスーパーAIの思兼には、それで十分意味が伝
わった。
『痛いという女性が3割、言うほどではないという女性が4割、全然が2割、何を
聞くのよっ!が7分、あとの3分は、顔を赤らめ走り去ったり、突然泣き始めてしま
ったりと、これまた散々なアンケートです・・・ね』
「思兼・・・それ全然答えになっていない」
『ルリの場合、年齢と体型から判断して、まだ性交渉には数年の余地が必要と判断
します、が・・・そうは言っても、好きな気持ちは、止められませんね』
『「はぁぁ・・・」』
妙に人間的な思兼の答えに、その答えを出したAIと共に、ため息を吐くルリだっ
た。
その数日後、珍しい事に医務室にルリの姿がある。
「え? あたしが痛かったかって?・・・そうねぇ何度も愛撫だけでいかされたあ
とだったから、良く覚えてないのよねぇ・・・」
「はあ、そういう物なんですか?」
「いつかは、なくすものだけどね、ルリちゃん、あなたはいくらなんでも早いわよ」
「でも・・・アキトさんが・・・」
「求めてくるの?」
ついつい咎めるような口調になる。
「ち、違います!! わたしだけ気持ち良くなってるから・・・だから・・・」
「本当にルリちゃんテンカワ君のこと好きなのね」
「・・・はい・・・」
真っ赤になってうなづくルリ。
それを優しいそしてどこか満足げな表情で見つめるイネスである。
「でもね、テンカワ君も、それなりにちゃぁんといい気持ちになっていると思うわ
よ」
「え?」
「こんなに可愛い女の子を好きなようにできるんだから、その精神的な満足感って
かなり大きいと思っていいわ」
「そういうものですか?」
「そういうものよ・・・でも、どうしてもルリちゃんが求めるなら止めないわ、テ
ンカワ君にそう言っておいてあげる」
「あ・・・ありがとうございます」
「でも体、傷つけてまで無理にしないのよ」
「はい」
その後、二人の間にさらなる密約が交わされたのだった。
「テンカワ君」
「はい、なんですか? イネスさん」
「ちょっといらっしゃい」
「はあ・・・」
アキトは、医務室へ引っ張り込まれた。
「ええ!? ルリちゃんがですか?」
「そうよ」
「で、無理にするなって言う事ですね、判っていますよ。
俺だってルリちゃんを傷つけてまでするつもりはありません。
自然に・・・そう、あと何年か待てばできるようになるんですから」
「なんだ、判っているじゃない」
「当たり前じゃないですか、俺にとってっても大事にしたい女の子ですよ」
「・・・ちょっと焼けちゃうかな・・・」
「え?」
イネスのその声は、アキトに、そうはっきりと聞こえなかった様だった。
「ううん、なんでもないの、でねもしもルリちゃんがどうしても、求めてきたとき、
あなたが慌てないように教えてあげる」
するりと白衣を脱ぐイネス。
「え゛、でも俺・・・」
「ルリちゃんには、浮気のOKを貰ってあるわ。
・・・お願い、今日だけテンカワ君、あたしを愛して・・・」
そのままベッドへ倒れ込む二人。
イネスの舌が、強引に割り込んでくる。
イネスの胸が、押し付けられ、薄いTシャツの布地を通しそのてっぺんの突起が、
アキトの胸を擦る。
ほのかなコロンの香りが、新鮮な刺激となりイネスを引き剥がそうとしていた腕が、
背中に回り、そして一方の手は腰へと下がって行く。
イネスは、自分の唾をアキトへ流し込むようにる。
アキトの喉が鳴り、それを飲み込む。
イネスのそれは、少し、苦かった・・・。
スカートをたくし上げ、その中に這い進む。
そして、腿を上へ這い上がる。
ストッキングが途切れ、しっとりとした内腿の感触にアキトの手が止まる。
いわゆる、ガーターベルトを使っているのだ。
アキトの手が止まったのを感じたイネスは、足を少し開き、アキトの手が動きやす
くする。
それにつられ、アキトの手は、イネスのショーツにたどり着く。
ルリと、ユリカの比較的シンプルなショーツの感触しか知らないアキトにその刺繍
の施されたショーツの感覚は、新鮮だった。
そして、その布地が二重になっているあたりは、もうすっかり湿っており、イネス
の花びらの形を浮き立たせていた。
アキトは、布地の上から、焦らすように爪先で、花びらをなぞり上げた。
「ん・・・んんっ・・・」という鼻声がアキトの口腔にこだまする。
イネスは、もっと強くして欲しいとでも言うように、自ら腰をアキトの手に押し付
けてくる。
しかし、アキトは巧みに指から力を抜き、それをさせない。
そして、再び、花びらを爪先で引掻く。
ルリへのいたずらで、アキトの愛撫は、ひどく巧みなものになっていた。
イヤイヤをするようにイネスの首が振られる。
<ルリちゃん、こんなことされてるのね・・・これは・・・ルリちゃんが目覚めち
ゃって、体が疼くのは仕方ないかもしれない・・・>
イヤイヤをしつつイネスは、頭の片隅で、そんなことを冷静に思っている。
そして、待ち望んでいた強い刺激が突然やってきた。
咲きほころんだ、割れ目を這い登った爪先が、既に包皮を突き上げている肉芽に触
れた瞬間、アキトは、そこを三本の指で摘まみ上げた。
「ひあぁっっ」
ビクンとイネスの腰が跳ね上がり、うっとりと閉じられていた瞳が見開かれる。
その指が、揉み込むようにその肉芽を拘束し続ける。
イネスは、その強い刺激から逃げようと腰を左右へ動かすが、アキトの左腕は、ウ
エストを強く押さえ込んでいて、それをさせない。
遂に、イネスは、長いキスを振りほどき、アキトへ懇願の言葉を発した。
「テンカワ君、そんなにしたら痛いわ、お願い少しゆるめて・・・くぅうううっっ」
「駄目です、今日はイネスさんは、俺の「物」なんでしょう?」
「ああ・・・そう・・・あたしは、あなたの物・・・」
その科白に、感極まったのか、腰を仰け反らせおとがいを跳ね上げ、最初のアクメ
をイネスは、迎えた。
「いきましたね」
「・・・はい・・・」
自らが主導権を握れると思っていたイネスだったが、それは間違いだったようだ、
ルリに対しては限りなく優しく振る舞うテンカワという青年が、二面性を持っている
ことにようやく気が付いた。
「いくときには、おれにことわってからいってください」
「そんなこと・・・ルリちゃんにも言っているの?」
荒い息を整えつつ問う。
「まさか、いってませんよ、イネスさんだけです」
「・・・わかり・・・ました・・・」
イネスは、アキトに従うことにした、何よりも自分だけにそれを求めてくれたのだ。
その答えを聞きアキトの手がショーツをくぐった。
そして直接、包皮が剥き上げられ、むき出しになった肉芽に爪が立てられ、そっと
その爪が動かされる。
「あああ・・・それ、いゃああああっ・・・強すぎます、だめぇ・・・」
イネスの腰が踊り、はしたない液が、アキトの指を濡らす。
そして、割れ目をなぞるように下がっていった薬指が、小さく口を開いていたイネ
スの膣口を捉え、滑り込む。
イネスの腰が再び震える。
「ふぁあああっ・・・いくっ・・・いきますっ・・・あああああっ・・・」
その声に合わせ、アキトの左腕がぎゅっとイネスを抱きしめ、そして肉芽に爪を立
て、薬指は、ヴァギナに突き立てられる。
今度のアクメは、深く、長く続いた。
腰を仰け反らせ、口を鯉のように開け閉めし、それに耐えていたイネスだったが、
やがてその波が収まると、がっくりとアキトの上に崩れ落ちた。
「こんなの・・・酷い・・・」
何度も指だけでいかされてしまったイネスは腰が抜けたようになってしまっており、
ベッドにうつぶせに倒れ込んでいる。
「イネスさんが誘ったんですよ」
そのイネスのスカートをまくると、すっかり、びしょびしょになってしまったショ
ーツを下ろし、そこへ吸い付く。
「いゃあああ、駄目、もう駄目よぉ・・・」
涙を零し、イネスが、アキトの口妓から、逃げ出そうとベッドをにじり上がろうと
する。
「なにいってるんっすか、おれに、ルリちゃんとのやり方を教えてくれるんじゃな
かったんですか?」
「今は、だめ、少し休ませてぇ・・・」
「そっとやりますから、逃げないでください」
「本当?」「うそ!」
イネスがその言葉にホッと息を吐き出し力を抜いたとき、アキトが口妓を再開した。
薄くそこを覆う陰りを顎に感じるという珍しい状況で、アキトは、イネスの果汁を、
吸い尽くそうとでもするように音を立ててその部分を吸い上げる。
両手は、力無い抵抗を示す腿を外側から押え込み、そして、内側に回った10本の
指先が、イネスの敏感な部分を蹂躪する。
もはや、イネスは、アキトに逆らう事すらできなくなっていた。
幾度も、絶頂に押し上げられ、シーツを涙と唾と、滴った果汁とで濡らす事しかで
きない。
そして・・・。
アキトはファスナーを下ろすと、屹立した己の物を解放した。
「イネスさん、いきます」
答えを待たず、アキトは、イネスの充血した花びらへそれを押し当てる。
イネスは、それを感じたが、もはやそれに「再び」貫かれるという感慨にふける事
すらできないようだ。
ズズズッとゆっくりとアキトの物が自分の胎(なか)へ埋没してくる。
イネスの意識は、朦朧としていても、その部分は、確実にアキトを迎え入れて行く。
「くぅぅっっっ」はじめての刺激にアキトが声を漏らす。
イネスのそこは、熱く滑っており、もしも早く動かせば、あっという間に放ってし
まいそうだった。
やがて、少々スリムなアキトのそれが、全て埋まったとき、その先端は、イネスの
子宮口をきっちりと突き上げていた。
アキトは、その初めての感触を確かめるように、しばらく腰を止めた。
イネスの荒い呼吸と同じリズムで、そこはきゅっ、きゆっとアキトを締め付け、そ
してアキトを絞るかのように根元から先端へ、その締め付けが移動して行く。
それだけで、アキトは、急速に高まって行く。
それに耐えられなくなり、アキトは、腰を引く。
「ふああああっ・・・」
カリの部分がイネスのヴァギナの媚粘膜を引っ掻き、再びイネスに声をあげさせる。
先端まで、引き抜いた時、イネスが言う。
「お願い、早く終わって・・・」
それは、自分自身の状況を言ったものだが、アキトには、アキトに早く放って欲し
いと言ったのだと勘違いした。
「解りました、もうすぐです」
そしてアキトの腰を打ちつけるピッチが上がった。
パンパンパン!という小気味良いリズムが二人の腰から奏でられている。
「あん、あん、あん、あん・・・違うの、テンカワ君・・・ああっ、違うのよぉ・
・・ゆるして、もう許してぇ・・・」
突然のハイピッチに再びイネスが哭いた。
「オレも、もうすぐ行きますから、我慢してください」
「ああ・・・テンカワくん・・・テンカワ・・・ふぁあああああああっっ、あたし
いく、いきます。・・・お兄ちゃん・・・アイいく・・・アイいっちゃうううううっ
っっっ!!!」
死と紙一重のオーガズムがイネスを捉えたとき、イネスの理性の拘束は解かれ、言
ってはいけない名前が口を衝く。
しかし、アキトはそれに気が付かず、最後の締め付けによって、ついにイネスの胎
内へ大量のザーメンを注ぎ込んだ。
子宮口にたたきつけかのような、力強い迸りを感じたとき、イネスは、ついに意識
を失った。
「・・・イネスさん、イネスさん、大丈夫ですか?」
深い意識の混濁から、イネスの心が浮かび上がってくる。
「あ、良かった、どうかしたかと思いました」
「・・・あ、テンカワ君、わたし・・・」
「失神しちゃうとは思わなかったんです、ごめんなさい」
「・・・ばかね、謝らなくってもいいのよ。
とっても良かったわ・・・良すぎたと言ってもいいくらい・・・」
ただ一度の行為で体のあちこちが痛いというのは、およそ尋常ではない。
「ルリちゃんとするときには、絶対に手加減するのよ」
「それは、もちろんですよ」
「物足りなかったら、あたしかいつでもお相手してあげるわ」
「え・・・ああ・・・もしかしたら、お願いするかもしれませんね・・・ところで
・・・ええっとその・・・中で・・・出しちゃいましたけど・・・今日は、大丈夫で
すか?」
「ああ、それなら大丈夫よ、うちのクルーは、避妊薬を全員インプラントすること
になっているから、もちろんルリちゃんはまだ初潮前だからそんなことしてないけど」
「あ、それ知りませんでしたよ」
「馬鹿ね知らなくて当たり前よ、餓えた狼たちの前に子羊を差し出すようなものだ
もの、あくまで非常手段として、無理矢理奪われたときに妊娠を回避するためよ」
「あ、そうなんですか・・・」
「他言無用よ、プロスペクターさんしか知らないことですからね」
「解りました」
イネスが身を起すと、子宮に入りきらなかったアキトのものがこぽこぽと小さな音
を立て逆流してきた。
その愛しい感覚に、思わずイネスが鼻を鳴らしてしまう。
「ふんんっ・・・・・・あ、後始末は、わたしがするから・・・テンカワ君、あり
がとう」
「・・・こっちこそ、ありがとうございました」
アキトは身繕いをすると、医務室を出ていった。
その後ろ姿を見送りながら、イネスは、流れ出たアキトのものを低温用試験管へ導
くべく、サイドテーブルへ手を伸ばした。
そしてそれから一週間後・・・
ルリのプライベートルーム。
全裸のルリの股間に顔を埋めているアキトの姿がある。
それは、まるでこれからルリの身に起こる痛みを事前に和らげようとでもするかの
ように、執拗に、繰り返し行われていた。
既に、ルリは、シーツに染みができるほどそこから、恥ずかしい液を滴らせている。
アキトの舌が、再びヴァギナを捉える。
「あ、あああっ・・・」
狭い入り口を広げようとでもするかのように、舌が、そこへ突き込まれる。
もう、一週間ほぼ夜毎に繰り返されてきたそれによって、ルリの幼いその部分は、
アキトの指ならば、すんなりと迎え入れられるようになっていた。
そして、一番敏感な肉芽だけでなくその部分でもルリは、快感を感じられるように
なっていた。
ブルブルと震える腰を、アキトは押さえ、さらに、舌をねじ込んで行く。
「ふあああっ」
ルリがその部分を突き上げ、小さなアクメを迎えた。
「ルリちゃん、いくよ」
「・・・は・・・はい・・・」
頬を染め、ルリがアキトに答える。
屹立したものの大きさに慣れるために、アキトもここ一週間、全裸でその行為を行
ってきた。
ルリもそれに興味を示し、握ったり、先端を口に含んだりした。
幼いその愛撫に、アキトは、ルリの前で初めて精を放った。
顔に掛かったそれをルリは、指を使いこそげとると全て舐めとってしまった。
「おいおい、無理しなくていいよ」
「だってアキトさんのものだから・・・」
そういって真っ赤になってしまったルリをアキトが抱きしめた。
そんなこともあり、そのものの大きさには、ルリは、慣れたようだった。
熱く固いものが、自分の花びらに押し当てられる。
アキトは、そこを片手で舟形に開くと、ゆっくりと進入させた。
広がって行く、指とは違う適度な柔らさをもったそれでも固いアキトの分身を迎え
入れるために、自分が広がって行く。
痛みはない、しかし、まるで口に無理矢理ものをほお張ったかのような充実感がそ
こに存在している。
やがて、ルリの幼いヴァギナは、アキトの分身の頭の部分の半分ほどを、飲み込ん
だ所で、抵抗を示した。
それを感じたのか、アキトは、ルリの目を見つめて言う。
「ルリちゃん、本当に良いんだね?」
「・・・はい、アキトさんに・・・ささげます・・・」
その言葉に、肯くと、アキトは、腰を強く進めた。
そっとやったのでは逆に苦痛となるであろうと考えたからだ。
『ぶっつん』という感覚と共に、その部分をアキトの先端が潜り抜けた。
その瞬間、ルリは、思わず顔をしかめてしまう。
しかし、思っていたほど強烈な痛みではなく、そう例えれば、髪の毛を洗っていて
思わず頭皮を引掻いてしまった程度の痛みを感じただけだった。
しかし、その痛みとは、別に、自分の大切なものをこの青年にささげられたという
思いが胸に湧き上がり、そしてそれは二つの瞳からの熱い涙となってルリの体の外に
溢れ出した。
「い、痛かった?」
その涙に気が付いたアキトが、思わず聞いてしまう。
「違います・・・あの・・・きっとわたし・・・嬉しいんです。だから・・・嬉し
いときにも涙って出るんですね」
「そう良かった・・・」
アキトは、ルリの頬を伝う涙をそっと吸い取る。
「甘いよ、ルリのうれしい涙」
物理的には、それは明確なうそだ。
だがしかし、アキトがそれを甘いと感じたのは、本当の事だった。
「動いていいかい?」
「はい、あまり・・・痛くありませんから、大丈夫です」
先端部分が埋め込まれたままでも、十分その狭隘な器官からアキトは快感を感じて
いた。
だが、本当は、存在するであろうルリの苦痛を少しでも早く終わりにするため、ア
キトは、腰をゆっくりと動かし始めた。
ルリの幼いヴァギナは、アキトのものを流石に全部飲み込める訳が無く、3分1ほ
どを残し、あきとの先端は、幼い子宮口へ突き当たる。
その度にルリは、鼻に掛かった声を上げた。
<すごい、ルリちゃん締め付ける・・・>
もしも、事前に、しつこいほどの愛撫でそこが十分潤っていなければ、それは大変
な苦痛をルリに与えていたはずだ。
そしてその締め付けによってアキトは、早くも最後のときを迎えようとしていた。
「ルリちゃん・・オレ行くよ・・・」
「は、はい、きて・・・来てください」
荒い呼気の中からルリがそう答える。
それとほぼ同じに、アキトは、ルリの中に白濁した液を放った。
「ルリちゃん、がんばったね」
「・・・は・・・はい」
再びルリの瞳に涙が盛り上がってくる。
アキトは、ルリを抱きしめ、そして長い口付けを交わした。
「・・・普通は、逆になるのにね」
「逆ってなにが?」
「ロストバージンと初潮よ」
「ああ、あの時は・・・」
「ちょっとそれは、恥ずかしいから思い出さないで」
「君が、思い出させたんじゃないか」
「だって・・・もう・・・ばか」
3.初潮
「ルリルリ、ひとふたまるまるから、ひとごうまるまるまでの3時間の航路データ
送ってくれる?」
ハルカミナトが、パイロットシートから、メインオペレーターシートへ座るホシノ
ルリへ、定時の航路データ更新開始を告げる。
ナデシコの航行は、通常航行については、オートパイロットによってほとんどが処
理される、がそのオートパイロットを続けるためには、航路データ更新を行わないと
ならなかった。
「は・・・はい・・・」
ルリの両手のタトゥーが輝く。
しかし、その光は安定せず、ルリは、IFSの制御に苦労していた。
普段から雪花のように白いその肌だが、今日は、さらに蒼いような気がする。
「どうしたの、ルリルリ?」
「すいません・・・すぐに送ります・・・」
「違うわ、気分でも悪いの、顔色すごく悪いわ」
さすがに、普段ずっと一緒に仕事をしているミナトは、ルリの調子の悪さに気がつ
いた。
「い・・・」
いいえ、という言葉が出掛かったが、ミナトは、ウインクをしながら人差し指を唇
へもって行くしぐさをしたためルリは、口をつぐんだ。
「ルリルリ、無理しなくて良いのよ」
そうルリヘ向かいやさしく微笑むと、艦長席のユリカを振り仰ぐ。
「艦長ぉ」
「は〜い、なんですか、ミナトさん」
身を乗り出し、ミナトに答えるユリカ。
「ルリルリがね、気分が悪いんだって」
「あら、本当、ルリちゃん顔色悪い。イネスさんのところで、少し休んでくる?
あ、それよりも今日は早退にしちゃった方がいいわね」
「だって。 ルリルリ、あとは大丈夫だから自分の部屋へ帰って寝てたほうが良わ
ね、あとで、イネスさんに見てもらえるように頼んでおくわ」
「はい・・・そうします・・・」
二人の好意に甘え、今日は、早退させてもらう事にした。
<あたし・・・どうしたんだろう・・・>
まるで下半身が自分の物でないかのように重い。
特に腰が冷たく痺れたように痛く、まるで何トンもの氷にのしかかられているよう
に感じる。
お腹の鈍い痛みで、まったくオペレーションに集中できなかった・・・。
敏感なIFSは、そういう体調に左右されてしまう。
しかし、こんな操作を完了できなかったことなんて初めての事だった。
艦橋から、居住区画までのエレベーターが異様に長く感じられる。
エアコンの風が上半身と下半身では全く違う温度に感じられ、冷たく滑るような汗
が全身にまとわりついていた。
<気持ちが悪い・・・こんなの嫌・・・あたしじゃない・・・>
自分の部屋へ続く通路で涙がにじんでくる。
ようやく、自分の部屋に辿り着きベッドに倒れ込んだ。
しばらくそのまま身じろぎもせずに天井から下がる魚のモールを見つめる。
そうしているうちに少しは、落ち着いたのか、シャワーを浴びれば少しは気分が良
くなるかもしれない・・・。という考えが浮かんだ。
どっちにしても、こんな気持ち悪い汗をかいたままではベッドに入るのは嫌だった。
ゆっくりと身を起こす。
起き上がるとやっぱり体の下半分が重い。
なか、悪い事をしただろうか・・・。
アキトとの交わり以外これといって思い当たる節がない。
それも、もう3日も前の事だ・・・。
アキトに触ってもらって、2度もいったのに、なにか物足りない気がして自分から
おねだりをしてしまった、とても恥ずかしい夜。
「・・・アキトさんのが欲しい・・・」
頬を染め、アキトを見上げてそう言ってしまってから、その言葉にさらに頬を染め
た。
もう十分潤っているそこを、さらにアキトは、念入りに口と舌で愛してくれた。
いつされてもそれは、とても恥ずかしい事だが、アキトの舌で、自分の一番感じる
所をなぞり上げられると、そんなことはどうでも良くなってしまう。
アキトの頭を両腕と、両足で挟み付け、はしたない声を上げてしまう。
ルリが絶頂する直前、アキトは、蕩けるようなその愛撫を止めた。
「は・・・早く・・・く、ください・・・アキトさぁん・・・」
最早アキトの分身を受け入れること以外、なにも考えられず、そんなことを口走り、
アキトへ向かい両手を伸ばしてしまう。
そして、アキトを受け入れる。
もちろん、全てが収まるはずが無く、それだけに最奥部をやさしく突き上げられる
時の甘い痛痒さは、アキトとする全てのえっちな事の中で、一番素敵な感覚の一つだ
った。
そしてその夜は、一度突き上げられただけで、ルリは、たっしてしまった。
シーツを握り締め、顎を仰け反らし、長く尾を引く声を絞り出してしまう。
それがアキトが達するまで幾度も繰り返された。
そして最後の瞬間、ルリは、初めて意識を失う程の絶頂を感じていた。
ズルズルと足を引き摺り普段の三倍もの時間をかけてシャワールームへたどり着く。
制服と下着をランドリーへ放り込み1.5メートル四方という狭い室内へ入る。
少しあつめに温度を設定しシャワーヘッドを取り上げたところで両足を液体が滑り
降りる感覚が伝わってきた・・・。
あんな事を思い出したから、はしたなく濡れてしまった。
その時、一番最初に思い付いたのは、それだった。
しかし、その液体の滑りは、そう、恥ずかしい液の感じではない。
なに・・・。
思わず見下ろしルリは、自分の目を疑った。
・・・血!!!
普段傷などという物に縁のない生活をしているルリにそれは、大出血に見えた。
膝が震え、立っていられない。
背中を冷たい壁にもたれかけると、そのままずるずると座り込んでしまった。
もしも、もう少し落ち着いていたならそれがどういう意味の「血」であるかなどル
リには、自明の事であったはずだ。
しかし、今のルリには、叫びを上げ一番頼りになるであろう人物の名をシャワール
ームの端末へ叫ぶ事しか出来なかった。
アキトが駆けつけたときルリは、シャワールームの壁にもたれすわり込み、自らの
肩を抱き、おこりにかかったように震えていた。
相手がパニックの渦中にあるならばもう一人は、冷静になるしかない。
アキトはルリの足と床に流れている血の量を見て怪我だとしたらたいした事は無い
と判断した。
「あたし・・・あたし、死んじゃう、こんなに血が出たら、死んじゃうよアキトぉ」
「落ち着いてルリちゃん。血の量は、たいした事ないよ、俺が出す鼻血だってもっ
とずっと量が多いよ」
そう言って、自分ににすがるルリの頬へ自分の頬を押し付け諭すように言う。
「本当?」
「本当だよ、大丈夫心配しないで、すぐにイネスさんの所へ連れていってあげるか
らね」
「・・・うん」
やっぱり、アキトを呼んで良かったと改めて思ったルリだった。
アキトは、震えている、ルリをバスタオルそして、毛布で包むと医務室へ運んだの
だった。
「で、ルリちゃんの病気なんなんですか!」
処置室からなにやら楽しげに出てきたイネスに思わず口調が鋭くなってしまう。
「テンカワ君、落ち着きなさい」
「落ち着けっていわれても、俺は今になってビビッてるんっすから」
「あらあら、でもルリちゃんは、病気じゃないわよ」
「病気じゃ無い? じゃあ、怪我だったんですか」
「違うわよ、鈍いわね、ルリちゃんが女になったのよ」
「女・・・ってもうとっくにバージンじゃありませんよ」
「違うわよ!! っとに、鈍いわね。月に一度女性には、くる物があるでしよう」
<わたしだって女の子なんだから、こんなこと言わせないでよ恥ずかしい>
いかに、職業とは言え女性にとってそれを男性の前で口にすることは、恥ずかしい。
「あ・・・あああ!!!! ルリちゃん<初潮>だったんですね!!」
「そういうことよ、さあ、行っておあげなさい」
処置室へのカーテンを引き開けるとルリが、はずかしげに毛布を顔の半ばまで引き
上げるのが見えた。
「あの・・・」
「・・・ルリちゃん意外と慌てもんだね」
そういったアキトに目を瞑り舌を出してみせるルリ。
その枕元の椅子に座り愛しげに髪をなでる。
「おめでとう・・・でいいのかな?」
「あ・・・ありがとうございます」
力無く微笑む様子にアキトは、言わずもがなの事を尋ねずにはいられなかった。
「辛いかい?」
「これから毎月これかと思うと、自分のからだが嫌になってしまいます」
「・・・俺には、そばにいてあげる事くらいしかできないよ」
「それで・・・それで、十分です」
アキトは、ルリの額へ自分の額を押し付けそしてかるくキスをした。
「そんな心配要らないわよ」
カーテンの向うから、イネスが声をかけてきた。
「へっ?」
「ああ・・・これはねぇ・・・そう、医者としては、あんまり薦められない事なん
だけど避妊薬をインプラントすれば、それは来なくなるわ。
だけどもルリちゃんの年齢だと早すぎるのよ。
それでも、もう誰かさんとルリちゃんとの間に性交渉があるんじゃあ、その歳で妊
娠される事の方が心配だもの。
早いけどこの期が終わったらインプラントしてあげるわ。
さて、そこでよテンカワくん」
「はあ、なんでしょう」
「今晩は、赤飯をホウメイさんに炊いてもらうのよ。クルー全員とまでは行かない
けど
ブリッジ要員の人たちにはお祝いしてもらわなくちゃね」
「あたし・・・」
恥ずかしいから良いですという言葉を予想していたのだろう。
イネスは、先手を打ってきた。
「だめよルリルリ、一生で、たった一回の事なんだからきちんとしてもらいなさい」
「・・・はい」
「そのあとで、テンカワ君に好きなだけ甘えなさい、女の子の特権なんだから」
「はい!」
その笑顔を、まるで蕩(とろ)けるような笑顔だとアキトは思った。
ルリは、痛み止めをもらい、いくらか気分を良くしたようだ。
夕食には、食堂まで自力で歩いてゆく事が出来た。
「おめでとう」
と、いうような言葉は無かったが、みんながいつにも増して、優しくしてくれた。
お赤飯というやつを初めて口にし、あまり食べられなかったが、ごま塩が効いてい
て美味しかった。
その後、三日間にわたり、ルリは、アキトに、腰を撫でてもらい、お腹を撫でても
らい。
そっと抱きしめてもらい、飲み物を飲ませてもらい、食べ物を食べさせてもらうな
ど、まるで王女のように過ごしたのだった。
「あのときは、ぼくもあせったけど君の取り乱し様ったら、本当に今にも死んでし
まいそうな勢いだったものなぁ」
「もう、あのときのことは言わないでよお、今でも恥ずかしくて仕方が無いんだか
ら・・・」
「その恥ずかしがってる、顔もとっても可愛いんだよ」
「ばか・・・」
「そんな君も勇敢にぼくを庇ってくれた事があったよね」
「・・・だって、あたしのアキトだもの、今でも<抱きしめたい>って思う人はあ
なただけ」
「ぼくだって、君しかいないよ」
4.対峙
「いよう、帰ってきたな色男」
イネスが、アイであったことをアキトが、納得した時、キャットウオークにさらに
数人の姿が現われた。
「い、色男ってなんですか?」
ウリバタケへ向かい、アキトが言い返す。
「とぼけなさんな、昨日のルリルリとの涙の別れのシーンは、全艦に流れちまった
んだ、おまえとルリルリの関係は、今やナデシコクルー最大の関心事というわけだ」
「・・・そんなところに一人放り出していっちゃったのかオレは・・・ごめん」
「ああ、それは、大丈夫、ルリルリは、あたしが保護したわ。
それから、プロス氏、ゴートさん、ウリバタケさん、ホウメイさんには、さすがに
隠しておけないし、全部話しちゃったわ、事後承諾でごめんなさいね」
「いいえ、オレが全部背負う事ですから」
「よぉし、テンカワ!良くぞ言った。
その一言で、おれはおめーの味方になるって決めたぞ」ウリバタケが勢い込んでい
う。
「私は、男女の仲に割り込む気は、最初からない。年齢などというものは副次的な
ものに過ぎないと考える、がテンカワ君のその言や良しといっておこう」
と、ゴート。
「わたしは・・・賛成できないね。・・・パイロットに、ほれるなんてさ、ルリち
ゃん後悔するよ・・・まあ、それでもコックに惚れたと思えばいいのかねぇ」
ホウメイは、エプロン姿のまま、慌てて駆けつけてきたようだ。
「いや、テンカワ君、いまあなた良い顔をしていますな。
はじめて会ったときとは、まるで別人の様です。
こうみえても、わたしは人を見る目を多少は、養ってきたつもりです。
年齢その他、問題は、たしかにかなりあります。
しかし、わたしは、自分の目を信じたい。
いや信じます。
ただし労務管理の立場から言わせていただくと、社内規程に違反したわけですから
減俸0.2ヶ月を3ヶ月というところで、手を打ちましょう」
プロスペクターが、例によってソロ電卓を弾いた後、ルリとアキトへ向かい親指を
突き出して見せた。
「ルリルリの今のほっとした顔と、昨日のあの涙、んでさっきのアキトに飛びつい
たときの半べその顔を見たらこれ以上なんにもいえねぇよ」
鼻をすすりつつウリバタケが言う。
「ま、そういうことですな」
思えば、プロスペクター、ウリバタケ、ゴート、そろいもそろって浪花節な男達で
あった。
「そこで勝手に和んでないでくれよ、きっちり、異議あり組みもいるんだぜ」
「そうです」
アキト機の足元には、ス ハバル・リョウコ、メグミ・レイナード、エレナ・キン
ジョウ・ウォン、そして若干名のホウメイガールズの姿も見えた。
「おまえら、このルリルリの涙を見てもそんな事が言えるのか?」
ウリバタケが、各自の端末へ、昨日のルリの絶叫シーンを再生させた。
「ウリリン〜、それは逆効果だと思うなぁ」
反対側のキャットウオークから、ヒカルが割り込んできた。
「母性本能をくすぐろうと思ったんだがだめかぁ?」
「普段だったら、十分くすぐられたと思うけど、こういう状況だと効き目はないと
おもうなぁ」
「ああそう・・・いい手だと思ったんだがなぁ・・・」
「とにかく、ここは狭いから下へ降りましょう、テンカワ君の体がどうにかしてい
るとは思わないけど、一応検査したいし」
「わかりました」
キャットウォークから降り立ったアキトに女性陣が駆け寄ろうとしたとき
その前に立ちはだかる人影があった。
「アキトさんはボゾンジャンプをしたばかりで疲れています。
お話ならば私が聞きます」その影はルリだった。
りんと張りのある声で、エレナとメグミの前に立ちはだかった。
「あ、あんたみたいなマシンチャイルドに何がわかるって言うの!!」
エレナの口から思わず本音が飛び出す。
しかし、その誹謗に一歩も引かずルリは、エレナに向かって答える。
「わかります。
あたしわかります!! アキトさんの優柔不断かもしれないけど、とってもやさし
い気持ちそれが、私に向いてくれた事、ちゃんとわかります!!!!」
「い・・・いってくれるじゃねーか」
リョウコまでもが、ルリの大音声に顔をしかめる。
「それじゃあ、リョウコさんあなたに・・・いいえメグミさんにも、エレナさんに
も私からお聞きします。
今、テンカワさんに抱きしめられたいですか? 抱きしめたいですか?」
「それは・・・やっぱり」
「いくらアキトさんが非力に見えても」
「抱きしめられたいわよ」
「あたしも・・・」
「お、おれもだ・・・」
「私は・・・わたしは、今アキトさんを、抱きしめたいです。
とっても疲れたでしょう。
おかえりなさい。
ありがとう。
約束を守ってくれて・・・って。
これは・・・この私の気持ちは、なんだと思いますか」
「なんだって言われてもなぁ・・・」
その時、その女性陣にうしろからさらに声が掛かった。
「ルリちゃん、もういい」
全員の視線が第一種正装である純白の艦内服に身を包んだミスマルユリカに集まっ
た。
「艦長」「ユリカ・・・」
ユリカは、つかつかと、エレナとメグミの間を抜け、ルリの前で立ち止まった。
「ルリちゃん、ちょっとそこをどいてください」
「嫌です」
「これは、ナデシコ最高位の指揮統帥権を持つ艦長であるミスマルユリカとしての
命令です、どいてください」
「わたしは、抗命権を行使します」
「これは、そんなに理不尽な命令ではないと判断します抗命権は認めません。命令
違反は、重営倉入りです、それでもいいんですね?」
ユリカは畳み掛けるように言う。
「かまいません」
ルリもそれに負けじと、きっぱりとした口調で答える。
しかし、アキトがそれを止めた。
「ルリちゃん俺は、大丈夫だよ」
「本当に大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ」
そう答えたアキトへ再びつかつかとユリカが歩み寄る。
そしてアキトの一歩手前で直立不動の姿勢となり、アキトへ向かい、ナデシコに乗
って以来初めての命を発した。
「従軍コック兼、エステバリスパイロットテンカワアキト、A TENTION(きおつけっ)!!」
腹の底から響いたその声にアキトは慌てて直立不動の姿勢をとる。
「バイバイ、わたしのアキト」
そして・・・二人の唇が重ねられた。
その呟きは、アキトとルリの耳にしか届かなかった。
けれど、それは確かに、ユリカの少女時代との決別の言葉だった。
そしてユリカはルリへと歩み寄る。
アキトのときと同じように一歩手前で立ち止まる、そして、すうっと腰を落とし、
膝立ちになるとルリをその豊かな胸の中に抱きしめる。
「ルリちゃん、勝手なお願いでごめん、アキトをお願いね」
その声がやや鼻声だったのは、聞き違いではあるまい。
それが証拠に、ルリを抱きしめたユリカの体は、まるで鳴咽をこらえるかのようあ
に震えている。
ユリカの中ではいまだ葛藤があるのだろう、しかし、それを振り切るように言う。
「絶対ルリちゃんの方がしっかりしてるんだから。
それからさっきの抱きしめたい/抱きしめられたいっていうロジックは、間違って
るよ。
あのロジックは、アキトがどうしたいかを聞かないと本当は駄目なんじゃない?」
「ええ、艦長がいらしていたら、そうアキトさんに聞くつもりでした」
「そう、流石我がナデシコのメインオペレーターね」
「はい、ありがとうございます」
ルリとの抱擁を解くと、ユリカは、立ち上がりつつ振り返った。
その表情は、完全に吹っ切れたものになっている。
「メグちゃん、エレナさん、リョウコちゃん、残念だけどこの戦い、どうみても私
たちに勝ち目はないわ、それでもまだ続ける?」
「どうしてそんなにあっさり引き下がれるんですか!!」
メグミが鋭い声で、<裏切り者>をなじった。
「それわねメグちゃん、アキトが、抱きしめられたいって思っているたった一人の
女の子には、誰も勝てないからよ」
ユリカは、そういって、ルリへ向かって婉然とほほえんだのだった。
「・・・それが、いまや地球防衛軍極東方面司令付き参謀長か」
「艦長くらいは呼べば良かった?」
「まさかそれにたとえ呼んだとしても忙しくて来れなかっただろう、なにしろ、い
まだに地球は、木連と飽きもせずにやりあっているんだから、それよりあの時ユリカ
と何を話したんだ?」
「内緒です」「もう結婚したんだから教えてくれてもいいとおもうけどなぁ」
「内緒です」「そんなこと言わないでさぁ」
「内緒です」「ケチぃ」
「ケチでも内緒なんです・・・あ、そう言えば」
「なに」
「・・・わたしが、あなたの事、鬱陶しいって言った事、覚えてる?」
「あの時はね、そういう時期が来たのかって、ぼくは、逆に喜んだんだよ」
「え〜っ、ひどぉい」
「そうあれは、ナデシコを降りて、あの家に住みはじめてから4年くらい経った時
だったね」
5.比翼
「あれルリめかし込んで、どこか出かけるの?」
ここしばらく、ルリは、機嫌が悪いのか、自室にこもったきり食事時以外、アキト
とは、顔を合わせる事が無かった。
「デートです」
ルリはブルーのグラデーションのサマードレスに、長い髪を三つ編みにしおおきな
白い帽子を手にしている。
「デ・・・デート、誰と?」
「ア・・・アキトには、関係ないでしょ」
「・・・んんああ・・・まあそうだな・・・」
「・・・ばか」と小さく寂しげにつぶやいたルリの声は、アキトに聞こえたのかど
うかは定かでなかった、しかし「・・・ふん!」という振り切るように踵を玄関へ向
けて駆け出したルリの背中を見つめるアキトの目が、酷く優しげな色をしていること
もルリは知らなかったのだ。
いつのまにか、外は雨になっていた。
「傘持っていったのかな・・・」
時雨なのだろう、しかしそう思ったらアキトは、いつもの習性でルリを迎えに出て
いた。
そして、びしょ濡れになった、ルリが家への長い坂をとぼとぼと上ってくるのと道
半ばで出会った。
「ルリ、びしょびしょで、どうしたの」
「・・途中で帰ってきちゃった、だって・・・ベッドに、入ってから・・・ううん、
合ってから、ずっとわたしその子と、あなたを比べていたんだもの、でねそれがばれ
ちゃって、喧嘩になっちゃって・・・」
そこまで言ったとき、ルリがアキトに抱き付き、しゃくりあげ始めた。
「ルリ体が冷えてるよ、さあ帰ろう」
それには、何も言わず、アキトは、ルリを抱えるように坂を登りはじめた。
「ほら、着てる物脱いでシャワー浴びといで」
「アキトも一緒に浴びちゃおうよ」
ぽたぽたと髪からしずくを滴らせつつ、久しぶりの笑顔を見せてルリが言う。
「わかった、一緒に入るよ」
「で、相手は、どんな子だったの」
熱いシャワーに二人で抱き合いながら身を浸しつつ、アキトが聞いた。
「・・・あのね、MITに行っている子だったんだ。
Vネットのチャットで知り合って、こっちに教授のお供で来るからって言うんで合
う約束したの。
話しはね、だから聞いているととても面白かったの、聞いている間はね。
でも、私の話しなんて全然興味示してくれなくて、自分の事を一方的にまくしたて
るだけ、いろんな所へ連れていっても、全然、なんにもリアクションしてくれないか
ら、逆にこっちを向かせてやろうなんて思って、ホテルへはいったの。
結局自分だけが良ければ良いってタイプだったみたいで、途中で<白けた>って言
った途端に、馬鹿みたいに怒り出したから、逃げてきちゃった」
「・・・そうか、惜しかったな」
「惜しくなんかないわ、わたしに人を見る目が無かっただけだもの」
「おいおいそうしたら、ぼくは、なんなんだい?」
「アキトは、あたしの<保護者>でしょ・・・」
「そんなことないよ、保護者がこんな風に、一緒にシャワー浴びないだろう」
「ごまかしても駄目!!・・・だってもうずっとそういう風にしか構ってくれてな
い・・・ひどいよ、そんなのあたしは、ずっとアキトのこと恋人だって思っていたの
に、そういう風に構ってくれない、まるで父親みたいに鬱陶しいこと言って、わたし
そんな馬鹿に見えるの? まだあたしはアキトにふさわしい娘になっていないの?
あたしどうしたら良いのか判んない!!!」
「ルリ・・・ぼくは・・・」
「聞きたくない!」
「聞くんだ!!」
「・・・ルリ、ぼくは君の恋人と同時に、思春期に必要な「父親」としての役割も
自らに課してきた、君がきちんとした大人の女性になれるように、イネスさんとプロ
スさんに、助言をもらいながらね」
「・・・そんなの、あたしに必要無いもん!!」
「ううん、必要だったんだよ。
ぼくの中に、<男性>と<父性>を見つけて、それに惹かれつつ、それを否定して、
別の男性を求めだじゃないか、それが通過儀礼だったんだよ」
「だって・・・そしたら、そんなことしたら、わたしその人のこと本当に好きにな
っちゃったかもしれないじゃない!! どうしてそんなことしたの!!」
「ぼくが君の事を好きだからだよ」
「判んない!そんなの解らないよ!!」
「そうやって、感情を表に出せるのはどうしてだい? 昔のナデシコに乗っていた
ぼくと初めて合った頃のルリは、あまり感情を表には出さなかったよね?」
「え? ・・・」
「ルリなら、ここまで言えば、もう判ってくれるよね?」
「・・・だって、だって、それじゃあ、アキトは、アキトが」
「ぼくは、ぼくの気持ちに自信があったから、世界で一番ルリのことが好きだって
いう、それに約束しただろう、絶対に離れないって」
「ばか、アキトのばか!」
「はいはい、ルリと比べたら、ぼくはとってもおばかです」
「・・・ねえ」
「なに」
「キスして、これからは、ずっと恋人で居てくれるっていう約束のキス」
「・・・いいけど・・・ここのところ、ずっと父親が長かったから、恋人は初心者
に戻ってるかもしれないぜ」
「それなら・・・それなら、また・・・また、はじめからあなたと恋ができるわ」
「ねえ、あのとき本当に、あたしが別の恋人を作ったらどうしていた?」
「・・・聞かぬが華って言葉、ルリは知っているだろ?」
「ぷっ・・・それもそうね、今はこうして二人で居るんだものね」
「そうさ、それも、どれも、全部、ぼくが見てきた・・あのとき約束したときから
ずっと二人で一緒に生きてきた、ぼくの中のきみの思い出だよ」
「アキトさん・・・」
「なんだいルリ」
「・・・ありがとう」
「どういたしまして」
<そして、これからもずっとぼくと君の心の中に、君と二人の思い出が降り積もっ
て行くんだ>
そして数年後・・・。
今日は、木連との講和条約発効1周年の記念日であり全太陽系が休日となっている。
その記念式典に極東方面軍参謀長に若くして抜擢された、アオイユリカが出席する
と聞いて、旧交を暖めるために、横須賀の宇宙軍工廠へ出かける所だった。
「あらあら、キサラったら、もうお出かけの用意ができたの」
「うん、でいたのぉ」
「まだ、できてないのは、君だけだよルリ」
「あたしは、この格好で良いのよ」
「それなら、なにをしているんだ? 僕たちは」
「うふふ、そうね、行きましょうか、さあキサラいらっしゃい」
木漏れ日の中を三人は、ゆっくりと歩きだした。
機動戦艦ナデシコ
ルリとアキト完結編 「比翼」
〜an engagement〜
THE END
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「a Pout The RURI」
その日、ナデシコは1つの災難に襲われていた。
その時の状況を、通りすがりに、ちょっと聞いてみた。
「ああ、あれかい、そりゃあもうひでえもんだったぜ。トイレに吸い込まれる奴は居るわ。
エレベーターに閉じ込められる奴は居るわ・・・そんな間抜けは艦長だけだったみてえだけどな。
艦のデッキごとの慣性重力制御は、おざなりになってデッキが変われば重くなったり軽くなったり、その上航路変更のたび
にあっちこっちと振り回されるわ。
もっとも、それで怪我した奴は、不思議といなかったけどなぁ。
ま、それもいまとなっちゃあ、日常のアクセントってなもんかねぇ」
匿名の整備主任、U氏は、その日をそう振り返り、肩を竦めつつ去っていった。
「ううん、まああれだねぇ夫婦の機微ってやつじゃないかい。
無闇に巻き込まれたほうは、たまったもんじゃないけどね、あははははっ。
そうそう、誰もそのことで怒っている奴は居ないようだよ、あの子が、たまにこんないたずらするなら仕方が無いってところ
かもしれないねぇ。
え? 被害・・・そうだね、うちじゃあメインのTVのリモコンが効かなくなったくらいかねぇ」
お皿を磨きながら匿名のH料理長は、そういって、磨きあがった皿を棚へ戻すため厨房の奥へ消えていった。
「説明しましょ」
どぅわぁぁぁぁぁぁっ、び、びっくりしたあ、謎の天才科学者Iちゃんこと暴走説明お姉さんI女史が突然目の前に、十八番の
科白と共に、ぬうっと現われたのだ。
「といっても、睡眠中の脳内の様子については、IFSのレコーダーでも使わないと解らないから、説明できる事はないわね、
それじゃ」
おいおい、それならなんで出てきたんだこの人は。
ああ、スタスタという擬音を自分で背負って向うへ歩いていってしまった。
ああやって彼女は、説明できる状況を、ひなが一日探して艦内をさすらっているのだろうか? それこそ説明して欲しいも
のである。
「だぁかぁらぁ、あれは、私が悪いんじゃないって言ってるのにぃ・・・。
みんなユ(ピー)カのせいにするのね。
いくら(ピー)リカがナデシコの艦長さんだからって乗組員の寝言にまで、責任持てません!
・・・そりゃあ、ちょっとは、嬉しかったけど・・・。
でも、わたしのせいじゃありません! もうユリ(ピー)プンプンです」
匿名のM艦長は、そうまくしたてると、肩を怒らせて艦長室へ引きこもってしまった。
別に、艦長が悪いとは一言も言っていなのだが・・・、相変わらず思い込みで行動する人である。
「ま、そうですなぁ。
別段、経済的な被害が発生したわけでは有りませんし、たまには、良いんじゃ有りませんか、たったひと言で戦艦を混乱さ
せられる存在というのもなかなか見つかるもんじゃあ有りませんしね、はははは」
そう私の質問に、渇いた笑いで答えると謎の財務、労務管理のエキスパート、P氏は、お得意の妙な電卓を手に、書類とに
らめっこを始めてしまった。
「・・・ああ、またウリバタケさんの所は、使途不明金がある、艦長からはミサイルのストックの増加についてですか、ホウメ
イ・・・」
「ぼくには聞いてくれないんだね。ぼく一応、副長なんだけどな・・・」
『自称』副長の匿名のA氏は、膝を抱えて床に之の字を、書き始めてしまった。
これでは、その日の状況を聞きたくても聞けないではないか。
彼には、その日の状態をより詳しく聞こうと思っていただけに、この事態は、大変残念だと言わなくては、ならないだろう。
「本当に? 聞いてくれるの? もう、いくらでも詳しく答えるよ」
あ、復活した「嘘です」
「酷いや、僕だってナデシコの幹部なんだぞ・・・」
ああ、ついに拗ねてしまった・・・。
そう、この彼の行動に、その日の ナデシコの
災難の原因の鍵が隠されていたとは この時には、思いもしなかったのである。
「ルリルリ? ・・・ねえルリルリ。
なんか今日変だよなにかあったの?」
ハルカミナトがさすがに、メインオペレータが艦内を混乱させていると言う事に気が付き、IFSを操る少女へ、歩み寄ると、
腰を落とし少女と視線の高さを合わせつつ、そう声をかけた。
「なんでもありません」
取りつく島がない、という状況とは、こういうことを言うのだろう。
にべも無い、否定の言葉が帰ってきた。
「ルリルリ、なんでも無いわけないでしょ、今朝からずっと思兼も困っているんじゃないの?
・・・アキト君となにかあったのね?」
ハルカは、口調を和らげ、再度、閉じてしまっている少女の感情の扉を叩いてみた。
「・・・ごめんなさいミナトさん。言いたくありません」
<図星かぁ・・・この二人でも喧嘩なんてするのね>
心の中で、妙な事に感心しつつミナトが言う。
「もう、アキト君もしょうがないな、こんな可愛い子を怒らしちゃうなんて」
ミナトは、ルリの頭を抱きしめつつ言う。
「・・・あの、違うんです。多分アキトさん悪くないんです」
「でも、原因はアキト君なんでしょ?」
「はい」
「ん? ん?! ん〜? なぁんか要領を得ないわねぇ・・・艦長ぉ!」
「はぁ〜いなんですかミナトさん?」
閉じ込められていたエレベーターから、ようやく自力で脱出してきたらしいユリカが、キャプテン・デッキから身を乗り出す。
髪は、乱れ、マントにはあちこち綿埃がくっついている。
「わたし、ちょっとルリルリとお話してくるね」
「解りました。 エリナさん呼びますか?」
「別に、航法は、自動になっているし、敵でも来ない限り大丈夫だと思うわよ」
「そうですね、じゃあ行ってらっしゃい」
「はぁい、いってきまぁす」
二人が、ブリッヂから姿を消すと、思兼によって『ハルカミナト、ホシノルリ、ブリッヂ退室』というウインドウがユリカの目の
前に数秒間表示された。
「はぁい、熱い紅茶だよルリルリ、気を付けてね」
ホウメイに、取って置きのお茶を入れてもらったミナトが、ルリが座る食堂の一番奥の席へ戻ってきた。
「あ、ありがとうございます」
それを受け取りながらルリは、礼を言う。
「ちょっと、リキュール垂らしてもらったから飲んだら落ち着くと思うよ」
たしかにルリが一口飲むと、口の中にほのかにフルーティーな香が広がり、そして喉を伝うそれは熱く、炎が駆け下って行
くような感覚を伝えてきた。
「ふぅ・・・」と思わすため息が漏れる。
そうして、無言の時間が過ぎてゆき、ルリが両手で抱えるように手にしたカップの残りが、ほとんど無くなった時、はじめてミ
ナトは、ルリヘたずねた。
「で、どうしたの、ルリルリ、思兼だってルリルリのこと心配してると思うよ、どうしちゃったんだろうって」
「はい・・・こめんなさい」
「あ、ルリルリこれはね、ルリルリを別に責めてるわけじゃないの。
アキト君とルリルリ二人の事をね、ナデシコのみんなが考えてるから、力になれないかもしれないけど相談して欲しいなって
思ってるんだよ」
そのミナトの言葉に、ルリはポツリポツリと、語り始めた。
「・・・あの、悪いのは私なんです。
夕べ、いいえ今朝、私が先に目が覚めてしまって、それでアキトさんの寝顔を眺めていたんです」
「・・・うわぁ、ルリルリ大人ぁ」
ハルカが合いの手を入れる。
「いえ・・・その・・・」
その言葉に、ルリは、頬をほんのりと朱に染め続ける。
「・・・本当は、動くに動けなかったというのも有るんです。
気が付いたらわたしが抱き枕状態で、こう完全にアキトさんの胸の中に抱えられてしまっていて顔にかかるアキトさんの寝
息が、とってもくすぐったくて・・・でも体に、まわされている手の重さが、とっても重いんですけど・・・。
とっても心地よくて、もう少し近づいたらアキトさんの鼓動が聞こえるかなぁとか思ったりしてたんです。
その時なんです。
アキトさんたら酷いんです。
寝言で「ユリカ」なんて言うんです。
その上、あたしのこと「ユリカ」って呼びながら抱きしめるんです。
私、頭に来ちゃってそのまま自分の部屋へ帰ってきちゃいました」
「解った。
それでルリルリ拗ねてたんだ、うふふ」
「いえ、怒っているんです」
「ちがう、ちがう。
怒ってなんかないと思うよ、怒ってたら「アキトさんは、悪くない」なぁんて言わないもの」
「でも・・・」
「あとは、少し悔しくて、少し艦長がうらやましいのかなぁ。
アキト君と、子供のころ一緒だった艦長の事が。
だから「どうしてっ!」ってルリルリの心は、拗ねちゃってる。・・・でもね」
「解ってます。
私のこの感情は、アキトさんや艦長にとっては、理不尽な感情です。
でも・・・でも・・・」
「でも、そうだね。
判っていてもアキト君の全部が欲しいんだよね。
アキト君に全部奪って欲しい。
いつもアキト君見ていたいし、どんなときも、ルリルリを見てて欲しいんだよね。
全部アキトさんの色に染め上げて欲しいし、全部ルリルリの色に染め上がって欲しい。
そばに居るだけで、切なくて、鼻の奥がツンと痛くなって、抱き付きたくて、抱きしめられたくて、キスをしたくて、キスをされ
たい」
ミナトの言葉に、ルリは頬を朱に染め、うなづく。
自分の気持ち、心がまるでミナトの手の中にあるようなそんな感覚に、ルリは不思議な浮遊感を覚える。
「うん! ルリルリは、良い恋をしてる。
素敵な恋をしている。
いいなぁあたしもそんな素敵な恋がしたい。
うらやましいぞルリルリッ」
そういうと、ミナトは、ルリの額をちょんと軽く小突いた。
「じゃあ、ブリッヂへ戻ろうか」
「え゛でも・・・お説教とかしないんですか?」
「だって、ルリルリは、ルリルリがしていたことが悪い事だったって解っているんでしょ?」
「はい・・・」
「だったらね、その上に輪をかけて怒っても、それは良い事じゃないもの。
例えばね、変な事でルリルリが悩んでいたり、悲しんでいたんだったら、いろいろ言う事はできる、けど、そうじゃない。
本当に普通の女の子の健全な反応なんだものわたし安心しちゃった。
・・・だから」
「だから?」
「今度そんな事が有ったら、その場でアキト君たたき起こしてどうしてわたしの名前を呼ばないのっ!! って怒っちゃうと
らくだよ。
アキト君だってルリルリの夢を見たほうが幸せだよ」
「・・・はい!」
「うん、いい返事だね」
ミナトは、食堂を出るときに、ホウメイへウインクをして見せた。
それにたいして、ホウメイも、親指を立てて見せる。
こうして、ブリッヂへ戻ってきた二人に、ユリカは、気になって仕方が無かったらしく、思兼による「入室」のウインドウを押し
のけ、声をかけた。
「ねえミナトさん、ルリちゃんどうしたんですか?」
「んふふふ・・・艦長のせいで、ルリちゃん拗ねちゃってたんですよ」
「わ、私のせいなんですか?」
「そうよぉ、ねルリルリ」
「いえ・・・あ、はい! そうです」
「ええ、私、ルリちゃんになんかしちゃいましたかぁ?」
「いいから、艦長、謝っちゃいなさい」
「あ、はい、ルリちゃんごめんなさい」
ペコリ、と頭を下げる。
「ルリルリっこれで、ご機嫌なおしてね」
「はい!」
「ね〜本当に、あたしのなにが悪かったのぉ、ルリちゃんも、ミナトさんも、二人で納得してないでぇおしえてくださぁい」
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「a Pout The RURI」
Fin
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「ある朝の光景」
朝です。
おはようございます。ホシノルリです。
と、いってもわたしもまだ寝ています。
寝ている場所はアキトさんの布団の中です。でも隣にはアキトさんいません。
別にこの前の様に「寝言」で喧嘩して追い出してしまったわけではありません。
アキトさんは、夜直・・・エステバリスのスクランブル要員として今ブリッヂに上がっています。
この週に一度の当番がアキトさん苦手の様です。
睡眠パ夕一ンを乱されてしまうからだと思います。
けど私もどうして、夜直があるのかいまいち判りません。
多分、軍隊って言うところは、そういう無駄を平気でする所なのでしょう。
ディストーションフィールドと思兼がいれば自動邀撃で十分対処できるはずなのに、ほぉんと・・・。
もっともジュンさんに言わせるとナデシコは戦闘航海中だから、スクランブル要員は危機管理を考えると1人ではなく2人は
欲しい所なのだそうで、ネルガルの規定はのんきすぎるのだそうです。
でも、逆にプ口スペク夕一さんからすると、軍の方が無駄がおおすぎで手間のわりにはパフォーマンスが、上がらない人手
にたよりきったシステムなのだそうです。
あ、話がずれてしまいました。そう夜直の話です。
そんなわけで今私は、アキトさんのお布団に包まってぬくぬくと惰眠を貪っている真っ最中というわけです。
本日ホシノルリの業務はお休みです。
私も、夜直をこなしているので、代休を取らないといけません。
アキトさんに合わせて、代休を頂いています。
どうして自分の部屋で寝ないのかと言えば、どうせ、一人で自分の部屋に居ても、考えるのはアキトさんのことばかりだし。
一人で胸を痛めるのなら、せめてアキトのさんの香りに包まれていたいと思ったからなのでした。
一人でアキトさんの事を思うと、とても胸が痛むから。
鼻の奥がツンと痛くなるから・・・。
一人は慣れていたはずなのに、いままでだって
・・・これからだって
・・・一人できっと大丈夫だと思っていたのに。
何処に居ても回りと違う私は、ずっと一人ぼっちだった。
でも私の心にとっては、それは当たり前だった。
だから一人でも大丈夫、と私は強い振りが出来た。
ずっと満たされた事の無い心が満たされたとき、はじめて「満たされない」という状態を知り、感じる事が出来る。
はじめから満たされた事のない心は、満たされない事の苦痛を感じる事はない。
なぜならば、それが「普通」の状態であるからだ。
満たされない辛さが、その心の主にとって普通の状態であるならば、それが苦痛だとどうして気が付く事ができるだろう。ど
うして、それが悲しい事だと、寂しい事だと知る事ができるだろう・・・というのは、誰の言葉だったろうか。
そう、寂しさも、悲しさも、私の中にそれは常に存在して、私と共にあったのに、その感情が何かを本当に知ることがなかっ
たわたしは、それを感じていないと錯覚し、強い振りが出来た。してくる事が出来た。
悲しくなんかない、さびしくなんかない、そう言う事が出来た。
ほんとに、子供だった。
・・・だけど。
・・・だけどわたしの心がすべて「テンカワアキト」という存在に満たされたとき。
私は、はじめて自分が満たされていなかったことに気がついてしまった。
自分の中に覆い隠されていた、寂しさにも、悲しさにも気がついてしまった。
自分の弱さ、脆さに、気づいてしまった・・・。
そして、自分が単なる普通の女の子だったことにも・・・。
だから今は、もう、ずっと、ずっとあなたに、包まれていたい。
抱きしめられていたい。
あなたをずっと抱きしめていたい。
一日中でも、そうしていたい・・・。
強く、痛いほどに、その胸の下に組み敷かれ、愛されたい。そして愛したい!
こんな、こんなにも、強い感情が自分の内に存在していたなんて、知らなかった。
自分が、自分の心が、寂しさと悲しさに、あれほど包まれていたなんて、知らなかった。
だから、わたしは、あなたの側にずっといます。
ずっと離れないでいてください。
二人で、同じ道を歩いて・・・
だから、私は、今、アキトさんの香りに包まれて眠っています。
二人が夕べ愛し合ったのと同じ布団の中で・・・。
「アキトさん、今夜、夜直、ですよね?」
「うん、10時から・・・まだ4時間あるし、少し寝とこうかな・・・」
「・・・あの、それなら、抱き枕、要りませんか?」
「抱き枕?」
私の言葉に意外そうな口調のアキトさん、そんなものが何処にあるんだ? という表情で私を見つめてる。
私は、微笑むと、私自身を指差す。
「ルリちゃん?」
「はい、アキトさん専用の抱き枕です」
私のその言葉に破顔すると、意地悪そうに言います。
「抱き枕は、何をされても黙ってないと駄目だよ」
私は、その表情と言葉の内容に少し脅えてしまう。
「・・・痛くは・・・しないでください」
「ぷっ・・・大丈夫、いつもより念入りに愛してあげる」
そういってアキトさんは、私を胸の中に抱きしめてくれた。
あたしは、アキトさんの腕の中に抱きすくめられて、唇をふさがれる。
スーパーミントの味のキス。あたしの味は、多分、ストロペリー。さっきミナトさんにキャンディーのお裾分けを頂いたの。
舌がからめとられ、軽く噛まれ、そして強く吸われる。
アキトさんの舌が、私の口の中をくすぐる。
だめ、上顎はくすぐしたら、だめ。だめぇ・・・ほんとうにくすぐったいから。
あたしは、アキトさんの舌を避けるようにアキトさんの上顎もくすぐる。
でも、直ぐに、アキトさんは、あたしの舌を動けないように強く吸ってくる。
ずるい。
でも、上顎をくすぐられるのは、くすぐったいけど本当は嫌いじゃない。
ただ恥ずかしいほど、体がそれに反応してしまうから・・・。
くすぐされる度に、体がヒクヒクと震えてしまい。
ショーツに包まれた部分がはしたなく湿ってしまう。
もう少し夢中になれるまでわたしの中の恥ずかしさの抵抗をがまんしなくてはいけない。
こうして、キスに夢中になっていると、私は、いつのまにかアキトさんの布団の中に寝かされていた。
もう、私は、アキトさんの仮眠にお付き合いするつもりでパジャマ姿で髪も下ろしている。
だから、上着のボタンはあっという間に外されてはだけられてしまい。
スボンは、絹のシュミーズのお陰で抵抗なくするりと脱がされてしまった。
アキトさんの手が、胸に置かれる。
熱い、大きなメイプルリーフの形に胸が熱くなる。
まだほんの少し膨らんだだけのそこの天辺は、ツンと天井を向いて固く成っている。
もう、どうしてこんなにHになってしまったんだろう。
だけど、もう少しすればそんなこと考えなくなれる。
ゆっくりとうごくアキトさんの手に焦らされ、そこはますます固くなって行く。
「あれ、もうルリちゃんこんなに固くなってる」
「だって・・・アキトさんが、固くしたんだもん」
思わずそんな事を口にしてしまう。
「じゃあ、これは、俺の物だね」
「は・・・はい・・・」
そういうと、シュミーズをたくし上げ、そこへキス。
まだ、私にはそこは、くすぐったいだけ。
だけど、天辺の固くなっているところは、舌でつつかれると、ジーンと痺れるように心地良い。
そこへのキスに慣れてくると、いつのまにか、アキトさんの手は、もうショーツの上から、わたしの女の子の部分をそっと押
し包んでいた。
手首がおへその下へ置かれると、自然にアキトさんの手は「私」を包み込めてしまう。
そして、指が、私の割れている所をゆっくりとさすり始める。
ショーツの上からでも、私が濡らしてしまっているのは判ってしまっただろう。
優しい瞳を私は見つめていられなくて、目を瞑り顔だけ横を向いてしまう。
「ルリちゃん」
だけど、そう言われて、目を開くとアキトさんの顔が目の前。
なにを望んでいるのかは、解ったから、少し上を向くと、目を閉じる。
唇に、唇が重なる。
アキトさんの指は、ショーツをそこへ食い込ませように動き、
薄い素材は、もうそこを覆い隠している意味を持ってないほどわたしのそこの形を
浮き立たせているだろう。
その指が、私のクリトリスを探し当てる。
そして、ショーツの上から、二本の指で、そこをねじられた。
「ふぁあああっっ!!」
思わず唇を離して声を上げてしまった。
「ルリちゃん、ここに触られるだけで、そんなに気持ち良くなれる様になったの?」
「だって・・・アキトさんだからだもん」
他の人に触られたら、きっとこんなに気持ち良くない。気持ち悪いだけだろう。
「じゃあ、ここも僕の物?」
「だって、今夜ルリは、アキトさんの抱き枕です」
「じゃあ、食べちゃって良いかい?」
一番恥ずかしい事を、そんな風に言われると、私だって嫌だって言えない。
そこに顔を埋められ、吸われ、舐られ、時にはそっと噛まれる。
もう「私」は、そのことへの期待に、ジンジンと痺れ始めていた。
「は・・・はい、アキトさん、食べてください」
アキトさんは、ショーツを取り去ると、膝の裏に手を添え、大きく私を開く。
アキトさんの目の前には、恥ずかしく吐液してしまっている「私」が覆い隠すものもなく晒されている。
アキトさんの呼気が、そこに当たるたびに、冷んやりと改めて自分が濡れているのを感じる。
だけど、そこは、熱くなっていて、自分の体の奥から、泉が湧き出ているのが感じられる。
まだ、アキトさんは、じっと見ている。
あっ・・・
見られていると思うだけで、私のそこは、はしたなく、ヒクついてしまう。
いや・・・早く、そこにアキトさんの唇が、舌が触れて欲しい。
でも、まだ、触れてくれない。
「アキトさん、早く・・・早く・・・」
私は、耐えられなくなって、はしたないお願いをついにしてしまう。
「どうして欲しいの?」
恥ずかしい4文字の言葉を使い、きちんとお願いしないと、アキトさんは、いつまでもしてくれない。
そう思うだけで、私のそこは、さらに液を溢れさせ、溢れた熱い液は、お尻へ向かい一筋、ながれ下り始めてしまう。
その微かな刺激に、私は、ブルブルと体を震わせ、屈服の証を口にした。
「・・・私のおまんこを、アキトさんに食べて欲しいです」
「ルリの可愛いおまんこを、俺に、舐めて、しゃぶって、よぉく味わって、ルリを気持ち良くして欲しいんだね?」
「はい、ルリを気持ちよくしてください」
もう、私は、そこへ刺激をもらうこと以外に考えられない。
そして、アキトさんの舌が、そこへ埋め込まれてきた。
「ふぁああああああっっっ・・・・」
何度、頂点へ押し上げられたのか解らない。
その度に、アキトさんは「いく時のルリ、とっても可愛いよ」と言われ、私は安心してアキトさんに体を預ける。
「ルリ、良いかい?」
そして、アキトさんのものを迎え入れる。
聞かなくても、私が拒絶する事なんて絶対に無い。
無理矢理、押し倒され体を開かされても。
例え、そこが濡れていなく、私に苦痛が襲い掛かってきても、多分、私はアキトさんなら迎え入れてしまう。
だから、答えは決まっているのだ。
「はい」と。
体の一番奥に、狂おしいほど愛しい人を、包み込み、迎え入れるというということが、こんなに心を満たし、やさしくなれる事
だということは、多分男の人には分からないだろう。
どうして、こんなに恥ずかしい行為を我慢できるのか、それが私の答えになる。
組み敷かれ、突き上げられ、声を上げる。
そして、アキトさんと、私は、一緒に頂点へ達した。
「はぁ、はぁ、はあ、はあ・・・」
男の人の、それがどれだけ疲れるのかわからないけど、全てを私の中に放って、私の上に突っ伏したいだろうアキトさん
は、それでも、腕をつっぱり、私に負担をかけないで居てくれる。
そして、私が余韻から、戻ってくるまで、そのままで居てくれるのだ。
私の中で、アキトさんの物が小さくなってゆき、するりと抜け落ちる。
それが、余韻から私を現実に引き戻す。
「ルリ」
そうして再び、見詰め合い、唇を合わせ、ようやくアキトさんは、私の隣へ沈み込んだ。
「寝られませんでしたね」「まだ2時間半あるよ」
アキトさんは、そういうと、そのまま眠ってしまった。
2時間、私はアキトさんの腕の中で、うとうとしていた。
『ルリルリ、2時間たったよ』
思兼にタイマーをお願いしてあったので、寝過ごしてしまう事はない。
アキトさんを、起こして、シャワーを一緒に浴びる。
狭いシャワールームで二人で入る。
こうして定刻の5分前には、アキトさんは、ブリッジへ上がって行ったのだ。
私は、そのまま、パジャマを着たら、アキトさんの香りと温もりの残る布団に潜り込んでしまった。
なんて、思っていたら、アキトさん帰ってきました。
「ただいまっ」
でも私はねているのでコロンと横を向くだけです。
「ルリ、良く寝てるなぁ・・・ふあああっ・・・オレも寝よ」
そういうと寝ている私の横ヘもぐりこんで・・・
「あっあっ・・・やん・・・」
「抱き枕は、嫌がらない」
「だって、アキトさんいきなり触るんだもん」
「それは.ルリが、こんなかわいいおしりしてるからだよ〜、ついさわりたくなっちゃうんだよね」
「駄目です、アキトさんは、ちゃんと寝てください」
「良いじゃぁん、少しだけ、触るだけ、ルリの香りを嗅ぎたいだけだよ」
「もう、ずるい! そんなこと言われたら駄目だって、いえなくなっちゃいます」
「じゃあ、触っていいんだ」
「駄目って言っても、触りたいんですよね?」
「本気で嫌なら、止めるよ」
「もう、ばか」
本気で嫌なわけがあるわけない・・・。
こうして、アキトさんと私が本当に就寝したのは、それから一時間半後のことでした。
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「ある朝の光景」
Fin
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編 +ユリカと意地悪アキト編(^^;
「ナデシコの怪談」
「怪談?」
何も無い単なる移動の為の航海に無聊をかこっていたナデシコ艦長、ミスマルユリカが、突拍子もない事を言い出した。
「そうです! 夏と言えば怪談です」
「この科学万能の時代に、怪談?!」
スバルリョーコにオーバーホールをしたばかりの彼女のエステバリスの調子を聞きに来ていたウリバタケセイヤが、怪訝そ
うな声を上げる。
「良いんじゃないの、別に百物語をしようってわけじゃないんだし」
ハルカミナトがいう。
「そりゃあ、そういゃあ、そうだがなぁ」
ところが、なぜかプロスペクター氏が乗り気になってしまった。
「良いですな、夏に怪談、スイカにかき氷、ここは一つ浴衣で、自慢の怪談を披露するということで、今月のイベントは決ま
りですな。
応募は明後日まで開催は、今度の日曜日、ということでいかがでしょう艦長」
「さすがプロスさん、即断即決〜ぅ」
もちろん言い出しっぺのユリカに異存があるわけが無い。
「ということで、我こそは最恐の怪談の語り部なりと思われる方は、ぜひ夏の夜を涼しくしてくださ〜い」
ナデシコリクリエーション広報部からのお知らせでした。
ということで、こんな放送が、10時と3時の休みに流れているのである。
しかし、ここに一人、怪談をあまり好きではない少女が居た。
「あれ、ルリちゃんなんか、浮かない顔してるね」
ブリッヂ下の自販機コーナーで、二人でお茶をしていたアキトは、ルリの表情があまり良くないことに気が付いた。
「そんな事ないです、すこしつかれているだけですから」
回りで同じようにお茶を飲んでいるブリッヂ要員達へ視線を走らせるとそう応える。
しかし、その表情に「後で話します」というサインを読み取ったアキトは就業時間が終わると同時にルリの部屋を訪ねた。
「ルリちゃん、どうしたの?」
「あの、お願いです、笑わないで下さい」
「えっと、そう言われても・・・突然なんの話なんだか・・・」
「とにかく私の話を聞いても、笑わないで下さい」
「う、うん、笑わないよ」
「ありがとうございます」
ぴょこんと頭を下げるとルリは、アキトにベッドに座るよう身振りで示す。
「で、どうしたの?」
ルリの隣へ座りながら問う
「あの・・・私・・・怪談苦手なんです」
「へ?」
その言葉が理解できなかったのか、間抜けな声がアキトの口から漏れる。
「だから・・・その・・・私・・・恐い話駄目なんです」
「ぷっ・・」
「あ、笑いましたね、約束したのに、酷いです。
私、本当に恐いんです」
ルリのその泣きそうな表情にアキトは、真顔に戻って言った。
「ごめんごめん俺も子供の頃、TVの心霊特集なんてやるときには、布団被ってみてた覚えが有るよ」
「だけど・・・こんな科学万能な時代に幽霊や霊魂なんてナンセンスです」
「まぁ、ほとんどは作り話だろうけどね、だけど恐いものは恐いんだよね、あのぞくぞくするのが恐い物見たさの好奇心を刺
激するんだろうなぁ」
「それは解ります、解るんですが・・・」
「ふふふ、そんなに恐かったら俺がルリちゃんの事、
不思議体験アンビリーバボーに死後の世界を見た、恐怖の心霊大特集夏だスイカだかき氷だついでに幽霊もだ、どうだ、
みんなで涼しくなろうよ。大会の間中、膝の上にだっこしててあげるよ。
背中がなにかにくっついてると、妙に安心するんだよな、なぜかわかんないけど
こんな風にさ」
というと、隣のルリをひょい!と持ち上げ、自分の膝の上に抱き上げ、そして抱きしめる。
「ありがとうございます、アキトさん大好き・・・あ、駄目です私まだ、シャワー浴びてません・・・」
抱きしめたまま、アキトは、ルリのうなじに唇を押し当てたのだ。
「いいの、ルリちゃんのほのかな汗に香り、俺好きだもの」
「でも恥ずかしい・・・」
「恥ずかしいのは、ここを、もうこんなにしているからじゃないの?」
アキトの指は、ほんの数週間前に付けていた物から比べると、布の面積が半分程しかないと思われるショーツの上から、
ルリの可愛い縦割れをなぞり上げる。
そこは、やはり、湿り気を帯びていた。
「違う・・・そんなの、アキトさんなら平気だもの・・・」
本当は、そんな事を言われたら、恥ずかしくてたまらないが、ルリは、強がりを言う。
「じゃあ、汗も気にしなくて、いいよ」
「だ・・め・・・」
「大丈夫さ、もっと汗かいちゃうんだから」
アキトは、ショーツの上から、ルリの小さな肉芽をあっという間に探し当てると、二本の指で摘まみ上げ、そこをショーツの
布の上から、コリコリと音がするほどに揉み込んだ。
「ふぁあああっあっっっ、いゃ・・・だめ、ためです。そんなにしたら、わたし・・・直ぐに・・・あっああっっっ・・・」
ショーツに大きく染みが描き出され、ヒクヒクとルリの小さな割れ目が震える。
だが、アキトは、ルリの肉芽への刺激を止める気配はない。
そして小さな肉芽から、送り込まれてくる峻烈な快感にルリの抵抗する気持ちは、だんだんと小さくしぼんでいってしまう。
「・・・アキトさん、ずるい」
呼吸すら乱す、体を駆け抜けて行く峻烈な快感に、ルリは、おとがいを振り上げ、アキトへ向かい最後の抗議の声を上げ
る。
「そうだよ、俺は、ずるいよルリ」
アキトは、荒い呼吸を繰り返している小さな唇へ己の唇を重ねる。
アキトの舌が、ルリの小さな舌を絡め取ったとき、ルリのからだが小さく痙攣し、背筋が反り返った。
ルリが最初のアクメを迎えたのだ。
そしてルリの口から、あらがいの言葉が出なくなるまでアキトは、ルリの小さな肉芽を離さなかった。
そして当日・・・・
「そのスタジオは、大きなビルの地下に有ってなんだかいい雰囲気じゃないなぁと思ったんです。
でも、お仕事だし他の声優さんも一緒だから特に気にしてはいなかったんです
でも、スケジュールの都合で、私一人でアフレコしなくちゃいけなくなった回があってその時、途中の・・・。
「○○さん好きでした、さようなら」っていう台詞にどうしてもOKが出ないんです。
30回もリテイクが出て流石に私もイライラしちゃって、音響監督にどうしてですか!って聞いたんです。
そしたら、「ノイズが乗るんだ、メグちゃんごめん、この台詞は飛ばしてつぎの台詞取っちゃおう」って言われてなんか変だ
なぁと思ったんですけど
早く終わりにしたくて、その時には、それで終わりだったんです。
でも次のアフレコの時に、いつもの音響監督じゃないひとがいるんで、不思議に思って聞いたら、前の音響監督、神経衰
弱で入院したって言われてびっくりしたんです。
「どうしたんですか?」って聞いたら
その人、新人に「へたくそ!」って怒鳴るのが癖なんですけど、一人その事で自殺しちゃったんですって。
わたしの台詞に乗っていたノイズっていうのが「××さぁん、痛いよぉ、苦しいよぉ、助けてよ〜」っていう、その自殺しちゃっ
た子の声だったってことでかなり噂になっていたらしいんです。
その上、ちょうどアフレコ当日の、あの台詞をリテイク連発されていた時間に、そのスタジオのあるビルから飛び降りて、苦
しんで苦しんで亡くなったって聞いたときには、鳥肌は立つし、体温は下がるし、その日は一日仕事になりませんでした。
それ以来そこのスタジオでのお仕事は、私キャンセルしていました」
「以上メグミちゃんの体験談でした」
司会を仰せつかった、ジュンがタキシードといういでたちで、特設ステージの上に上がってくる。
「おお、気温が一気に下がった気がするぜぇ、さらにこれは、チキンスキンいわゆる鳥肌、関西だったらさぶいぼというやつ
だぁ。
ううん、一気に盛り上がってきたぜぇ〜」
なぜか、実況席には、いつものごとく、ウリバタケセイヤとアカツキナガレが座り、スイカなどをしゃぶっている。
「いやいやぁ、やっぱ人と人とのコミニュケーション大切だよねぇ」
「名誉解説委員、政治家さんとの会談だったらお手の物なんだけど、恐い方の怪談は、聞くに限るという、聞き手一筋二十
うん年、アカツキさんの含蓄のあるお言葉でした。
「続いて、エントリーナンバー12番エステバリスパイロット、スバルリョーコさんのパイロット候補生時代の体験です」
客席の一番端に座ったアキトとルリをその前の審査員席に座った、ユリカが振り返って見ている。
「ルリちゃん良いなぁ」
その表情は、本当にもの欲しそうである。
「なんだよ、ユリカじゃあいくらなんでも膝の上には、座らせられないぞ」
「わかってるけど・・・良いなぁ・・・」
「ユリカ、審査員なんだろちゃんと見てろよ」
「うん」
「ルリちゃん大丈夫? 恐くない?」
浴衣のルリは、流石に正面を向いて座る訳にはいかず、同じく浴衣姿であるアキトの腿の上に横座りをし、アキトの首へし
っかりとしがみ付いている。
たまに、アキトにかき氷を口へ運んでもらう以外には、ずっとその姿勢のままである。
「はい」
そんな二人を余所に、体験談は、進んで行く。
「・・・ところが、居るんだよ、なぜか夜中になるとコバヤシ丸のシミュレーターに人がさあ、絶対クリアできなく作ってあるコ
バヤシ丸の遭難をクリアしちまう奴が、俺はそいつのテクを盗みたくってさ、CCDのカメラを天井にこっそり付けたさ。
で、そいつと勝負したんだ、もちろん負けた、でもそいつのテクはテープにバッチリ写ってる筈だろ?
さっそくそれを再生したさ、ところがそこに写っていたのは・・・。
勝手に動くシミュレーターと、時々、画面に出てくる青白い火の玉だったんだ・・・。
その時には、録画失敗かい、ちくしょう! とおもっただけだったけどよ、後で先輩にコバヤシ丸の話を聞いたときに教えて
もらったんだけど、優秀な成績のパイロット候補生がコバヤシ丸のシミュレーターで酷い点を取って、世を儚んでエアロック
から身を投げたんだそうだ・・・。
その身を投げたやつの容姿がシミュレーターに現れた奴、そっくりだって言われたときには、流石のあたしも、思わず十字
を切っちまったぜ。
これで、あたしの体験談は、終わりよぉ!
へVTR見せろ? ああ、良いよ、ウリバタケ頼むぜ」
「あいよ」
「みんな、見てから、びびるなよ、本気でこええぜ!」
次の瞬間、会場は、悲鳴の嵐となった。
何しろ、そこに映っていたのは、ぼんやりと光る人の輪郭をもった、青白く淡い焔だったのた゜
女性乗組員は、ほぼ全員が逃げ出してしまい、逃げ出し損ねた幹部の女性たちは、手近な男性にしがみ付いている始末
だ。
「うきゃぁぁぁぁアキト恐いぃぃぃぃ」
「何言ってんだ、お前がやるっていうから、こんなことになってるんだろうが!」
アキトの腕の中でルリは小さくなって震えている。
「大丈夫だよ、ルリちゃん、俺が居るんだから」
「でも、でも・・・」
ルリの震えは、収まりそうも無い。
「アキトぉ、ユリカには、大丈夫だって言ってくれないの?」
「あのなぁ自分でまいた種なんだから、自分でなんとかするのが筋だろう」
「だぁってぇ、ここまで恐いなんて思わなかったんだもん」
見れば浴衣の裾から覗いている白い足は、確かにガタガタと震えている。
「ルリちゃん、ちゃんと掴ってて、ここから出るからね」
「はい」
「ったくぅしょうがね〜なぁ〜。
ユリカも、付いてくるなら、そででも掴んで、ちゃんとついてこいよ」
「うん、アキト、ありがと」
アキトは、ルリを抱えたまま立ち上がると、仮設舞台の裏を抜け食堂の厨房を通って会場を抜け出す事に成功したのだっ
た。
「で、おまえいつまで袖掴んでる気だ?}
「だって・・・おトイレ行きたいの・・・アキト付いてきて・・」
上目使いに、そう懇願されては、余程意思の強い男でなければ、断れないだろう。
「おまえなぁ・・・ルリは、トイレ平気?」
「わたしも・・・行きたいです・・・」
アキトの胸の中で小さく答える。
そう言えば、かき氷とスイカとはトイレが近くなる取り合わせであり、さらにその上浴衣姿ときては、下半身が冷えるのは仕
方あるまい。
そこから一番近い、普段ほとんど人気の無い生鮮食料品の倉庫の側にある、化粧室に三人は、入った。
なにしろ、女性二人がアキトにそばに居てくれないと嫌だと言われては、女子トイレに入らざるをえない。人気の無い区画
で良かった。とアキトは、密かに思った。
個室のドアを開けたまま、ルリが先に用を足した。
もっともアキトとユリカは、後ろを向いていたのだが・・・。
そしてユリカの番になった。
「おい、ユリカは、いくらなんでも個室のドア閉めろ」
「だぁってぇ、一人は嫌、置いていかれちゃう気がするの」
「いくら俺でも、そこまでいじは悪くないぞ」
「だぁってぇ」
泣きそうな顔で懇願するユリカ。
「わかった、んじゃあ、俺が見ててもいいんだな」
「う・・・うん、アキトになら見られても良いよ」
心持ち頬を染めつつユリカが答える。
「じゃあじっくりかぶりつきで見てやろう」
「ちょちょっと、それは・・・」
「嫌なら、ドア閉めちゃうぞ」
「み、見てて・・・いいです・・・」
アキトは、便座に座ったユリカの膝の間に座り、じいっとその部分を見つめ出した。
「どおしたぁなかなか出ないぞぉ」
「だって、見られてると・・・ひゃぁん」
「ここを、こうして刺激してやれば、出るんじゃないのか?
早く出して、楽になっちゃいな」
いきなり、触れたというのに、ユリカのそこは、ほのかに湿っている感じがした。
「ふぅん、ユリカ、おまえおしっこするところを見られて、おまんこ濡らしたな」
「ち、違うもん」
「じゃあ、これはなんだ?」
人差し指を、ユリカの目の前へ持って行く。
その指先は、しっとりと湿っている。
「これは、なんだい? ユリカ」
「ユリカの・・・恥ずかしい・・Hな、お汁です・・・」
「だよなぁ、ほら、舐めてきれいにして」
「は・・・い・・・あむ・・・む・・・」
「それくらいでいいよ、奇麗になったところで、もう一度・・・」
アキトは、再び、ユリカの割れ目に手を伸ばす。
くちゅ、くちゅ、くちゃっ
といやらしい水音がそこから立ち上る。
「ユリカ、おまえHになったな」
「・・・ふぁあああっ、好きでHなんじゃないもん、アキトとルリちゃんがいつも苛めるからだよ」
言葉使いは、すっかり子供にもどってまっている。
「ふぅん、苛められるとHになるんだ?」
「だって・・・アキトとルリちゃん上手なんだもん・・・」
「それより、早くおしっこ、だしちゃえよ」
「だって、そんなにされたら、出なくなっちゃう・・・」
アキトの指は、すっかり大きくなってしまっているユリカの真珠を、先ほどから爪先できゅっと摘まんでいるのだ。
「絶頂(い)ったら、出るかな?」
ユリカの言葉には耳を貸さず、アキトは、隣で熱心に覗き込んでいるルリに問う。
「はい、多分」
「アキトお願い、ユリカに痛くしないで」
すでに、自分の一番感じる所を人質に取られているユリカは、弱々しく懇願する。
「痛いのか?」
「痛くないけど・・・痛くされるのは、嫌だよ」
「痛くはしないさ、気持ち良くなるだけだ」
器用にユリカの真珠のカバーを向き上げると、アキトは、そこへ爪を突き立てた。
「ふぐぅぅぅっっ・・・」
脳まで響くような痛みが、ユリカを貫く。
そのするどい痛みによってユリカは、無理矢理アクメへと押し上げられた。
さらに、アキトの指は、ユリカの膣へも突き立てられた。
「ぅああぁああぁああぁぁぁぁぁぁっ・・・」
その悲鳴に水音が混じる。
さらに、別の場所からは、ユリカの恥ずかしい液も吹き出した。
アキトは、ユリカを立たせると、ぬぐわれていないそこへ吸い付く。
「嫌、アキト汚いよぉ」
「ここを、こんなにしておいて、何言ってるんだよ」
指をユリカの狭いヴァギナへ突き込み、一番奥にある扉をかき回す。
「うぁああああああ、ユリカ、ユリカいっちゃぅぅぅぅぅぅっっっっ」
再び、ユリカの恥ずかしい液が、ユリカの真珠に吸い付いているアキトの顔に飛沫となって吹き付けられた。
「ルリ、したくなっちゃったろ?」
浴衣の前で手をもじもじさているルリを、呼ぶと、個室の壁にもたれて脱力してるユリカの目の前、壁に手を付かせて腰を
突き出させる姿勢をとらせる。
もう十分濡れているその部分をさらに、口を使い、念入りに愛撫した後
アキトは、初めてルリを後ろから犯した。
ゆっりと、出入りするアキトのものに、ルリの小さなそこは、無理矢理のように押し広げられているが、決して無理をしてい
るわけではない。
それどころか、ルリは、いつもの体勢と違う姿勢でアキトに貫かれていることで、いつにも増した強い快感を感じていた。
「あっ・・あっあっ・・・ぁああっ・・・くぁぁぁああっ」
当たる角度が違う、いつもなら、当たらない部分に、アキトの分身が当たり、ルリの小さな膣を削るように出入りする。
「ずごい・・・アキトさん、あっ・・・あっ・・・こんなの・・・こんなの・・・ぅああああああっ、駄目、駄目です、艦長、いまそこを舐め
たらだめぇぇぇぇぇぇぇ!」
ルリの中に、アキトの物が出入りする様子を、放心して眺めていたユリカが、充血し、はちきれそうになっている、ルリの小
さな真珠に吸い付いたのだ。
二人だけのsexでは、絶対に有り得ない状況に、ルリは、あっという間に高みへ、それも感じたことがない程の高みへ押し
上げられた。
「ぅああああああっ、いく、いくの、わたし・・ふぁううっ・・・アキトさん、いくのぉぉぉぉ・・・」
ルリの手が縋るものを求めて、パイプを握り締める。
その力強い収縮にアキトも一気に高まる。
「いいよ、ルリ・・・行って良いよ・・・オレも、一緒にっっ・・・」
「ふぁぁぁああああっぁぁぁぁぁぁっっ!!」
ルリの膣が力強く最後の収縮をすると同時にアキトも達し、ルリの子宮口へ大量の白濁したものを叩き付けた・・・。
「ねぇ、聞いたルリルリに艦長」
「なんですか?」「ミナトさん」
「あの騒ぎの後、本当の幽霊が出たんだって」
「え゛?」「どこにですか」
「ほら、食堂の奥に、あんまり人が行かない化粧室あるでしょ?」
「はい」「しってます」
何しろ、あんなことをした場所なのだ、知らない筈がない。
「あそこでね、女の人のすすり泣く声が、してたんだって・・・なんか恋人を止めようとしているうな泣き声がしたとか言ってた
よ」
「・・・あははは」「こ、こんな科学万能な時代に、幽霊なんて・・・錯覚ですよね、艦長」「そ、そうです、錯覚に決まってます」
「でもねぇ、かなりの人が聞いてるんだよ。さすがにリョーコちゃんみたいに録音した人までは、いなかったみたいだけど・・・
それでねだれもあそこに近寄らなくなっちゃったんだって」
そのミナトの言葉に、二人は顔を見合わせ、しばらくの間、笑っているしかなかったのだった。
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編 +ユリカと意地悪アキト編(^^;
「ナデシコの怪談」
Fin
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「Dearest」
「ルリルリ航路更新データよろしく」
ブリッヂ内に、ハルカミナトの華やかな声が響いた。
「はい、ミナトさん、今送ります」
その声に、少し「ぼお」っとし、考え事をしていたホシノルリは、半ば反射的に、思兼のフォルダーから、既に計算済みの座
標データを、呼び出し、ウインドウへ表示させると、そのウインドウを、ミナトへ向かい、押しやった。
そして、また思索に戻ろうと息を吸ったとき、突然思兼がウインドウを開いた。
『ルリルリ、その航路データは、使っちゃ駄目、明日のデータだよ!』
一瞬、目の前のウインドウの言葉の意味を完全に把握できなかった、ルリは、次の瞬間、電撃を受けたかのごとく体を硬
直させる。
その白磁器のような顔から一瞬で血の気が失せる。
文字どおり、それは音を立てて血の気が引くという言葉通りの状況だった。
しかし自失の時間は、心臓が二度動く程度の時間であり、次の瞬間、ルリは、隣に座った、ミナトへ向かってほとんど、絶
叫とでも言いうる大音声を発した。
「ミナトさん!! その航路データ駄目ですっっっ!!!」
「え゛? え゛〜っ?! も、もう、入れちゃったんだけどなぁ・・・あはははは」
ミナトは、突然のルリの大音声にびっくりした表情を浮かべ、コンソールのキーボードを指差しつつそう言うと、渇いた笑い
を最後に付け加えた。
ルリは、メインオペレートコンソールのIFSへ凄まじい勢いで取り付くと、思兼へ、命令を発する。
『「思兼! 相転移エンジン、スクラム(緊急停止)! 補助エンジン最大推力で相転移エンジンに反航!」』
最大稼動に入ろうとしていた相転移エンジンを停止させれば、艦内の動力が一斉に失われ、ディストーションフィールドも消
失する。
もしも軽量の宇宙塵でもたまたま航路上に存在していれば、衝突し、凄まじい被害をナデシコに与える。
それは、ナデシコの現在の速度が、太陽系脱出速度16km/秒などという速度とは比べ物にならないほど早いためだ。
いや、地球周回速度の秒速9キロ程度であっても、たかが直径数cmの「ボルト」ですら軌道周回する物体には致命的な打
撃を与える事が可能だ。
例え数百グラムしかない物体であったとしてもその速度が速くなれば、数万、数十万倍の重さの物体と同様な威力を持つ
事になる。
さらに突然「慣性制御」も失われ、数十人単位で怪我人が出るかもしれない・・・。
だが、現状の航路から外れ、あさっての方角へ突き進んでしまうよりも、余程ましであろう。
ルリは、そう判断を下し、緊急に考えうる最大の処理を行うよう思兼へ伝えた。
しかし、思兼は、そのルリの慌てぶりを意に介さず、かなりのんびりとした答えを返してきた。
『相転移エンジン、スクラムの必要認めません。
核融合機関による反航についても、その効果は、認められないと思います』
「どういうこと」
唖然としているルリに変わり、ミナトが問う。
『今回のルリルリと、ミナトさんの起こしたミスに付いてですが、航路の誤差、発生しません。
ナデシコの航路は現在安定した惑星間航行に入っています。
したがって毎日の航路の補正は、各天体間の重力による衝動の補正程度であり、減速過程のスケジュールを繰り上げる
事により誤差は、吸収可能なためです』
「あら・・・そう・・・」
意外そうなミナトである。
もちろん、何かあれば言いというわけではなく、それほど航路が安定しているなら、別に航路データの更新などをしなけれ
ばいいのにという事である。
「じゃあ問題ありませんね」
二人の声のやり取りに気付いたユリカは、不安そうな表情で、ルリと思兼のやり取りを見つめていたが、問題が無いといわ
れ、ホッとした表情になった。
「・・・よかった・・・」
ルリはそのままコンソールへ突っ伏すと大きくため息を吐いた。
「お〜い、ブリッジ突然加速率が上がったみて〜だけど、敵でも来たのかぁ?」
「はあ〜いすいませぇん、もんだいありませ〜ん」
ウリバタケへ、そう答えるユリカだった。
「ねえルリルリ、どうして明日の航路データが出てきたの?」
「ごめんなさい、ちょっと考え事をしていて・・・それが明日の事だった物ですから無意識に明日の日付のデータをひきだし
てしまいました・・・」
「ああ、そういうことなら仕方ないかもね、あたしもデータの日付チェックしてなかったしぃ」
「ふたりとも、しっかりしてくださいね」
「はい、すいませんでした」
「ごめんなさぁい」
キャプテンデッキから、身を乗り出したユリカは二人へそういうと、デッキへ引っ込んむ、二人は、それを見上げて、頭を下
げたのだった。
「めげない、めげない、次に同じミスをしなければ良いのよ」
コンソールへ突っ伏したルリへ向かい、ミナトがそう声をかけた。
「でも、そしたら、一度目の過ちは、必ずゆるされてしまいます」
「ちがう、ちがう、あたしが言ったのはそういう意味じゃないわ。
ミスをするってことは、そこにミスを呼ぶ原因が有るって事でしょ?」
「はい」
「だからね、人がね、なにがあっても誤謬を犯す動物である以上、ミスが発生したならば、そのミスが偶発的に発生したの
か、それとも「マーフィーズファクター(ミスが発生する可能性のある事象は必ずミスが発生する。そのミスの発生する要因の
事)」が存在していて、必然として起こったのかを見極めて、同じミスが二度と発生しない様にする事が大切なの」
「はぁ・・・」
ルリは、納得は行かないものの、ミナトが自分を元気付けてくれている事は嬉しかった。
「・・・で、ルリルリは、明日の事なんていったい何を考えていたのかなぁ」
「・・・え、いえ・・・あの・・・そ・・・そんなこと、いえません!」
「さては、ルリルリ、アキト君の事、考えてたなぁ」
「はい、ごめんなさい」
「いいのよ、女の子なんだから。そういう時にもミスが起こらなくするのが、艦長とか上の人たちのお仕事なんだから」
「そういうものですか?」
「そうそう、だから、1回くらいのミスをくよくよしないのよ」
そういわれても・・・ミスをしてしまったのは、私ですから・・・。
さすがに、ミナトへそう言う事ははばかられた。
「はぁ・・・」
就業時間が終わり、ルリは一人でバーチャルルームへ足を運んでいた。
「いたいた・・・あれ? ため息なんか吐いてどうしたの」
「お仕事・・・ミスしてしまいました」
ため息と共に、ルリががっくりと肩を落し、そう告げた。
その意外な言葉に、アキトは、少し驚きながら、気を取り直し、そのミスの内容を問う。
「かくかくしかじか・・・というわけです」
やがて、端的にルリが状況を語り終える。
「・・・でその原因が、オレの事を考えていたからだった訳なんだ」
「はい、ミナトさんには気にしないように言われましたけど・・・やっぱり、気にしてしまいます」
ルリは、抱えた膝に顔を埋めた。
「ルリは、自分のした事に、驚いてるかな」
「え?」
「はじめてオペレーションでミスらしいミスをして、それがテンカワアキトの事を、考えてたから」
「そうだと・・・思います」
「オレから見たらルリは、ちゃんと仕事をこなしていると思うよ。
オレなんてトライアンドエラーな人間だからミスしながら育ってきたようなもんだけど、そんなオレから見たら、ほとんどパー
フェクトに仕事をこなしていると思うよ」
「でも・・・」
「ミスした自分が、赦せない?」
「いいえ、多分そうじゃないと思います。
たしかにミスした事は、悔しいです。
でもそれよりも私の判断で、人の命を危険にさらしてしまった事が、後になってすごく恐かったんです」
「でも思兼が止めてくれたんだろ?」
「はい」
「それでもルリは、自分が赦せないんだ」
アキトの言葉に、ルリは、こくりとうなづく。
「そうか・・・オレも少し悔しいなぁ」
「え?」
「・・・ルリが、そんなに苦しんでるのに、一番に俺のところに来ないで、バーチャルルームに来たなんて」
「ち、違います!! これは私の問題だし一人で解決したかったから・・・」
「・・・ルリは、強いね」
「違います!! わたし強くなんてありません!
・・・強かったら・・・強かったら、私アキトさんに恋なんてしてません! アキトさんを好きになったりしていません!
私は、ただの女の子です。
普通の女の子です。
アキトさんを好きになって、恋をして、私は、自分の弱さに気が付きました。
今まで強い振りをしていただけだったって気が付いてしまいました。
だから、私は、今までの私では、もういられません。
だけど、アキトさんが居れば、今までと同じように、ううん、今まで以上に私はホシノルリでいられるって事にも気が付きまし
た。
そしてナデシコのオペレーターっていうお仕事は、今までの私がホシノルリでいる為の存在意義でした。
これからも、私が私であるためにアキトさんにそばに居て欲しいのと同じくらい、大切な事がらです。
だから、いい加減な気持ちと考えで、ミスしたことを忘れたくないんです」
立ち上がり、アキトを見上げ、ルリは、精一杯の気持ちを込めて、アキトへ自分の気持ちを、思いをぶつける。
アキトは、ルリのその行動を驚きとともに受け止めた。
そして、思った、この娘(こ)は、本当に剛(つよ)い娘だ・・・と。
自分の弱さを素直に認め、その上で、その弱さを克服しようとしている。
そんな「剛さ」は、もしかしたら自分には、ないかもしれない。
だからこそ、この娘が挫けそうなときには、自分が支え、包み込み、抱きしめ守ってあげなくてはいけないんだと・・・。
だが今は、まだその時でないという事も理解した。
「解った、ルリがルリで居るために必要だってルリが言うなら、口は出さないよ。
だけど、忘れないで、オレが、テンカワアキトがルリの側に居るって事を」
「はい!」
ルリがそう言った時、アキトとルリの二人のお腹がもの欲しそうな音を立てる。
ルリは、自分のお腹へ手を持っていってしまう。
互いに少し顔を朱らめ、そして思わず、互いに顔を見合わせてしまう。
「お、お腹空いた・・・ね。
あのさ、提案、ルリが考える邪魔は、しないけど、取りあえず夕ご飯食べてから、あらためて考えるっていうのはどう?」
「その提案、受け入れます」
お腹へ視線を落しつつルリが答える。
「じゃあ、食堂行こうか?」
アキトがルリの手を取り歩き出す。
だが、もうルリは、結論を得ていた。
そう、アキトへの自分の言葉の中にそれはあった「自分が、自分である為」には、どうするのか。
ミスをすることもあるかもしれない、もしかしたらとんでもない失敗をするかもしれない、けれどそれを怖がっていたら、自分
は・・・ホシノルリは、ホシノルリで居られない。
だから、今は、前を向いて進んで行こう。
自分のとなりには、あなたが居てくれるから。
いつでも倒れ込める、あなたの優しい腕があるのだから。
「はい」
アキトの言葉に、肯き顔を上げたルリの顔に、迷いはもう残っていなかった。
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「Dearest」
Fin
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「楽園の泉」
「遺品の整理?」
「はい」
「ムネタケ提督の?」
「そうです。
・・・というか実体のある遺品はジュンさんとプロスさんがとっとと連絡便で送り出したんですが電子的な遺品が、なぜか数
百ギガバイトも、ファイル数にして数十万件残っているんです。
思兼ではなくアーカイブの容量をかなり食っているということで、内容をとりあえず確かめたら消してしまうという事になって
いたのですが・・・あの方のファイルですから、一体何が出てくるか解らないのでアキトさん一緒に見てくださいませんか?」
「いいけど・・・数十万件のファイルって尋常じゃないよ。
そのままゴミ箱行きっていうのが正しい気もするけどなぁ」
「私も、尋常な数ではない、と、そう思ったんですが。
艦長に、もしかしたら、暗号化された秘密を隠しているかもしれません。と言われては、調べない訳には・・・」
ルリは、とほほという表情を浮かべると、肩を竦めて見せた。
「このカートリッジをさぁ、このままフォーマットして使っちゃおうよ」
「アキトさん、往生際が悪いです」
「だってさぁ、きっとろくなもんじゃないぜぇ、奴の一生分の復讐者リストとかさぁ、出て来たらどうする?」
「別に、あの提督がそういう粘液質な性格だって事は、分かっている事ですから驚きません」
「俺は嫌だなぁ、俺とかルリちゃんの名前見つけても抗議もできないんだぜ」
「ま、それは、置いといて、覚悟を決めて、整理を始めましょう」
「カートリッジ新しいのを買ってさぁ、入れ替えちゃうとかぁ」
「アキトさん!」
しつこく逃げようとするアキトをルリがたしなめた。
「はい・・・ごめんなさい、整理手伝いますです・・・」
「無理言ってごめんなさい、でも、しばらくルリにお付き合いしてください」
チュッと唇へキスをする。
「うん、おれも駄々こねて悪かったよ」
再び、アキトから唇を重ねる。
カートリッジから、アーカイブの記憶領域へファイルのコピーの時間が流れすぎた。
「げげっ・・・さらに、圧縮が掛かってるぜこいつら・・・なになにNEW0001〜9999」
「こっちも、同じですHE−PA00001〜32999、一体これはなんでしょう」
「展開して、表示してみるしかないよね?」
「・・・そうみたいです」
ルリは、アーカイブのAIへ、幾つかの圧縮ファイルを転送すると、解凍を指示する。
流れて行くファイル名を見て、ルリは、それらのファイル名に規則性があることに気が付いた。
大昔からの慣例である、ファイルの最後の拡張子と呼ばれる最後の三文字は、4種類程度しかなかった、それらは全て、
解凍されたファイルが画像ファイルであることを示している。
アキトもそれに気が付いたようで、ボソッと口を開く。
「なんか、すっげえ嫌な予感がするんだけど」
どうせ、わざわざデータカートリッジに圧縮して保存してある画像ファイルなんぞは、ろくでないものに決まっているのだ。
どう考えても、あのムネタケが、風景写真や名画などの画像ファイルをこれだけの規模、収集しているはずがない。
「私もします」
「表示させて、まっちょな大男が、こうポージングでもしていた日には、オレ立ち直れないかもしれない」
「・・・もっと嫌な予感もしますけど・・・」
「へ?」
「とにかく、思兼、二人の視界へ20枚ほどをランダムに選んで表示して」
『18才未満閲覧禁止のヘッダーが付いています。
ジャンルコートが女性のヌード、またはそれに類する画像になっています。
・・・ルリは、見ては駄目です』
案の定、その手のファイルであったわけだが、ルリは動じず返した。
「艦長に中身を確認しなさいって言われています。
それに私は、女の子なんだから、女の子が女の人の裸を見るの別に変じゃ有りません。
18才未満なんて、関係ないです」
まあ、確かに、女性の単なるヌードであるなら、それ程問題はないように思われるが、どうにも「へ理屈臭い」のは否めな
い、事実、ルリの後ろでアキトは、苦笑している。
しかし、反論の思い付かない思兼は、ルリの理屈に半ば押し切られるような形で、画像をウインドウの形で表示した。
「「はあ・・・」」
2人揃ってのため息が、アーカイブルームへ流れる。
20枚のウインドウ全てに、植物性の「縄」であられもない姿のままきつく拘束された女性の姿が妖しく浮かび上がってい
た。
「やっぱ、そういう趣味だったんだな・・・」
人の嗜好についてとやかく言うつもりはないが、こうも数を集めたことに対して、アキトは、呆れていた。
<どうして、こんな数を持って来たかなぁあの人は、と>
「思兼、解凍したファイルのサムネイルを作成、艦長宛ての親展メールでへ送ってください」
『了解』
「・・・結果を口頭で伝えるだけでいいんじゃないの?」
「この程度の結果は予測可能な筈ですから、艦長にも、お付き合いしてもらいましょう」
「ルリがそういうならそれで良いけど」
『サムネイル作成終了、親展メールとして艦長のコミュニケへ登録終了しました』
「ありがと、思兼」
『どういたしまして』
「アキトさん」
「な、なに?!」
「このファイル幾つか残して置きますか?」
「い゛・・・いや、だって・・・ルリは、嫌だろう?」
「嫌というか・・・。
なんかこういう事をする/されるという関係が、私には、理解できません。
・・・痛い思いをさせて、させられてるのに・・・」
一枚のウインドウには、無数の縄をかけられつり上げられた女性が後ろから男に貫かれているシーンが写っている。
その女性の表情は、悲しげなのだが、ルリには、その表情が、悲しいだけではない、もっと奥深い感情が見え隠れしている
ように思えるのだ。
「こういう、男女の関係もあるって事だと思うけど・・・」
「それは、理解できるんですが・・・」
「それにこれは、いわゆるモデルさんを使った、商品だからね」
そう言われてしまえば、そうなのだろう、しかし商品ということは、そういう嗜好をもった男性がそれなりの数存在していると
いう事になるし、そういう嗜好をもつ男性の何割かは、そういう嗜好を持っているパートナーを見つけているのではないだろう
か? と、ルリは、思った。
「これ、私にしてみてください」
「え゛? いやそれは・・・だって、ルリ、これは、どうしたって痛いよ」
「でも・・・アキトさんにしてもらいたいんです」
「それにナデシコ艦内に、こういう縄があるかどうかは、解らないし」
「縄は、ある筈です、お葬式に使った祭壇に使われていたはずです」
そこまで言われてしまっては、アキトも、全く興味がない訳ではない。
ただし、痛かったり、ルリの体が傷ついたなら直ぐに止めるという条件で、アキトは、それをすることに同意した。
縄がルリの体にかけられてゆく。服の上から、なるべく地膚に掛からぬように。
初めは腕を胸の前で祈るかのようにしてもらい、その上から、縛る。
「痛くない?」
「もう少し強くても平気です」
「そう?」
確かにそれは緩くルリが身動きしたなら解けてしまう程、ゆるかった。
アキトは、一旦解くと、ルリの華奢な体に少し食い込む程度に縛り直す。
「これでどう?」
「・・・このくいなら良いかもしれません」
「で、今の気持ちは?」
アキトは、ルリへそう聞いてみた。
「良く分かりません・・・でも・・・なんか、捉えられたお姫様みたいで、変な感じです」
「じゃあ、今日は、このままする?」
「は・・・はい」
アキトは、縄をかけたままのルリを抱き寄せると、唇を奪う。
くちゃくちゃと、舌を絡める音が、二人きりの部屋に小さく漏れる。
目を瞑り、まで貪るかのように、二人は舌を絡め合う。
アキトは、ルリの舌をそっと甘噛む。
「んふ・・・」
ルリの頬には、朱がさし、息が荒くなってきている。
腕が拘束されているため、抱き付きたいのに、抱き付けないもどかしさが、もっと強く抱きしめられたいという気持ちへ変わ
って行く。
そしてルリは、気付いた。縄にほんの少し抗(あらが)えば、自分がきつく抱きしめられている感じがすることに。
もしかしたら、こんな感じがあの女の人にあかんな表情をさせていたのだろうか・・・。
そう、ルリは思った。
そして、ルリの小さな三角の布に包まれた部分も、いつになく素早く蕩け始めていた。
すでにショーツが飲み切れなくなった、ルリの恥ずかしい汁が、一筋内腿を伝いストッキングにまで達したのだ。
<う、うそ・・・>
実は、アキトに縛られている途中から既にルリのそこは、しとどに吐液し、ショーツに大きな染みを作り出していたのだが、
ルリ本人は、縛られるという行為に夢中で、全く気が付いていなかったのだ。
その、自分の汁が腿を伝う刺激に、ルリの膝が砕ける。
だが、不意にルリの体全てを預けてもアキトは、全く動じず、逆にしっかりと抱きしめルリを支えてくれる。
その強い力を全身に感じ、キスだけでルリは最初のアクメへ達した。
その震えを腕に感じアキトは唇を離すと言う。
「ルリ、もういっちゃったのかい? 縛られて、感じちゃったの?」
「・・・ち、ちがいます・・・」
その通りなのだが、ルリは、お姫様を演じる気になっているようだった。
アキトも、それに乗る。
「ふふふ、そんな事言っても、膝が笑っているじゃないか、それに・・・」
アキトの右手が、ルリの制服のタイトスカートをくぐる。
そして一瞬、そのおもらしをしてしまったかのようなショーツの状況に、アキトの手が止まる。
しかし、そのショーツを濡らしているものの「ぬらつき」がルリのHなお汁の感覚であることを納得すると言う。
「こんなに、おまんこをぐっしょりに濡らしているのに、感じていないなんてことはないだろう?」
「か、感じてなんていません」
アキトに触られただけで、二度めの波にさらわれそうになってしまったルリは、それを悟られるのが恥ずかしくて、思わず大
きな声を出してしまうる
「・・・そう、じゃあ、感じているかどうか、ルリのおまんこに聞いて見ようかな」
その部分の恥ずかしい名前を使われるだけで、ルリのそこからは、さらなる液が溢れてしまう。
「だ、だめです」
「どうして? 感じていないなら、いいだろう?」
アキトは、ルリの縦割れをゆっくりとなぞり上げる。
「ふああああっ・・・ああん・・・」
そして、熱を持った、その部分へ、ぐっしょりと濡れたショーツを食い込ませる。
「ほら、ルリのHなおまんこは、感じてますって、正直に言ってるよ」
「違います・・・私・・・くぁあああ、それ駄目アキトさん、それ駄目ぇえええええっっっ!」
ふるふると全身を震わせ、ルリは二度目のアクメを迎えてしまう。
うつろになってしまった、ルリの瞳が再び焦点を結ぶまでに、アキトは、ルリを己の布団へ横たえ、ぐしょぐしょに濡れてしま
っている、ショーツを抜き取り、そして大きく足を広げた状態で、腿を縛り上半身を拘束している縄へつないでしまう。
ルリのぐっしょりと濡れた無毛の縦割れが、アキトの目だけにさらけ出される。
やがて、ルリの瞳が焦点を結ぶ。
そして自分の置かれた状況に気が付く
「あ、あのアキトさん・・・足は、解いてください・・・これは・・・その・・・恥ずかしいです」
ルリは、それ程きつくはない、腿と、胸をつなぐ縄が許す限り、広げられてしまったその部分を隠そうと、腿に力を入れ、閉
じあわせようとする。
「駄目」
しかし、アキトは、その部分へ指を這わせ、小さな肉芽をつんつんと突つく。
「ふああっ・・・」
その刺激にルリは、思わず喘いでしまう。
「でも・・・」
「だって、ルリが、縛って下さいって、言ったんだよ」
頬を真っ赤に染め、ルリは、答える。
「それは・・・そうですけど・・・」
まさか最初から、こんな恥ずかしいことをされてしまうとは思っていなかった。
「大丈夫、オレしか見てないし、ルリがこんなにHな女の子だなんて、誰にもいわない、だからオレしか知らないルリを見せ
て欲しいな」
完全にアキトは、行為に夢中になってしまっている。
しかし、ルリも、アキトだけしか知らないルリという言葉がとても素敵に思えてしまった。
「・・・はい、アキトさんしかしらないルリを・・・ルリを見てください」
なるべく、その部分が見えなくなるように締め付けていた内腿の力を抜き、アキトの前に全てをさらけ出した。
それでも、恥ずかしさは、襲ってくるのか、目を瞑り朱の差した頬をアキトの視線から背ける。
「きれいだよ」
「恥ずかしいです・・・あまり見つめないでください」
「大丈夫、もっと恥ずかしい事するんだから」
アキトは、いつものようにそういうと、ゆっくりと、ルリのその部分へ顔を近づけた。
やがてアキトの舌が、ルリの縦割れを割り開き、小さな入り口へ突き込まれる。
「はっ・・・ああん・・・うぁあああっ・・・ふぅあああっっ・・・」
そして、アキトの鼻は、ルリの真珠を、そこを覆い隠すベールの上からぐりぐりと押し潰す。
「はぁあああああん・・・」
突き込まれた舌が、今度は縦割れを溯り、そして寸前まで鼻が押しつぶそうとしていた真珠へたどり着く。
しかし、そこから、ルリが期待した「最初の衝撃」は、なかなかなやってこなかった。
ヒクヒクと、ルリのその部分が震える。
「・・・あ・・・くぅううっ・・・」
ルリは、アキトの息をそこに感じるだけで、まるで愛撫を受けているかのように感じてしまっている。
やがて、アキトの指が、ルリの小さな膣へ、ゆっくりと埋め込まれてきた。
「あ・・・あぁあああああっ・・・」
思っていた刺激と全く違う刺激に、ルリは、喉を仰け反らせ、全身を押し入ってくる指がもたらす、快感に震わせる。
そして、アキトは、その指をゆっくりと前後へ動かす。
「あ・・・あ・・・くぅん・・・ふっ・・・あん・・・あん・・・」
一番奥の扉を突つかれるたびに、ルリの喉から、絞り出されるような喘ぎ声が発せられる。
アキトの指に従い、ルリの腰が前後、上下に淫らにくねる。
しばれて自由を奪われている指先は、空を掻き、足の指ら、内側へ力いっぱい反る。
ルリのヴァギナは、アキトの指を締め付け、その締め付けは、ルリの喘ぎのリズムと鼓動のリズムに従い、微妙な強弱を
作り出す。
アキトの、指先には、コリコリとした子宮口が感じられ、そしてその近辺には、男を快楽へ誘うざらりという感触のある極小
さな肉の粒がそのリズムによって蠢いている。
そして、ゆっくりとしたリズムにルリが慣れた頃を見計らったように、アキトの指が外へ向かいほんの少し曲げられ、そして
スラストのリズムが突然早くなり、ざらりとしたその肉粒のある辺りを下から突き上げた。
「いやぁあぁあああああっ!」
背筋を駆け上がってきた、思いもかけぬその快感の強さに、ルリは哭くしか術が無い。
さらに、それに合わせ、アキトは、張ち切れんばかりに固くしこっているルリの真珠に吸い付くと、肉のベールを舌でかき分
け、そこをアキトは、甘噛んだ。
「・・・だめぇええええ、それだめぇええええっっっっっ!! うぁああああああ・・・絶頂(い)く・・・あん・・・ああん・・・私・・・い、
絶頂きます・・・アキトさん、私いく・・・いくぅっ・・・いぃゃああああああああああっっっ!!」
アキトの指を締め付けつつ、びくんびくんと腰を淫らに突き上げ、背は、それに合わせ仰け反らせ、ルリはこの日、最初の
オーガズムを、迎えた。
アキトは、腿と胸の縄を解くと、少し跡が残ってしまった、ももへ愛しそうに舌を這わせた。
そして、アキトは、ぐったりとしてしまっているルリをうつぶせにすると、腰を持ち上げ、いきなり貫く。
びくん!
とルリの体が跳ね上がる。
しかし、ルリのヴァギナは、アキトの分身を根元付近までしっかりと包み込み、ゆっくりとしたリズムで、アキトのスラストに合
わせるかのように、締め付けてくる。
「だめ・・・アキトさん、私・・・まだ絶頂ったばかりだから・・・ゆるしてぇぇ」
力強いピッチで送り込まれてくるアキトの分身に、子宮口を確実に突き上げられ、ルリは、余韻から無理矢理引き戻され
る。
「ごめん、ルリ、我慢できないんだ・・・ごめん・・・」
初めて、アキトの本当の欲望に晒されたルリは、しかしそれでもそれを嬉しい気持ちで受け入れる。
シーツを掴み、目を瞑り、自分と、愛しい男がもたらす、快感にひたすら耐える。
「あん・・・あああっ・・・あん・・・あんっっっ・・・」
しかし、喘ぎを押さえる事はできない。
激しい突き込みが、ルリのその部分に淫らがましい音を立てさせる。
『じゅぷっ・・・くぷっ・・・じぷっ・・・』
その音によってもルリは、高められて行くのがはっきりと判ってしまう。
「くっ・・・あぁぁっ・・・ふぁああっ・・・あっ・・・あん・・・ああっ・・・」
そして、アキトのスラストのピッチが上がる。
「アキトさん、一緒に・・・一緒に・・・」
「ルリもう少し・・・もう少しだけ・・・」
「絶頂く・・・絶頂きます・・・ぅあああああっっっっ・・・」
ルリの断末魔の収縮がアキトの分身を包み込む。
「ルリ、オレも・・・くぅっっっ」
激しい射精が、幾度もルリの子宮口を叩き、ルリは、アキトの迸りのその熱さに幸せを感じ、意識を失った。
「ごめん、ちょっとやりすぎたかな? ルリが可愛くて・・・我慢できなくなっちゃったんだ」
ゆっくりと戻ってきたルリの視界に映し出されたのは、アキトの優しい顔のアップだった。
「ううん・・・アキトさんが、本気で愛してくれたから、すごく幸せです」
本気で愛し合う事が、こんなに心を満たしてくれるなんて思ってもいなかった。
ルリは、あの女性の表情の意味が少し理解できた気がした。
ルリは、目を閉じ、口付けをせがむ。
アキトは、微笑みルリの小さな唇へ己の唇を押し当てた。
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「楽園の泉」
Fin
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「one's girlhood.」
「アキトさん!」
久しぶりに顔を合わした食堂で、ルリはアキトへ向かい鋭い声で迫った。
ルリは、怒っていた。
理由は、一つではなかったが、その原因は、1つだった。
一週間、アキトと、一緒に居られる時間が、全く無かったのである。
その内の4日は仕方が無い。
なにしろ連絡シャトルの護衛で、月との往復だったのだ。
これは基本的に持ち回りで回ってくる職務だ。
だからそれは、我慢しよう。ルリはそう思っていた。
だが、あとの3日は、ウリバタケのエステバリスの改造に付き合ったり、三人娘とのエステバリス実機を使った模擬戦訓練
に付き合ったり、それまで留守にしていた間に腕が鈍ったかもしれないからと、食堂で一日料理三昧。
その後は、ほとんど人事不省のような状態で、部屋へ戻ってしまうアキトにルリは、自信を失ってしまった。
もちろん、自分の気持ちにではない。
テンカワアキトの自分を思う気持ちが、自分と同様のものであるということにである。
夕食の書き入れ時が一段落し、食堂の隅のテーブルで月で仕入れてきた雑誌に目を通していたアキトは、そのルリの鋭
い声に、驚いて、ページをめくる手を止めてルリの顔をまじまじと見詰めてしまった。
「・・・ル、ルリちゃん・・・どうしたの? 恐い顔して」
「アキトさん・・・」
だが、ルリも聞くに聞けなかった。
答えを聞くのが恐かったのだ。
その二人の様子に、目を細めている人物が厨房内に居る。
「おやおや、あの二人が喧嘩かい? ま、それも一つの通過儀礼だねぇ」
士官用の特別食に使われる銀製のナイフを磨き上げながらホウメイは、最近気が付いた二人の関係を見守る姿勢を見せ
ていた。
艦長に追いかけられることがなくなった愛弟子に、小さなお供が出来たことに気が付いてから、しばらく時間が経っていた。
そして、その小さなお供・・・ルリの物腰から、二人の関係についてほぼ正しい推測をしているホウメイだったが、ルリが慕
い、そしてテンカワがそれを受け入れるなら、それはそれで良いと思っていた。
「テンカワ、もしかしたら最初の試練かもしれないね」
ナイフを光にかざし磨き上がりを確かめつつホウメイは、呟いた。
「ルリちゃん?」
「・・・あ・・・あの・・・」
アキトの目の前に立った事で、ルリのトーンは、下がってしまっている。
「そうだ、これ、お土産、ここの所ずっと忙しかったから、渡しそびれちゃったんだ」
アキトは、上着のポケットの中から、ずっと忍ばせていたのだろう、包装がすっかりよれよれになってしまっている、小さな
箱を取り出す。
「レゴリス(月の石)なんだけどね・・・」
そこでよれよれになってしまっている包装を取りのぞく。
「いつ渡そうかなと思ってたんだけど・・・いまなら誰も居ないから」
包装の下から出てきたのは、ビロードの小さな宝石箱だった。
その中から現われたのは、ハート型にカットされた、ムーンルビー・・・いわゆる衝突クレーターの周辺で見付かる、衝突圧
力によって生成された宝石だ・・・のイヤリングとそして指輪だった。
「これ・・・私にですか?」
「他に、誰がいるの?」
「でも・・あの・・・」
「付けてあげるよ」
そういうと、アキトは、ルリを抱き寄せる。
イヤリングのぴんをゆっくりと回してゆく。
「痛くない?」
「はい」
それよりも耳朶が熱かった。
愛撫を受けるときだって、こんな所に触られることなんてほとんど無い。
左右の耳がまるで燃えているようだ。
「うん、良く似合ってる、良かった」
そう言われて、ルリは、思わず鏡を探してしまう。
「あ、ごめん、鏡がある所で付ければ良かったね」
「いえ・・・アキトさんが、似合っているっていうなら、いいです」
ルリは思わずそう答えてしまう。
「そう? じゃあルリちゃん、左手かして」
「あ、はい」
アキトの差し出した手に、ルリは左手を乗せる。
その手が、アキトの大きな手に包まれる。
「で、何を怒っていたの?」
突然、アキトは、そう聞いてきた。
はっとなり、ルリはアキトの瞳を見つめてしまう。
「・・・ずるいです」
「どうして?」
「・・・アキトさんずるい」
こんな風にされたら怒れない。
そんな風に見つめられたら、何も言えなくなってしまう。
ルリは、アキトの目を見詰めていられなくなり、視線を逸らし、下を向いてしまう。
そこには、アキトの大きな手に包まれた自分の手がある。
「言ってごらん、ルリちゃん、それともここだと言えない?」
アキトの助け船に、肯くルリ。
「じゃあ、オレの部屋へ行こうか? ルリちゃんが何に怒っていたのか、言うまで、リングは、おあずけ、な」
「・・・それでむくれてたのかい?」
アキトの部屋へ向かう途中で自販機で買った熱いココアを飲みながら、ルリは、一週間、自分の心がどう変化していったの
かを余さず語った。
「はい」
「こんな風に、オレにいつも包まれていないと不安になる?」
二人は、今、向かい合わせで抱き合っている。
「・・・だって・・・」
「オレだって、いつもこうしてルリを抱きしめて、いつもキスをして、いつもルリの体に触っていたいよ、だけど」
「・・・だけど?」
「だけどね、それだけじゃルリを守ってあげられないだろ」
「あ・・・」
その時ルリは初めてこの青年が本気で自分を慈しんでいてくれる事に合点がいった。
「・・・ごめんなさい」
「どうして謝るの? ルリがオレのことを一生懸命想ってくれているから、一週間も放って置かれて、ルリの心が迷子になっ
ちゃっただけじゃないか、シャトルの中で言葉で説明しなくちゃ解らない事もあるってイネスさんに言われたてたのに」
「でもわたし・・・」
「ルリは、それで良いんだよ」
「え?」
「ルリは一生懸命オレを想ってくれていれば。
今は、それでいいんだよ。
ルリが少女の間は、ルリはルリのままでいいんだ」
「・・・だけど」
「オレは、そんなに頼りないかい? ルリを守ってあげれないように見えるかい?」
数ヶ月前、出会ったばかりの「あの青年」だったなら、ルリは即座に「見える」と答えていただろう、だが、いま自分を抱きし
めていてくれる「この青年」ならば・・・。
「そんなことありません」
「ありがとう、だけど、だけどさ、オレ不器用だから、すこしルリの事がお留守になるかもしれない、そんなときには、ずっと
がまんしてないでその場で「ばか」って怒鳴ってくれた方が良いよ」
「はい」
「じゃあ・・・久しぶりに、しょうか?」
アキトの手か、すうっと腰の下へ回り込む。
自分達が今、どんな格好で抱き合っているのかを自覚してしまった、ルリの頬が一気に赤くなる。
「・・・ア、アキトさんのH」
「なんだ、今ごろ気が付いたの?」
そういいつつアキトは、ルリの唇へ自分の唇を押し付けた。
ベストを脱がし、ブラウスのボタンを外すと、白く、透けるような素肌が現われる。
アキトは、そのままルリの胸元へ顔を埋める。
まだほんのりとしたふくらみしか見せていないそこへ、何度も舌を這わし、そして固くなっている部分へ吸い付く。
「んんっ・・・」
その頭を抱きしめルリは、ゆっくりと仰向けに倒されて行く。
同時に、アキトの手が、ショーツの上からルリのその部分へ押し当てられる。
「はんっ・・・」
人差し指がショーツの上から、そっと、割れ目をなぞり上げる。
ブルブルとルリの体がその刺激に震える。
なぞり上げがった指は、割れ目が始まるあたりに留まり、くるくると輪を描く。
そうして、刺激を受けたその部分が、ゆっくりと、固さを増してくる。
「ルリの真珠見〜っけ」
アキトの手がショーツの上をくぐり、二本の指が、そこを摘み上げる。
「いゃん・・・そんなに強くしたら・・・痛い・・・」
鼻に掛かった声で、ルリが言う。
「痛い?・・・本当に?」
アキトの指は、ルリの真珠を押しつぶし、揉み込み、そして敏感なその部分を保護している、肉のベールを剥き上げると、
そっとなぞり上げる。
「くふぅん・・・ふぅぁあああっ」
その刺激の強さに、ルリのお腹が二度三度と波うつ。
感じている事を知られるのは恥ずかしいが、そうして耐えなくては、いられないのだ。
アキトは、真珠を刺激したまま、唇を移動し、再びルリの唇へ吸い付く。
唇に吸い付くと同時に、中指を、そっとルリの小さなヴァギナへ埋め込む。
そのままルリの唇を吸いたて、親指は、ルリの真珠を中指は、一番奥の戸口を優しくノックする。
ルリは、たまらずアキトに痛いほど抱き付く。
腰が浮き上がり、アキトの中指の動きに従い、深く浅く、上下へそして前後に艶めかしく踊る。
中指はノックを繰り返しつつ、ぐりぐりとルリの狭い膣の中で、指先は、小さく円を描く。
「ふんんっっっ・・・」
唇をふさがれたルリは、アキトの口の中に、喘ぎをもらす。
そして一際深く突き込まれた中指が、奥の扉を押し上げた時、ルリの体が硬直し、最初のアクメが訪れたことをアキトに告
げた。
アキトに抱き付いていた腕からは、力が抜け、腰は緊張を失い、両足はしどけなく広げられてしまっている。
アキトは、指を引き抜くと、スラックスを脱ぎ、固く天を向いた己の分身を解き放つ。
左手でルリの位置と慎重に合わせると、脱力をしたまま荒い息を繰り返しているルリを一気に貫く。
「くぁあああっ・・・あ、アキトさん・・・ふぁあぁぁぁぁっ・・・」
一瞬の衝撃に、ルリの瞳が見開かれるが、それがアキトを迎え入れた為だと解ると、ゆっくりと前後に動くアキトの両肩に
腕を回し、そして自らも腰をゆっくりと動かし始める。
ゆっくりとした律動は、まだその行為に慣れていないルリを、安心させるリズムだ。
そして、アキトは、それを見こした上で、最後まで己の分身を突き込んではいない。
最後まで貫けば、ルリの一番奥を突き上げ、ルリを狂おしく頂点へ送り届ける事はできるということは判っている、しかし、
まだ慣れていないこの行為にルリに速く慣れてもらいたかった。
だから、ルリにゆっくりと、頂点に達して欲しかったのだ。
だが流石に、ルリのその部分の締め付けはきつく、いくらセーブしようと彼が先に達してしまうのは明白だった。
唇を離すと、ルリは、少し寂しそうな顔をした。
「ルリ、ごめんもうオレ・・・」
「・・・ぅあぁあ・・・い・・・いです、来て・・・ください」
小さく喘ぎながらルリが答える。
そしてアキトは、律動を早め、そしてルリの最奥部までを貫き、引き抜く。
さらに、貫くときに、腰を震わせ、ルリのそこへ刺激を送る。
その刺激によってルリは急速に高まって行く。
そしてアキトが一際深く貫いたとき、ルリも頂点へ達し断末魔の締め付けでアキトを締め付けた。
「くぅっっ・・・でる・・・」
「ふぁあああああっ!あ、熱いっっ!!」
それが、体の奥へ注ぎ込まれた瞬間、ルリは、その熱さにもう一段の高みへ押し上げられ、髪を振り乱し、シーツを掴み、
オルガズムの波に飲み込まれたのだった。
「じゃあ、改めて、左手をかして」
一眠りして目を覚ました二人は、裸のまま向かい合い、キスをした後、ルリは、改めて左手をアキトに委ねた。
そうして、ルリの左手の薬指には、大分余裕のあるリングがはめられた。
「ごめん、リングは、サイズ合わなかったね」
「大丈夫です。
だって・・・。
私だって、少女のままじゃありませんから」
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「one's girlhood.」
Fin
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「Precious Wing」
「おい! アカツキ! 後だ、後に大型機がいるぞ!!」
「なに?! ちくしょう、どこだっっ!!」
その戦闘は、単なる遭遇戦だった。
かなり以前にチューリップから、送り込まれたのであろう、百数十機の木星トカゲの無人機動兵器が、ナデシコの
接近によって活性化したのだろう。
それほど統制がとれていない状態で、ナデシコに攻撃をかけて来た。
統制が取れていないということは、迎撃も非効率的にならざるをえない。
事実、迎撃に出たエステは完全な乱戦状態で、一機づつ片づけて行かなくてはならなかった。
アカツキ機は、レールガンの弾丸を打ちつくし、高価なそれを打撃武器として使い、一機のジョロを叩き伏せた所
だった。
その背後に、一回り大きなジョロが接近し、ミサイルを放とうとしているのだ。
ちょうど死角だったのか、まるで反応が遅れたアカツキに業を煮やしたアキトがディストーションフィールドを、ナッ
クルへ収束させ、大型ジョロへ突入する。
「アカツキ、退けっっ!!」
ミサイルの放出と、アキト機のナックルが突入するのとがほぼ同時だった。
一瞬、3機が、凄まじい閃光に飲み込まれる。
ブリッヂにルリと、ユリカの悲鳴が響き渡る。
「アキトさん!!」
「アキト!!」
オペレートシートから立ち上がったルリは、閃光に魅入られた様に、その場に立ち尽くす。
その胸の中に、ありとあらゆる思いを叩き込んだ凄まじい感情の嵐が湧き起こる。
その胸の激動を写すかのごとくコンソールに付いたままの手の甲の輝紋が輝度を増し、ミサイルの爆光をも圧す
る光を放とうとしたとき、ルリの感情の暴走状態の兆候を捉えた思兼がIFSを通じ、かつて無い大出力で、ルリへデ
ータを送り込んだ。
『テンカワ機、被弾、左椀部全損、左胸部中破、コクピット内気圧正常、パイロットテレメーター生命反応に異常な
し! パイロットテレメーター生命反応に異常なし!
テレメーターの脳波パターンから現在パイロットは、気絶状態、脳内エンドルフィンの上昇と、心拍数の上昇という
状態から考え、軽度のショック状態と考えられる。
骨折程度の障害の発生の可能性が大なるも、生命反応に異常なし!!』
まるで頬を平手打ちされたかのようなデータの奔流に、ルリはIFSコンソールから手を離し、がっくりとシートへ倒
れ込んだのだった。
「いてててっ・・・エリナ君もう少し、優しくてくれない?」
「贅沢言わないの、全くテンカワ君が盾にならなかったら、あなた今ごろ良くてICUよ」
「僕のエステが腰部以下全損、テンカワ君のエステが、左椀部全損、胸部中破か・・・いや、本当に面目無いね」
「カスタムメイドのエステバリスに乗っていて、ノーマルのエステバリスに勝てないんじゃ、そろそろ降りた方が良い
んじゃない?」
「よしてくれ、たまたま彼が、敵に気が付いただけじゃないか」
「あ〜ら、相対位置で70メートルしか離れていなかったのに、気が付かなかったひともいるのにね」
「・・・悪かったね」
さすがに、ヘルメットをしていなかったために、レールガンを振り回した瞬間、自慢のロンゲが、その慣性で振り回
され視界を遮ったのだ、とは言えないのだろう、憮然とした調子のナガレである。
「で、テンカワ君は?」
「無事って訳じゃないけど、命がどうのっていう事ではないらしいわ」
「・・・交際費から、お見舞出しといてもらえる?」
「解ったわ・・・まったく素直じゃないんだから」
アカツキは、エリナの言葉に舌を出して見せた。
「あら、気が付いたわね」
点滴の針を抜かれた感触で、テンカワアキトは、意識を回復した。
「・・・あ・・・イネス・・・さん・・・俺、どうしたんすか?」
「アカツキ君を庇って、敵の前に突っ込んで、被弾、その衝撃で左足を骨折した上に、気絶したのよ、MRIで頭の
方には、異常はなかったから安心しなさい」
「・・・あいつ・・・アカツキは?」
「無事よ、あちこちに「あおたん」は作ったみたいだけど」
「向うはあおたんで、俺は骨折かぁ・・・」
ギプスに包まれた己の左足をまじまじと見つめる。
ギブスから覗いている足首をそっと動かしてみる。
しかし、これといった痛みは感じない。
「・・・でも、俺ほんとに骨折したんすか?」
「したわよ」
イネスは、点滴セットを片づけながら答える。
「でも、痛くないっすけど?」
「当たり前、あなたをエステのコクピットから出す前に、痛み止めインプラントしちゃったもの、はい、レントゲン」
「げげげっ患者の同意も無しに、インプラントしないでくださいよぉ・・・あ、はい・・・こりゃ「みごと」にポッキリいって
ますねぇ」
「テンカワアキト」と自分の名がプリントされたレントゲンフイルムを天井の発光パネルへ透かし見たアキトはまる
で、他人(ひと)事のような調子で感嘆の声を上げた。
「でしょ、全治で・・・そうね3日ってところかしら」
この時代、医療用ナノマシンを使用するため、致命傷以外の傷であれば、信じられぬほど短い期間で、回復する
事ができる。
「単純骨折の見本として教材に使えるほど見事に折れてるわ。
ま、それにしたって痛いのは嫌でしょう?」
ベッドに寝せられ、足をギブスで包みそれをベッドへ吊られたアキトへぐいっと顔を近づけイネスが言った。
「そりゃあ、まあ・・・」
ふわりと漂ってきた甘い香水の香りに、少々戸惑いつつアキトが答える。
「それじゃあ、あと3日、静かに寝てなさい」
そういうとイネスは、チュッと軽くアキトの唇へ自らの唇を合わせると白衣を翻し、出ていった。
扉の閉まる音の向うから「もう入って良いわよ」という声が聞こえた途端、二つの影が病室へ飛び込んで来る。
「アキトさん!!」
そしてその影のうち、小さ方、ホシノルリが、アキトの胸に飛び込む。
アキトは、その体を慌てて、抱き止める。
「アキト、痛くない?」
「・・・ユリカおまえ、ブリッヂ放り投げてこんな所へ来ていいのかよ」
優しくルリの背中をポンポンと叩きつつ、ユリカへ向かい言う。
それは、ルリの体は、ガタガタと、まるで熱があるように震えている為だった。
「大丈夫じゃない・・・けどアキトが心配だから・・・」
もじもじとマントの端をこねくり回すユリカ。
「単なる骨折だって、イネスさん言ってたろう? 俺はルリが居れば平気だからおまえは、ブリッヂですることしてこ
い! まだ戦闘態勢じゃないのか?」
「戦闘態勢は解除、デフコン(ディフェンスコンディション:防衛態勢)は4へ落したからナデシコは、今、半舷休息だ
よ・・・それにルリちゃんだって、お仕事途中だもん」
「・・・おまえの責任と、ルリの責任、どっちが重いんだ?」
「うっ・・・ユリカの方が重いです・・・」
「だったら、だまってブリッヂへ戻る!」
「はぁい・・・ルリちゃんは、早退扱いにします。
ルリちゃん、ユリカの分もアキトのこと看てあげてね」
と言ったユリカへルリは、アキトの胸に顔を埋めている為、くぐもった声で「はい」と答える。
そしてユリカは肩を落し、すごすごと病室から退散していった。
しかし扉が閉まる直前その背中へアキトは「心配させて、悪かったな」と声をかけた。
途端にユリカの背中がシャキっとしたのが扉の向うで見て取れた。
しばらく、アキトの胸の中で震えていたルリが、やがて落ち着いたのだろう。
顔を上げると、アキトの体から身を放した。
「足・・・痛くないですか?」
ルリは、ベッドサイドへ置かれた昔ながらのパイプ椅子をアキトの枕元へ寄せながら聞いた。
「それがね、イネスさんが、おれが気が付く前に、痛み止めをインプラントしてくれてたから、全然痛くないんだ、レ
ントゲン見せられなかったら、骨折だなんで、オレも信じられなかったよ」
「・・・あ、あまり無茶は、しないでください」
制服のベストの裾を両手で掴み、顔を伏せたまま、まるで泣きそうな声のルリ。
「・・・ごめん、ルリ・・・」
アキトは、ルリへ頭を下げる。
「・・・だけど・・・目の前で知り合いに死なれるのはもう、嫌だったんだ。
だから・・・ルリ、俺、無茶は、もうしないって約束は・・・・・・うんんんんん?!」
アキトは、最後まで言葉をつづけられなかった。
今、この場で、そのアキトの言葉を、最後までその言葉を聞いてしまったら、ルリは、ずっと脅えていなくてはなら
ないから。
きっと、アキトが出撃するたびに、その恐怖を心に呼び起こされるから。
たった30分前に、自分が感じた、あの喪失感と恐怖、そして苦しみ、悲しみ、それら全てが詰まった感情の嵐に、
もう一度それに自分が耐える事ができるという自信がなかった。
もしもあの時、思兼がテンカワ機からのテレメーターを、アキトが生きているという、命に別状が無いという、確証
を与えてくれなかったら、ルリは自分を保つ事が出来たとは到底思えなかったから。
今までは、気にしなかった。 いや、知る由も無かったのだ。
「命」をかけたフロントラインに、彼が立っているということが一体どういうことなのか。
今は、それが理解できてしまった。
一瞬の内に彼がこの世界から居なくなってしまう可能性があるという事を、自分の目の前から大切な、かけがえ
のない、自分の全てを賭けてもいいと思う、己の全身全霊を捧げたいと思う存在が去ってしまう、恐怖に、悲しみ
に、怒りに。
ホウメイに、パイロットを好きになるなんてなどと言われても平気だった。
けれど、その怖さを知ってしまった自分は、アキトや他のパイロットたちを送り出巣事ができるか、自信が持てなく
なった。
だから、聞きたくなかった「約束できない」という言葉を聞いてしまったなら、アキトが失われてしまうかもしれないと
いう、その恐怖に、自分が押しつぶされてしまうから・・・。
いや、事実、人の命が、それほどの重みを持つものだったということに、初めて気が付いてしまったルリは、その
重みに押しつぶされてしまいそうになっていたのだ。
だから、どんな言葉も、聞きたくなかった。
ただ、テンカワアキトという青年の、存在を、命を、感じていたかった。
そして、テンカワアキトも、また、このたった一人の少女を、どうなだめ、そしてその心を安らかにしたら良いのか、
考えあぐねていた。
ルリが抱き付いてきた時の、体の震え、それだけで、己の行動の結果が自ら慈しまねばならぬ存在に、どれほど
の心の負担を強いてしまったのか解ってしまったから。
けれど、かれは己の心にも嘘は付けなかった。
やがて、唇を離し二人は、ただ見詰め合う。
その心は、互いを思う気持ちで満たされているのに、どう言葉を発せばいいのか解らなかった。
長い間、二人は、無言で互いの瞳を見詰め合ったままだった。
ノックの音が、その沈黙を破らなければ、きっと二人は、言葉を失ったままだったかもしれない。
「入るわよ」
そして、イネスの声が二人を分けた。
「は、はい!」
長い時間黙っていたルリの声は、枯れて、そして調子が外れていた。
「ルリちゃん、ごめんねもう一度、細かい検査をIFS経由でするから、席をはずしてもらえる?」
「・・・はい」
それだけ答えると、ルリは席を立ち、病室から出でいった。
「どうしたの、2人してまるでお通夜みたいな顔して?」
IFSテレメトリーをアキトの手に付けながら問う。
「・・・俺、もうエステには乗れないかもしれない」
「恐い?」
モニターへ、ケーブルを接続し、電源を入れる。
「違います」
「・・・ルリちゃんが、そう言ったの?」
シーケンスを起動する、スイッチを入れる。
一瞬、IFS輝紋が光を発する。
「言ってません、言ってませんけど、あいつ震えてました。
俺が、無茶をしないって約束できないって言おうとしたら、キスしてそれを止めました」
「嘘は付けない? 彼女に、それは必要な嘘じゃなくて?」
「それは、違いますよ。
嘘を付いて、もしもまた今度のような事があったら、あいつは、俺の事を信じてくれなくなりますよ」
「でも、今度のような事、もう起こらないかもしれないわよ」
シーケンスは、次々にクリアされてゆく。
ログが、モニターを流れ、そのログは、思兼へ蓄積されて行く。
「もう一度起こったんです、二度目が無いって俺には、言えませんよ」
「・・・だったら、あなたにできる事は・・・」
「俺にできる事は?」
「あの子に、あなたの事を信じさせてあげることしかないんじゃない?」
「信じさせる?」
「そうよ、テンカワアキトは、必ず生きてかえってくるって」
「・・・それができたら悩みませんよ」
「何を言ってるの、自分の技術を、力を、運を、自分で信じてなくて、よくパイロットなんて勤まるわね?!」
「え?」
「あなたいつも、死ぬつもりで出でゆくの? いつも敵に撃破されるって思って出ていってるの?」
「そんな訳ないでしょう!」
「だったら、そう言ってあげなさい、自分でそれを信じて、ルリちゃんを抱きしめてあげなさい、そしてオレを信じろ
って言ってあげなさい、おまえを守るために俺は、エステに乗っているって言ってあげなさい」
シーケンスが終了し、モニターには、全数値通常誤差範囲内という結果が表示される。
「IFSも問題無いわ」
「あ、ありがとうございます」
「口にしないと、伝わらない事も、確かにあるのよ、お兄ちゃん」
イネスは「じゃあね」と言うと、病室を出ていった。
「ホシノルリ、こんな所でたそがれてどうしたの? テンカワ君の所に居てあげないの?」
宇宙の見える舷窓にたたずみ、ため息を吐いているルリを見つけたエリナが声をかけた。
その表情は、青白く、思い悩んでいる表情にもみえた。
「・・・エリナさん・・・一つお聞きして良いですか?」
「良いわよ、なにかしら?」
「アカツキさんをエステで出すとき、恐くありませんか?」
「え?・・・そうね、あの自信過剰な男がどうこうなるなんて考えた事無かったけど・・・」
「信じているんですね?」
「信じて・・・まあそうね、信じなくちゃ彼の下では働けないわ。
ただし私が信じているのは、あいつの技術と能力だけどね」
「技術と能力・・・」
「そうよ、だけどあなたなら、テンカワアキトをもう少し別の角度から信じてあげる事ができるんじゃない?」
「別の角度?」
「あなたのナイトとして、彼を信じてあげられない? 彼があなたを思う気持ちに対して、あなたはそれを信じて、送
り出してあげられるんじゃないかしら?」
「アキトさんが私を思う気持ちを信じて・・・送り出す?」
「そうよ、愛は勝つ、なぁんて青い事を言うつもりは無いけどね、あなたが信じてあげないなら、私が信じちゃうわ
よ」
「そ、それは駄目です!!」
「んふふっ、そうそう、その息よ・・・参考になった? じゃあね」
「はい、ありがとうございました」
そういってあたまを上げたルリの表情は、それまでの、考え込んでいた物とは確かに違っていた。
そして・・・
「エステバリス隊、敵迎撃に向かってください。
スバル機とマキ機、アマノ機は、9時方向へ、テンカワ機とアカツキ機は、11時方向の敵を掃討してください」
ユリカの指示が各機へ伝えられる。
「またテンカワ君と組むのかい?」
「今回は、アキトが、アカツキさんのバックアップです」
ユリカは、きっぱりと言い切る。
「はいはい、一度信用を失うと、取り戻すのが大変だつーことだねぇ・・・さぁて、敵さんも出できたし、パーティーお
っぱじめようか!」
『了解!!』
「テンカワさん、気を付けて」
「ああ、オレを信じて待っててくれるかい?」
「はい」
そう微笑むルリの表情に、迷いはない、そして彼女の視線を受け止めるアキトの表情も同じく曇りは存在していな
かった。
「ありがとう、じゃあ行ってくるよ・・・テンカワ機行きまぁすっっ!!」
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「Precious Wing」
Fin
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「楽園の泉2」
ナデシコ艦長室・・・。
ミスマルユリカは、本日の業務の締めくくりとして航海日誌を付けていた。
「・・・であった、と・・・ふぁあああああああっ・・・・はぁああああっ、今日も一日お疲れ様でした」
すでにシャワーは浴びてしまい、髪も乾き、パジャマ姿のユリカは、口述ワープロの電源を落すと大きく伸びをし
た。
地球に降りた際に購入した、巨大なうさぎ・・・アキトと名づけた・・・のぬいぐるみを抱きかかえ、ユリカはベッドへ
寝転んだ。
このうさぎのぬいぐるみ、寝転がって、抱きしめると尻尾がユリカの微妙な所に、実に具合良くフィットする。
ようするに足をからませ、その足の強弱で、自分を慰める事ができるということなのだ。
「またユリカにしてね・・・」
ここしばらく、アキトとルリから放って置かれているユリカは、疼く体をそうして癒していた。
さらに、ここ数日は、その儀式に新たなファクターが加わっていた。
ユリカは、コミュニケをサイドテーブルから取ると、微妙な強弱を続けつつ、コミュニケを操作する。
それはメールで送られてきた親展ファイルを呼び出す操作だった。
ウインドウがいく枚も開かれ、ユリカは、そのなかから、お気に入りの数枚を探し出す。
それは、すべて後ろ手に縛られた、女性が、完全に空中に吊るされつつ後ろから貫かれている写真や、ディルド
ーで悪戯をされているものであった。
空中に浮かぶその写真を見つめながら、ユリカは、頂点へ向かう。
「ふぁあああっつ、アキト、わたしを好きだって言って、好きって言ってくれたらユリカに何してもいいよぉ・・・アキト、
アキト、アキトぉぉぉおおおっっ」
「うるせぇな、人の名前そんなに連呼するなよぉ」
「あ、あああ、アキトぉ来てくれたのね、ユリカ・・・ユリカ・・・ふあああああっ」
そのままアクメを迎えるユリカだった。
「・・・あ、あれぇ? なぁんでアキトがいるのぉ?」
アクメの余韻のほわんとした表情でうさぎのぬいぐるみを抱いた下半身ショーツ一枚というあられもない姿で、ユリ
カは、目の前に立っているテンカワアキトを不思議そうに見上げた。
「おまえがコミュニケで呼んだんだろう、せっぱ詰まった声だけで何事かと思うだろうが!! ったく、オナニーしな
がらコミュニケなんかいじるなよ」
「ごめんなさぁい・・・でもアキトわたしのこと心配してくれたんだ」
「・・・艦長に名前を呼ばれたら、誰でも来るだろうが! ったく、こっちは眠いんだなんでもないなら帰るぞ!」
「なんでもなくないよぉ、ねぇユリカをかまってぇ」
「ばかやろう! もうおれとルリの仲はクルーに知れ渡っているんだ、ユリカを黙らせておく必要が無いのに、そん
な事できるか!」
「でも・・・」
「あのなぁ、おまえルリにオレのこと頼むって言ったんだろう」
「言ったよ、でも諦めるなんて言ってないもん」
「・・・おまえ、それ詭弁だぞ。
一艦を預かる人間としてかなりみっともない振る舞いだぞ」
「詭弁だって、アキトの事ユリカは好きなんだもん! 理性じゃルリちゃんに勝てないって解ったって、そんな簡単
に感情は、割り切れないもん!!」
「・・・ま、そりゃあ・・・」
帰りの遅いアキトを見に来たのだろうか、ドアが開きルリが姿を現わす。
「・・・艦長寂しいんですね」
「艦長は寂しい役職だもん・・・ナデシコには、参謀が居るわけじゃないし・・・」
すっかりジュンの事を忘れ去っているのかそんな酷い事を言いつつユリカは、スンスンとしゃくりあげ始める。
「艦長、可哀相・・・」
そう呟くとルリは、ユリカの唇に、自らの唇を重ねる。
アキトは、その様子を見ながら、ユリカが未だに抱いている、ぬいぐるみを取り上げた。
「あ・・・」
アキトは、たった今まで、ユリカのその部分に押し付けられていた尻尾の匂いを嗅ぐ。
ツンとすっぱいような香りがほのかに嗅ぎ出されてきた。
その香りに、アキトは、思わず反応してしまう。
「ユリカは、エッチな女の子だなぁ、すっげえ匂うぞ、こいつの尻尾」
そんな事はないのだが、アキトの言葉に、ユリカの顔が真っ赤に染まる。
「その上、あさましいよなぁ、こんな緊縛写真を見ながらオナニーなんて、やっぱり苛められたいんだな」
アキトは、ベッドへ座ると細かなピンクと白のストライプのショーツにくっきりと形を浮き出してしまっている、ユリカ
のその部分へ手を這わす。
だが、ルリに口を塞がれているユリカは、反論ができない。
アキトの指は、しっとりと湿ったショーツの布地を突き上げている、ユリカの一番気持ち良い場所の辺りをくるくると
円を描き、なぞっている。
抱きしめるものの無くなってしまったユリカは、ルリをきゅっと抱き寄せると、さらに深く唇を合わせる。
ルリの小さな舌がユリカの口の中をぺろぺろと舐めまわす。
ユリカはルリを抱きしめ舌の愛撫をうっとりと受け入れている。
その様子に、アキトは、手を止めると、ぬいぐるみをそっと床へ下ろす。
そして、アキトは、ユリカの両方の膝頭を掴むと、グッと押し広げる。
全く抵抗無くユリカは足を開かされ、はしたない吐液を飲み込んでいるショーツの底の部分を、アキトの目にさらけ
出した。
薄い布地には、ユリカの花びらの形が見事に浮き上がり、時折、その花びらがヒュクヒュクといやらしく打ち震える
様子まで写し出している。
アキトが、両手を離しても、ユリカは、何かを期待しているのだろう、膝は再び閉じ合わさられる事はなかった。
そしてユリカはルリと唇を合わせつつも、切なそうな視線でアキトを時折覗き見る。
その視線を受け止めたアキトが、言う。
「ユリカ触って欲しいんだろう?」
その言葉に、ユリカは目を伏せつつ肯いた。
「・・・だけどなぁ、俺にはルリがいるし、ユリカの体に触ったら浮気になっちゃうだろう、だから、こうして指を、貸し
てやるから、あとは、自分で、体を好きなように動かして気持ち良くなってくれよ」
そういってアキトは、右手の人差し指と中指をやや開きぎみに、ユリカの花びらと、そして充血している真珠へあて
がった。
しかし、ユリカは弱々しく首を振り、それを拒絶した。
「なんだ、嫌なのか、じゃあ止める」
じっとユリカを見つめながら指を離す。
ユリカは、それも首を振り、嫌がる。
「だったら、ユリカ、自分で動かさなくちゃ」
ユリカは、その言葉に、悲しそうに、首を振る。
「だって、気持ち良くなりたいんだろう」
アキトの指が、つんとショーツを突き上げてる、突起の上にそっと置かれる。
その瞬間、ブルッとユリカの体が震える。
「ユリカ、我慢は良くないぞ」
その声についにユリカは、腰を浮かし、アキトの指へ自らの肉芽を押し付けるように動かし始める。
今まで、我慢してきた分を取り戻そうとするかのように、前後、そして上下、左右へ腰を、淫らに振り散らかす。
やがて、小さな水音が、その部分から聞こえてくるようになると、ユリカのその動きは、いっそう、強く、そして速くな
った。
だが、やはり、腰の動きだけで「いく」ことはできないのだろう、ルリとのキスを振りほどき、ユリカが哀願の声を発
した。
「アキトぉ、いかせて、ユリカを、いかせてぇ」
「ルリ・・・」
「あ・・・」
その声を無視するかのように、アキトは、ルリを軽々とユリカの腕から奪うと、自らの腕の中に抱き寄せ、たった今
まで、ユリカと口付けをしていた、その唇に、自らの唇を押し当てる。
そして、タイトスカートをたくし上げると、ちいさなショーツの上から、ふっくらとした丘に掌を押し当て、ゆったりとし
たリズムで、縦割れをなぞり上げ始めた。
「ふぅんん・・・」
アキトの指が、割れ目の天辺に達すると、ルリは可愛い喘ぎを鼻から漏らす。
アキトの手は、腰からも回り込み、ルリのお尻も刺激する。
いつもと違うリズムの少し強引なその愛撫に、ルリはあっという間に、高みへ押し上げられ、アキトの唇を振りほど
き、声を上げる。
「ふぁああ・・・いく、いききます・・・ルリ・・・いきます・・・くぅうんんんっ・・・」
ぎゆっと抱き付いた、その手がブルブルと震え、そして力が抜ける。
ルリのいき様を見せ付けられた、ユリカも、自らの手によって、二度目のアクメを迎えていた。
アキトは、ルリの湿ってしまったショーツを脱がすと、まだ「ほわん」とした表情のルリに、同じく脱力しているユリカ
顔を跨がせた。
「さあルリユリカにお願いしてごらん」
「でも・・・」
「ルリを気持ち良くしてくださいって」
アキトは、そういいつつ、ルリの割れ目を指で開くと、中指をヴァギナへそっと押し込み指を湿らせ、そして、ルリの
大きくなってしまっている真珠を早いピッチで、幾度も軽く叩く。その度に、ルリのお腹と、広げられてしまっている割
れ目がヒュクヒュクと淫らに蠢く様がユリカには見て取れた。
「くふぅ・・・ぁああっ・・・か、艦長・・・ルリを・・・」
「艦長じゃなくて、ユリカおねーさまって言ってごらん」
アキトは、真珠を下から、鳥肌が立つ程ゆったりと、なぞり上げる。
「・・・ふぅぅぅん・・・ユリカ・・・ぁっ・・・ユリカおねーさま、ルリを・・・んんんっ・・・だめアキトさん、そんなにしたらま
た・・・すぐに・・・くぅうううっ・・・ルリのおまんこを、もっともっと気持ち良くしてください、お願いです」
顔を真っ赤にしつつも、しかしルリは腰を徐々に落としてゆく。
「ルリちゃんのおまんこ、可愛い」
そういいつつユリカは、ルリの腿を抱え込むと、アキトの指に広げられた割れ目に舌を伸ばして行く。
アキトは、それを確認すると、ルリの割れ目から手を離し、ユリカのショーツの中へ手を伸ばして行く。
そこを飾る物のざらりとした新鮮な感触を掌に感じつつ、まだ男を迎え入れた事のない、ユリカの縦割れに指を滑
らせる。
淫らに濡れそぼり、そして熱く充血し咲き誇る、ユリカの縦割れを幾度もなぞり上げたアキトは、やがて中指をユリ
カのバージンへゆっくりと進入させてゆく。
「ふぅううううん・・・」
コリッとした子宮口が感じられるまで押し込んだ中指で、その扉を幾度も叩く。
叩きながら、親指でユリカの真珠を押しつぶすように揉み込む。
「うぁああああっっ・・・それ嫌、痛い、痛いよアキトぉ」
峻烈なその快感に、ユリカは、それを痛みとして認識してしまう。
「あ、ごめん、強かった?!」
アキトは、親指に込める力をほんの少し抜くと、中指と親指とを交互に蠢かせ、ユリカを一気に高めて行く。
「・・・ふくぁううううううっっっ・・・」
その度に、頭を仰け反らせ、抱え込んだルリの腿をきつく抱きしめ、快感に耐える。
「ユリカ、ちゃんとルリもいかせて上げないとだめだぞ」
それでも、ユリカの舌妓によって倒れ込んできた
「だって・・・アキト・・・ぅぅううああっっ、それだめぇ・・・」
爪先で、子宮口を引っ掻かれたユリカは、その狂おしい刺激に、頭を振り耐える。
「ぁぁぁあああ、アキト、アキトぉ、ユリカいくの、いく、いきます・・・ぁぁああああっっっ!!」
しかし、耐え切れず、ユリカは、たまらず絶頂を極め、そして意識を失う。
アキトのてのひらにユリカの愛液が音を立てて吹きかけられる。
「ルリいけなかったろ?」
絶頂の予兆に身を小さく震わせ、瞳に涙を浮かべている、愛しい少女と唇を合わせたアキトは、そういうと、ルリを
ユリカを跨ぐ四つんばいにさせ、一気にうしろから貫いた。
「うぁあああっ!!」
その力強い一撃にルリの手からは力が抜け、ルリはユリカの胸に顔を埋め哭く。
最奥部の扉に達してもまだ全部が埋まりきらないそれを、さらにゆっくりと押し込まれるとルリは、最早口の端から
唾を吹き零し、目の前のユリカにしがみ付く事しかできない。
しがみ付かれたユリカは、ルリの顎をながれ下る彼女の唾液を舌で掬い上げると、しがみ付いてくるルリをそっと
抱きしめる。
『じゅぷっ・・・ぎゅっぷ・・・じゅぷっ・・・』
二人の腰の間から、酷く淫らがましい水音がアキトのゆっくりとしたリズムに従い漏れ聞こえる。
「あ・・・あ・・・くぅうううう・・・アキトさん・・・一緒に、一緒にぃ・・・」
ルリのおへその奥に熱い物が育ち、弾ける瞬間が近づいていた。
「あとすこしだよルリ・・・もう少し・・・」
アキトも、根瘤にわだかまる熱いものが迸る瞬間を迎えようとしている。
「早く・・・早くぅ・・・わたし・・・わたし・・・もう・・・いく・・・いきますぅ・・・ふああああああああああっっっっっ!!!」
アキトの最後のひと突きが、ルリの子宮口を押し広げた瞬間、ルリは、オーガズムを迎え、背中を仰け反らせ、瞳
を見開き、口を開き、ユリカを痛いほど抱きしめ、そしてアキトを包み込むヴァギナは断末魔の収縮で、アキトの分
身を絞り上げた。
『どくっ・・・どくっ・・・どくっっ・・』
熱い迸りが、ルリの子宮口を幾度も叩き、二人は、がっくりと崩れ落ちた。
「あぅううう、ふたりとも・・・重いよぉ・・・」
やがて正気を取り戻したユリカは二人にのしかかられた重みで呼吸もままならない地謡で、そう口にするのがや
っとだった。
しかし、まだ、三人の夜は始まったばかりである。
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「楽園の泉2」 Fin
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
At Sneezing a RURI.
「こら、そんな格好でいると、風邪ひいちゃうぞ」
ルリは、シャワーから出てから下着姿のままずっとアキトの部屋の端末から思兼となにやら話し込んでいた。
ルリがシャワーを使い、アキトがシャワー室に入る前にも同じ事を言った。
そしてシャワーを使って出てくるまで15分ほど。いくら人工環境の宇宙船内とはいえ、その環境は、搭載している
電子機器に合わせたものであり、人間がそちらに合わせているのが実情なのである。
気温20度そこそこというのは、まだ大人ではないルリが、下着姿でいるには、少し涼しい気温の筈だ。
「大丈夫です、も少しですから・・・」
先ほどと全く同じ内容の答えを振り返りながら言ったルリがなぜかそのまま固まった。
アキトは、唐突に固まってしまったルリのそのなんとも言えない「表情」に魅了される。
だが、その表情は、ルリの発した生理現象の為、突然崩壊した。
「・・・っくしゅん・・・」
それは、小さなくしゃみだった。
「ぷっ・・・」
湯上がりに下着姿で居れば、それは体が冷えるであろう。
その上、可愛いとしか言いようのない小さいくしゃみ、思わず、アキトは吹き出してしまった。  「あ、笑いましたね」
生理現象を笑われてルリは、じと目でアキトを睨む。
「だって、ルリのくしゃみなんて初めて見たもの」
アキトは、クローゼットの中から自分のパジャマを取り出すと、手早く着てしまう。
いや、そんな筈はない。
それだけの時間を二人で過ごしている。
なんどかくしゃみの記憶もある。
ルリは、思わず冷たい声の詰問口調の声を上げてしまう。
「・・・そんなことないと思いますけど」
「そりゃあ、ルリの可愛いくしゃみは何度も聞いたことあるよ、でもじっと顔を見ながらのくしゃみは、初めてだな」
そしてクローゼットの中から、自分のTシャツを一枚取り出すと、ルリの後へ座る。
ああそういうことなら、確かに、面と向かってくしゃみはあまりしないものだ。
納得したルリは、また思兼との会話に集中しようとする。
「でも、笑わなくても」
その気配に、口をとがらせて見せる。
「ごめん。でもね・・・あ、冷たい。ほら! もう体冷たいじゃないか」
髪を下ろしたままのルリへTシャツを頭からかぶせながら、その腕に触れたアキトは、そう声を上げてしまった。
アキトが着ても長めのTシャツは、ルリが着れば、ひざの下まで隠れる。
そしてアキトは、ルリを自分のあぐらの中に抱きかかえた。
アキトの体の火照りが、ルリの体に冷まされて行く。
「でも、なんですか?」
アキトのあぐらの上で、しばらくもぞもぞと体を動かし、落ち着ける位置を決めていたルリは、思い出したように聞
いた。
「でもね、くしゃみの直前の顔が・・・」
とっても可愛い・・・じゃないなぁ・・・。
とっても奇麗でもないなぁ。
とっても・・・とっても・・・。
とっても・・・とっても・・・。
アキトは、自分の語彙の少なさにイライラしながら、その言葉を見つけ出した。
「・・・とっても魅力的だったからね、それとくしゃみとのギャップで驚いたんだよ」
その答えに納得したルリは、小さくうなづくと端末へ手を伸ばし、思兼と再び話し始めた。
「なにを思兼と話してるの?」
「艦長に、艦隊行動のシミュレーションの作成を頼まれたんです、ナデシコが敵の艦隊に遭遇したときの対処を検
討したいそうなので、簡単なのから、難しそうなのまで、色々思い付くパターンを思兼に入力しています。
それから、過去のギリシャのガレー戦による海戦から、木星トカゲによる侵攻に至るまでの艦隊運用のパターンも
抽出する作業も行っているんですが、地球と月の宇宙軍戦史ライブラリへの進入に思兼が手間取っていました」
「それってハッキングって言わない?」
「言います、でもIDは、ミスマルコウイチロウ提督の物を使っていますからナデシコからアクセスだとは思わないと
思います」
「ユリカがID教えたんだな?」
「そうです、お陰で、地球連合のクラスAA級のライブラリへアクセスできるようになったので、とっても楽しいって、
思兼すごくご機嫌です」
「ご機嫌?」
アキトは、それを聞いて唐突に思った。「躁」状態のAIってなんか、すごく嫌だ。
もっとも鬱状態はもっと嫌に違いはないのだが・・・。
「はい! 思兼ったら「ルンたった」なんて言いながら、嬉々としてお仕事しています」
思兼のあの銅鐸パターンが「ルンたった」などとスキップしている様をイメージてしまったアキトは、頭痛を覚えた。
しばらくそうしてルリの仕事をみていたアキトだったがさすがに手持ちぶさたになったのだろう、抱きしめていた手
を上と下へ伸ばし始めた。
「・・・ねルリ、あとどのくらい掛かりそうなの」
放っておけばそのまま徹夜をしてまうだろう考えたアキトは、ルリにいたずらをしかけ、そのまま寝かせてしまおう
と考えた。
そうでなくともここの所、なにかとルリは夜更かしをしているのだ。
「もうすぐ、終わりに・・・あ・・・んんんっ・・・」
「さっきも同じ事言ったよ」
そう言いつつアキトは、ショーツの上から、ルリの割れ目を広げるように二本の指で押さえつける。
「もうすこしで・・・くぅん・・・」
ショーツの上のゴムをアキトの手がくぐり、直接ルリの割れ目を触り始めた。
アキトの指が、ルリの割れ目を舟形に開く。
割れ目を湿らせている明らかに汗ではなルリの吐液が、コットンのショーツに吸われ染みを作り出す。
そして中指が、ルリの肉芽をリズミカルに下から叩く。
あまり濡らされていないアキトの中指に、ルリのほんのり湿った程度のクリトリスはまるで吸い付くようにその指に
密着しようとする、だが、中指は、そんな事にお構いなく、離れて行く。
それは、ルリに峻烈な刺激となって襲いかかる。強いその刺激が繰り返される度ににルリは息を詰めその刺激に
耐える。
「・・・どうして・・・こんなに早く・・・んんっ・・・」
アキトの指の、吸い付くような感覚に、ルリはあっという間に上り詰めてしまう。
ルリの体に力が篭る、そのオーガズムの前兆を捉えたアキトは、親指で包皮を剥き上げると、中指で可愛い肉芽
をきゅっと押し込む。
「や、や・・・うそ・・・こんなの・・・くぅぅぅあああん・・・」
ルリの背が海老反り、その体がブルブルと震える。
「・・・ルリ、もういっちゃったの?」
頭をアキトの肩へもたれかけ、ぽわっとした表情のルリへそう言いながら、アキトは、半開きになり、荒い息をして
いる唇を自らの唇で塞いだ。
まるで、水を求めるかのようにルリは、アキトの唾を飲み込む。
だが、アキトは、まだルリの割れ目から手を離していない。
ぴったりと張り付くようなクリトリスから中指を離すと、ようやくその中指をルリの割れ目へ沈み込ませた。
完全に受け入れる準備の出来たそこは、あまり湿っていなかったアキトの指を自らの吐液であっというまにコーテ
ィングを施してしまう。
その指が、いまだ放心しているルリの可愛い入り口を探り当てる。
指の腹でそこをノックすると、ルリの入り口は簡単に扉をひらきアキトの指を迎え入れた。
根元までそれを迎え入れたとき、ルリの体がびくんと震える。
一番奥の器官を押し上げられたのだ。
アキト指の腹でルリの小さな子宮口をそっと撫でる。
何度も何度もそれが繰り返され、次第にルリの息が上がってくる、だがアキトは、唇を離さないように左手でルリを
抱きしめたままだ。
さらに、アキトは、お指で再びルリのクリトリスをそっと撫で回し始める。
別に別に動かせるほど器用ではないのか、他の指も指先が円を描くようにルリの幼い性器を責め立てる。
ルリの幼い膣が己の指を締め付ける強さが変わったことで、再びルリが頂点へ向かって昇り詰め始めたことを感
じたアキトは、中指を折り曲げゆっくりと引き抜き、そして押し込む。
押さえたクリトリスをさらに、くりくりと揉み込みながら、それを幾度も繰り返されルリは、遂にアキトの唇を振りほど
き、最後の声を上げた。
「いゃああ、いく・・・いきます・・・・わたしいく・・・いくぅううう・・・・」
がっくりと自分の腕の中で沈み込んだオーガズムの余韻で放心状態のルリを手早く後始末をしてやり、布団へ寝
かせたアキトは、思兼とのアクセスをクローズすると、ルリの隣へ潜り込む。
乱れ髪を頬からどかし、そっと、も一度唇を合わせて、部屋の灯かりを消す。
「っ・・・くしゅん」
その時再びルリがくしゃみをした。
アキトは、そのくしゃみに闇の中で破顔一笑する。
そしてルリが寒くないようにアキトが己の腕の中に抱きしめると、ルリもアキトにしがみ付いてきた。
胸の中でルリが「あったかぁい」と言うのを聞きながら、ルリのシャンプーの香りのする髪に顔を埋め眠りに就い
た。
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
At Sneezing a RURI.
Fin
機動戦艦ナデシコ
ルリとアキト熱愛編+ユリカとミナト百合編
「冬物語」
「冬ぅ! 冬、冬、冬、冬、冬、冬ぅぅぅぅ!」
ナデシコ艦橋の2段高くなっている艦長デッキで、艦長ミスマルユリカが、突然目一杯力を込めて、絶叫を始め
た。
その下のオペレーションデッキのクルーのうち、そんなのいつもの事って感じのルリは、オペレーターシートに座
り、正面を向いたまま、微動だにしない。
メグミは、地球圏で流れている宇宙軍の娯楽チャンネルを聞いていて平然としている。
その二人の様子に、ミナトは、仕方がないという半ば、諦めの表情で、上を向きつつ、ユリカに聞いた。
「なぁに、艦長とつぜん「ふゆ」「ふゆ」って」
「いま、何月ですかぁミナトさん!」
キャプテンデッキの手すりから体半分乗り出すユリカ。
「えっと・・・この前、クリスマスしたから1月だよね?」
「そうです、1月です、1月と言えば世間一般では冬です」
そんなことは、えっへん! などと胸を張っていう事ではない。
それに、低軌道を2時間ほどで地球周回中のナデシコに季節はあまり関係ない。
強いて言うならば、南半球上空を通過中であるナデシコの季節今は・・・「夏」であろう。
しかし、そんな事をユリカに言っても無駄ってことが判っているミナトは反論をしなかった。
「だから?」
「だから、冬といえば、こたつにみかんです!」
「でも、ナデシコは、人工環境だもの、こたつ、いらないわよ」
「宇宙戦艦といえども、季節感を忘れちゃいけません! いいえ、人工環境だからこそ、季節感が必要です」
まるでプロスペクター氏の様な事を言い、力強く握りこぶしを作るユリカ。
「これは、艦長命令です、各自のプライベートルームへ、こたつとみかんを常備してください! ナデシコの平均気
温も、こたつが丁度いいくらいまで下げます!!」
ドきっぱりと思い付きで宣言してしまったユリカだった。
「と、いうわけです」
「と、いうわけねぇ・・・」
突然自室に現われた、四角い物体に、テンカワアキトは、頭痛を覚えた。
「でも、温かいですよ」
「ん、まあエアコンの設定が下げられちゃったら仕方ないよな」
「よいしょ」と言いながら、ルリの横へアキトは座った。
「あ〜、ほんとあったかいや」
どこからそれだけの数を調達してきたのか、みかんが、こたつの上に小さな山を作っている。
「へえ、みかんなんて久しぶりに食べるなぁ」
アキトが手を伸ばそうとしたとき、ルリが言う。
「あ、それ食品サンプルです」
心なしか、ルリの目尻が楽しそうに下がっている様にも見える。
「え゛?」
「さすがにみかんは、生鮮食料品ですから、そんなに数を乗せていません、全員の個室へ行き渡る数は用意でき
ません、ですから気分だけでもということでセイヤさんが作った、それは食品サンプルです」
「まじ?」
「はい」
というと、ルリは、アキトの手にみかんを手渡す。
ずっしりと重く、みずみずしい触感は、どう見ても本物のみかんである。
「これで本当にサンプルなの? どう見ても本物にみえるけど・・・」
ためすがえす、渡されたみかんをひっくり返したり、下から覗いたりしてしげしげと見つめるアキトへ、ルリは耐え
切れず、吹き出すように言った。
「うふふっ・・・うそです! 全部本物のみかんです」
そしてペロッと可愛く舌を出してみせる。
「シャトルで、ゴートさんと、プロスさんが買い付けてきたんです」
「ルぅリぃ、騙したなぁ」
「あ、怒りました?」
「嘘を付く悪い女の子には、おしおきだ!!」
さして、広くない・・・なにしろアキトのプライベートルームは、一人で使っている事になっているから、支給されたこ
たつも、1人用の小ぢんまりとしたこたつである、そこに少女とはいえ、ルリと二人で入っているのだ、その上隣に座
っている以上、手を伸ばせば、十分、ルリにいたずらがかのうである。
そして、アキトは、正座をしているルリの膝の間へ手を差し入れた。
「や、あん・・・」
スカートの中の三角の布の上からぐりぐりとゆびを回すように刺激する。
「ルリ、うそ付いた罰、このままみかんを剥いて、筋までとって俺に食べさせる」
アキトの指が、ショーツの横から進入する。
こたつの熱に暖まったそこは、まだ冷たいアキトの指にには熱いほどだ。
「や・・・アキトさんパンツ伸びちゃう・・・」
「あ、ごめん・・・そうだ、こっちへおいで」
アキトは、こたつ布団を捲り、自分の膝の上を指差した。
「はぁ・・・1人で、こたつに入っててもつまんなぁ〜〜〜〜い」
言い出しっぺのユリカは、艦長室のひたすら巨大なこたつのに1人でぽつんと肩まで浸かっている。
目の前には、剥かれたみかんの皮が転がっている。
そのとき、ノックの音が艦長室に響いた。
はっ! と顔を輝かせたユリカだったが、入ってきた人物を見て、輝きは失せてしまった。
「なぁんだ、ミナトさんかぁ」
「・・・なんだ、は、ないでしょ、テンカワ君なら、喜んだの?」
「うっ・・・」
「1人でこたつに当たっててもつまんないし、艦長、カードでもしない?」
ミナトは、私物であろうか、二本のワインボトルとは、反対の手に持ったトランプを振って見せた。
「するっ!」
別にワインに釣られた訳でもないだろうが、ユリカは、顔を上げた。
「何しようか?」
新品のトランプをみごとな手さばきでシャッフルしながらミナトが問う。
「ばば抜き・・・二人でやってもしょうがないかぁ・・・ブラックジャックもねぇ・・・とりあえずポーカー」
グラスに注がれた葡萄色の液体を口に運びつつ答える。
「う〜ん、そうね・・・ポーカーかぁ・・・じゃあ負けたら、その人の言いつけを聞く王様ポーカーってどう?」
「いいですけど・・・この部屋の中だけですよ」
「んふふふ、じゃあ、勝負ね」
みかんの皮は、アキトのHな妨害にもめげず何とか剥いた。
スカートを取られてしまったルリのこたつ布団に覆われた下半身は、スリップとショーツというはしたない姿である。
そのショーツの上から、アキトは、さんざんルリの大事なところをいたずらしている。
ともすれば神経が、下半身へ集中してしまうルリに、みかんの房から筋を取るのは、至難の技だった。
その上、ルリの大事なところへ食い込み、ルリのHなお汁をいっぱい吸い取ったショーツは、こたつの熱で、熱くな
り、ルリの神経を攻める。
その食い込みの上から、ルリの大事なところの形をなぞるようにアキトの指がなで上げてくる。
ぶるぶると震えてしまう小さな指で、それでも、みかんの丸いままの実から筋を9割りがた取り去る事に成功して
いた。
「もう少しで、筋が全部とれるよ、がんばってルリ」
アキトは、耳元で囁くように言うと、舌をルリの耳の中へ差込み、チロチロと舐りあげ、耳たぶを何度も甘噛む。
「は・・・はい・・・ぁは・・・」
アキトのゆびが、浅くルリの大事なところをえぐった。
ルリの腰が、震えるのが解る。
「ルリがいく前に、ちゃんと剥けなかったら、お口で1回な」
お口でするのは、全然嫌でない。が、あと少しで物事をきちんと終わりにできる、というルリの生真面目さが、さら
にルリを集中させてしまう。
アキトの手が、熱く蒸れたショーツの上のゴムをくぐり、熱いために糸を引いているような小さな入り口に中指が埋
め込まれる。
「ぅふぅぅぅ・・・・」
息を詰め、その強い刺激に耐えるルリ。
そしてアキトの親指は、ルリの一番感じるポイントをリズミカルに叩く。
「あ・・・ぁあああっ・・・だ、だめ・・・それは・・・それは許してぇ・・・」
だが、上と下から、一番感じるポイントを、こねるようにされては、ルリに耐える事はできなかった。
「ぁああああ! 駄目ぇ・・・ルリは・・・ルリは・・・いく・・・いくぅうぁぁぁあああああっっ・・・」
こたつの赤い光にてされて、ハイソックスのなかで、足の指が握り締められ、
ぎゅっと握り締められた手は、みかんの実を半分ほど握り潰してその汁が、テーブルの上に音を立ててしたたる。
ぐったりとなって、みかんを放り出してしまった、ルリの左手を、アキトは、口元へ持って行くと、甘い汁を舐め取る
アキトだった。
「はぁい、ミナトさんのまけぇ! これで10連敗ぃ!!」
「あ・・・あれぇ、おかしいなぁ・・・・」
戦略、戦術の巧者にゲームで勝とうというのが本来間違っている事に気が付くべきなのだが、ミナトは、全くその
ことに考えが及んでいない。
「もう一回!」
ワインボトルが1本空になっているということは、かなり酔っているのかもしれない。
双方共頬が少し赤くなっている。
「だめぇ、王様ポーカーなんですから、ミナトさん私のいう事、聞いてくださいね」
「ううう・・・解ったわよ、言い出したのは、あたしだし・・・で、言いつけは何?」
「10回ですよ」
「解った、解った、聞いてあげるわよ」
「じゃあ、ミナトさん・・・じゃあ・・・えっと・・・あははは、なにしてもらおうかな・・・いきなり思い付かないや」
「こういう時には、Hなことをさせるのよ」
「例えば?」
「ひとりエッチをしてもらうとか、キスをしてもらうとか、ふたりエッチにもつれ込むとか」
「なるほど! でも、女の子の1人えっち見てもつまんないし・・・女の子同士でキスとか、ふたりエッチにもつ
れ・・・」
「込みたくない?」
ミナトにぐいっと顔を近づけられて、引くユリカ。
「でも、わたしアキト一筋だし・・・」
「本当に? ルリちゃんと女の子同士でしてるって、イネスさんから聞いているわよぉ」
ミナトは、ユリカの頬に手を伸ばす。
髪の毛をかき分け、みみたぶをなで上げる。
ぶるっとユリカの体が震える。
「それは・・・だって・・・」
「艦長は、あたしのこと、きらい?」
ミナトは、じっとユリカの瞳を見つめて問う。
「そんなことないけど・・・」
ユリカは酒精に惑わされた頬をさに赤染め上げ目をそらす。
「ないけど?」
そのそらした顔へ、さらに肌が触れ合うほどの距離に顔を近づけられ、正面から優しい眼差しに、じっと見つめら
れ、ユリカは観念したのかついに瞳を閉じた。
「んふふ、やさしくしてあげる」
ユリカの頬に唇を這わせ、そして唇をゆっくりと塞ぎ、背中へ回した腕で、そっとユリカを床へ寝かせながら、そう
言うミナトだった。
裏筋を舐め上げた、ルリの舌が、アキトの先端、こいくちの部分をそっとつつく。
そしてルリは、先端へゆっくりと唇を近づけそっと吸い付く。
その瞬間、アキトの腰が震える。
仰向けに寝ているアキトの分身をにぎり、上下に手を動かしながら、小さな口の中に、ほお張るように先端を納め
て行く。
顔全体を動かし、喉の奥まで分身を迎え入れると、舌で張り出している鰓をなぞる。
そしてゆっくりと、飲み込んだものを戻す。
やがて、慣れたのか、顔の上下のリズムが上がってくる。
時折、歯の先端が当たるのがイレギュラーな刺激となる。
じゅぷっ・・・じゅぷっ・・・という、粘液質の音と、ルリの息苦しそうな、呼吸音だけが、部屋に満ちる。
アキトの手が、ルリの顔に掛かっている髪をかきあげる。
しかし、ルリは、恥ずかしいのか、頭を振り、その手を振り払う。
「顔見せて」
と言われたが、ルリは、やっぱり恥ずかしいらしく、背中をアキトのお腹に乗せて手をブロックしてしまう。
ルリの表情を見るのを諦めたアキトは、ルリの腰を抱き上げると、自分の胸を跨がせる。
いわゆる69という姿勢である。
ふっくらとふくらみ、染みを描き出しているショーツのボトムにアキトは顔を近づけ舌を這わせる。
充血したピンクの花びらのような、小陰唇へアキトはそっと噛み付いた。
ルリの背中が、びくっと海老反る。
さらに、両手の親指で、ショーツを突き上げている、クリトリスをそっと引掻く。
ルリの舌は、アキトの分身をゆっくりと舐めまわす。
熱く小さな手と、口からの刺激に、アキトの腰の奥には熱いものがたまり始める。
「ルリ、出すよ」
ショーツを引き降ろし、小さな入り口へ指を突きいれながら、アキトが、上ずる声で言った。
ルリは、その声に、さらに、唇をすぼめ、吸いつくようにしながら、手の動きも早める。
そのラストスパートに「くぅっ・・・」と小さくうめくと、アキトは、ルリの小さな口腔へ、白濁した液を何度も、何度も迸ら
せた。
「んふふ、ミナトさんの胸大きい」
いつの間にか、組み敷かれているのは、ユリカではなく、ミナトになっている。
ミナトは、ユリカの両手で、胸を、ゆっくりと円を描くように揉み込まれ、息も絶え絶えになっている。
初めは、ミナトが、膝や唇を使って、ユリカをリードしていたのだが、ユリカの巧みな舌による愛撫で、反撃を食ら
い、そのまま立場は、逆転してしまった。
ユリカは、ミナトの舌を誘い込むと、舌先でそっとくすぐり、強く締め付け、強く吸い付き、ミナトを味わう、そしてミナ
トの口へ舌を差込み、上顎を幾度もなぞりあげ、ミナトを頂点へ押し上げてしまった。
ぐったりと倒れ込んできたミナトと体を入れ替え、上着のファスナーを引き降ろし、仰向けでも全く形の壊れない胸
をさらけ出し、その天辺へ音を立て吸い付く。
さすがにキスマークを見えるところへ付けるような事はしないが、ユリカは、ミナトの脇の下や、下乳へ小さなそれ
を幾つも残こす。
「いや・・・キスマーク付けちゃだめぇ〜」
「だめです、ミナトさんは、もうユリカの物です」
そういうと、ミナトの膝頭を掴み、ぐっと押し広げたそこへユリカは、ストッキングを履いたまま、ふっくらとした互い
の股間をゆっくりと押し付けた。
腰をえぐるようになんども押し付け、ユリカは、自分とミナトを高めて行く。
ナイロンとショーツを擦り合うシュッシュッという音が部屋へ広がり、その熱を、ミナトの分泌した恥ずかしい液が奪
って行く。
「や・・・艦長・・・強い、だめ・・・」
「ミナトさん、艦長なんて呼ばないで、ユリカって呼んでっっ」
ぐりぐりと股間をねじるように押し付け、言い募る。
「・・・ユリカ、だめ、そんなの、そんなに強くしたら、私・・・ふぁああああっっっ・・・」
「いって、いって下さい、私も・・・もうすぐ・・・」
ユリカは、レースが使われ、透けている、ミナトの一番弱いその部分へ、己の部分を押し付け腰を揺すり上げた。
「ああああっっ、いく、いくぅぅぅああああああああっ」
「ユリカも・・・ユリカも・・・いっちゃうっっっ!!」
ユリカの背が反り返り、ミナトは、狂おしく頭を振り散らかし、同時に頂点へ達した。
翌朝ブリッジ・・・。
「やっぱり、冬は、こたつに限るわね」
「はい」
二日酔いの頭を抱えたユリカに変わって、ミナトとルリがそう肯き有っていた。
機動戦艦ナデシコ
ルリとアキト熱愛編+ユリカとミナト百合編
「冬物語」
Fin
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
MISCHIEF〜ルリ暴走?!〜
「ほい、テンカワ、この青いシールがアルコール度数0のお子様用のシャンパンだからね、間違えるんじゃないよ」
「へ〜い」
倉庫の奥へ、シャンパンのケースをしまうアキトの背後でそれを聞いている影が有った事に、ホウメイも、アキトも
気が付かなかった。
ナデシコのクリスマスパーティー、オフィシャルなこれは一次会ということで、個人個人が企画したものは、この基
幹要員以外全員出席の立食パーティーがはねた後に、勝手に開かれる事になっている。
ステージでは、お偉方・・・本来は、艦長、副長が挨拶をするのだろうが、ナデシコの幹部は若いので、プロスペク
ター氏が、演壇に立って、長広舌を振るっていた。
「・・・でありますから、クリスマスというのは、本来、とある一神教の教祖の誕生をを祝うための行事でなくてはなら
ないのです・・・」
その挨拶・・・というよりも、もはや演説であろう・・・に耳を傾けている者は、ほぼホウメイただひとりという有り様で
あり、会場は既に無礼講状態だった。
あっちこっちで、人の輪ができ、すでにでき上がっている連中は、一気飲み合戦を始めていたりする。
「は〜い、テンカワくんとルリちゃん、楽しんでいるかい?」
左手に、フルーツパンチの入ったカクテルグラスを摘まんだナガレが、会場の隅で、オードブルを摘まんでいたア
キトと、ルリへ近づいてきた。
「なんだよ、アカツキ、こんな隅っこに何の用だ?」
「そう邪険にせんでくれ、ちょっとダブルブッキングでね、逃げてるの」
「ぷっ」
と吹き出したのは、アキトだ。
「・・・笑ってる場合じゃないんだぞ、エリナ君は、あれでなかなかしつこい性格だからな、三ヶ月は、これで、苛め
れるんだぞ」
「それは、ご愁傷様」
ナガレの背後から、エリナの低い声が響いた。
「ひぃ!」
「「ひぃ!」ってなぁに、全く、はやくこっちにいらっしゃい、じゃあねお二人さん、お邪魔様」
もう1人の約束相手は、いったい誰なのだろうと思いつつ、二人は、耳を引っ張られて行くナガレの背中を見送
る。
「どう? おいしい?」
アキトは、ノンアルコールのシャンパンジュースの入ったコップを持ち、サンドイッチやら、お寿司に手を伸ばしてい
るルリへ、声をかける。
「はい、美味しいです・・・でもお寿司は、さび抜きでないほうが美味しいと思います」
「へぇ! ルリは、ワサビ平気なんだ! オレなんか中学入るまでさび抜きの寿司しか食べられなかったけどなぁ、
じゃあさびの入ったやつ持ってきてあげるよ」
「あ、違うんです、これで良いです、アキトさんが私の為に握ってくれたのが、このお寿司が良いんです」
「そう?」
「はい」
「じゃあ次からはちゃんとわさび入れるね」
ルリは、そのアキトの言葉にうなずく。
そんな事をしている間に、ようやくプロスペクター氏の挨拶というか、演説というか漫談が終わった。
最後には、どうやってあのいつもの事務屋然とした服の下に着ていたのか、羽織袴の噺家スタイルになり、最初
は、ほとんど居なかった聴衆が、最後の落ちの下りのときには、3分の1の人間の注目を集めていたのだからたい
した物であろう。
そんなわけで、結局プロス氏は、一次会の時間一杯話していた事になる。
そして「それでは、みなさんいいクリスマスを」というユリカの言葉で、一次会は、終了する。
「ルリは、この後、予定入ってたっけ?」
「いいえ、なんかみなさん遠慮しているのか、お誘いは受けていません」
「オレも、誘われてないんだよなぁ」
イブのパーティーは、誘われたら、そっちが優先! と二人で、話して決めていた。
何しろ狭い艦内での、コミニュケーションなのだから、断ったら角が立つ。
しかし、二人に遠慮してなのか、配慮なのか、それとも当てつけなのか、二人はどこからも誘いを受けていなかっ
た。
「テンカワ! ルリ坊と二人きりなんだろ? これ持っていきな」
そう言ってホウメイが指差したのは、手の付けられていないオードブルのセットと、お寿司、そしてプチケーキにシ
ャンパンとジュース類だ。
「え? いいんですか?」
「あたしと、ミスターだけじゃ食べきれないさね」
「そういう事ですな、では良いクリスマスを」
そういうと、プロスペクターは、琥珀色の液体の入ったショットグラスを掲げて見せた。
色々と詰め込まれた紙袋を持って、アキトの部屋に二人が戻ってくる。
「クリスマス・イブって雰囲気じゃ無くてごめんな」
心なしかルリの頬が赤い気がするが、そのときアキトはほとんどそれを気にしなかった。
「いいです、二人きりでいられれば」
「そうだね」
アキトは、紙袋から手早く料理を取り出し並べる。
並べるのは、床である。
やたらと硬いシャンパンの栓を、引っ張るという裏技でようやく抜いたアキトは、コップに、その薄く色づいた液体を
注ぐ。
しばらくして、アキトは唐突に気が付く
「ああ!ルリシャンパン飲んじゃ駄目だ、これ大人用の本物のシャンパンじゃないか!!」
「えへへ、もう遅いです、わたしが、シール取っちゃいました」
「ええっ!? どうして」
「お酒ってどんなものか飲んで見たかっんです」
「ああ、なるほど、確かにナデシコの中じゃ、そうでもしなけりゃルリはアルコールは、手にできないよなぁ・・・って
俺が納得してどうする!!」
そう言っている間にも、ルリは、コップのシャンパンを飲み干して行く。
「こ、こらこらそんなに飲んだら」
「でも、気持ち良いですよぉ」
「・・・ルリぃ、あんまり調子に乗ると、明日の朝、地獄の苦しみを味わうぞ」
「平気、平気、平気です、アキトさんに看病してもらいますからぁ〜・・・ひくっ☆
えへへへ、しゃっくりだぁ・・・ひくっ・・・アキトさん好きぃ」
突然ルリは、アキトにべったりと抱き付く。
「アキトさんは、ルリのこと好きでしゅか?」
「ああ、好きだよ」
「うわぁ〜い、あたしも大好きぃ!」
と、少し音程の外れた声で、首根っこへしがみ付く。
「ぐえええええっ・・・ル、ルリ、チョーク! チョークぅ」
ジタバタしていたアキトが静かになる。
落ちたのか?
いや、ルリが手を離したのだ。
すっくと立ち上がった、ルリの目は完全にすわっている。
そして、手を上げ高らかに宣言した。
「1番っっっ!! ホシノルリ、脱ぎます!」
「わああ、こらこら、いきなり何を!」
「ひどい、アキトさん私の裸、見たくないんですね」
「そ、そりゃ、こんな明るいところで見られるなら、じっくりかぶりつきで見たいけどさ」
「じゃあ脱ぎます」
ぽいぽい!という感じで、上着とスカートを脱いでしまう。
薄いシュミーズに、ショーツだけというあられもない格好でアキトのとなりへ座ると、シャンパンをぐいっと飲み干し
「ふぅ」と熱い吐息を吐く。
そして「このへや、熱いです」と呟くと、いきなり、シュミーズを放り出し、そしてショーツも脱いでしまう。
アキトは、白日の下にさららされ、ほんのりと赤く染まったルリの裸体に、釘付けで、怒る所ではない。
さらに、ルリは、叫ぶ。
「2番ホシノルリ、女体盛りになります」
『ニョタイモリ』という聞き慣れない単語に頭をひねるアキト。
その間に、ルリは、めぼしいオードブルを自分の胸と大事なところへ乗せる。
とくに大事な所に乗せたクリームチーズは、大事なところの奥にまで塗り込んでいるようだ。
「どうぞ、食べてください、あ、箸も、フォークも使わずに、お口でそのままどうぞ」
「・・・い゛いい? だって・・・」
「「女体盛りは、男子の本懐である」と、ある本には書いてありました、ルリは、アキトさんに男子の本懐を遂げて
欲しいです」
「男子の本懐ぃぃ?」
・・・確かにまあ、そう言われれば、そうには違いないが。
この場合、アキトは、本懐ってなに? とはさすがに聞けない。
本懐の意味は、本来の願い。本望。本意。であり。
「男子の―」「―をとげる」等と使う。
全く持って、ルリの使い方は、正しいわけだ。
「はやく、はやく、ルリをいただいてください」
なぜか、ルリの声は上ずっている。
そのわけは、しばらくすると解るだろう。
「ええい!」
そう気合いを入れると、アキトは、ルリの左の胸の上に置かれた、サーモンのマリネを口にする。
マリネのソースをなんども、味がしなくなるまで舐め取ると、ルリの胸の突起が、首をもたげてきた。
「マリネだけじゃなくて・・・うくっ・・・」
アルコールと、胸への刺激で、ルリの声は上ずっている。
その声に急かされるように、アキトは、右胸に置かれたローストビーフを胸の上で何度も噛む。
その度に、ルリの体がビクンと跳ね上がる。
そしてローストビーフのソースをやはり味かがしなくなるまで丹念に舐め取る。
ルリは、息が上がって、はぁはぁと、吐息を連発している。
そして、ルリの大事なところに塗り込められたクリームチーズへアキトは舌を進める。
アキトは、ルリの足を大きく広げ、膝をルリの背中へ入れ、腰を天井へ向けて、完全にルリの大事なところが、上
を向くようにしてしまう。
そして、小さなすぼまりにまで達していた、ルリの恥ずかしい液ごと、大きく口を開き、一口にしてしまう。
「ふぁああああああっ!」
ルリが自分で塗り込んだクリームチーズには、味を深めるために「胡椒」や「粒マスタード」が練り込まれていた。
たぶん、いままでルリは、一生懸命、その刺激をけなげに我慢していたのだろう、アキトが、口を付けたことで、そ
れが、一気に崩壊したのだ。
「あああ・・・アキトさん、おまんこが熱い・・・・アキトさん、ルリおまんこが熱いの、熱い、熱いよ、早く取って、ルリの
おまんこを治してぇ・・・ああ、だめ、噛んじゃだめぇぇぇぇ、ふぁああああああっ」
アキトの口の中に、クリームチーズとは別の味が広がった。
「どうだい、熱いの直ったかい?」
まるで本当の傷を癒すように、ルリが何度達しようと、10分ほども舐め続けたアキトである。
「・・・ま、まだ、少し、熱いです・・・あ、アキトさんシャンパン取ってください」
「え? まだ、飲むの?」
「いいえ、飲むのはアキトさんです。
三番! ホシノルリ、ワカメ酒やります」
そういうと、ぎゅっと足をすぽめる、大事なところと、足の間にできるデルタにシャンパンを注ごうとするが、いくらな
んでも、床が見えては、注げない。
ルリは、あれこれと足を動かし、腰を浮かし、そして足を組むことで、ようやく小さな盃を作る事に成功する。
「ちょっと飲みにくいですけど、飲んでください・・・あ、ワカメも入ってないです・・・ごめんなさい」
その様子に唖然としている、アキトに、ルリは頭をさげる。
「いや、いいけど、ルリ一体どんな本を見て、こんなことを覚えたの?」
「例のムネタケ提督の遺産です」
「うひぃ〜、あれ、まだ消してなかったの?」
「はい、艦長に、消さなくてもいいって言われました」
「ユ、ユリカの奴、お仕置きしてやる!」
「それは、良いですから、早く飲んでください、こぼれちゃいます」
「あ、うん・・・」
アキトは、人肌に暖まったシャンパンを、吸い取るように飲み干すと、舌で丹念に、舐めて、清めた。
そして、そのあとでもルリの熱い吐息が途切れ事はなかったのである。
翌朝・・・。
「あ、起きたな、メリークリスマス」
「メ・・・メリークリスマス・・・」
「夕べの事、覚えてる?」
「あんまり・・・この部屋に戻ってきてシャンパンを飲んでからは・・・あっ・・・うう頭痛ぁい・・・わたし・・・なにしまし
た?」
「色々したよ、ストリップに、女体盛り、ワカメの入っていないワカメ酒に、ルリが上になってのふたりえっち」
「そ・・・そんなことしました? ううう、ごめんなさぁい」
そう言われれば、数々の痴態が、思い出されてきて、頬が真っ赤になってしまう。
「俺は、ルリの意外な一面を見せてもらった上に、男の本懐を遂げられたから、構わないけど、あ、そうだ、ちゃん
とワカメの入った、ワカメ酒は飲みたい」
「・・・もう! アキトさんのばか! ・・・ぃ痛たた・・・ああ、きぼぢわる゛い゛・・・・」
そういうと、布団に突っ伏す。
「自業自得!」
アキトは、そう言いつつも、イネスから貰ってきた、薬を、水と一緒にルリへ渡した。
その薬と、冷たく美味しい水を飲み干しつつ、もう二度とお酒なんか飲むものかと固く心に誓ったルリだった。
・・・しかしお正月には、お屠蘇があるし、雛祭りには、甘酒がでるのだ。
がんばれホシノルリ、負けるなホシノルリ、きみの肝臓と、アルコール分解酵素は、きっと次回は、がんばってくれ
るに違いない!!
「・・・かんべんして☆」
ちゃんちゃん☆
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
MISCHIEF〜ルリ暴走?!〜
Fin
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「乙女の悩み」
「いや・・・おれは、おもわないっすけど」
「テンカワおまえ認識甘いぞ、・・・胸・・・は、あった方がいいに決まってるじゃねぇか!」
「・・・ええ?! そうっすか?」
「そうだよ、おめーもがんばってみろ」
「はぁ・・・」
そんなアキトとウリバタケの会話が、耳に聞くとはなしに聞こえてきたのは、ハンガーデッキに近い休息室へルリ
がアキトを探しに来たときだった。
このとき、よくよく考えれば、二人の会話が、女性の胸に付いてではなく、もっと別の話しである事に気が付く筈だ
った。
なにしろ、ウリバタケは、最後に「おめーもがんばってみろ」と言っているのである。
事実、エステバリスのフルスクラッチモデルのプロポーションに付いての話しなのだが、会話の一部が聞き取れな
かったことによって、ルリは、完全に誤解してしまった。
胸?・・・
思わず制服に包まれた自分の胸をじっとその場で立ち止まって見つめてしまう。
・・・薄い。
・・・小さい。
思わず呟いてしまう。
自分の年齢を考えれば、それは当たり前の事なのだが、一旦気になってしまったら、最早そんなことは、問題で
はなかった。
そう言えば、ブリッジクルーの女性陣は、みんな良いプロポーションをしている。
艦長しかり、ミナトしかり・・・。
比べる方が無理があるということについては、こうなっては考えが及ばない。
女の子にとって、女の子は、あくまで女の子なのだ。
もしも、これが同年代の女の子同士が側に居たなら、こんな風に思い込んだりしなかっただろう。
・・・胸、大きい方が良いのかな・・・。
アキトにそれを尋ねれば、帰ってくる答えは、ルリには解りすぎるくらい解っている。
ルリは、今のルリで良いんだよ。
そう優しい声と、表情で言ってくれるに違いない。
そうして、やさしく抱きしめて・・・キスをしてくれる。
だが、ルリが己の力でしたことならば、それが嫌われるとは思わなかった。
「思兼、胸を大きくする方法を検索」
『突然、どうしたんですか?』
「私、ホシノルリは、胸を欲しています」
それは思兼ですら、一瞬「真っ白」になる科白であった。
もしも、その場に他のブリッジクルーが居たなら、全員、凍り付いていたかもしれない。
『はあ・・・では・・・』
しかし、さすがにネルガル重工が開発した超人工知能であった、ホールド状態から、数瞬でリスタートすると、そう
言って彼は、数千に及ぶ古代から女性が取り組んできたその問題に付いての解決策を、開陳してみせたのであっ
た。
もっとも、戦艦搭載のコンピュータに、なんでそんなもののライブラリがのっているのかは、永遠の謎である。
従来のルリであれは、その量を見ただけで、ばかばっかと切り捨てていたに違いない。
「なんか、どれも体に悪そうなのばっか」
幾つかピックアップした方法の中には
・真空ポンプで吸い出す。
内出血して酷い事になるだけだろう。
・寄せて上げるブラを付ける。
そもそも、寄せてあげるものがないのにどうしろというのだろう?
・好きな男の人に、揉んでもらう。
これはふたりHに縺れ込む時の言い訳。
というそれでも常識的なものから
生物毒を精製した薬を胸へ注入するなどという酷いものも存在していた
もっとも、それは、20世紀末のライトノベルからの引用であった。
「思兼、せめてフィクションからの引用は、フィルタではずしてください」
『解りました』
すると、ルリの周囲を輪舞する勢いであった無数のウインドウが次々に姿を消してゆき、結局残ったのは、手術、
ホルモン系の薬、そして脂肪が少し大目の食事をとって、運動をする事という実に常識的な3つの方法に収束して
しまったのである。
「なるほど、やっぱりこんなところなんですね、思兼、どうもありがと」
『いいえ、どういたしまして』
思兼の返事もそこそこに、メインオペレーター席を離れ、ブリッジから出ていってしまう。
その後の『ルリは、まだ成長途中だから、気にしなくていいのに』という思兼の呟きは、残念ながらルリの目に入ら
なかったのである。
歩きながら、ルリは、思っていた。
・・・薬も手術も嫌。
となれば、やはり、食事で大きくするしかない。
一部の情報が欠落したことに気が付かず、きりりとりりしく硬く口を結び、琥珀色の瞳に決意の炎を燃やし、そして
強い闘志を胸に秘め、一歩一歩靴音高く、ルリはまるで、決戦の場へ向かう剣士のように、食堂へ向かい歩いてい
ったのであった。
「ルリ坊、そんなに食べて平気かい」
そうしてルリは、カウンターに並べられた食券の数の多さで、ホウメイに驚きの声を上げさせたのである。
火星丼、チャーシューメン、ボンゴレ、オムライス・・・。
ナノマシン処置を受けた人間は、ナノマシン要求するエネルギーも食事によって摂らなくてはならないため通常よ
りも、いささか大食になる。が、ナデシコのメニューは、それを念頭に入れたカロリー計算がされている。
すなわち、この量は明らかに食べ過ぎの量となる。
ただし、ルリについては特殊なナノマシン処置であるため、通常の処置を受けた人間よりもさらにカロリーが必要
であるのは確かだった。
それにしても、いささか量が過ぎていた。
結局、ボンゴレで、力尽きたルリは、オムライスをテイクアウトした。
その夜・・・。
厨房での仕事を終えたアキトが、ルリの部屋へ戻って来たのは、昼直時間の午後10時を回っていた。
今日は、ルリの部屋で寝る日なのだ。
そしてルリの顔を一目見るなり心配そうに言った。
「ルリ、顔色悪いけど、どこか体の調子悪いの?」
「・・・なんでも・・・ない」
口元を押さえ、答える。
ベッドサイドのテーブルには、テイクアウトしたオムライスの容器が空になっていた。
その空容器を摘み上げつつアキト吹き出すように言う。
「また、そんこと言って、知ってるぞ。食べ過ぎたんだろ? ホウメイさんに怒られちまったよ、ルリと喧嘩でもした
んだろう! って」
そういって、アキトは、イネスから貰ってきた消化剤のタブレットを渡す。
ベッドに座っているルリは、それを受け取り、水無しで飲み込んだ
「ごめんなさぁい」
そして、アキトに、そう謝った。
アキトは、ルリの隣へ腰掛け、抱き寄せる。
そして頬へ口付けをしながら、左手を握った。
「で、やけ食いするようなやな事があったの?」
「へ?」
思わず、ルリはアキトその問いに思い切り間抜けな声を上げ、アキトの顔を目を大きく開けた、びっくり顔で見つ
めてしまう。
「え゛? ・・・なんだ、なんだ? 違うの? 仕事でなにか有ったとか、人間関係とか、悩み事じなかったの?」
「違います、違います! 心配させてしまって、ごめんさい」
アキトは、がっくりと肩の力をぬいて、ため息を吐いた。
どうやら、ホウメイにあることないこと吹き込まれてきたらしい。
もっとも、やけ食いだと思う方が正しい対応であろう。
まさか、ルリが胸を大きくしようと、突然そんなに大量の食事を取り始めたと誰が考え付くというのだ。
「いや、もちろん違う方が良いんだけど、じゃあ突然どうしたの?」
「えっと・・・あの・・・笑ったり、怒ったり、呆れたりしないでください」
「聞いたら呆れちゃう類の理由?」
「いいえ! 女の子にとっては、とっっっっっっっっっても真剣な問題です」
「解った、笑うのはともかく、怒ったり、呆れたりはしないよ」
「・・・笑われるのも嫌です」
「わかった、笑いもしないよ」
そうして、ルリは一通り、説明をさせられてしまった。
「・・・と、言う訳です」
どう答えたらいいのかしばらく考えていたアキトだったが、やがて息を吐くと口を開いた。
「・・・そっか、胸を大きくしたかったのか」
「はい」
「でも気持ち悪くなるほど食べるのは体に良くないよ」
よほど気持ち悪かったのだろう。
「はい、明日から普通に戻します」
と、素直に応えたルリだった。
「・・・ね、ルリそんなに、胸を大きくしたい?」
そっと抱き寄せたままだった、ルリの耳元で、そう囁く。
「は・・・い」
ルリは、身をくすぐったそうよじる。
「じゃあ、ベスト脱いで」
アキトは、ルリのベストを脱がせると、膝の上へ抱き上げる。
「女の子の胸って大好きな男の人に毎日、揉んでもらうと、大きくなるって知ってた?」
そういいつつ、アキトは、うなじに軽く歯を立て、ほんのりとた膨らみの下にいまだ肋骨が触れるルリの両胸をそっ
と撫で回す。
「アキトさん・・・それって、んんんっ・・・Hに縺れ込むときの言い訳です」
「そうだけど、毎日刺激したら、大きくなるかもよ」
「・・・じゃあ、毎日アキトさん、ルリの胸を触ってくれますか?」
「胸だけ?」
「もう・・・ばか・・・」
アキトは、ルリのブラウスのボタンを外すと、つぼみのような胸を両手で包み込む。
「ルリこっち向いて」
艶めかしく上気た頬をさらに朱に染め、小さな口から吐息をもらしつつルリが首を巡らせる。
ふわり、と舞う髪から、少女特有の甘い体臭がアキトの鼻腔に忍び込む。
その髪に半ば顔を埋めるように、アキトはルリの桜貝のようなつやを持った唇に己の唇を重ねる。
普段は怜悧な知性の光を宿すアンバーの瞳は、胸と口に与えられる刺激に、潤んでいる。朱に染め上げられた
頬は、熱いほどになり、そこに触れるその熱さがアキトには心地よい。
半開きの唇から差し入れられたアキトの舌は、ルリの小さな口腔をまるで埋め尽くすように犯す。
ルリの舌は、アキトに吸われ、味わわれ、そして甘噛まれる。
ちいさなつぼみの天辺に立ち上がった小さな突起を、つままれ、押しつぶされ、揉み込まれたルリはたまらず、ほ
かにすがるものがなく、アキトの腕に両脇でしがみ付く。
「んんんん・・・」というルリの声がアキトの口に響く。
白磁器のような肌を桜色に染まり、ルリは鼻から熱い息を吐き出す。
だが、胸への刺激だけで、ルリは、頂点へ上り詰められない。
その外観と同様、彼女の胸の性感帯は、もう少し成長を必要としていた。
そのもどかしさに、ついにルリは、アキトの唇を振りほどく。
「ルリの・・・ルリのおまんこ弄ってぇ、ルリをいかせてぇ」
もどかしさに、身を震わせ、ルリはそう訴える。
「ルリは、胸を大きくしたいんじゃなかったの?」
「だって・・・だって切ないんだもん・・・」
「じゃあ、ぱんつ脱いで、スカートをめくってごらん」
「は・・・はい・・・」
はぁはぁと熱い吐息を何度も吐き、ルリは、タイトスカートをめくり上げ、そしてピンクのショーツをもどかしそうに脱
ぐ。
今までルリのそこに張り付いていたそれは、糸を引くほどに濡れている。
「ルリはHだなぁ、こんなにHなお汁でぱんつ汚して」
「だって・・・だって、アキトさんがHにしたんだもん」
目の前で広げているようにいわれ、ボトムの部分をみすずから露にさせられたルリは、頬をさららに赤く染め、そ
してさらなる樹液を分泌しつつ小さくそう反論した。
「そうだよ、俺がルリをこんなにHにしたんだ。だってルリのこと大好きだから、しかたないだろ?」
アキトは、スラックスのファスナーを下げつつ言う。
解放された彼の分身が、トランクスを突き上げている。
「はい、ルリもアキトさんのこと大好きです」
そうルリが言ったとき、アキトは、ルリの腰を掴み持ち上げるといきなりルリを貫いた。
「ふああああああああああっっ」
頤を振り上げルリが哭く。
突然最奥部まで突き上げられ、燻っていたルリは、いきなりアクメへ達する。
しかし、アキトは、ルリの腰を掴んだまま、ルリの狭隘なその部分の感触を楽しむかのように動かなくなる。
最奥部の入り口を突き上げられたままのルリは、たまらない。
「くううふぅぅううう・・・・」
泣きそうな声をあげ腰を捩り、自身の体重でそこを突き上げられる重い痛痒さからなんとか逃れようとする。
だが、それは、自らアキトの先端で己の入り口を突き上げる行為以外の何者でもない。
その度に、小さなアクメがさざなみのようにルリの体を駆け抜ける。
そしてルリが腰を動かそうとするたびに、ルリのその部分は、アキトの分身を入り口から最奥部まで絞り上げるよ
うな動きをする。
それだけで、アキトは、ルリの中へ放ちたい欲求が己の根瘤に高まるのを感じる程だ。
「ああ、いゃあああ・・・アキトさん、もうゆるして、ルリをゆるして、ルリ死んじゃう・・・もうだめ、死んじゃう」
ルリのその断末魔のような声に、アキトは、ようやく押さえていた手をゆるめる。
ルリは、腕をアキトの腿へ突っ張り、腰を浮かそうとする。
だが、そのままアキトは、ルリを抱きしめ、そして、抱きしめたまま、小さくルリの体を上下に揺すり上げた。
「いゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
さらに、連続的なアクメにさらされルリは、もうアキトにされるがままになってしまった。
「あん、あん、あん、あん・・・」
その度にルリの口から息が漏れる。口の端から涎が小さな川を作っている。
そしてルリの締め付けが急速に強くなる。
「っぁあああああああっ・・・いく・・・いきます・・・」
急速に高まるオーガズムにルリが教えられた、はしたない屈服の証を口にする。
「お、オレも・・・出すよ・・・」
「アキトさん、来て・・・来てっっ、ルリは・・・ルリは・・・いくっっっっっ!!」
アキトの分身が硬さと太さを増し、そしてルリの最奥部の子宮口を押し開けながら熱く白濁した液を、幾度もそこ
へ叩き付ける。
その熱い迸りを受けたルリは、ぎゅっと体全体をすぼめ、そして次の瞬間、背中を仰け反らせ、頤を振り上げ、小
さな唇を限界まで開き、体全体を痙攣させつつ絶頂を迎えた。
翌朝・・・。
「どうしたの?」
アキトは顔を洗いに来た、洗面台の鏡の前で、ニヤニヤしているルリにそう声をかける。
「昨日より、少し大きくなった気がするんです」
ショーツ姿で、横を向き、胸を持ち上げ、ご機嫌なルリに、それは昨日オレが揉みすぎて、充血してるだけ、とは、
さすがに言えないアキトだった。
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「乙女の悩み」
Fin
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「TEASE」
「ポニーテールに、三つ編み、アップでまとめても良いわよね」
「でもルリルリは、もう少し髪が長くないと、三つ編みは、短くなっちゃうね」
と言っている、ミナトさんは、今日、髪を上げてます。
うなじがとっても艶っぽいです。
あ、どうもルリです。
わたしとミナトさん、メグミさんは、いまブリッジクルー用の化粧室にいます。
メグミさんは、いつものように三つ編みですけど、艦長はなぜか今日は、ツインテールにしていました、けど、なん
か、みえみえでみんなに冷たい視線攻撃を受けて、撃沈されていました。
だから午後には、元に戻してました、なんかかわいそ。
ついでに言うと、アキトさんは午前中ずっとハンガーデッキに居て、その艦長は見ていません。
その話しの流れで、私はメグミさんとミナトさんに、髪をいじられています。
姉妹で話しをするってこういう感じなのでしょうか。
あ、どちらかというと、私で遊んでいるというのが本当かなぁ。
でも、二人に、かまわれているの、とても楽しいです。
「そうね、ルリルリが髪を下ろしているところは、アキトくん見なれてる筈だから、ポニーテールにしてみようか」
ミナトさんが私の耳元で言いました。
「あ、それ賛成!」
メグミさんが、髪を止めるゴムをポケットからだしました。
どうやら、ルリは、ポニーテールにされてしまうようです。
いつも私は、ツインテールですから、そんなに印象変わるのでしょうか?
丁寧に、髪を梳かれるのって気持ちがいい。ミナトさんの手が優しく、丁寧にブラシをかけてくれてます。
そうしてメグミさんが、髪を後ろへまとめてくれます。
「あ、そこは、残してください」
メグミさんの手が、耳の脇の髪を梳き込もうとしたのでわたしは、慌てて声を上げてしまいまた。
「え? どうして?」
と、聞かれても、どう答えていいのやら・・・。
いえ、なんというか、私のポリシーとかいうのではありません。
「アキトさんが、この毛、お気に入りなんです」
「あら」「まあ」「「ごちそうさまっ」」
二人にそう言われて私は真っ赤になってしまいました。
真っ赤になっている間に、お二人によってルリの変身は、終わりました。
でも耳の脇の毛は垂らしたままです。
この耳の脇の毛、本当にアキトさんのお気に入りなんです。
最近、アキトさんは、変な事をします。
「ルリおでこ見せて」
「いゃぁん」
人前で私の前髪をめくりあげるんです。
それも、私がジュースを飲んでいるときや、雑誌に目を通していたり、油断をしていると、狙い澄ましたように手を
おでこに伸ばしてきます。
いえ、べつにそれ程嫌では、ないんですけど、なんだか、普段見せていない所を人様に見られるのが無性に恥ず
かしくて、身を捩って逃げ出す事が多いです。
でも、時々、後ろから不意打ちを食らってしまったりすると、特に整備班の皆さんには好評を博してしまう事が多く
て、ルリは困ってしまいます。
「おおう!」
とか言われてしまうと、無性に恥ずかしいです。
私は、そんなアキトさんに、反撃として、両手で胸板を叩いたりしますが、さすがにウエイトが違うので、効くはずが
ありません。
でも、アキトさんは、そんなルリに、とってもさしい笑顔を向けて「ルリのおでこ可愛いよ」なんて不意に言うので、ど
うしても怒れません。
その上、そのアキトさんの様子に呆れて「ぶぅぶぅ」いいながらみなさんが出ていってしまうと、わたしのおでこに、
自分のおでこを押し当ててきたりします。
それが、なぜかとっても幸せな気持ちになってしまう時間だったりするのが不思議です。
そのまま「じぃっ」と見つめられたりすると、思わず目を閉じて、キスをせがんでしまうルリなのでした。
あ・・・ついのろけてしまいました。
そうです。
耳の脇の毛の話しでした。
いつから、はじまったのか忘れましたが、多分「おでこ」と同じくらいの時期にアキトさんは、二人きりのときには、
私の耳の脇の毛にゆびをからませていじったり、突然つんつんとひっぱたりする様になりました。
決して痛くありません。
それは一本だけ引っ張られれば痛いですけど、耳毛の房を摘まんで引っ張られると痛くないです。
いいえ、それよりもなぜか気持ち良かったりします。
これって変ですか?
だから、不意打ちをくらっても、怒れません。
耳毛を引っ張られて、私が何事かとアキトさんの方を見ると、にっこりと笑うアキトさんと目が合います。
そうすると、私もつい頬が緩んでしまいます。
どうも、アキトさんは、ルリの笑顔が見たくて耳毛を引っ張る様です。
そうすると、私はアキトさんの腕の中に引っ張り込まれます。
引っ張り込まれないときには、私からアキトさんにくっつきます。
寝転がって横を向いているアキトさんの腕を持ち上げて、その中に収まる事もありますし、仰向けに寝ていたら、
その上にうつ伏せに乗ってしまうことも、あぐらをかいていたら、そのあぐらのなかで丸くなることもありますし、あぐ
らの中にすわることもあります。
そのままHに縺れ込む事もありますけど、ほとんど、そのままアキトさんに抱かれて本を読んだり、音楽を聴いたり
することの方が多いです。
「ルリ」と呼ばれるより、耳毛を引っ張られる方が多いかもしれません。
もちろん離れていれば呼ばれますけど、そばに居て体が密着していないと、そうなる事が多いです。
だから、耳毛は、残して置かないと駄目なんです。
「ただいま・・・」
帰宅? したアキトさんは、ポニーテールの私を見て絶句してしまいました。
「おーい」
と呼びかけても、目の前で手を振っても、ましてや「あかんべ」をしてみせても、そのまま固まったままです。
ううう・・・仕方なく、私は、アキトさんの脇腹をくすぐりました。
「うひゃひゃひゃひゃ・・・止め止めルリ止めて」
「どうしたんですか? 絶句してしまって」
「いや、あの、ルリだよね?」
「はい、ルリです。 そんなに印象が変わりました?」
「う、うん、なんかいきなり「お姉さん」になってたから、あせっちゃったよ」
「お姉さんですか?」
「そう、なんかルリだっていうのは解ったけど、すごくお姉さんぽくなってて、ドキドキしてる」
「本当ですか?」
そう尋ねた私に、アキトさんは、私の手を、取り胸へ導きます。
確かに、すごく早いドキドキが、感じられました。
「うそ付くわけないだろう、すごく似合ってるよ」
そしてそんなふうに耳元で囁かれて、なんだか、とっても嬉しかったルリなのでした。
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「TEASE」
Fin
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
Ruri,growup
「なんか、ルリルリ今朝は、もそもそして落着かないけど、どうしたの?」
朝からなんか、このメインオペレータ席のシートの具合が、落ち着きません。
それで、背を倒したり、できるだけ後へ座ったりしていた私に、ミナトさんが声をかけてきました。
「はい、なんか椅子が落着かないんです」
どう落着かないのかを具体的に言うのは、なかなか難しいですけど、伸ばすとなんだか足がコンソールにつかえ
る感じ、曲げれば、妙に膝が上にきて、両足が、左右へぶれて落ち着きません。
IFSに乗せた私の手のひらの位置がなぜか後ろへ行ったり、前へ行ったり。
今までわたしどうやって座っていたんでしょう・・・。
「少し椅子の座面上げてみたら?」
「でも、いろいろ変えてみましたけど・・・」
「あら、椅子の高さは、変えてなかったわよルリルリ」
・・・ミナトさん、変なところに細かいです。
私は、肘掛けのカバーを開けて、シート全体を上下させるスイッチをかるく指で叩きます。
しばらく動かしていなかったその機能は、全くなんの支障もなく働き、私の目の位置がほんの数cm上がりました。
そして、IFSのコンソールへ手のひらを乗せてみます。
ぴったり、思ったとおりの位置へ自然に、てのひらが重なりました。
なんだかいつもと違う高さのシートは、見慣れたブリッジの光景を少しだけ新鮮に見せてくれているようです。
「どう?」
「はい、大丈夫です、具合よくなりました」
ミナトさんへお礼を言って、私は朝の挨拶を落ち着いて思兼と交し始めました。
「はい、ルリルリ、熱いから気を付けてね」
お昼ご飯です。
今日のランチは、チャーシューメンと海老しゅうまいとライスです。
あ、私の分は、ライスがチキンライスです。
・・・らっきぃ(ぶぃ)
わたしの分とわざわざ言う事は、別の分もある訳です。
この時間いつもならアキトさんは、コックをしています。
が、今日は、午前中にエステバリス隊の邀撃シミュレーション訓練が入っていたので、一緒にランチです。
とはいえ、とってもハードだったようで、リョーコさんを含めてパイロットの人たちは、完全にバテバテ、アキトさんも
ぐったり椅子に沈み込んでしまっています。
こんな状態で、スクランブルなんて掛かったら、みんな撃墜されてしまいそうです・・・。
でも地球圏内を巡航中の現在ナデシコは、地球連合軍の勢力下にいるわけで、この付近の宙域の安全は、ほぼ
確保されていると艦長以下の首脳部は、思っているはずです。
そう思って、艦長の方を見たら・・・ファッション雑誌をめくりながらラーメンすすってます。
本当に大丈夫でしょうかナデシコ・・・。
ま、いっか。
一緒にランチが食べられるときトレーは、アキトさんが持ってくれるんですが、今日は私がアキトさんの分も運びま
す。
とはいえ、大人用に作られてるナデシコですから、トレーを受け取るのも少女のわたしには、結構たいへん・・・な
はずなのに、今日はなぜでしょう割りと苦労しないで重い、パイロット食・・・カロリーが普通よりも多い・・・のトレーも
受け取れてしまいました。
首を捻りつつ、私は、アキトさんが座っているテーブルへ戻ります。
「お待たせです」
「ありがと、ルリ」
「じゃひとつ貸しですね」
私は、アキトさんの分の割り箸を割りながら、アキトさんへ言ったのでした。
「ほら、ルリ動かないで」
シャワーの後、私の濡れた髪を、タオルで手挟み叩くように水気を取るのがなぜか、アキトさんお気に入りのよう
です。
アキトさんへの貸しの使い道は、一緒にシャワーでした。
アキトさんに全身を洗ってもらうの気持ちがいいんです。
小気味良いリズムで、頭から髪の先端へむかって叩いてまた戻る。
それを何度も繰り返して、水気を取ってくれます。
自分は、タオルでガシガシ頭を擦って終わりなのに。
・・・そう言えば、どこでこんなこと覚えたんだろう。
でも、これってなんだか眠気を誘うリズムです。
思わず、大きなあくびが・・・。
ふぁぁぁぁあ・・・あ・・・むぐぅ?!
ア、アキトさんたら、大きく開けたわたしの口の中に、指を突っ込んできました・・・ううう、子供みたい。
思い切り口を閉めたらどうするつもりだったんでしょう。
や、やん!
爪先で上顎をくすぐすなんて反則です。
そんなことすると、アキトさんの指舐めちゃいます。
二人ともシャワーを浴びたばかりですから、あまり味しません。
舌先で爪をなぞったり、口の中でアキトさんの人差し指と私の舌の追いかけっこをしたり・・・そのうちなんだか、ま
るでアキトさんの分身をお口で愛すときのように、心を込めて、アキトさんの指を舐めているわたしがいました。
アキトさん気持ち、良いのかな?!
きっと気持ち、良いよね?
ずっと舐めていると、腰の奥の方がじわっと熱くなってしまいます。
でも、なんだか顔に視線を感じます。
私は、目を瞑ってアキトさんの指をしゃぶっていますけど、アキトさんは、別に目を瞑る必要ないんです。
上目遣いに、アキトさんを覗き見ると、案の定、私のHな表情をじぃとみつめています。
なんだかとっても・・・恥ずかしいです。
恥ずかしいので、指を口から出しました。
その指は、わたしのパジャマの胸を通って、おへその上を通って、アキトさんと愛し合うとっても大切な場所へ、そ
っともぐり込んできました。
ショーツの上から、一番気持ちの良い場所を、そっと撫でています。
それだけで、ふわっと体が浮いてしまうような心地よさが、私の体に広がります。
私は、切なくなってしまい、アキトさんへ口付けをせがんでしまいます。
口付けを交しつつ、アキトさんは、わたしの左手をにぎり、そっとベッドへ押し倒します。
パジャマが脱がされ、ショーツが取り去られ、そしてアキトさんは、わたしの大切な場所へ顔を埋めます。
唇で噛みしだかれ、そして舌で幾度もそこを舐め上げられた、わたしは高みへ押し上げられます。
恥ずかしい声が、喉から絞り出され、そしてアキトさんの頭をももで締め付けてしまいます。
そうして、わたしはアキトさんを迎え入れます。
口付けを交しつつ、アキトさんと私は同時に絶頂を迎えました。
後始末をしてもらって、パジャマを着たわたしを、アキトさんが抱きしめます。
そうして意外な事を口にしました。
「ルリ、大分、背が高くなったね」
「え?」
「愛し合いながら、キスするのが、そんなに大変じゃ無くなったよ」
頬を合わせ、抱き合いながら、ベッドへ横になります。
あ! なるほど、そういうことです。
今朝からの違和感は、全部わたしの体の成長に、わたしの感覚が追いつかなくなったということなのでした。
「・・・自分では、自分の背が高くなったってあんまり分からないです」
「そうか、そうだよな。
俺だって、気が付いたら声が太くなって、髭か生えるようになってたし。
それが普通なのかもな・・・あ、そうだルリ、こんど地球へ降りたら、腕を組んでデートできるくらい、大きくなってた
ら良いかな?」
「はい!」
その言葉が嬉しくて、思わず、大きな声を上げてしまったルリなのでした。
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
Ruri,growup
Fin
Thaw
『・・・真ぁっ白なアスピリンスノウぅ〜、彼方まで広がるぅ。
よりそう二人だけのしゅぷぅるぅ〜、地平にかかるぅ、かのぉぷすぅ、薄紅(うすくれないに)に輝くほらぁいずぅん、も
う夜明けがくるわぁ〜〜〜。
だけど、ずぅと、ずぅとぉ、いいしょぉにいてねぇ〜〜』
「艦長ったら、さっきから、ずっとご機嫌であの歌ばっかり歌ってるけど、私あの歌、聞いた事ないのよね、メグち
ゃん、ルリルリ、あの歌知ってる?」
ちょっと調子の外れた歌は、先ほどからずっとサビの部分だけが繰り返されている。
迷惑というほどの声量ではないし、不愉快な歌詞でも内ので、ブリッヂでは、完全に黙認状態といってもいいかも
しれない。
ミナトの問いに、二人は、肩を竦め、そして首を大きく横へ振る。
「・・・でも、カノープスって、南極老人星って呼ばれてるあれよね?」
メグミがルリへ向かって言う。
「はい、そうです。りゅうこつ座のアルファ星、カノープスは、−0.7等星、全天でシリウスについで明るい星です
が、北半球の中緯度地域では、その目視高度が上がらず、南中時においても地平線近くに留まるため、大気の影
響などによって非常に観測が難しい星として知られています。
そのため古代中国において、その姿を見る事が出来れば、寿命が延びると呼ばれていた星です、寿命を司る星
とも言われていますね」
「おおう、ルリちゃん、かしこぉい」
「でもメグちゃんの例えは、渋ぶすぎ」
「え〜だって、ミナトさん、他に言いようがないですよ〜」
「まあね、だから日本でアスピリンスノーが降るあたりだと、地平線の下に隠れちゃって、カノープスって見えない
筈なんだけどなぁ・・・なんか、歌詞、変だよね」
「変じゃ、ないんですよ」
アキトが、パイロットシートから、振り返り、ミナトへ答える。
「どして?」
「あの歌は、火星の太陽系最大の火山、オリンポス山の歌なんです」
やはり、それだけでは、何のことか理解できないミナトとメグミ、そしてルリは、クェスチョンマークを、顔に貼り付け
ている。
もう少し、説明しようとアキトが口を開きかけたとき「説明しましょ」の声とともに、突如、人の輪の中心に現われた
イネスに、その場の全員が硬直した。
しかし、イネスは、その硬直を余所に、ブリッジのブリーフィングデッキのスクリーンまで動員し、力いっぱいの説明
を始める。
その語りを全て、文字に書き記すならば、原稿用紙の壁が出来上がるのでかいつまんで、要点だけをまとめるな
らば、以下のようなことになる。
ユリカの鼻歌、それは、もう12,3年前に火星だけで歌われた「オリンポス・スノウ」というタイトルの火星植民地最
大のヒット曲だったのである。
地球生まれ、地球育ちのミナトやメグミが知らなくてそれは、当然であった。
テラフォーミングの初期、標高20キロ以上・・・はっきり言って、山頂は火星の大気圏外に存在している・・・の高さ
を持っているオリンポス山麓に雪が降るようになると、低重力と、緩斜面・・・オリンポス山は、平均斜度が4〜5度
の緩斜面が延々と、数十キロも続く巨大な火山なのである・・・を利用して、スノースポーツが行われるようになっ
た。
火星では、地平線まで3キロ程度しかないため、文字どおり広大なゲレンデに、恋人達が二人きりという状態を作
る事も簡単であった、そしてそれをうたい文句に当時火星唯一のレジャーとして売り出した企業のCMソングなので
ある。
「・・・以上、説明を終わります」
ぺこりと頭を下げると、イネスは「説明」しなくてはならない事象を求め、ナデシコ艦内の放浪へ戻ってしまった。
・・・思えば、けっこう難儀な人である。
「おお! そうです、そうです、やけに聞き覚えがあると思ったら、あの歌でしたか〜、なるほど、私も耳にタコがで
きるほど聞きましたし、歌いましたなぁ、はははっ」
アキトの解説に、プロスペクターが、納得という声を出す。
「ですよねぇ、一時期、火星は、あの歌しか流れていないような気がしましたもの」
「でねでねでね〜、アキト」
ユリカが唐突に、キャプテンデッキの手すりから身を乗り出しながら、アキトを呼ぶ。
ルリの胸の奥が、針で刺されたように痛む。
「っんだよ、ユリカ、おまえデッキから落ちて怪我してもしらね〜ぞ、昔みたいに、ぴいぴい泣いたって、俺は、もう
知らね〜からな」
・・・また。
ルリの胸が痛む。
この痛みは、なんだろう。
今まで、そんなこと感じたことなかった・・・。
本当に? 本当に、それは、感じたことなかったのだろうか。
今までだって、ユリカが、そしてイネスが、アキトと思い出を語っているとき、自分は・・・。
そして、その痛みは、ある叫びとなって、唐突に、ルリに理解された。
<どうして、私じゃなかったの!!>
「平気だよ〜、でね、アキト覚えてる?」
「何をだよ」
この時、アキトは、ひたすらユリカとの約束を思い浮かべる事に専念している。
しかし、脳裏に浮かぶのは、ちっちゃいユリカの無茶ばかりだった。
いささかげんなりした表情のアキトに全く構わずユリカは、嬉々とした表情で言う。
「大きくなったら、二人でオリンポスでスキーやろうねって約束したの」
アキトは、彼の父と母の北極冠の調査行にユリカと二人でくっついていった時、極冠のドライアイスと水の氷原で
遭難しかけた事を思い出す。
痛みのわけ、それは・・・。
「あの時は、おまえが勝手にあちこち動き回って、迷子になったんだぞ、おまえの親父さんが、軍の訓練だとか言
って、軍事衛星まで持ち出して、探してくれなかったら、今ごろオレ達は火星の北極で冷凍マンモスだ」
「そうそう、そのときにぃ・・・」
それは・・・。
胸の疼きに、耐えられず、ルリが、不意に立ち上がる。
「ルリ、どうしたの?」
その勢いに、アキトだけが、ルリの異変に気がつく。
「いいえ・・・えっと・・・少し、頭を冷やしてきます」
顔を伏せると、ルリは、ブリッヂを駆け出してしまった。
「ルリ!」
「アキトどこいくの!」
「あの顔は、普通のルリじゃない」
ミナトを除く全員が、あっけに取られる中、アキトもルリを追い、ブリッヂを駆け出して行く。
「え、でも頭冷やしてくるって・・・ちょっと、ね〜えアキト、アキトぉ、お話、まだ終わって無いのにぃ」
その背中へユリカの声が追いすがるが、アキトは、振り返る事も無く、自動ドアへ消えた。
『ホシノルリ、テンカワアキト、ブリッヂ、退出』
というウインドウが、まるで、邪魔をするようにユリカの顔の正面に出現する。
「かぁんちょう」
「な・・・なんですかミナトさん」
「ルリルリの前で、あんまりアキト君との昔話に花を咲かせるのは止めなさい」
「え゛え゛〜〜、どぉしてぇ〜〜」
「<昔>の彼女と、仲良くお話しているのを見て気持ちが良いわけないでしょ?」
ユリカを除く女性陣の全てがミナトの言葉に納得したのかうんうんと肯く。
<昔>を強調されて、引くユリカ。
しかし、ミナトの言葉には、説得力があった。
「う゛・・・すいません、乗組員への配慮が足りませんでした」
「よろしい・・・うふふ・・・でぇもルリルリも不安定な時期だから、仕方がないかもね」
ミナトの教員免許は、伊達ではなかったようだった。
ブリッジを駆け出した、ルリは、後部カタパルトデッキにたたずんでいた。
そこは、物資補給などのシャトルが着艦しないかぎり、艦内において常時ひとけが全く無い、珍しい場所だ。
今、ルリは、初めて「ミスマルユリカ」に、本気の嫉みを覚えていた。
それは、自分がテンカワアキトという男性と知り合い、そして好意を擁き、互いの気持ちを確認し、そして時間を共
有するようになった期間よりも、テンカワアキトがミスマルユリカと共有した時間、そしてなによりも、そこに生まれた
思い出が数多く存在しているという事実にだった。
理性では、そんな事を思っても、仕方が無いということは十分理解している。
しかし、ホシノルリは、テンカワアキトと一緒に野山を駆け回り、例え危険であると判っていても、氷原を一緒にさ
迷う経験は、できないのだ。
どうして、私じゃ無かったんだろう。
左胸の奥がちくちくと疼く。
どうしてホシノルリは、同じ惑星に、テンカワアキトと同じ時間に生まれる事ができなかったのだろう・・・。
ルリの胸の奥で、ルリが、のたうち、狂おしく叫んでいる。
<どうして、わたしではいけなかったの!!>
鼻の奥が痛くなり、目の奥から熱いものが溢れてくる。
耐真空ガラスに写る、自分の姿は、アンバーの瞳に涙を溜め、そして震えている。
・・・どうして、私は、泣いているんだろう。
心を、気持ちを、表に出す事を周囲の大人達から厭われ、自らもそれを最もためらい、そして、全てを「醒めた少
女」という殻に包み込む事で隠してきたルリには、その自分の姿が、本当の11才の自分であるということを認め、
見つめ、それを許すことは、難しかった。
きっと、うしろから優しく抱きしめられなければ、またその場を駆け出してしまっていただろう。
そっと回された腕に包まれた時、すぐにそれが誰か解った、解ってしまった。
その瞬間ルリの胸の痛みは、甘い疼きに唐突に切り替わる。
跳ね上がる心臓の鼓動、なぜ・・・解ったのだろう。
いつも捲り上げられているユニフォームの袖、そして少し荒れた手、なによりも自分と同じボディーソープの淡い残
り香・・・。
確実にテンカワアキトとホシノルリは、今を。
『今』という時間を共有しているという事実を突きつけられてしまったとき。
その事実の重さに、ルリの甘く切ないセンチメンタルは、軽々と吹き飛ばされてしまった。
自然と笑みが口元へ浮かぶ。
しばらく、そのまま無言で二人は、耐真空ガラスの向こうの醒めた星々を見つめる。
「ここは、ルリのとっておきの場所かな」
艦内の、ルリが行きそうな場所を探して、ここへ行き着いたアキトは、それまで聞こうとしていたことではなく、そん
なことを尋ねた。
目の前のガラスに映る、愛しい少女の表情の変化が、もう、彼にそれを尋ねなくとも良いということを、教えてくれ
たから。
だから、アキトは、今まで黙って少女を抱きしめていたのだ。
「・・・思兼が、教えてくれました。
シャトルが発着するとき以外、ここには、誰も来ません、外も見えるし・・・」
「だからかな、すこし寒い? 震えてるよ」
「寒くありません」
それは、さっきまでの自分の名残だ。
震えていた理由は、春の陽の雪のように消えてしまったから。
「そっか、寒くなければ良かった」
「アキトさん、理由(わけ)聞かないんですか?」
「だって、今のルリは、さっきのルリじゃないだろ?」
・・・わかってしまった。
わかってくれてた。
目を閉じ、たまった涙がゆっくりと引いてゆくのに任せ、頭をアキトの愛しい青年の右胸にそっと預ける。
そして二人は、無言のまま、いつまでも抱き合い、たたずむ。
背中に、暖かい体温を感じながら、ルリは思った。  確かに、テンカワアキトとホシノルリは「今」を共有している、
と。
Thaw
Fin
ルリとアキト熱愛編 でもアキトは出ないよ
くちびるにメモリー
「エステバりス隊、追撃を断念、本艦グラビティブラストの射線を避けて本艦直衛任務に入ります」
メグミの声がブリッヂに響く。
「はい、了解しました。で、ルリちゃん情況は」
「はい、敵機動兵器群は、ナデシコ正面2干キロ〜2干5百キロに渡って3重の壁をつくっています。
その数およそ6百〜7百こちらのグラビティブラストの射程けん外を相変わらず、こちらの速度に合わせて後退行
動を取っています」
「ミナトさん」
「はい」
「俯角40度.増速40%」
「了解・・・俯角45度、増速40%」
「ルリちゃんエステバリスを全機帰還させてください、グラビティブラストの発射の準備もお願いします」
「しかし・・・」
「こちらが逃げると見れば迫ってくるか諦めるかの選択をしなくてはなりません。
追ってくれば40%の増速でグラビティブラストの射程内です。
追ってこなければそのままにげちゃえます」
「ほう俯角をつけて増速を力ムフラージュするのか」
ゴートが妙に感心した声を上げる。
かれら木星トカゲの無人機動兵器は、単純な自立コンピュータしか持っておらず、その限られた搭載量の為か、
レーダーやセンサーも、あまり性能は良くない。
「通用したらみっけもんて感じの戦術ですけどね」
そして、数分後・・・。
「相対速度3.6km/秒、エステバリス隊全機帰還しました!
敵中心部まで距離およそ干まで詰まりました」
「よぉし、ミナトさん、ルリちゃん、艦首急速回頭、全速! ナデシコ突入開始!! 距離500まで接近したら、グラ
ビティブラスト撃っちゃってくださぁ〜い!」
「了解!! 艦首、急速回頭! 機関全速!!」
「おみごと、いやはや艦長の指揮、今更ながらみごとの1言につきますな」
「いえいえこれがお仕事ですから」
「ナデシコ戦闘警戒態勢解除通常航行へ戻ります」
「はあ〜」
戦闘警戒態勢から通常態勢へもどり、要員のほとんどがいなくなり、閑散としたブリッヂにルリの溜め息が流れ
た。
思兼がその溜め息を聞き付けウインドウを開き問う。
『ルリルリどうしたの』
「うん情況から考えれば下へにげたって結局半包囲されるって思うんだけどなぁ・・・」
「それはね」
「ゑ・・・艦長いたんですかぁ?」
「ルリちゃんひどい・・・」
「あ・・・ごめんなさい」
「ううんいいんだよ、でねどうしてああいう判断ができたかって言うと・・・」
「勘ですか?」
「ルリちゃん!」
ユリ力の口調が突然するどくなる。
「は、はい」
「それは、百名以上の部下を指揖する者としての責任放棄と一緒です。
勘で勤く様な指揮官は、くず以下です。
って私は教官からさんざんたたき込まれました。
軍人に必用なのは勘ではなくて正しい情報認識とその処理能力です」
「はい、だから半包囲されるだろうと私は考えました」
「そうあの情況だけなら私も半包囲の上夕コ殴り、だと思います」
「じゃあ」
「それは、木星トカゲの母艦がもう沈んでいたからです」
「ああ! 昨日のキンポウゲからの通信ですね」
「そうです沈む直前に座標と、交戦記録を送ってきてくれました」
「でも艦長あの情報を見たのってほんの一瞬だったじゃないですか」
「あたしはあれで十分理解できる様にくんれんしているから、平気なんだよ」
「はあ・・・」
「あ、でもルリちゃんは、そうじゃなくて別の方法論で情報処理をしているんだから私のまねなんてしなくて良いん
だからね」
「ちょっとルりちゃん上がって来て下さい」
「はい・・・」
キャプテンデッキへ上がったルリにしゃがみこみ目線を合わせ、しばらくじいっとルリを見つめていたが、やがてお
もむろに口を開いた。
「ルリちゃんアキトは,優しくしてくれる?」
そんな事を聞かれてもいったい何と答えたら良いのかルリには.わからなかった
「あたり前だよね・・・。
ねルリちゃん」
「はい」
「いつも、どんな風にキスされてるの?」
「え?!」
「だって、毎晩一緒にベッドに入ってるんでしょ? キスするよね?」
「それは、しますけど・・・どんな風にって言われても・・・」
「例えば・・・」
ユリカは、囁くとルリの唇へそっと自分の唇を押し当てる。
一瞬、ルリは怯んだ顔をしたが、そっとユリカへ抱き付いた。
それは、寂しい代償行為。
失ったものを埋め合わせるための、心の平衡を保つために必要な。
唇を合わせる。
抱きしめる。
好きとささやく。
キスをして欲しい。
抱きしめて欲しい。
愛しているといつでも言って欲しい。
あなたが私には、必要です。
あなたに・・・そばにいて欲しい・・・。
そう思いを伝えられる人は、私の元にはもういない。
そう思いを伝えた人は、ずっとそばに居てくれる。
アンバーの瞳が、ブルーの瞳をジッと射る。
ブルーの瞳も、アンバーの瞳を受け止める。
唇を合わせたまま。
抱き合ったままま。
唇を合わせるだけのキスは、ユリカから離れることでおわった。
「・・・もっと・・・もっと強く唇を合わせます」
唇が触れただけのキスに、物足りなさを感じたルリは、素直に言った。
「もっと・・・強く?」
<ガチッ>
「いたぁい」
「強すぎです、艦長ぉ・・・そんなガサツだから、アキトさんに振られるんです!」
互いに涙目で唇を撫でながら、ルリとユリカは、言い合う。
「がさつは、酷いよぉ、だってルリちゃん強くって言ったもん!」
「だからって、相手に勢い良く顔をぶつけてどうするんですか!」
「違うの?」
「当たり前です。
強くっていうのは、この場合唇を合わせてから互いにこう・・・」
むきになってそんな事を言いながら、途中で我にかえってしまったルリの語尾は消え入ってしまう。
「互いに?」
「・・・そんなこと言わせないでください!」
「え〜っだって、アキトのキスの仕方、ユリカ知りた〜い」
「そんな、口元に両手持ってきて、腰をくねくねさせてぶりっこしても、女の子には効き目は、ありません!」
「ぶぅぅぅ、教えてくれないと、このままルリちゃんは、ユリカのテディベア状態だからね」
ユリカは、ルリをきゅっと抱きしめ、そのまま抱き上げると、キャプテンシートへ腰を下ろし、頬擦りを始めた。
「ああ、ルリちゃん抱きごこち最高、この<ぷにっ>とした頬がね、アキトがルリちゃんをテディベアみたいに年中
だっこしてるのわかるわぁ・・・ああ・・・しゅりしゅり」
「うううう、わたしをテディベアにしていいのは、アキトさんだけです!!」
流石にルリもユリカのおもちゃに成るのに飽きたのか、そう叫ぶと、ユリカの唇を突然奪う。
そして、アキト直伝のディープキスをユリカへ炸裂させた。
さすがに、ルリの舌ではアキトの舌のようにユリカの舌を巻き込み、力強く吸いたてる愛撫(こと)は、無理だった
が、それでも、ユリカは口の中をルリの舌で思い切り犯され、さらに、膝をタイトスカートの奥へ打ち込まれ、膝頭に
ストッキングとショーツの上から花びらを蹂躪され、ほんの数分で絶頂してしまった。
ぐったりと体の力が抜けたユリカから離れたルリは、息を整えつつ思兼へ命じる。
「はぁ、はぁ・・・はぁ・・・思兼、艦長命令でしばらくブリッジ入室不許可にしときなさい」
ルリは、唇をぬぐうと「ルリちゃんもっとぉ」などと、言いつつ悶絶しているユリカを残し、ブリッジを退出したのだっ
た。
これ以降、女性クルーの間で、ルリとのキスがひそかに流行したという非公式記録が思兼のパーソナルエリアに
記録されている。
ルリとアキト熱愛編 でもアキトは出ないよ
くちびるにメモリー
Fin
ルリとアキト熱愛編 でもアキトが浮気しちゃうよ編
らいやぁ・らいやぁ
「ごめん、テンカワ君、ちょっと月まで付き合って」
「いいっ?!」
「つ・・・月って、なんで突然」
「シャトルのパイロット、誰も手すきの人間がいないのよ、病人がでたんだけど、その病気がとっても珍しい病気で
ね、ナデシコにその病気の唯一の特効薬がのってないの」
「ナデシコで月まで行けば良いじゃないですか!」
「今すぐ命に関わらないって言ったら、プロス氏がね、ナデシコの進路は変えられないから、シャトルで行ってきて
って」
「ひでぇ・・・」
いささか、ステロタイプであるが、守銭奴というキャプションを背負い、そろばんを持った、プロスペクター顔の悪魔
というイメージがアキトの脳裏に浮かぶ。
「そういうことならわかりました、いきましよう」
そんな訳で、行き帰り二日間、イネスとシャトルの中で二人っきりとなった。
行きは、取りあえず誘導ビーコンや、なにやらが使えない。
そのために手動で操縦を行う事になる。
必然的にアキトは、コクピットにほぼ詰め切りであった。
イネスも、珍しい症例ということで、その症状に付いてのレポートなんぞを読んで過ごした。
月では、ろくな管理を受けていない軍の巨大倉庫を引きずりまわされるなどという微笑ましい状況もあったが、無
事に薬を受け取り、帰還の途に付いた。
「ひまだわね」
コクピットへ入ってきた白衣姿のイネスは、月で仕入れてきた数ヶ月分のネイチャーやらサイエンスやらを抱えて
いる。
しかしあまり興味を引く論文が載っていなかったようだ。
「そうっすね」
アキトも、数冊の雑誌を整備班への土産に購入したものの、自身はあまり活字に興味はなかった。
「ひまよね」
「さっきから、そればっかですね」
と振り返ったアキトの目の前にイネスの顔があった。
「な・・・なんすか?」
「お兄ちゃん(はぁと)」
「・・・い、イネスさん、アイちゃんモードなんですね」
「うん」
「おいで」
「んふふふふ、お兄ちぁゃん(はぁと)」
イネスの口調は完全に、甘えきったものになっている。
アキトの差し出した両手の中にイネスが収まった。
アキトは、イネスを抱き止めたとき、違和感を覚える。
いつも感じる甘い女の香りが今日は、しなかった。
「・・・お化粧どうしたの?」
「またへんな所に気が付くのね、ナデシコから化粧箱を持ってくるのを忘れたのよ」
赤くなりながら答えるとイネスは、アキトの両頬を捉え、唇を押し当てる。
イネスを抱き止めていたアキトの手が、腰へ下がり、イネスにしては、珍しいプリーツの入ったミニスカートに包ま
れた双丘へ伸びる。
スカートをくぐった指先は、やはり珍しい感触を伝えてきた。
それは、以前のルリが履いていたようなコットン地のショーツの感触。
そしてそれは、かなりきつくイネスのそこへ食いこんでいるようだった。
「アイちゃん、わざわざ、履き替えた・・・の?」
唇を離すと、名残惜しげに二人の間に細い橋がかかった。
「ばか、素に戻っちゃうような事、聞かないでよ」
真っ赤になってイネスが答える。
どうも本当にわざわざ履き替えたようだ。
「ぴちぴち<ぱんつ>見て良い?」
「うん、見て・・・」
イネスは、アキトの膝の上にのっていたが、少し体を離すと、みずからスカートわまくり上げてみせる。
赤いりぽんのワンポイントだけか付いている厚手のショーツは、イネスのその部分の形を浮き立たせている。
大きく足を開き、アキトの膝の上に座っているイネスのその部分も、やはり口を開いているのか、恥骨の柔らかそ
うな膨らみがショーツのボトムの二重になっているあたりから二つに割れているのがはっきり見て取れる。
そして二重のボトムの部分でももう吸いきれなくなっているのか、じわじわと白い布地に濃い色が広がってゆく。
さらに布地を突き上げてる肉芽の形も浮き出している。
「どうして欲しいの」
「おにいちゃんに、アイのここ触って欲しいの」
イネスは、アキトの手を取ると、スカートの中へ導き、熱く湿った部分へ押し当てる。
それだけで、アキトの上に乗ったイネスの体に震えが走る。
「触るだけで良いの?」
アキトは、指を伸ばし、ショーツの上から、イネスの大きく膨らんでしまっている肉芽に触れる。
「んんん・・・もっと強くして・・・」
じわっとショーツの染みが広がる。
「触っているよ」
「違うのぉ」
「こうして欲しいの?」
アキトの指が、布地ごとイネスの膨らんだその部分を摘み上げ、そして3本の指でくりくりともみ上げる。
揉み上げられ包皮がずれ、まだ濡れていない布に直接嬲られイネスは、たまらず昇り詰める。
「・・・ふぅんん・・・くぅぅぅぅん」
自らの体を抱きしめ、ぶるぶると身を震わせ、強いアクメを味わう。
昇り詰めたイネスの膣からは、熱くぬめり濁った体液が絞りだされ、ショーツを汚して行く。
アキトは、イネスのブラウスのボタンを外し、レースのあしらわれたシルクのブラをまくり上げ、その天辺へ吸い付
く。
そして幾度も噛みしだき、白い肌へ赤く後が付き、形が変るほど掴み上げ、そして両手で撫で摩る。
張り詰めたそこへ顔を埋め、舌で舐め上げる。
それを飽きもせずに何度も繰り返す。
だかがやはり胸への愛撫では、高まりはするが、物足りないのだろうイネスがアキトの耳元へ囁く。
「んんん・・・おっぱいぱっかりいじめちゃいや」
「どこをいじめて欲しいの」
「ここ・・・ここに・・・おにいちゃんの・・・」
「ここに、おれのなに?」
アキトは、再びイネスの熱く濡れた部分へ誘われた指を、曲げ、ショーツの上から軽く性器全体を引掻く。
ふるふるとイネスの体が震える。
「うぅぅん・・・アイの・・・アイのおまんこに、おにいちゃんのおちんちんを入れて・・・」
「入れて?」
「おにいちゃんのあついせいえきで、アイのいやらしいえっちなおまんこをいっぱいにしてください」
「自分で、できるよね」
「うん」
嬉々とした声で、肯くと、イネスは、アキトのスラックスのファスナーをもどかしげに引き下げ、トランクスから硬く天
を突き上げているアキトの分身をつかみ出す。
その大きさを両手で推し量るかのように撫で摩った後、ショーツのボトムを脇へ寄せると自ら腰を上げ、そしてア
キトの物へゆっくりと、まるで味わうかのように腰を下ろして行く。
アキトの全身が熱い襞に包まれ二人の恥骨が密着する。
丁度全てを飲み込み、アキトの先端がイネスの一番奥を軽く突き上げた。
アキトの先端に突き上げられたイネスは、たまらず腰の力が抜ける。
それは、さらに二人が密着し、イネスの一番奥をさらに突き上げる事を意味している。
「んんんっっっ・・・・」
背筋を仰け反らせ慌てて腰を上げようとするイネスをアキトがぎゅっと抱きしめた。
「くうぁあああ・・・いや、おにいちゃん、それ、それ、いやぁぁぁあああっっ」
イネスは、背もたれへ両手を付きアキトからなんとか体を、いや一番深いところへ打ち込まれてしまった熱い肉の
楔を引き剥がそうとする。
「離して、お兄ちゃん、アイ、そんなの、がまん・・・んんんん・・・・・い・・・」
しかし、アキトの力は思いのほか強く、腰はびくともしない。
それどころか、イネスの抵抗でアキトの先端は、角度を変えイネスの敏感な子宮頚部を何度も強くこね回すことに
なる。
「ぁぁぁぁああああっっっ・・・アイ、アイ・・・」
そしてイネスの腰を押さえたままアキトは、下から尻に力を入れ腰を幾度も突き上げる。
「んん・・くぅん・・・はん・・はん・・・い・・・いや、アイ、もう、もう!」
「だめだよアイちゃん、おにいちゃんは、全然動いてないのに、もう絶頂っちゃうのかい?」
「うそ、うそ、おにいちゃん動いてるよぉ、アイのおまんこ、壊れちゃぅぅぅぅぅ」
「アイちゃん、絶頂っゃっていいよ」
アキトは、腰を捻り先端を打ち込む。
イネスの肉穴がアキトを締め付け、動かすまいと抵抗する。しかし自ら分泌した恥ずかしい液が、いくら締め付け
ようとアキトの進入を許してしまう。
「ふぅんんんんんっっっ・・・!!」
背筋を一際海老反らせ、イネスが昇り詰める。
ぐったりとアキトに体を預けたイネスに、アキトは言う。
「シャトルに誘ってふたりえっちをしようとした、えっちなアイちゃんには、お仕置きが必要だな」
「違うの、病気は本当なのぉ、パイロットがいないって言うのが嘘なのぉ、許してぇ・・・」
「だぁめ、おにいちゃんがいくまで、アイちゃんは動いたらだめ」
「そんなのできないよぉ・・・あ・・・ああ・・・」
「また絶頂っちゃうの?」
「いきいます・・・アイ・・・絶頂くっ・・・くぁあああああああああ!」
背中をのけぞらせ、イネスは、続けざまにオーガズムへ押し上げられる。
それを感じたアキトは、たん、たん、たん、たん! と小気味良いリズムで腰を打ち込み始める。
「だめ・・・・お兄ちゃん・・・アイ、まだ、まだだめぇ・・・あ、あ、・・・ま、また・・・また、絶頂くぅう!!」
アキトがイネスの中へ精を放ちイネスを快楽地獄から解放したのは、彼女が数え切れぬほど絶頂してからだっ
た。
イネスは、アキトのスラックスがぐしょぐしょになるほど愛液をほとばしらせ、最後には、声を上げることも出来なく
なっていたのである。
熱い迸りに、イネスは、最後の高みへ押し上げられ、意識を失った。
「イネスさん、大丈夫?」
何度かそう声をかけ、ようやくアキトの体に覆い被さったイネスの瞳が開く。
「・・・もう、加減って言葉知らないの? ルリちゃんにこんなことしたら死んじゃうわよ」
「すいませんね、普段は、ルリ相手にセーブしてるもんで」
「・・・はぁ、そんなにため込む前に、私に言えばいいのに」
「そうは言ってもこれって浮気ですから・・・まあ普通だったら、交じあうのも無理なんすから、がまんしますよ、ルリ
が大人の体になるまで」
「・・・テンカワ君って、ずるい」
「何がです?」
「放っておけないのを知っててそういう事言うんだもの」
「ずるいですか?」
「ずるいわ」
「じゃあ、ずるいついでに、もう一回・・・今度は普通にしますから・・・良いですか?」
「・・・もう少し休ませてくれたら・・・いいわよ」
すこし頬を赤らめたイネスは、そう答え、アキトと唇を合わせた。
ルリとアキト熱愛編 でもアキトが浮気しちゃうよ編
らいやぁ・らいやぁ
fin
COPYRIGHT(C) 1999 By Kujyou Kimito
ルリとアキト熱愛編
「いずれ紡がれる愛へ」
「お〜い、ジュ〜ン、頼んでたもの入ったか?」
ナデシコ艦内の酒保の担当は、プロスペクター氏だが、対応は、副長であるアオイジュンが行う。
大概のものは、コンビニ自販機で済んでしまうが、大量に捌けない嗜好品などは、酒保経由で手に入れるしかな
い。
その酒保のさして広くない殺風景なカウンターに、アキトの声がしている。
「うん、今日の補給便で、入ったよ。でもこんなものどうするの?」
ジュンは、小さな包みのバーコードをリーダーで読み取り、その包みをアキトへ手渡しアキトのIDをリーダーへ通
す。
「おまえな、これですることは、一つしかないだろ?」
「だって今どき、そういうものは使わないだろう、それも手作りの天然素材じゃなくちゃ駄目だなんて、ネルガルの
補給担当も見つけるのに苦労したってぼやいてたよ」
「だっておまえ、金属製とかプラスチック製じゃ傷つけちゃうかもしれないだろ?」
「ああ!! おまえそれルリちゃんに使うつもりなのか!!」
「あたりまえだろ」
「くぅぅぅぅ、うらやましいやつ」
「おまえも、ユリカにしてやったら?」
「・・・そんなこと・・・してみたい」
「だろ? じゃ、無理聞いてもらってサンキューな」
そういうと、アキトは、酒保を後にした。
その夜・・・。
「ルリ、おいで」
例の包みを手にしたアキトが、パジャマ姿で本を見ているルリを呼んだ。
ルリは、小犬のようにぱたぱたと寄ってくると、いつものようにアキトのあぐらの中に座ろうとする。
ところが、アキトは、そのルリ脇腹を押さえ、それを止めてしまう。
「今日は、いいことしてあげるよ」
「?」
要領の掴めないルリは、髪を下ろしたままの頭を可愛らしくかしげて見せた。
「その前に、手元を照らさないと危ないから、スタンド持ってきてくれるかい」
「はい」
蛍光スタンドをもって、寄ってきたルリへ、手にした包みを開けて見せる。
それは、温泉地で売られている、竹で作られた大小二つの「耳かき」であった。
ご丁寧にも、草津温泉と小さなプレートが付いている。
佐世保から草津まで探しに行ったとなれば、確かに苦労したのだろう。
いまアキトが手にしている耳かきは、宇宙で一番高価な耳かきかもしれなかった。
「ルリは、されたことないだろ?」
「耳かきですか?」
四つんばいになり、アキトの手元を覗き込みながらルリが言う。
「そう、爪を切ってもらったり、髪をとかしてもらったり、本当はおかあさんがしてくれるんだけどさ、ルリには、おれ
がしてあげるよ」
「でも・・・」
「気持ち良いよ、自分で綿棒でしてるけどさ、ももの上に頭、向うにして寝てみそ」
アキトに言われたとおり、膝の上に頭を乗せ、寝転がる。
「本当はさ、そうしてかあさんの膝に頭乗せると、かあさんの匂がするんだ、あいにくルリには、男の匂いで悪いけ
どな」
「そんなこと・・・んん・・・」
ルリの耳にかかっている髪をそっとどかし、スタンドを点し、手元と耳を照らす。
スタンドの眩しさにルリは、目を瞑った。
「あんまり、体に力入れないで」
「でも・・・」
「恐くないよ、そっとするからね」
「・・・はい」
ルリの肩からようやく力が抜け、アキトは、小さな耳かきをルリの耳の穴へそっと入れる。
自分の体を他人に預けるというのは、不思議な感覚に陥る。
ルリも、そのとき自分の体が、ふわふわと浮かび上がるかのように感じた。
みみに当たる冷たい感触は、じきにルリの体温で違和感がなくなり、耳の内壁をそっとかき出される感触は、妙に
くすぐったくて・・・それは、まるで耳元で愛を囁かれているかのように甘い感触を、ずっと、ずっと長く引き伸ばした
かのようだ。
いつしか、ルリの両手は、足の間に差し入れられ、耳を掻くリズムで、足に力を入れたり、抜いたりを繰り返ように
なっていた。
<・・・気持ち良い・・・>
耳への刺激と、自らの行為でルリは、昇り詰めて行く。
その様子にアキトは、自分の目論見が当たった事を感じた。
二人で愛し合うとき、アキトは、ときおりルリに自分でして見せてと、せがむときがある。
しかしルリは、かなり恥ずかしがって、当然、そんな所は見せてはもらえない。
まして自然に自分を慰めているところなど、見られるものではない。
そんな訳で、アキトは、ルリへ普通の子供がしてもらうことをルリに経験してもらうのと同時に、自分の欲望もかな
えられる方法を色々と考えたのだ。
ルリのリズムが速くなり、行為が佳境に入ったと思ったアキトは、耳かきを終わらせ、ルリへ姿勢を変えるように言
う。
ルリは、突然我に帰った表情をしたが、次の瞬間、真っ赤になってしまった。
自分が無意識に、なにをしていたのか気が付いたからだ。
「どうしたのルリ、顔、真っ赤」
しかし、意地悪くアキトは、ルリにそう問う。
「・・・えっと・・・」
「部屋熱かったかな」
「そ、そうですね」
ルリは、そう取り繕うと、姿勢を変え反対の耳を晒す。
<がまんできない・・・どうしよう・・・恥ずかしい・・・>
そのとき、アキトか、不意に耳へ吐息を吹きかける。
「んんん・・・」
ルリは、そのイレギュラーな刺激に、びくんと体全体を震わせる。
しかし、アキトは、反対側の耳かきをはじめる。
ときおり、手元が狂い、強く引っ掻いてしまう。
しかし、そんなイレギュラーな刺激もルリには、心地よさしか与えない。
<いや、これ以上したら・・・アキトさんに気が付かれちゃう・・・はしたない女の子だって・・・でも、止まらないの・・・
んんん・・・>
ルリがアクメに到達しようとした直前、アキトは、危険を感じ耳かきを抜いた。
「いや・・・止まんないの・・・いゃあ・・・だめぇえええ・・・」
必死で押さえていた声が、漏れ、そしてルリはアキトの膝の上でアクメを迎えた。
「んふふ、ルリ、気持ち良かった?」
「・・・し、知りません」
顔を覗き込まれて、ルリは、アキトの腰へしがみ付き、顔を隠してしまう。
しばらく、アキトの腰にしがみ付いていたルリが、そのままアキトに問う。
「アキト・・・さん・・・」
「なんだい」
「わたし・・・えっちなルリは、可愛かったですか?」
「ルリは、いつでも可愛いよ、でもさっきのえっちなルリは、とびきり可愛かった」
「・・・本当?」
「本当!」
「良かった」
アキトは、ルリをそっと抱き上げると、向かい合わせに抱き寄せる。
「えっちなルリちゃんは、物足りなくないかい」
「・・・すこしだけ」
消え入りそうに答える。
「本当に?」
「・・・た・・・たくさん」
「たくさん物足りないえっちなルリちゃんは、どういう風に満足したいかな?」
「アキトさんの・・・・アキトさんのおちんちんを・・・ルリの・・・おまんこへ入れて、たくさん気持ちよくして・・・欲しいで
す」
その言葉を口にすると、ルリは、アキトへぎゅっとしがみ付く。
どうやら、これからされることを想像しただけでアクメを感じてしまったらしい。
アキトは、力の入らないルリを、なんとか立たせると、パジャマのボトムをショーツごと取り去る。
すでに、十分潤っているルリのそこに、かるく接吻すると、アキトは、向かい合わせでルリを己の分身の上へゆっく
りと座らせる。
ルリの腰と足を、手と足で器用にホールドたアキトは、入り口付近に浅く沈みこませると、そこで進入を止めてしま
う。
「んん・・・どうして・・・もっと深く・・・深く欲しいです」
いつもの一番奥を突き上げを期待し、その一撃に備えていたルリは、完全に物足りなくなってしまう。
涙声で訴えるルリに、アキトは、足のホールドをいきなり外した。
ずん!
と文字どおりお腹を突き上げるような峻烈な衝撃にルリはおとがいを振り上げ悲鳴に似た声を上げる。
「ぐぅぅぅ・・・」
しかし、ルリは、自分から腰を、上下そして前後へ妖しく蠢かし始める。
「あ・・・あ・・・んんん・・・あは・・・んんん・・」
上半身をアキトへ密着させ、腰だけを蠢かせる様は、妖艶ですらある。
アキトの恥毛へ肉芽をこすり付け、そのまま左右へ振り散かし、ときには限界を超えて、アキトの分身を飲み込
む。
そしてアキトは、ルリのきつい締め付けに、なんとか耐えていた。
ルリが絶頂する前に放つ事は、できないからだ。
だが、アキトも限界が近かった。
それを感じたルリは、一旦、アキトの分身を入り口付近まで吐きだし、そして再び突き当たりまで飲み込んだ。
「くぁああうああああああっ」
その衝撃に、ルリの締め付けがさらにきつくなる。
「ごめん、ルリおれもう」
「きて、きて、アキトさん、アキトさんのせいえきを、たくさんルリのおまんこに、注ぎかけてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
己の言葉で高まり、そしてアキトの熱い迸りを幼い子宮で受け止め、ルリはオーガズムへ達したのだった。
「んんん・・・アキトさんずるいです、私が一人えっちしちゃっているの、知ってましたね」
後始末をしながら、ルリがアキトを咎めた。
「どうしても、ルリが自分でしてるところ見たかった・・・から」
「もう、耳かきさせてあげません」
ぷいっと横を向いてしまう。
「そんなこと言わないでよ、ルリに耳かきを教えたかったのも本当だよ。
あのさ・・・なんていうか・・・ずっと先の事だけど・・・さ、こんなこと今から言うとほんと変かもしれないけど・・・俺
と・・・俺とねルリの赤ちゃん生まれた時に、ルリがね、その子へ耳かきをして上げられるように・・・そういうの駄目
かな?」
その瞬間、そっぽを向いていたルリがアキトへ向く、驚きに凍り付いた表情が、やがてくしゃくしゃにくずれると、ア
キトの胸の中にルリは飛び込んだ。
ルリとアキト熱愛編
「いずれ紡がれる愛へ」
Fin
ルリとアキト熱愛編
「ヒーローは泣かない」
『第一相転移エンジンに異常発生、スカラー誘導場安定限界突破、ゲージ場確率変換器にドップラー共鳴および
ボイド共振発生、タキオンニュートリノカウント異常上昇、第一相転移エンジン制御不能状態、ボイド共振による相
転移暴走確率98.227%! 発生まで推定120秒
レッドアラート、レッドアラート!!
ナデシコ第一エンジンブロック緊急パージ用意!
機関員は、速やかにエンジン区画から避難してください、繰り返します、機関員は速やかにエンジン区画から避難
してください!!』
深夜のナデシコに、合成音声が鳴り響く。
そのけたたましい警報に、寝入っていた乗員が次々に飛び起きる。
枕を持って走り出すもの、パジャマ姿のままブリッジに駆け込んでくるもの、ズボンの片方に両足を突っ込んで、
立てなくなるもの、悲喜交々の光景が居住区画で見られたが、それは、プロスペクターが企画し、思兼が実行した、
緊急訓練だった。
『全乗組員へ、緊急避難ポッドへの脱出経路を確認、酸素、燃料残量確認! 以上で本日の緊急事態訓練を終
わります。
なお昼直の方は、明朝は、10時から勤務についていただければ結構です。
夜直の方は、定時終業となります』
ホシノルリは、ブリッジへ駆け込み、プロスペクターの放送に迎えられた。
「なんだぁ訓練かよぉ〜、頼むぜほんとに、やっと寝たつうのにぃ、ふぁ〜〜〜っ」
ぼやいたのは、スバルリョーコだ。
「ほんとよねぇ、美容の大敵なんだから」
なぜか一分の隙もない格好のハルカミナトもそうぼやいて見せた。
「・・・にしてもよぉ」
「に、してもよねぇ」
二人は、主の居ないキャプテンデッキを見上げる。
「艦長、まだ寝てます」
オペレーターシートに座ったお魚模様のナイトキャップとパジャマ姿でまくらを膝の上に乗せたルリは、艦長室の
映像を呼び出す。
ベッドの中で、枕を抱えたユリカが、熟睡していた。
「ったくユリカのやつ、非常の人が、非常時に役に立たなきゃ、ただの人だぞ〜っ!」
アキトが、その映像を見上げて呟く。
「ですね」
その呟きに、メグミがくすっと笑った。
「・・・寝そびれちゃったな」
ルリの部屋のベッドにルリを横抱きにして座りながら、髪を弄る。
時計は、午前1時を回った所だが、一眠りしてしまったため、体はだるくとも頭は冴えてしまっている。
「でも寝ないと・・・ぅにゅぅ・・・だめです」
ルリは、時折、うなじを触られるくすぐったさに肩をすくめる。
「ルリは、眠いの?」
アキトに至近距離からじっと見つめられルリは、思わず目を閉じ口付けをせがんでしまう。
アキトは、口元に笑みを浮かべると小さな唇へかるく唇を重ねる。
つややかな唇は、張りがありミントの香りがした。
そっと合わされただけの口付けにもの足りず、姿勢を変え、アキトへ抱き付き、ひたいをひたいへ押し当て、なが
ら「も・っ・と」とねだるルリ。
「お姫様は、おねむじゃないんですか?」
「王子様のおやすみのキスが、まだなのでお姫様は、眠れないのです」
「王子様は、お休みのキスだけでは満足しないかもしれませんよ」
「・・・お姫様も、キスだけじゃ眠れないかもしれません」
「かしこまりました、お姫様」
アキトは、そっとルリの唇を割り、舌を小さな唇の奥へ差し入れた。
抱きしめている右手を、背中に沿って下ろして行く。
左手は、ルリを抱いたままだ。
ルリは、アキトの肩に両手を預けてしまっている。
アキトは、ルリのパジャマのズボンを膝まで脱がせてしまう。
お気に入りを汚してしまうのは、躊躇われたからだ。
ルリは、膝にたまったズボンを自分で、あしを使い、脱ぎ去った。
アキトの手が、ルリの薄いブルーのショーツに包まれた、ほんの少しだけ丸みを帯びてきたお尻をその丸みを確
かめるかのようにゆっくりとなでる。
そしてアキトの開いた足の間で膝立ちしていたルリに、自分の腿を跨いで膝立ちするように手で合図した。
ルリは、それに従いアキトの右足を跨ぐ、ルーズになったルリのショーツのボトムへ向かいアキトの手が這い上が
る。
ルリは、焦らすようなその手の動きに、耐えられないのか、腰を蠢かす。
その動きにさそわれアキトは、手をショーツのボトムへそっと押し当てる。
熱いほどのルリの体温がアキトの手に伝わってくる。
ルリは、押し当てられただけの手に、自分で動かなくては、駄目なのだろうと悟り、ゆっくりと腰を動かし始めた。
最初は、ただ前後に動かすだけの動きだ。
それでも、そこを触られている、自分でいやらしく腰を動かしている感覚だけでルリは、恥ずかしい液で幼い性器
を潤してしまう。
じわっとショーツの布地が湿るのがアキトの手に感じられたとき、ルリの腰の動きが変る。
えぐるように、深く腰を落し、アキトの指が、ショーツの上から膨らんでしまった可愛い肉芽をつつくようにし、その
まま左右へ打ち震わせる。
だが、それでも、満足はできず、ずっと合わされたままだった唇を振りほどき、ルリは、アキトへ「お願い」をしなく
てはならなかった。
「お姫様は、もうおねむですか?」
「いいえ・・・」
「どうしたの?」
「指を」
「指を?」
「動かしてください」
「どう動かすの?」
「ルリの・・・く・・・クリトリスを・・・いぢめてください」
ルリは、恥ずかしさでアキトの目を見ていられない。
しかしアキトは、ルリの瞳を追いかけ、意地悪く覗き込み尋ねる。
「クリトリスだけでいいの?」
アキトは、ショーツの上から硬くなっているルリの肉芽をとんとんと指でリズミカルに叩く。
「んふっ・・・んんんっ・・・全部、ルリの・・・ルリの、おまんこ全部を、いっぱい、いぢめてください」
「いぢめた後は、おねむですか?」
「いぢめた後で・・・アキトさんのおちんちんをルリのおまんこへ入れて、アキトさんも気持ち良くなってください」
ルリは、頬を真っ赤に染め、潤んだ瞳でアキトの瞳を見つめたまま、その言葉を言い切る。
アキトは、愛しい少女に深い口付けで応えた。
そして唇を離した後、言う。
「ルリ」
「なんですか?」
「えっちになったね」
「アキトさんがえっちにしたんです!」
「そういう事にしておいてあげるよ、可愛いお姫様」
アキトのその物言いに、ルリは、顔をしかめ小さく舌をだし応えた。
アキトは、ショーツの上から、ルリの肉芽を探し当てると、そっと三本の指で摘み上げる。
「んんん・・・」
そこを摘ままれただけで、ルリは、軽いアクメを感じ、背筋を震わせ、幼い性器の奥からはしたない液を、絞り出
す。
「いま、ルリのクリトリスを、たくさんいぢめてあげるよ」
アキトは、摘み上げた肉芽をゆっくりとしたリズムで揉みはじめる。
親指と、人差し指と中指とが、微妙に力を入れ合い、擦り合う。
肉のフードと、真珠とか擦れ、真珠とショーツが擦れ合う。
その度に、ルリの背筋を戦慄が悪寒が駆け上がり、お腹の奥にある、女の子しか持っていない器官が熱く震え
る。
「んんっっっ・・・くぅんんんん・・・ああああ・・・」
アキトの手が、ショーツの上のゴムをくぐり、直接、ルリの肉芽を、強く押し込む。
「ルリ凄い、びしょびしょ」
後ろから回しているアキトの手は、ルリの吐液で熱く濡れる。
「んんんっ・・・・だって・・・アキトさん・・んんん・・・焦らすんだもん」
押し込みながら、指を震わせ、激しく吐液している、ルリの小さく幼い、だがアキトをいくども迎え入れた膣へ中指
を沈ませて行く。
「ふぁあああっ・・・・んんんっ・・・・」
そして、敏感な奥の扉を指の腹で何度もなぞり上げる。
「くぅぅぁぁぁぁぁ・・・!!」
こうして、ルリは最初のオーガズムへ駆け上がった。
熱く息をしているルリのショーツを脱がすと、アキトは、ルリをベッドへ寝かせた。
ルリの膝を掴み大きく、足を広げると、充血し、ぱっくりと割れたルリの性器へ己の分身を寄せて行く。
そして小さく口を開けている熱く滑ったルリの膣へゆっくりと己を沈めて行く。
沈むに従い、ルリの背中が海老反り、横を向いた顔にしわが寄る。
だがそれは、苦痛のからでは、なく、歓喜からのものだ。
「くぁああ・・・・ぁぁん・・・んんんんっ」
ルリの口から、とても11才の少女とは思えない喘ぎ声が、断続的に漏れる。
アキトは、一番奥まで達すると、膝を放し、腰を両手で掴む。
そして、さらに、腰を進める。
もちろん苦痛になるほど無理にではない。
ルリの子宮口がアキトの先端を包み込むとアキトは、腰を引く。
アキトの分身は、ルリの分泌した液に包まれ、膣から引き抜かれて行く、さらに溢れた液は、ルリのもう一つのお
ちょぼ口まで濡らし始める。
いくどもそれが繰り返され、ルリは、既に無数のアクメに晒されていた。
アキトも、己の高まりを感じ、突いては引くという行為の速度を上げる。
ルリもそのリズムの変化で、オーガズムへ押し上げられようとする。
「ぁぁああああ・・・アキトさん、気持ち良いですか? ルリは、ルリのお腹の中は、気持ち良いですか?」
「いいよ、ルリお腹の中は、熱くて、ぬるぬるしていて、きつく締まって、つぶつぶがいっぱいあって、すごく蠢いて、
ルリのお腹の中は、最高だよ」
「あああ・・・ありがとうございます、ルリもアキトさんのおちんちんとっても気持ち良いですぅ・・・・っくぅぅうあああ
っ・・・」
アキトは、ルリの唇を塞ぐ。
そして最後のスパートに入る。
「ルリ・・・もうすぐだよ」
「私も、もうすぐです・・・だから、だからアキトさん、一緒に一緒に!」
「・・・ルリ・・・出すよ」
「来て、私の中に、いっぱい出して」
ルリの膣がアキトの分身をきつく絞るように動き、子宮は下がり、アキトの迸りを残らず受けようと、先端を包み込
む。
「ああ・・・・あああああ、絶頂く・・・絶頂くぅぅ・・・・・ああああああああっっつ」
そしてアキトの激しく熱いほとばしりを幾度も子宮で受け止めルリは、オーガズムへ昇り詰めた。
ぐったりと横たわるルリに、口付けをし、そして、小さな胸をそっと撫でる。
深いオーガズムの余韻を味わっているルリには、それが心地よい
ほつれた後れ毛を額から外し、その額へも口付けをする。
さらに、アキトは、頬へキスをし、耳へキスをし、耳朶を甘噛む。
余韻が引いて行くと共に、ルリの体に力が戻ってくる。
「ルリ、気持ち良かったよ」
「私も、とっても気持ち良かった」
「お姫様は、おねむかな?」
「はい、王子様にたくさん愛してもらったお姫様は、とっても気持ちよくねむれそうで・・・んんん・・・」アキトの分身が
抜け落ち、子宮が飲みきれなかった白濁が零れ落ちる。
「このまま寝ちゃっていいよ」
「でも・・・」
「俺が奇麗にしてあげるから」
「はい、ありがとうございます」
「どういたしまして、おやすみルリ」
「はい・・・おやす・・・み・・・」
アキトは、眠りに引き込まれていったルリにくすっと笑うと、後始末をはじめた。
そして
『第二相転移エンジンに異常発生、スカラー誘導場自立維持限界突破、ゲージ場偏向収束機にワインバーグ共
鳴およびホイラー共振発生、Ψミューオン放出抑制不能!! 第二相転移エンジン制御不能状態、ホイラー共振
によるエンジン爆縮確率97.293%! 発生まで推定163秒
レッドアラート、レッドアラート!!
ナデシコ第二エンジンブロック緊急パージ用意!
機関員は、速やかにエンジン区画から避難してください、繰り返します、機関員は速やかにエンジン区画から避難
してください!!』
その合成音声と警報に、寝入りばなをたたき起こされたアキトは、ベッドから跳ね起きながら叫んだ。
「今日は、もうかんべんしてくれぇ!!」
ルリとアキト熱愛編
「ヒーローは泣かない」
Fin
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「THE NIGHT  I L L U S I O N」
一週間前の夜。
「ううう、ごめんルリ、おれとっても疲れちゃっててさ・・・」
「大丈夫ですか?」
ルリは、アキトの顔を覗き込む。
「うん、寝れば平気だから、おやすみぃ〜」
アキトは、シャワーを浴びる間もなく布団へ倒れ込んだ。
実機によるシミュレーション中に、敵が現われ、ナデシコは、延々と戦闘行動を取らなくてはならず、ブリッジクル
ーもパイロットも整備班もくたくたになっていた。
ルリも疲れていたので、そのまま、二人は、布団の中で抱き合って眠った。
6日前の夜。
「・・・ごめん、ルリ、今日も俺だめだ」
「いいえ、私も今日は、疲れましたから・・・」
再びナデシコは、執拗な木星トカゲの攻撃に晒された。
叩いても叩いても湧いて出くる機動兵器に、クルーは半舷休息すら取れず、いわゆるデフコンが通常状態へ戻っ
たのは、30分前のことであり、アキトは戦闘報告を思兼へ上げて戻ってきたばかりだった。
「おれ、汗臭いぞ」
「平気です、私も同じです」
「・・・シャワーを使う気力もない」
「はい・・・」
翌朝、二人でシャワーを浴びる事になった。
5日前の夜。
木星トカゲの大攻勢のため、結局、パイロットはガンルームで仮眠を取っただけ、ルリも、シートの上で仮眠を取
る事しかできなかった。
木星トカゲも、よく補給が続くものだ。
4日前の夜。
この日は、さすがに木星トカゲも補給が滞ったのか、攻撃が散発的で思兼の自動迎撃だけで、事態は切り抜けら
れた。
パイロットは、全員ばてばて、もちろんアキトも例外でなかった。
三日前の夜。
この日も、木星トカゲはお休み。
ようやくパイロットは、元気を取り戻した。
しかし、アキトは、スクランブル要員のため、夜直に就いたのだった。
二日前の夜。
ユリカは、ナデシコによる、敵泊地への強行突入を立案し、ナデシコは、作戦準備に追われた。
そして作戦は、この日の夜に決行された。
大型戦艦10隻、巡航艦14隻、駆逐艦20隻、大型補給艦20隻をグラビティ・ブラストで一掃し、作戦は、翌日の
午前8時に終了。
残敵を掃討しつつ連合宇宙軍の到着を待った。
そうして、今夜。
ようやく一週間ぶりにアキトとルリは、ゆっくりと二人で眠ることができた。
もっとも、二人とも手を繋ぎ、抱き合って眠るのが精一杯であり、普段のごとく愛し合うのは、明日へおあずけとい
うことになった。
そして、気がつけばルリは、なにか暖かいものに押し包まれていた。
辺りは、黄昏の様な淡闇に支配され、その淡闇のただ中に、ルリは暖かいものに押しつつまれ、漂っていた。
ルリを包んでいる暖かいものは、まるで拍動をするかのように、一定のリズムで蠢いている。
「ここは、どこ?」
知覚変換で入り込むサイバースペースに感覚は似ているが、あれほど確かな実体として、自分の周囲を知覚でき
るわけではない。
それが証拠に、黄昏の闇に、目がなれても、周囲を見通すことはできない。
淡闇の壁が、はるかかなたに存在しているのか、それとも、自分の目の前にその壁があるのかすら全くわからな
いのだ。
だが、ルリは少しもそれを怖いとは、恐ろしいとは、感じなかった。
なぜならそれは、今、自分を優しく包んでいる存在を、知っている気がしたからに他ならない。
そしてその暖かいものが、ルリの体を撫で始めた時にも、嫌悪感を少しも感じなかった。
うなじを指先でかるく撫ぜられる。
そこへ息を吹き掛けられ、そのくすぐったさに、身を縮め耐える。
さらに、両耳の耳朶を同時に甘噛みされ、耳の穴へ舌を入れられ舐められる。
頬をそっとなで上げられ、唇に爪を押し当てられる。
吐息が、頬にかかり、そして暖かく湿ったものが唇へ覆いかぶさる。
だが、不快感は全くない。
なぜならそれは、ルリの体に刻みつけられている、テンカワアキトという青年が数ヶ月という時間をかけて、ルリの
幼いからだに刻みこんだ彼との思い出と寸分違わぬものであったから。
「アキトさん」
そう声に出して呼んでみる。
ルリを包む暖かいものが、それに応えるように光を発する。
そしてルリの心にアキトの声が直接響いてきた。
<そうだよルリ、これはねオレとルリのIFSが共鳴して起こっている覚醒レベル以下知覚へのイドフィードバックサ
ーキュレーションの連鎖効果だよ>
「ようするに、アキトさんと私の性欲が強くて、二人のIFSで、その性欲を増幅し合ってしまったためにナノマシンが
共鳴して、専用の回路を形成してしまったために、二人の脳内で同時に進行しているいわゆる『夢』なんですね」
<よくできました>
「とすると・・・」
<そうルリかオレのどちらかが満足しないと、この夢は、終わらないよ、ルリちょっと乱暴になるかもしれないけ
ど、いいかい?>
「・・・はい、ルリは、アキトさんに好きにされてかまいません」
頬を染め、ルリは、押し包まれているものすべてを受け入れることを誓った。
まだ、あばらの浮く膨らみかけた胸の上を熱いものが流れてゆく。
まるで大きな舌に全体を舐めとられるかのように、ルリの小さな両の乳房が変形している。
そして、その先端のぴんと張り詰めた乳首が、左右同時に見えない唇で吸われ引っ張られる。
さらに、乳首の天辺を熱い舌が舐り回す。
二人のセックスでは、絶対にあり得ない濃密な愛撫が、ルリを捕らえていた。
乳房全体を捕らえている舌は、猫の舌のようにザラザラとしたかと思うと、ビロードのように突然さの質感が変わ
る。
強く全体を押しつぶしたかと思えば、まるで慈しむように、そっとなで上げる。
知らず知らずにルリの息は上がり、切なさがルリの性器を熱く濡らしていた。
もしも、ルリがショーツわ履いていたなら、それは、ぐしょぐしょになってしまっていただろう。
激しい吐液は、ぽってりとふくらんだラビアをてらてらと光らせ、足首にまで幾筋もの流れを作り出している。
そのラビアの始まる辺りに存在しているルリのピンク色の肉の芽は、はち切れんばかりに張り詰め、肉のカバー
の中からその姿を半分ほど現している。
ひくひくとラビアが痙攣をするたびに、その先端から、ぽつぽつとしずくが滴り、きつい牝の香りだけを残し、夢の
中へ融け去ってゆく。
「くぅ・・・はぁぁあん・・・」
もじもじとひざを擦り合わせようとルリは足に力を入れるが、がっしりとそれはつかまれてしまっており、まったく動
かすことができない。
その足の指の間に、生暖かいものが入り込む。
「ああ、そ、そんな所舐めちゃだめぇ」
足の指とその間、すべてを同時に舌で舐めとられるという、信じられない感覚がルリを襲う。
ザラザラの舌が、交互に指とその間を丹念に舐めあげる。
さらに、足首まで筋を作っているルリのはしたない液をまるで舐めとるかのようにその筋に添い、目に見えない舌
がルリの性器へ向かい舐めあげて来る。
だが、その舌達は、ルリのラビアのほんの数ミリ手前で、止まってしまい、また下へと降りてゆく。
そのもどかしさに、ルリの瞳に涙が浮かんでくる。
ほんの数ミリ、上へ触ってくれればいいのに、あとほんのすこしなのに・・・。
そしてルリは声をあげた。
「・・・ルリの・・・ルリのおまんこを弄ってぇ・・・ルリのおまんこを気持ちよくしてぇ・・・ルリのおまんこにアキトさんの
おちんちんを突っ込んで!! ルリを、ルリを気持ちよくしてぇ!! お願い、お願いですぅ、このままじゃルリは変
になっちゃいますから・・・お願い!」
たまらず、ルリが叫んだ瞬間、それは与えられた。
ルリの足が大きく広げられ、そして肉色の花びらも船形へこれでもかというほどくつろげられ、すべてをさらしたそ
こへ、熱く滑る、太いものが押し当てられ、そして一気にルリの中へ進入した瞬間、ルリは絶頂へ簡単に達してしま
った。
「あ・・・ああああああああ! 絶頂く・・・絶頂く・・・絶頂っちゃう! ぁぁぁああああああああああああ!」
ルリの背中が反り返り、舌になぶられている足の指は、何かを握り締めるかのように蠢く。
さらに、両腕は、宙をかきむしる。
そしてみっちりと熱いものをくわえ込んでいるはずのルリの膣からは、熱く白く濁った愛液が幾筋もの飛沫となって
はしたない音を立て吹き出す。
一番奥にまで達した熱く太いものは、そこで信じられない動きをしてみせた。
全体に小豆大のつぶつぶを産み出すと、そのつぶつぶを初めはゆっくりと、そしてだんだんと速度をつけ、回転さ
せはじめたのだ。
さらに、回転をさせながら、それは、深いストロークで、ルリを犯しはじめた。
「いゃあああ、回しちゃ、回しちゃ駄目、そんなの駄目・・・ルリのおまんこが、ルリのおまんこが・・・壊れちゃう・・・く
ぅうううううあああああ!」
まさに、人外の陵辱を受け再び、ルリは絶頂へ達する。
ぶるるん、ぶるるん、とルリのラビアが引きずり出されてくるものに触れ、揺さぶられる。
みっちりとくわえ込まれているはずのそれは、しかし全く抵抗を受けずに、運動を続ける。ルリの膣は、その運動
を押え込もうと、必死で締めつけるが、それをとどめておくことはでず、ルリは悪寒を感じるほどの官能に、ひたすら
耐えることしかできない。
やがて、その回転運動と深いストロークだけの運動に、うねりが加わる。
そのうねりは、ルリの張り詰めた肉芽に同時に取りついた舌の動きと同調し、前後からルリの肉芽を押しつぶす。
神経が焼き切れるほど峻烈な快感に、ルリは、連続的な絶頂に悶えのたうつ。
「あああ、また来るの・・・また・・・絶頂く・・・絶頂くぅ! あああ・・・ああああ・・・また・・・かっ・・・かっ・・・」
呼吸すらままならぬ絶頂の連続に、ついにルリは意識を失った。
そして、その意識を失ったルリの胎内へアキトは、己の欲望を解き放ったのだった・・・。
「ん・・・あ・・おはようございます」
「ルリ、平気? 体はなんともない?」
「はい、すっきり、さっぱりです。アキトさんはどうですか?」
「オレもすっきり、さっぱり」
「それにしても、アキトさんの本気のセックスってああなんですね」
「え? まあ、そうだな・・・あんなもんじゃないって言ったらルリはどうする?」
「・・・大丈夫です、だってルリは、アキトさんのこと大好きですから」
「・・・じやあ、今夜は、夢じゃなくて、本当にしような」
「はい」
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「THE NIGHT  I L L U S I O N」
Fin
機動戦艦ナデシコ
ルリとアキト熱愛編
「PoolSideLove」
月面、ネルガル重工の艦船ドック。
いま、ナデシコは、定期点検整備の為に一ヶ月にわたるドック入りしていた。
腕のいい整備クルーを乗せているとはいえ、外装関係や、火器関係は、手に余る部分も存在しているからだ。
クルーは、その間、月面に散在している観光地へ体よく追い払われていた。
ここ、アームストロング記念財団の運営しているファーサイドグリーンには、ブリッジクルーが、滞在させられてい
た。
アームストロング記念財団と名乗っていても、あのアームストロングとはなんの関係も無いし、ファーサイドの名の
通り、最初の一歩が記された地球側に存在しているわけでもない。
要は、宿泊可能な、総合テーマパークでしかない。
月面を歩く、またたかない星を見せる以外に、月に観光資源なんぞあるはずがないし、低重力が必要ならば、重
力制御でいくらでも作り出せる。
ようするに、観光として人を呼ぶならば、積極的に人を遊ばせ楽しませる場所にする以外に方法がないのだ。
そんなファーサイドグリーンのアクアゾーンにルリとアキトの姿があった。
白とディープーブルーの細かい横ストライブのワンピースの水着を着たルリは、ボディーボードを抱えこみ、巨大な
ウェーブプールにマンボウよろしくぷかぷかと浮かびフィルターをかけられた太陽光線に焼かれている。
アキトは、人工鰓を使ってシュノーケリングをもっと沖で楽しんでいる。
プール全体に1Gになるように補正人工重力がかかっており、地球と同じ感覚で泳ぐことが可能になっていた。
なれない観光客が下手に低重力で水泳などすると、感覚の違いから事故がおこる為である。
そんな巨大なプールにいま、二人しかいないというのは、豪勢を通り越し、いささかわびしさすら感じてしまう。
なぜか、それは、戦時下に、観光客などというものが、わざわざ月にまで来る訳がないのである。
水に浮いていること、水の音を聴くことは気持ちいい。
その上、調整された太陽光が心地よく体を温めている。
ボディーボードに半分体を預けて、そのうえにうつ伏せになってルリは、心地よく怠惰な時間を過ごしていた。
その時、ルリは妙な気配を下半身に感じた。
自分の体温で暖まった水が、冷たい周囲の水と、かき混ぜられる感覚と言えば解るだろうか。
もっとも自分とアキトしか居ないプールなのだ、誰か居るとしたら、それはアキトしかいない。
三日間、艦長達に付き合って、パーク内の巨大な遊園地で過ごしたが、さすがに三日遊べば乗るものはなくな
る。
四日目にアクアリュウムを覗いて、五日目からは、このアクアゾーンで日長一日、甲羅干しのルリであった。
もっともこんな風にボディボードの上で水面を漂って、甲羅干しをしているよりも、アキトとえっちをしている時間の
方が長いと言えば長い。
<・・・一回・・・二回・・・三回・・・四回・・・一日にこんなに、アキトさんに愛してもらったこと今まで無かったの
に・・・。
わたしどうしたんだろう・・・。
アキトさんの、熱い精液がお腹の中で<じわぁ>って広がってゆくのがとっても気持ちいい。
アキトさんの気持ちが、わたしの体に広がっていくみたいで・・・。
だからなのかなぁ、何度もアキトさんに愛されたくなっちゃう。
胸がくるしくなるくらいに、抱きしめられたくなっちゃうのかなぁ・・・。
アキトさんが欲しくて、切なくて、ぎゅって抱きつきたくなっちゃうのかなぁ>
水面をたゆたいながら、ルリは、また衝動を押さえられなくなっていた。
そう、水につかり、冷えた下半身へ、熱くたぎったアキトの精がたたきつけられる感覚が病みつきになってしまった
のだ。
ルリが自分から何度も求めるというのも珍しいので、アキトもそれに応え、ルリを何度も犯したのだ。
それは、こんな風に始まったのだった・・・・。
「ルリ、どうしてこんなにルリのかわいい形が良くわかる水着にしたの」
アキトは、レジャーシートの上で、ルリを横抱きにして、水に濡れ、肌が透けている水着の上から、ルリのふっくら
とふくらんだ性器に指をはわす。
「だってこんなに透けちゃうなんて思ってなかったから・・・んんん・・・アキトさん、だめ、ここじゃ、嫌です」
「どうして、オレたちしかいないよ」
「だって・・・恥ずかしい・・・」
「恥ずかしくて、こんなにしちゃってるの? 水じゃないよねこれ」
アキトは、ルリのラビアの辺りを指でくちゅくちゅと何度がつまむと、ルリの目の前で、その指を広げてみせる。
水だけならば、細い糸は、引かない。
それをみてルリは、真っ赤になってしまう。
「・・・それはアキトさんが・・・触るから」
「ルリの水着が、こんなにえっちだから」
「触るだけなら・・・」
「触るだけ?」
アキトは、ストラップのない肩を軽く噛む。
「やん・・・だって水着伸びちゃう」
「脱いじゃえば」
「裸は、恥ずかしいです」
「太陽しか見ていないよ」
「アキトさんがいます」
「裸んぼうのルリ見たいなぁ」
鎖骨に唇をはわせる。
「・・・い・・・一度だけ・・・なら・・・いいです・・・アキトさん、水着・・・脱がしてください」
ルリが消え入るような声で言った。
「ルリの体冷たい」
「アキトさんだって」
「でも、ここは、暖かいね」
アキトが、ルリの花びらを広げる。
もう、数えられぬほどアキトを受け入れたはずのそこは、しかし、まるで無垢の少女のものとなんら代わりが無い。
薄いピンク色の内側が、陽光にさらされる。
「そんなに、広げちゃ・・・駄目」
もう完全に大きく弾けそうになっているピンクの真珠を指でこねられ、ルリは腰を踊らせる。
唇へ指を持ってゆき、アキトが与えてくれる刺激に耐える表情は、少女の物ではない。
「んん・・・んんん・・・はん・・・んんん・・・」
包皮を剥かれ、むき出しにされた真珠に、はずかしいお汁を何度も塗り込められ、指でつままれ、いつものように
ルリは、最初のアクメへ達する。
「ルリ、後ろ向きになって、シートにヒジをついて」
アキトは、ルリをの腰を高く持ち上げると、ゆっくりと、分身をルリの中へ沈めてゆく。
「ん・・・はぁぁあん」
普段とは、違う犯され方に、ルリは強い刺激を感じていた。
一番奥に達した分身をアキトは、軽く揺すりあげる。
「んんん・・・」
何度も迎え入れているアキトの分身が、今日は別のもののようにルリには感じられる。
アキトのストロークが深く、浅くルリの幼い膣を犯してゆく。
時には、入り口付近で浅く早いピッチで、時には、子宮をえぐるように深く静かなピッチが、ルリを追い詰めてゆ
く。
「ルリのおまんこは、いつも熱くて気持ちいいよ」
ルリの体を抱き上げ耳元にささやく。
ささやきながら、ルリの体を揺さぶることは決して止めない。
恥ずかしさに頬を染めルリも、荒い息の向こうからアキトへ応える。
「ああ・・・んんん・・・アキトさんの・・ふぅん・・・アキトさんの・・・おちんちんも、熱くて、ルリはとっても・・・とっても気
持ちいいです・・・もっともっとルリを気持ちよくしてください・・・あぁあああ・・・んんんはぁあああ・・・」
アキトは、さらに、ルリの張り詰めた真珠をつまみあげる。
「ああ・・だめ、クリ・・・クリトリスを触ったら・・・ああ・・・あああ絶頂っちゃう・・・絶頂っちゃううう!」
<きゅぅうううう>と真珠を摘ままれた瞬間、ルリがアキトを締めつける。
「絶頂っていいよ、ルリ、オレももう・・・」
「あ・・・熱い!! あああ・・・絶頂く・・・絶頂くぅううううああああああああ!」
アキトの熱い精を未成熟な子宮に受け、たまらずルリもオルガスムスへ押し上げられてしまう。
シートへ突っ伏し荒い息をしながらルリは、そのお胎の中の熱さに、強い幸せを感じていた・・・。
アキトは、ルリに自分のヨットパーカーを着せると、シャワールームへ抱き上げて運んだ。
同時にルリの水着を洗濯・乾燥機へ入れることも忘れていない。
濡れたままの水着を着るのは、気持ちが悪いものだ。
そして、熱いシャワーで後始末をし、再びプールへと戻ったのだった。
「あのぉ・・・」
ボディーボードで沖へ漕ぎ出しながら、ルリがおずおずといった調子で話しかけてくる。
「なに?」
「アキトさんの、精液が・・・とっても熱くて・・・それで・・・とっても・・わたし・・・あの・・・」
もじもじとしているルリの様子に、アキトは、珍しく二度めをおねだりされているということに気がつく。
「また、したくなっちゃった?」
「は・・・はい・・・」
真っ赤になってうつむいてしまう。
「ルリがしたいなら、満足するまで、何度でもしてあげるよ」
そういうと、アキトは、ルリに口付けをした。
結局その後、一日に9回という個人的な記録を作った幸せな二人だった。
しかし翌日、二人とも熱を出して寝ていたというのは、さすがに自業自得というものだろう。
機動戦艦ナデシコ
ルリとアキト熱愛編
「PoolSideLove」
Fin
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「Starry,Starry Night」
イネスの解明したボゾンジャンプの<カラクリ>を使い、ナデシコは、木連中央船団の包囲網から、遺跡の中枢ブ
ロックを回収した上で、脱出することに成功した。
だが、火星と地球の中間宙域という中途半端なポイントへジャンプアウトしてしまったナデシコを再びボゾンジャン
プさせようとしたとき、遺跡中枢ブロックは、すべての活動を停止してしまった。
それは人間による不安定なイメージフィードバックを、まるで遺跡本体が拒絶するかのように、アキトとイネス、そ
してユリカからの入力を全く受けつけなくなってしまったのだ。
しかし、火星へ到達した地球連合宇宙軍の一部が、ナデシコの回収に来ることが確認されたため、現在は、その
回収を待ちナデシコは、漂流していた。
「ねえ、テンカワ君」
エネルギー節約のため照明の落とされているナデシコ食堂の厨房で、洗い物をしているテンカワアキトへイネス・
フレサンジュがカウンター越しに声をかけた。
「なんすか?」
休みなく手を動かしながら、アキトは振り返らずに、応える。
「あなた、本当に将来コックになるつもり?」
「・・・ええ、そのつもりですよ」
「ルリちゃんは、どうするの?」
「もちろん、一緒に決まっているじゃないですか。
・・・オペレーターの仕事があって、ルリが続けたいっていうなら、オレは反対しませんよ」
「テンカワアキト」
アキトはイネスに低くうなるように自分の名を呼ばれ、思わず振り返る。
「な、何っすか?」
「あなたホシノルリの為に、生きてみるつもり、ない?
・・・ホシノルリの為に生きてみない?」
「どういう事ですか?」
「ボゾンジャンプの研究をしてみるつもりない?」
「・・・話が・・・見えないです」
「ホシノルリは、ネルガルが身元引受人なの」
「ああ・・・それって、ルリに選択権はないんですか?」
「もちろん、成人すればあるわ。
でも、それまでは、ネルガルに所属している。
そして、ネルガルは彼女を手放すつもりはないわ」
「それと、オレがボゾンジャンプの研究者になることと、なにか関係があるんですか?」
「あなたが研究者としてネルガルに残れば、その代わりにホシノルリを自由にして上げられる、それは、私とエリナ
が保証する」
「オレの自由と引き換えに? オレがネルガルのモルモットになれば、ルリが自由になれる?」
「そんな酷い扱い私がさせるわけないでしょ。
それにモルモットって言うなら、私もその一人。
でも私は、研究者として自分を研究に捧げることは、いとわない。
昔から科学は、研究者自身をボロボロに苛(さいな)んで、一歩一歩、その研究者の屍の上に築かれてきたわ。
私もその一列に加われるなら、本望だと思っている。
それが私の研究者としての科学者としての情熱と誇り」
思わず演説口調になってしまったイネスは、そこで突然、素に戻ったのか、顔を赤くし、小さくせき払いを一つす
る。
「それからもう一ついい」
「はい」
「あなたのお父様とお母さまの遺志を継ぐつもりない?」
「おれの親父とおふくろの遺志?」
「そう、ボゾンジャンプの原理を広く人類へ広めようとなされた」
「でも、それで親父とおふくろは、殺されんだ!」
「そうよ、だけどその気持ちは、理解できないかしら」
<親父とおふくろの遺志、ボゾンジャンプ技術の公開、全人類での共有化・・・>
「・・・オレは・・・オレです」
「ふふっ、あなたは、そういうと思っていたわ。
ま、あなたがコックになっても、私があなたとホシノルリとを別れさせやしないけど、一応、選択の一つとして覚えて
おいて」
「・・・イネス・・・アイちゃん」
「なあに?」
「答えを出すまで、オレに時間は、どれくらいある」
「そうね、地球へ戻るまで・・・だいたい二週間って所ね」
「そう・・・ありがとう」
「どういたしまして」
『ホシノルリのために生きてみない?・・・』
『・・・あなたのお父様とお母さまの遺志を継ぐつもりない?』
明かりのない部屋のふとんの中、アキトの心の中で繰り返されるイネスの言葉。
先程まで、狂おしい官能を貪り合った肉体は、静かに寄り添う二つの影となっている。
まるで自分の鼓動を聞くかのように、左胸に顔を寄せ、膝を抱え眠る少女の体の熱さを意識し、小さく溜め息をつ
く。
『あなた、逃げてるだけじゃない!!』
「逃げてるか・・・」
アキトの心の中で、同じフレーズがリフレインを繰り返す。
数え切れないため息と共に、そのまま彼は、まんじりともしない朝を迎えた。
「・・・そうさね、テンカワ。
あたしに言えることは一つだけだよ」
「なんすか?」
「お前にしかできないことをやんな」
「オレにしか出来ないこと?」
「そうだよ。
並のパイロット、並のコック、並みの研究者、並みの恋人、どれを取ってもつまらないさね。そうじゃないかい?
自分にしか出来ないこと、自分だけが出来ること、自分だけがしてあげられること、一流とは言わないよ、そんな必
要なんかないんだ。
テンカワがオレの仕事だと誇れることを、自分で選びな」
「あ、ありがとうございました」
「・・・なにを、あらたまって、ばかだね。
それはともかく、とっととランチの仕込み、かたぁつけるよっ」
「へい!」
『テンカワアキトにしか出来ないこと』
導(しるべ)一つの導、選択のために与えられたそれは、ただ一つのこれから未来(さき)を照らし出すための光。
「オレどうして、コックになりたかったんだっけかなぁ・・・」
地球へジャンプしてきて、食い物が美味かったんだ。
火星じゃ食い物なんて機能優先で、言ってみれば人間を動かすための<ガソリン>でしかなかった。
だから、そんな美味いものを作れる人間になりたかった。
なりたいと思っていた。
なりたかった・・・。
『ホシノルリのために生きてみない?・・・』
改めて言われるまでもないこと・・・だと今までは思っていた。
けれどそれは、思っていただけだった。
現実が彼にそれを、その生き方を求めたとき、無条件にその道へ、踏み出すことをためらってしまった。
それは、突然、突きつけられた未来の選択。
そしてその選択に、戸惑っている自分。
ホシノルリという少女と共に、これからの未来も歩んでゆけると思いこんでいただけの未熟な己を認識させられ、
のたうち回っている情けない自分。
どん!
と鈍い音が、彼が映りこんでいる、ひとけのない後部着艦展望デッキの窓から響く。
強化エポキシガラスへ打ち込んだ左こぶしに、血がにじんでいる。
「アキトさん」
その窓枠に手を突き、代り映えのない宇宙空間を睨んでいるアキトに、ルリが声をかけてきた。
「・・・夜、あまり眠れていませんよね」
「どうして? オレちゃんと寝ているよ」
「誤魔化しても、駄目です。
ずっとため息をついて、起きているの知ってます。
悩み事ですか? 私に話せないことなんですか?」
「・・・」
もしも、ルリが眠れなければ、自分もそう心配するに違いない。
ため息を付いていたら、抱きしめて、どうしたのと問うだろう。
他愛のない理由だったとしても結論が出ないようなことであったとしても、自分も一緒に考える筈だ。
この少女は、いや目の前に居る一人の女性は、もう自分のかけがえのない半身であるのだ。
「ごめんルリ、オレが悩んでいる内容、今は、言えない。
それは、オレが、オレ自身が考えて、結論を出さなくちゃいけない事柄だから。
だけどきっといつか、ルリにも話せると思う。
だから、今は、黙ってオレの事を見ていてくれるかい?」
そういって、ルリを膝立ちになり抱きしめる。
ちょうど、ルリの胸にアキトの顔が埋まる。
ルリは「はい」と小さく答え、そのアキトの頭をかきいだいた。
5分もルリの胸に顔を埋めていたアキトは、ルリのベストのジッパーの痕が頬に残ってしまっていた。
その痕をルリがつつくき、笑顔を見せる。
「あれ、オレの顔変?」
「ジッパーの痕が付いてます」
「じゃあ、取れるまで戻れないな・・・」
二人は、窓から宇宙空間を眺めはじめた。
「宇宙から眺める地球もきれいですけど、凍りついたような満天の星ってきれいですね」
ルリが指差しているのは、射手座方向の天の川。
それは、銀河中心のバルジと呼ばれる恒星の密度がもっとも高い部分であった。
「今は、デッキが暗い上に太陽は、船体の向こうだから、外がよく見えるしね」
「・・・たくさん星があって、その中で、こんな事をしているのは、人間だけなんですね」
「それは、わからないけど・・・オレ達、人間しかいなかったら寂しいな」
「ボゾンジャンプなら、あの星達まで行けますよね」
「え・・・うん、多分、行けるんじゃないかな・・・」
「アキトさん、いつか、あの星達まで、私を連れていてくれますか? きらめくような満天の星たちのただ中へ」
それは、多分ルリ自身、深い意味を込めた言葉ではなかった筈だ。
だが、テンカワアキトにとって、それは、あまりにも深く、そして強い印象を残す一言だった。
その一言によってアキトの中で、まるでパズルの断片が自ずとすき間にはまってゆき、一つの絵になるように、あ
まりにも鮮やかな一つの未来像を作り出してしまった。
アキトの心は、こうして定まった。
そして・・・。
銀河中心観測艦隊旗艦ナデシコG−00航海艦橋。
『ジャンプ終了・・・正面、銀河中心星域です!』
アオイユリカ提督率いる初のボゾンジャンプエンジンを搭載した12隻のナデシコG級の艦隊は、地球周辺宙域か
ら一気に3万光年を飛び越え、バルジの中心星域へ到達した。
艦橋に集まっていたクルーたちは、ジャンプの緊張から解放された同時に、その壮挙に歓声を上げ歓喜を表現し
ている。
その航海艦橋のすぐ下に位置する、展望デッキに、手を繋ぐ二人の人物の姿があった。
「君が望んだとおり、連れてきたよ、ルリ、星達のただ中へ」
「ええ、ここでは満天で星たちが、まるで競っているかのように輝いているわ・・・あなた・・・」
「なんだい」
「・・・ありがとう、私のなんでもない言葉を覚えていてくれて」
「・・・ルリのあの一言が無かったら、僕は、今、ここにはいない。
ルリともこうして一緒にいられたかどうかも分からない。
ルリのあの言葉があったから、僕は、研究者を志すことができた。
父と母の遺志もこうして実現することができたんだと思うよ」
星々のなかに浮かぶかのような展望デッキで、アキトは、なにかをこらえるかのように天を仰ぐ。
そのアキトに、ルリがそっと寄り添う。
「・・・あなた・・・でも今度は、キサラの席も用意しておいてね、パパ」
「・・・おいおい、人が感慨に浸っているのに、いきなり現実に引き戻してくれるなよ」
「あなたは、ずっと艦隊についていたから分からないでしょうけど、地球からわたしが上がってくるときに、キサラっ
たら、12才にもなって大泣きするのよ。
いったい誰に似たのかしら」
君にだよという言葉を飲みこみ、苦笑をしつつアキトが答える。
「・・・判った、提督に頼んでみるよ」
「きっとよ」
「僕がルリとの約束を違えた事があったかい」
「・・・ばか、そんなことあるわけないでしょ。
頼りにしてます、旦那さま」
二人は、超長距離ボゾンジャンプ成功パーティーが行われる、食堂へゆくため、全天を被いつくす、星たちを残し
その場を後にした。
『アキトさん、いつか、あの星達まで、私を連れていてくれますか? きらめくような満天の星たちの
ただ中へ・・・』
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「Starry,Starry Night」
Fin
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
RURi,Painfull
あるいは、決定的に運動不足な少女。
月面に氷がある。と騒がれたのは、20世紀も終わりのころ、宇宙開発が停滞期に入っていた時期だった。
理論的に、予言されてはいたものの、だれも荒涼たる月の砂漠にオアシスがあるなどということは、本気で信じて
いなかった。
それは、鉛すら蕩け出す水星にすら存在していたというのに・・・。
月の砂漠のオアシスは、月の南極クレーターの底に存在していた。
そこは、永久に陽の光のささぬ影の地域であるからだ。
そのクレーターの底に、月深部からの由来や彗星の核などによってもたらされた、氷が確かに存在していた。
もっとも、そんな微々たる量の氷など21世紀に入り、月面開発が本格化すると平行し消滅していったが、その氷
の果たした役割は、大きかった。
その当時の技術では、地球から、大量の水を重力に逆らって持ちあげるという作業は、決して楽な仕事ではなか
ったかだ。
そして人は、水なしには生きてゆけない、それを、20年もの間、まかなった月の氷は、宇宙開発のコストをどれほ
ど押し下げただろう。
月の氷は、初期宇宙開発の陰の立役者だと言っても過言ではない。
のちに、重力制御が人類の物となり、彗星の核を容易に軌道上に繋ぎ止めておくことが可能となったとき、人は、
月へ再び氷を復活させた。
もっともそれは、飲み水としてのそれではなく、娯楽としてのそれだったが・・・。
・・・閑話休題(それはともかく)
あいかわらず、ナデシコのクルーは、月面に拘束されていた。
ファーサイドグリーンのブリッジクルーは、今日も今日とて、バカンス気分である。
その昔、αゲルと呼ばれた衝撃吸収素材を壁面全体に張りつけた月面のスケートリンク、そこに、ブリッジクルー
達の姿があった。
ゲル素材の内張りヘルメットに同様のプロテクターという物々しい格好であるのは、全員初心者であるためだ。
もっとも月の低重力そのままでのアイススケートなどやるものではない。
重力が小さいということは、摩擦抵抗が小さいということだ、しかも人体の慣性質量は、変わらない。それは、一端
滑りだしたら止まらない、いくらでもスピードが上がるという恐ろしい状況を作り出す。
そういった状態で素人がまともにスケートを楽しめる筈がない。
そんな訳で、プール同様、ここも1Gの補正重力がかけられていた。
リンクに入ってから2時間、パイロット三人娘とミナトは、すでに飽きたのかリンクを見下ろすレストランでお茶をし
ていた。
リンクには、ラメの入ったブルーのひらひらフィギュアコスチュームを着たユリカと、トレーナーとGパン姿のアキト、
同じく厚手の白いブラウスと赤のグラデーションのついたフレアーのひざ丈スカートのルリしかいない。
そのユリカにしても、先程から豪快にすっこんでは、立ち、すっころんでは、立ちを繰り返している。最初から、フィ
ギュア選手の真似をしようというのは、無謀としかいいようがない。プロテクターをしていなければ、即病院行きであ
ろう。
アキトとルリは、手を繋ぎ、二人で外周をゆっくりと、時間をかけて滑る練習をしている。
その様子を、展望レストランでのぞき見ていた、リョーコが声をあげた。
「ったく、あの二人は、年がら年中いつも一緒でよく飽きねーなぁ」
そんな事を言いながらエスプレッソを口に運ぶ。
「ここから見てるとほとんど、兄妹にしか見えないもの、ああしているときには、そういう感覚なんじゃないの、アキト
君も身寄りがないわけだし」
ミナトも熱いロイヤルミルクティーを飲みながら応えた。
そのミナトの感想は、全く的外れではない。
確かに、アキトとルリの二人は、ある意味で、兄妹のように互いを感じてもいたのだ。
「ま、端でこうして見てたら、恋人どうしにゃみえねーな確かに」
納得という声を上げるリョーコ。
「あ、また転んだ。これで120回・・・まったくチャレンジャーだよね艦長ったら」
「・・・ヒカル、おめーも、随分とひまだな」
かぁ〜、数えてたのかよ〜とリョーコは、頭を抱えてみせる。
「うん、ひまだよ、だってほかにすることないしぃ〜〜」
「まあな、そろそろナデシコに戻ってエステのシミュレーションでもしないと、勘が鈍っちまうつ〜のが、本音だぜ」
「勘が鈍る・・・勘鈍る・・・かんにぶる・・・カ〜ニバル〜〜ぅ」
彼女に物理法則は、通用しないのだろうか、いったいどこから取り出したのか、かざりの山ほど付いた怪しげなス
トローハットをかぶり両手でマラカスやらタンバリンなんぞをチャカポコさせるイズミだった。
「イズミ・・・リンクの上より、さみ〜ぞ、それ」
「こら、ユリカ、そういう豪快な練習は、もう少しまん中でやれ! 危ないだろう」
「だってぇ、全然滑れないんだもん」
とても乙女のする格好ではない両足を豪快におっぴろげてリンクとお友達になっているユリカは、上半身だけを起
こしアキトとルリへ向かい少々ふてくされたように応えた。
「そりゃ、滑る練習してないからだろう、オレやルリみたいに、時間をかけて滑れるようになってから、回転だのジ
ャンプだのの練習しろよ」
それにしたって一朝一夕にできるようになるものではない。
「だぁってぇ、ユリカの華麗なるアイスダンスをアキトとルリちゃんに見てもらいたいんだもん・・・きゃっ・・・いたた
っ」
「なにが華麗なるアイスダンスだ、いいかげんにしないと、おまえ怪我するぞ」
「プロテクターしてるから平気だもん・・・くぅぅぅぅ・・・いたたた」
しかし、お尻までは、守ってくれない。
「お尻がかぜひいちゃいますよ、艦長」
「ルリちゃん」
「はい」
「お尻は、かぜひきません!」
にぎりこぶしにぐぐぐっと力を入れるユリカ。
「言葉のあやです。艦長」
「さあ今日はもう上がろうぜ、明日、筋肉痛で一日動けないなんていうのはごめんだからな」
「あたし、もう少しやってくぅ」
「一人でか?」
「ジュン君いるよ、ほらあそこ」
陸上競技のトラックほどもあるリンクのかなり遠くで、ひとり黙々と華麗に滑っているジュンの姿がある。
「・・・おおい、ジュンおまえも上がらないかぁ」
だがそんなアキトの声など届くはずがない。
アオイジュンは、ひとり自己の世界にひたっていた。
<ユリカ! みてくれているかい。僕の華麗なる氷上の舞いを、これで僕に君は、くぎ付けさ〜、あああ、僕って格
好良い〜〜>
たしかに一人タキシードでプロテクターも付けずに、クアドラブル・アクセルを平然と決める彼は確かに格好良い。
その繊細に流れるようなフォームは、そのまま選手権にでてもなんの遜色もないだろう。
だが誰一人その姿に注目しているものは居ないというのがやはり辛い。
器用貧乏、それは、彼のために存在する言葉だった。
「じゃあ、ユリカ、オレもルリも上がるぞ」
「うん、また明日ね」
「おおう、よ〜し明日は、二人で滑れるようになるぞ」
「おう」
アキトの言葉に小さくこぶしを振り上げ応えるルリだった。
スケートシューズを返した二人は、ロッカールームで、プロテクターを外している。
そのルリへ、アキトが言う。
「はい、ルリ足出して」
「何ですか?」
「普段使わない筋肉使ったから、クールダウンしておかないと、明日、筋肉痛で歩けなくなっても知らないぞ」
アキトは、スプレーをルリの足にまんべんなく吹きつける。
「気持ちいいだろ?」
「はい・・・冷たくて、とっても」
「・・・さて、今から夕飯っていうのも早いから一旦ホテルへ帰ろうか」
「そうですね、アクアリュウムのレストランは、まだ開いてないですし」
ここ10日ほどの滞在で、ルリはすっかりアクアリュウムの巨大水槽の内部に作られたレストランがお気に入りに
なってしまっていた。
厚さ10センチというエポキシガラスに守られ、視界すべてを優雅に泳ぎ回る魚達に囲まれて、海鮮ラーメンをす
するというのも、ここだけでしかできないだろう。
そのルリにアキトは、突然背中をむけてしゃがみこんだ。
「え?」
「足、疲れてるだろ、ホテルまでおぶってあげるよ」
「そんなの恥ずかしいからいいです!」
「恥ずかしくなんかないよ、ここには、従業員以外は、ナデシコのクルーしかいないんだから」
「ううう、でもぉ、赤ちゃんみたいです」
「今、歩くと、あし攣っちゃうぞ多分」
「アキトさんだって」
「おれは、平気だよ、ほら、恥ずかしかったら寝たふりしてれば、誰も気にしないよ」
そう言われて、ルリはアキトの背中にしがみついた。
「もっと、手を前に出して・・・そう」
しばらくもぞもぞとしていたが、やがてルリは、アキトの背中にぴったりと体をよせた。
しばらく、そうして歩いていたが、やがて、ルリはアキトの背中で寝息をたて始めた。
「疲れたかな」
アキトは、そんな事を言いながら、ずり下がったルリを揺すりあげる。
その手のひらが、ルリの大事な所へニアミスする。
「あん・・・アキトさんのえっち」
寝ぼけた口調でルリがそれに抗議する。
「事故だって。それに、ルリにさわりたかったら、最初からこうして触ってるよ」
アキトの手が、スポーツ用のひらひらの付いたアンダースコート上から、ルリ全体を包み込み、揉みしだいた。
「・・・んん・・もっと・・・」
その手に腰を蠢かし押しつけるようにするルリ、そして耳元で可愛い吐息のような声を上げおねだりされて、アキ
トもすっかりその気になってしまった。
薄手のアンダースコートは、ルリの形をアキトの手に伝えてくる。
ぽってりとした恥丘とラビアとが作り出す膨らみを両手の指でかき分けると、まるで触ってくれるのを待って居たか
のようにルリの真珠がスコートを突き上げている。
その真珠を両の親指で上下にまるで競うかのように弾く。
真珠は、ボクシングのパンチングボールのよう弾かれ、ぷるん、ぷるんと震える。
そのたびに、ルリの腰が、腕が、震える。
「ルリ、おまんことクリトリス、きもち良いかい」
ラビアの底をかき分けるように8本の指で広げ軽くひっ掻く。
「んん・・・はいんんん・・・気持ち良い・・・はんんん・・・ルリのおまんこ、気持ちいい・・・ルリのクリトリスもっと・・・も
っとぐりぐりしてぇ」
小さな吐息と大きな喘ぎを交互に口にするルリ。
「あまり大きな声出したら駄目だよ」
「だってぇん・・・クリトリス気持ち良いんんん・・・あんんんっ・・・」
アキトは、両の親指で、真珠をはさみ、両側から強く押しつぶしたのだ。
同時にラビアを思い切り広げる。
たまらず腰を退こうとするルリだったが、両足を強く脇にはさまれて、腰を揺することしかできない。
布越しとはいえ、ぐりぐりと敏感な器官を押しつぶされ、ルリは、あっというまに押し上げられてしまう。
「・・・くんんん・・・ああ・・あはぁ・・・絶頂っちゃう、絶頂っちゃう!」
ぶるぶると全身を震わせ、ルリは、アクメに達する。
ぐったりとしたルリをふたたび、ゆすりあげると、アキトは、アンダースコートの両脇から、指を中へ進入させる。
「・・・んんん!・・・」
アクメの余韻に浸るまもなく、責められルリは、頤を振り上げる。
熱く湿ったそこへ、二本の中指を沈めてゆく。
そして、ルリの子宮口へ突き当たると、二本の指を交互にスラストさせる。
二本の中指は、外側へ少しだけ曲げられ、狂おしく、ルリの小さな肉壷をかき回す。
ぐちゅぐちゅと恥ずかしい音を立てられ、ルリは再び高められてゆく。
「いやぁ、それ駄目・・・駄目ぇ・・・ルリのおまんこ、壊れちゃううう」
さらに、余裕のあるアキトの指は子宮口を確実に捕らえ、それを押し上げる。
爪先で突き上げられずきずきと痛みにもにた刺激に、ルリはアキトに全身でしがみつきその責めに健気に耐え
る。
「ああ・・・くふんんん・・・絶頂く・・・ルリ・・・ルリは・・・あぁあああああっっ」
そして、ひときわ強く肉壷を押し広げられ、ルリはオルガスムスへ達した。
「ルリ、ご飯食べに行こうよ」
気がつけば、ベッドの上に全裸で寝かされていた。
あれから、部屋に帰り着くなり、着衣のままとすべてを脱がされ、続けて二度アキトに犯され、そのまま眠り込んだ
のだ。
ルリは、何気なく身を起こそうとして、全身の筋肉の痛みに思わず悲鳴を上げた。
特に足がまるで岩のように自分の言うことを聞かない。
「・・・もしかして、体中痛い?」
その問いにルリは、普段全く感じたことのない痛みに耐えつつ涙目で頷くことしかできない。
「ルリは、普段、ナデシコであんまり体動かさないからだぞ」
そういうアキトは、全く平気らしい。
「今日は、ルームサービスで我慢だな」
そんなルリをそっと起こし、抱き上げシャワールームへ連れ込みながら、アキトは、つぶやいた。
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
RURi,Painfull
あるいは、決定的に運動不足な少女。
Fin
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「Video Girl」
少々思うところがあり、アキトは、ファーサイドグリーンのホテルのフロントに来ていた。  「カメラでございますか」
「ああ、いやビデオカメラが良いんだけど、売っている所ないかな」
「別のドームへ足をのばしていただかないと・・・」
「オレ達は、外へでられないんだよなぁ・・・じゃあ仕方ないな」
アキトは、諦めてフロントから立ち去ろうとしたとき、フロント係が声をかける。
「少々お待ちください、食料などを運ぶ連絡便がございます。
その時に、ご用意できると思います」
「ぜひ、お願いします」
「では、カタログなどでメーカーと型式をご指定ください」
こうして二日後アキトは、ビデオカメラ一式を手に入れた。
「なんですか?」
部屋へ戻ってきたアキトは、見慣れない箱を抱え、紙袋を下げていた。
「カメラ、ビデオカメラだよ」
「ビデオカメラですか?」
「ルリを、撮るんだよ」
「わ、わたしをですか?」
「そうだよ」
箱をベッドへ置き、自分もベッドへ座ったアキトは、箱を開け、ビデオカメラを取り出す。
「カメラ本体、A/Cアダプタ兼充電器、バッテリー、追加のメモリーカード、記録ディスク、オプティカルファイバー
のアタッチメント、防水仕様のシェルアタッチメント、ケーブル類一式・・・うん、全部ある」
紙袋には、おまけで付いてきた記録ディスクと予備のバッテリーが何本か入っていた。
「アキトさん、それって、ずいぶん良いカメラですよね」
散々、ホロビジョンでCMを打っている最新モデルだ。
しかもオプションも随分とおごったのだから、それはかなりの出費になった筈だ。
「うん普通ならパイロットひと月分の給料が吹き飛ぶね」
「普通なら?」
「これを買ってきてくれた人がね、どうもこのメーカーにツテがあったらしくて、定価の三割で済んだ」
「・・・なんかうそ臭い」
「家電の値段なんてあってなきが如しってことだろ。
小売りが一番もうかるように出来てるし・・・バッテリーフル充電に1時間ね。バッテリーは、全部充電するとして、メ
モリーを組み込んじまおう」
ルリは、ものめずらしげにアキトの手の中を覗きこむ。
カード型のメモリーだけで、2時間もの録画を行うことができる。
そのカードが3枚組み込め、さらに、記録ディスクへは、高速転送を行える。
「ネーレイドへ行く時に、撮ってあげるよ」
「でも・・・」
「ルリは、写真とか、ビデオとか持ってないだろう? だから、ナデシコの中なら、思兼が録画してくれているけど、
ここじゃ、オレが撮らないと全然残らないからさ、ばっちり決めてディナーといこうぜ」
「アキトさん」
「なんだい」
「ばっち決めて、ビデオカメラは、ちょっと変です」
初めのうちは、ぎこちなかったルリだったが、ネーレイドのあるアクアリウムへ付く頃には、ぎこちなさはなくなり、
いつもの表情をみせていた。
ルリは、まるでミッションスクールの生徒のような襟がセーラーカラーになっている深いグリーンの両合わせのブレ
ザーに、臙脂とグリーンのチェック柄のプリーツミニスカートに黒いタイソックスという格好をしている。
胸元は深い臙脂のリボンタイである。
対するアキトは、ルリと同色のブレザーとブルーのワイシャツに白いスラックスという姿をしている。
しかし袖は、ヒジの辺りまでまくってしまっていた。
ネーレイドは、アクアリュウム・ファーサイドグリーン内にあるレストランだ。
巨大水槽の内部に設えられた個室で、魚達に囲まれ食事ができる。
数万トンの水をたたえた巨大回遊水槽の他にも、昼間は、イルカショーやアシカショーなんてものも、見られる。
何度来ても飽きないのか、ルリは、回遊水槽のエポキシガラスへくっ付くように、銀鱗の乱舞をじっと見つめてい
る。
よく見れは、その体は、小さく上下しており、唇からは「おっさかなさん♪ おっさかなさん♪」と鼻歌が流れてい
る。
そのルリの正面へ、瑠璃色の体色を持った巨大な魚が寄ってきた。
ナポレオン・フィッシュと呼ばれるそれは、月面の環境において、地球の海中で育つよりも、ふた回りほども大きな
体躯をしている。
「なぽ、なぽぉ、おいでぇ〜」
ルリは、その一際大きなナポレオン・フィッシュに「なぽ」と勝手に名前をつけて呼んでいた。
じっと表情のない瞳で、ルリとエポキシガラス越しに見つめ合う。
「ルリ、行くよ」
そんなな珍しいシーンをファインダーへ納めたアキトは、ようやく自分達が何をしにここへ来たのかを思いだした。
「はぁ〜い。なぽ、みんな、またね」
まるでなぽに誘われたかのようにルリの側へ寄ってきていた大小の魚達へ、手を振りながら、ルリはアキトの方
へと駆けていった。
翌日には、遊園地のコーヒーカップで、カップを回しすぎて気持ちが悪くなってしまったルリとか、メリーゴーランド
の馬にまたがるルリとか、貴重なシーンを次々と記録してゆく。
Zooエリアでオットセイやペンギンのまねをしてみせる。
ソフトクリームを舐めていて、頬についたクリームを指で取り、その指を舐めてしまう。
低重力トランポリンでアクロバットを披露し、そこから降りるときに重力偏向を気にしていずに、見事にこけたりもし
た。
「随分撮れましたね」
食事の時以外は、四六時中カメラは回っていた。
「でも、まだ撮ってないシーンもあるよ」
「何ですか?」
「ルリの一人えっち」
三脚を取り出し、カメラをセットしているのを何をしているのかと思ってみていたルリは、ようやく合点がゆく。
合点は行ったが、それを受け入れるかどうかかは別の問題だ。
「!!!・・・アキトさんのすけべっっ!!」
「今ごろ気がついたの?」
「だって・・・そんなの撮ってどうするんですか?」
「二人で、見て楽しむんだよ」
「自分の一人エッチを見たって楽しくなんてありません!」
「駄目?」
アキトは、ベッドに座ったルリの正面に屈み込み、その瞳をじっと見つめる。
「駄目!」
その瞳を外すように、顔を横へ背ける。
「どうしても駄目?」
背けた方へ回り込むアキト。
「どうしても駄目!」
再び反対へ背ける。
「じゃあオレが手伝ったら?」
アキトは、ルリをベッドへ押し倒し、ルリのタイトスカートの腰へ己の腰を押しつけた。
「・・・や、んんんっ・・・それ・・・ずるい・・・あ・・・んん・・・ア、アキトさんが・・・してくれるなら・・・いいです」
結局押し切られるルリだった。
アキトは、ルリを膝の上に抱き上げると、スカートを取り去ってしまう。
「やぁん」
「だって、良く見えないよ」
「恥ずかしい・・・」
最近のルリにしては珍しくお子様ぱんつなのは、クリーニングが間に合っていないからだ。
「いつも、びしょぴしょのおまんこいっぱい舐められて喜んでるのに、ぱんつをみられるのが恥ずかしいの?」
「だって・・・」
「もっと足広げなくちゃ」
そんな事を言いつつ、アキトは己の足を広げる。
アキトは、まるでルリの腰を突き出させるように、枕をルリの腰の下に入れている。
そのためルリは、腰をカメラへ突き出すような格好で、アキトに抱きすくめられている。
そしてアキトの足を跨がせられているルリの足は必然的に広がってしまう。
「初めて良いよ」
「は・・・い」
そういわれて、ルリは、両手をぱんつの上へ持ってゆく。
自分が濡れていることは解っていたが、二重になっているボトムがぺったりと張りつくほど濡らしているとは思って
いもいなかった。
「濡れてる・・・」
それは、大画面のTV画面へ映し出されている光景からもよくわかる。
アキトは、リモコンで、その濡れているぱんつをズームさせる。
「ルリはどうして、あんなにおまんこ濡らしちゃってるの」
「あの・・・か・・・カメラに撮られて・・・それで・・・ひぐっ・・・」
アキトの手に包まれている乳房未満の胸をふんわりと動かされただけで、ルリはしゃくり上げてしまう。
そして、ルリはそっと両手を、股間へ押し当て、そして布を押し上げている自分の突起を強く、押し込んだ。
それだけで、ルリは軽くアクメへと昇りつめてしまった。
「もう、絶頂っちゃったの」
「だって・・・こんなの・・・んんっっ・・・」
アキトが小さな乳首を引っ張ったのだ。
そしてルリはたまらなくなったのか、ぱんつの中へ手を突っ込み、幼い性器をかき回しはじめた。
アキトは、ぱんつをずらし、片方の足から抜いてしまう。
右の親指で、突起をくりくりとなで回し、その他の指で己を大きくくつろげる、そして左手の中指を深く自分の中へ
沈め、そしてぐりぐりと蠢かせる。
「んんん・・・くうんんんん・・・・」
まるでケーキの生地をかき混ぜるような水の音がマイクに捕らえられTVから流れ出す。
アキトは、そのTVを食い入るように見つめている。
「くんんん・・・こんなの、こんなの嫌、嫌・・・どうして・・・自分でしてるのに・・・こんなに・・・すごい・・・あ・・・ああああ
ああ!!」
ぎゅっとルリの体全体が縮み、小さなルリの膣から白く濁った愛液が飛沫を散らす。
そしてルリはぐったりとアキトの胸へ倒れ込んだ。
アキトは、腰の間のまくらを引き抜くと、スラックスのファスナーを降ろし、固く天を向いた己を取り出す。
そしてルリを少しだけ持ち上げると、一気に貫いた。
「あ・・ああああ・・・んん・・・」
いきなり貫かれたにもかかわらず、ルリは顔をふり、小さな悲鳴を上げただけでアキトを己が許すかぎり迎え入れ
てしまう。
「ルリ、一人えっちは気持ちよかった?」
たんたんたんたんと小気味良いストロークで腰を突き上げつつ、アキトは、ルリへ問う。
「はい・・・でも・・・ルリは・・・アキトさんの・・・んんん・・・おちんちんの方が・・・ずっと・・・気持ちいいです・・・もっと、
ルリをきもちよくしてください!」
突き上げられつつ、ルリは、切れ切れの息の間に、必死に応える。
アキトは、ルリの腰を掴むと、ストロークとは、逆方向へ力を加える。
突き上げられる力と、押さえつけれる力の二つが、ルリの幼い子宮口でせめぎ合う。
やがて、ルリは、頂点へ向かって駆け上がる。
「ああ・・・あん・・・ああん・・・あん・・・んんん・・・あああ、おまんこ気持ちいい、おまんこ、おまんこ気持ちいいの
ぉ・・・くぁああああ・・・絶頂く・・・・絶頂く・・・・ぁああああああああああああああああっっ」
そして・・・。
後始末をして、カメラを止めに行ったアキトは、ルリへ向かい愛想笑いを放ちながら、おずおずと尋ねた。
「ごめん、ルリ録画ボタン押しわすれてた、もう一回、良い?」
次の瞬間、アキトの顔を枕が直撃した事は、言うまでもない。
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「Video Girl」
Fin
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「Suspicion Fragrance」
「あら艦長、コロン変えたの?」
後ろを通って、キャプテンデッキへ上がろうとした、ユリカの香りの変化に気がついた、ミナトが振り返りながらそう
尋ねた。
いつも柑橘系の香りがするユリカから、ラベンダー系の甘い香りが香ってくる。
「それが聞いてください、ミナトさん。
わたしあのコロン気に入っていたんですけど、ドレッサーから落として、瓶が割れちゃって全部こぼれちゃったんで
す。それで新しいのを頼んだら・・・メーカーさんがもう作ってないって言われてすっごいショックだんたんです。私学
生のころからずっとあのコロン使ってたのにぃ〜〜。
・・・で、今仕方ないですから、色々な奴試してるんです」
「うんうん、解る、解る、やっぱり自分のお気に入りが無くなっちゃうのは、ショックだよね」
「ですよね」
「かぁんちょう、新しいコロンはともかく。
あまり艦内環境に負担をかけないでほしいですなぁ」
電卓を弾きつつ神出鬼没が代名詞のプロスペクターが現れる。
一見プロスペクターの言っていることは、もっともなのだが、そもそもほぼ無尽蔵なエネルギーが使える戦艦で、
あまり聞かない艦内環境という言葉を持ち出す必要はあまり感じられない。
それを言うなら、ナデシコ食堂の世界のスパイスコレクションなんてものは、艦内環境の最大汚染源であろう。
もっとも、プロス氏の事であるから、処理に必要な、エネルギーコストがカンマゼロゼロゼロゼロゼロゼロなどとい
う単位で上昇するゆえなのであろう。
「ごめんなさいプロスさん。でも今ナデシコは、地球圏にいるわけですからどうしようもなくなったら大気圏へ降りた
ら良い訳ですし」
「ま、その通りなんですが、いつナデシコは、長距離進出を命令されるか解らない艦ですから、心得ていていただ
けると嬉しいですな」
そう言って、プロス氏は、艦内での「姑家業」に精を出すのだろう、またあてどない様子でブリッジを出ていったの
だった。
「はぁ〜い・・・でミナトさん、この匂いどうですか?」
「そうねぇ、ちょっと艦長には甘すぎる感じ、なんかイメージ違うわね」
「やっぱり、そうですか・・・ルリちゃんは、この匂いどうおもう?」
ユリカは、ルリへ、後ろから抱きつくように覆いかぶさる。
ルリは、くんくんと顔の前に落ちてきたマントの端を嗅ぐ。
「ラベンダーが基調ですがミントに麝香・・・あと珍しいですね蘭系統のエッセンスが混じってます」
「ふえええ、ルリちゃん、すごい」
「単に、IFSで解析しただけです・・・ところで、私も少し甘い気がします」
「そう、やっぱり・・・柑橘系のに戻そう」
そこそこ気に入った物だったのか、がっくりと肩を落としてブリッジ出て行くユリカだった。
「ふぅん、なるほど、あいつそれでか」
「なにがそれでなんですか?」
すでにシャワーをあびてしまったのか、ルリは、デフォルメされた<まんぼう>のプリントのたくさん入ったパジャマ
姿でアキトを迎え入れた。
「いや、コロンがどううのってオレにも言ってきたから」
アキトは、ジャケットを脱ぎそのまま、ランドリーへ放り込むと、ルリの隣へ座った。
そのルリの元へふわりと甘い香りが漂ってきた。
記憶にあるその香りは・・・。
「!!」
一瞬、ルリの表情が、冷たく固まる。
「アキトさん!! ・・・これ艦長の移り香ですね」
そのルリの口調は、もはや氷点下である。
「へ?」
「『へ?』なんて「ま」の抜けた声を出したって、誤魔化されません。
この香りは、艦長が付けていたコロンのものです・・・アキトさん艦長となにかしましたね」
顔をぐいっと近づけられて、思わずアキトは引いてしまう。
「なにかって、ルリ、誤解だ、オレは、ユリカにしがみつかれただけだってば」
「艦長がしがみついただけなら、どうしてインナーのシャツにまで匂いがついているんですか?」
ルリは、アキトの黒いTシャツを引っ張ると、顔を近づけ匂いを嗅ぐ。
「だから、ロッカールームで」
「良い訳なんか聞きたくありません! 浮気者、アキトさんの浮気者、えい、えい!」
ルリは、立ち上がると、アキトの背中へ回り、首根っこへしがみつき、空いている手で、ポカポカとアキトの頭を殴
りはじめた。
「いたたた、痛い、痛いって、ルリ・・・ルリってば、こら痛いって。
落ち着いてルリ、ほら落ち着けって。
こらこら人を「ぐー」で殴ったらいかんって。
落ち着いて聞けって!
もう、だからぁ、ユリカが食堂のロッカールームに乱入して来たんだって」
「信じられません」
ぐいっと髪の毛を引っ張る。
「痛いって、髪の毛引っ張るんじゃない。
ったくしょうがないなぁ、じゃあ思兼へ聞いてみな」
「え?」
アキトの髪を掴んだままルリが惚けた声を上げた。
「思兼がモニターしてるだろ?」
「・・・解りました思兼、アキトさんの浮気の現場を再生してください」
「浮気じゃないって言うのに!」
『はい』
厨房に付属の男性用のロッカールームは、急遽増設された為、見事に狭い。
せいぜい、大の男が4人も入れば、着替えることすらままならない、ぎゅうぎゅう詰めだろう。
その狭いロッカールームにぽつんとアキトのロッカーかが置かれている。
実は、そこが今やただ一ヶ所アキトのプライベートスペースになっていて、ルリとおつきあいを初めてからプライベ
ートルームから姿を消したゲキガンガーのポスターなんかは、そこに張られている。のだがこのモニターカメラから
は、死角になっていて、見えない。
アキトが上着を脱いだ所へ、いきなりマスターキーを使って、ユリカが入ってきた。
あわてた様子でアキトがドアへ振り返る、音声までモニターされていないのが妙に滑稽なシーンになっている。
しばらく、やりとりがあった後、突然ユリカかがアキトへしがみつく。
そしていきなりアキトへキスを迫った。
そのシーンを黙ってルリが見ているわけがない。
「ああ、キスしたぁ」
アキトに後ろからしがみついた格好のまま髪の毛を引っ張る、そして首にしがみ付いている腕にも力がこもる。
「ぐえええ・・・だからキスは、されたんだって!」
「ああ、背中へ手を回してるぅ」
さらに引っ張る、さらに力が入る。
「おえええ・・・・手を回してるのは、ユリカだってば
「ああ、胸をあんなに押しつけてぇ」
もっと引っ張る、もっと力が入る。
「ぐぐぐぐっ・・・だから、ユリカが離れないんだろうが!!」
「あ、離れた」
首を絞めていた腕は離れたが【ぶち】っと音を立てついに一房の髪の毛が引き抜かれてしまう。
「いてぇ〜〜・・・オレが突き離したんだって!」
「やっぱり浮気してたじゃありませんか」
ぱらぱらとルリの手から髪の毛が、アキトの膝の上へ降る。
「・・・ああオレの髪の毛ぇ・・・あのシーンを見て、どうして浮気になるんだ!! おれは、襲われたんだって」
それは、男が言うには、かなり情けない良い様である。
「本当に、あれだけなんですね」
「なんか、ルリ今日は、しつこいよ」
「だって・・・わたしコロンなんて使ったことないから・・・」
アキトのシャツを掴み、上目づかいにそう答える。
「ぷっ、なんだユリカが羨ましかったの?」
「・・・なんだが、腹が立って・・・」
アキトは、ルリを抱き寄せると、腕の中に横抱きにし、髪の毛へ顔を埋める。
「ルリは、コロンなんて使わなくても、いい香りがするよ」
「自分では、わかりませんから」
「ここまで近づかないと解らない、オレだけしかしらないルリの香りじゃ駄目なのかい?」
「アキトさんしか知らない?」
「そうだよ、オレしか知らないルリの香り。
ルリの髪の毛は、シャンプーの香り。
首筋は、シャンプーと石けんの混じった香り。
素肌は、石けんと甘いミルクの香りがするよ」
アキトは、指でルリの体のラインをなぞってゆく。
くすぐったそうに、ルリは、身を縮める。
アキトの指は、小さな胸でくるくると渦をまくと、さらに、下へ下がってゆく。
「そしてルリのえっちなおまんこは、すっぱいとってもえっちなルリのお汁の香り」
アキトの指が、ルリのラビアの辺りをぐりぐりと刺激する。
その度にルリの体に悪寒が走る。
「んんん・・・そんなこと・・・言っちゃ嫌です」
「どうして、えっちなルリの香り、オレは、好きだよ。
ほら、パジャマの上からもこんなに熱く濡らして、はしたないなぁルリは」
「ルリの香りがいっぱいついてるよ」
アキトは、自分の指を舐めあげる。
「あ、舐めたら駄目」
「美味しい・・・でも直接舐めたらもっと美味しいかなぁ・・・」
アキトは、ルリのパジャマのズボンショーツこどを引きずり下ろす。
「舐めてもいい?」
「はい・・・」
すべてを脱がされ全裸にされ、ふとんへ寝かされたルリは、大きく自分から足をM字に開く。
流石になんど舐められても、恥ずかしいのか、顔は背け目は瞑ったままだ。
ラビアは、充血し、ぽってりとふくらみ、ピンクの肉芽が、包皮か少しだけ顔を覗かせている。
その真珠をアキトは、舌で突く。
何度も、何度も、アキトは、舌で真珠だけを突き、そして熱い息をルリのラビアへ吹きつける。
その度毎にルリのラビアは、ひくひくとまるで別の生き物のように蠢く。
とろり、とラビアか、ルリのはしたない液があふれ出す。
その滴る刺激についにたまらなくなってしまったのか、ルリが泣きそうな声で、お願いを始めた。
「はん・・・んんん・・・ルリのクリトリスばかりいぢめてないで・・・ちゃんと・・・ちゃんとルリのおまんこ舐めてください」
「ルリのドロドロに溶けちゃったおまんこを舐めてほしいの?」
「はい、ルリのドロドロのおまんこを、アキトさんに舐めてほしいです」
ぶるぶると身を震わせてルリが懇願するような声を上げる。
しかしアキトは、指でラビアをくつろげると、とろとろと蕩け出すルリの愛液を音を立て吸い取るだけだ。
「あ・・・ああああ・・・ああ・・・んんんん・・・はぁん・・・んんんん」
じらされるルリは、腰をもぞもぞと落ち着かない様子で左右へ振る。
くつろげられぽっかりと開いた膣口に、ルリの分泌する汁がゆっくりとたまるのをルリの真珠を嘗め回し待ち、そこ
からルリのものが溢れそうになると、唇を押し当て、吸い取る。
そして、ラビア全体を噛み締めるように口を蠢かせる。
アキトは、汁を飲み干した膣口へ舌をぐっと押し込む。
しかし、ルリには、もどかしい刺激にしかならない。
「はぁ・・・はぁ・・・んんん・・・あ・・・あああああ!! ゆるして、アキトさん、もう、いじわるしないで、ルリを絶頂かせ
てください」
「絶頂きたいのルリ?」
「はい」
「どう絶頂きたい?」
「あ・・・ルリのおまんこに、アキトさんのおちんちんを根元までぶち込んで、アキトさんの熱いこだねをルリのおまん
こへぶちまけて・・・ください」
「ルリは、えっちになったね」
「アキトさんが、ルリをえっちな女の子にしちゃったんです」
「違うだろ、ルリがもともとえっちだったんだよ、そうじゃなければ11才で、おまんこにちんちんぶちこんでぇなん
て、叫ばないだろ」
「・・・ちがう・・・」
アキトは、スラックスのジッパーを下げ、固く天を向いている己の分身をルリのラビアへあてがう。
「ルリは、えっちだっだんだよね?」
「ああ・・・早く、アキトさん」
「欲しいの?」
「欲しい、アキトさんのおちんちんが欲しい」
「ルリがえっちだんだんだよね?」
「ああ・・・・そうです、ルリは、ルリは、とってもえっちな女の子でした、アキトさんのおちんちんを想像して自分でお
まんこを、ぐりぐりといじくり回して、すぐに絶頂っちゃうえっちな女の子でした・・・あああ・・・・あおおお・・・おおお・・・
良い・・・良い・・・あああ・・・すごい・・・くぅぅうう・・・どうして・・・こんなに・・・もう・・・ああああ、絶頂く・・・絶頂きます!
ルリは・・・絶頂くぅ! あああああああああ・・・」
アキトの熱い、ほとばしりが、子宮口を叩くまで、何度もルリは絶頂へ突き上げられたのだった。
ぐったり四肢を投げ出し、ふとんへ沈みこみ絶頂の余韻に浸っているルリを、そっと抱きしめながらの耳元へアキ
トは囁いた。
「ルリ、明日コロンを買ってあげるよ」
「ありがとう、アキトさん・・・大好き」
ぎゅっとアキトへしがみ付いたルリなのでした。
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「Suspicion Fragrance」
Fin
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「after Sneezing a RURI」
「ルリ、朝だぞ」
と、隣に寝ているルリを珍しくゆさゆさとゆさぶり起こす。
いつもは、アキトよりも早く起きて、寝顔なんてものを飽きもせずに眺めている顔にあいさつをするのだ。
「・・・お゛は゛よ゛う゛ござい゛ま゛す゛ぅ」
なるほど、そういうことか。
見事に声がガラガラ、要するに風邪をひいてしまったしまったということらしい。
注意をしても、思兼の端末から、なかなか離れないルリの体は、結構冷えていたりしたのだろう。
「風邪引いたな。シャワーから出て下着姿で、いつまでも思兼と遊んでるからだぞ」
「あ゛う゛う゛う゛・・・す゛ひ゛は゛せ゛ぇ〜ん゛」
だるそうに体を起こそうとするルリをアキトは、止める。
「ああ、起きなくていいよ、ユリカには、オレが言っておくから。
薬、イネスさんから貰ってきて、果物食べて、二日くらい寝てれば、直っちゃうだろ。
疲れもたまってたんだろうなぁ、夜直を減らしてもらおうか」
無理に声を出そうとするルリをあわててとめる。
「いいよ、話すの辛そうだから。
熱は・・・少しあるのか、じゃあ薬もらってくるよ」
「で、ホシノルリ具合は、どうなの?」
いったい全体どこで手に入れたのだろう、いい具合に年をとった<往診鞄>を持った、イネスがアキトの部屋で寝
ているルリの元へ現れた。
「の゛と゛か゛痛い゛い゛・・・でず」
「わかった。もう喋らなくていいわ辛そうだから、熱は・・・」
往診鞄から、一秒で熱の計れる体温計を取り出すと、髪の毛に隠れた耳を露出させる。
ひんやりとしたイネスの手と、そして空気が、火照った耳朶に心地よい。
カチッと音をたて、計測が終わる。
「平熱が37度のルリが、37度7分ね・・・寒くない?」
その問いに、首を振る。
・・・熱は上がりきった、と・・・。
「はい口あけて・・・あらまぁ見事に扁桃腺が腫れきってるわね、教科書に写真を載せたいくらい・・・見てるこっちま
で痛くなるわね」
ふとんをはぎ、マンボウ模様のパジャマの前をはだけると、薄い胸板にひんやりとした聴診器を当てる。
その瞬間、ルリの体が総毛立つ。
妙な音は・・・しないわね、鼓動は、ちょっと早いか・・・。
ま、極普通の上気道感染(風邪)って所・・・かな。
疲れもたまってるかもしれない・・・と。
とりあえずできる事は、ビタミン剤と抗ウイルス剤を皮下注射ね、解熱剤と消炎剤は・・・経口剤でいいわね。
残念ながら座薬の解熱剤は、在庫切れてるし。
イネスは、ひとりごちると、茶色のアンプル数本と、透明なアンプルを鞄から取り出し、使い捨ての細身の注射器
の封を切る。
アンプルの底を軽く指で弾くと、ガラス切りを指にはめ、アンプルの首の部分に傷をつけ小さな音とともに折り取
る。
アンプルの内容液を注射器へ吸い上げ、準備は終了。
「うつ伏せになって、お尻だして」
「?」
熱でうるんだ瞳で、ルリが問う。
普通、注射は、腕にするものではないか? とルリは思ったのだ。
「お尻に注射打つのよ。抗ウイルス剤がきついから、腕じゃ打った後で痛くて仕方がなくなるわよ」
ルリは、素直にうつ伏せになる。
「ま、可愛いお尻・・・」
イネスは、そのお尻に指を強く押し込む。
「?」
再び、ルリが問いかける。
「こうすると15秒くらいは、痛みの感覚が麻痺して、注射が痛くないのよ」
専門の医者でない割に、妙な事を知っている人だ。
「ちょっとひんやりするわよ・・・」
アルコール綿で消毒したあと躊躇なく注射針をルリの白い肌に突きたてた。
確かに、痛くない・・・訳ではない。
シリンダーが押されると共に、鈍い痛みが、お尻に広がってゆく。
ようやく針が抜かれ、小さなバンドエイドを張りつけられた。
「揉んじゃ駄目、余計痛くなるわよ、とりあえずこれが解熱剤、これが消炎剤、ルリは11才だかから食後一錠づつ
飲んでね。
症状は、軽い風邪だけど、三日は安静にしてなさい。もちろんえっちも駄目だからね。
喉が痛かったら、トローチ舐めて頂戴。
それでどうしても喉が痛かったら、消炎剤2錠にしてもいいけど、ルリの体格だと一日に5錠以上飲んだらだめ。
それでも我慢できなかったら、私を呼びなさい。
喉に薬を付けてあげるわ、艦長に私から、テンカワ君と一緒の有給届けを出しといてあげる。
はい、テンカワ君も腕出して」
「いい!? オレもっすかぁ?」
「そうよ、風邪移されたくないでしょ?」
「はあ」
「いい年した男の子が、注射が怖いの?」
イネスの目が笑っている。
「いや・・・ルリが痛そうだったし・・・」
「一瞬よ、手間を増やしたくないの、さくさく腕をまくる!」
「ああでも、打つのって、痛いっていう抗ウイルス剤じゃ?」
「大人なんだから、痛いのくらい我慢しなさい」
「じゃ、お大事に」
結局、二倍量の抗ウイルス剤を打たれて涙目でイネスを送るアキトだった。
「ルリルリ風邪ひいちゃったんですって?」
そういって、アキトの部屋に入ってきはたのは、ハルカミナトだ。
「もう、アキト君たら、ちゃんとルリルリの面倒見てあげないと、駄目なんだからね、女の子なんだから」
「はあ、すいません」
「はい、ルリルリお見舞い、本当は生の果物が良いんだけど、缶詰でがまんしてね、あまり長く留守にできないか
ら、お大事に」
と言って置いていったのは、白桃の缶詰だった。
それからも三々五々ブリッジクルーから、整備班の人間まで、30人ばかりがアキトの部屋へ、ルリの見舞いに訪
れる、そのたびに、なにがしかの見舞いを置いてゆかれ、お返しで頭の痛いアキトだった。
「ルリちゃん、大丈夫?」
「ずびばぜぇ〜ん゛」
「ほんと、声ガラガラだね・・」
「ユリカは、ブリッジ放り出して平気なのか?」
「ジュン君がいるから、平気」
「じゃあ、おれルリにご飯作ってくるから、見ててくれるか?」
「・・・えっちしてくれたら、見ててあげる」
「おまえ、ルリの前でよく言えるなぁ」
「ルリちゃんもアキトも、かまってくれないんだもん」
「わかった、ご飯を作ってから、相手をしてやるから、ルリを見ててくれよ」
「うん!」
「ルリちゃん、許してくれる?」
ユリカは、寝ているルリの隣へ寝そべると、そっぽを向いているルリへそう問いかけた。
覗きこんだルリの瞳が潤んでいる。
「ごめんやっぱ駄目だよね」
ルリは首を振る。
「良いの?」
ユリカの声に、再び首を振る。
「声を出さなくても、私、読唇術ができるから、喋ってくれる?」
『後でアキトさんにもっと可愛がってもらえますから、許せないけど、今日は見逃してあげます』
そう言った後であかんべをしてみせる。
「・・・なんか惚気られている気がする・・・」
『気のせいではありません惚気てるんです』
「はうう・・・いいもん、アキトとのえっちルリちゃんに見せつけちゃうんだから」
『たぶん、普段の私たちの方がもっとすごいえっちをしています』
「・・・ユリカの負けです。ごちそうさまでした」
小さくふとんの中でVサインを決めているルリだった。
一時間ほどして、アキトが部屋へ帰ってきた。
「やっぱりおじやとか、お粥だよなこういうとき、でも美味しくないから、具を小さく刻んでたくさん入れたんだ、ただ
味は、押さえたから、食べられると思うんだけど・・・」
ルリの背中へクッションを入れ、起こし、小皿にお粥を盛って、手渡す。
意外としっかりした様子で、それを受け取ると、レンゲに少しだけ取り、口へ持ってゆく。
「どう?」
「お゛い゛し゛い゛」
お腹が減るということは、大したことはないのだろう。
「良かった」
アキトとユリカの三人で、作ってきたものを全部平らげた。
「ルリは、薬飲んで」
ミネラルウオーターと、錠剤を手渡す。
「ユリカ、おまえブリッジ良いのか?」
「アキト、誤魔化されないからね」
「・・・ルリ」
「ルリちゃんは『後でアキトさんにもっと可愛がってもらえますから、許せないけど、今日は見逃してあげます』だっ
て」
「・・・おまえ、作ってたら許さないぞ」
「作ってないよ、だから・・・して」
ユリカは、アキトの唇を塞ぎながら自分から制服を脱いだ。
タイトスカートを脱ぎ、ブラウスも脱ぎさる。
シルク地のレースがあしらわれたブラとショーツそしてストッキングが、艶めかしい。
じっと立っているユリカへアキトが言う。
「どうして欲しい?」
「アキトがしたいようにしていいよ」
「そうかじゃあ・・・」
アキトは、背中へ手を回すと、ホックを外し、ブラを取り去る。
ショーツへ手を伸ばしたとてころで、ユリカが一歩下がる。
「自分で脱ぐ」
「ばかだなぁ、オレが脱がすことに意味があるんだぞ」
「そうなの?」
「そうなの!」
そう答えると、アキトは、ユリカのショーツのゴムへ手をかけ一気に引きずり下ろす。
「やぁん、アキト変なところに顔おしつけてる・・・んんんん・・・いきなり舐めちゃ嫌だ・・・」
「嫌だって、これだけ濡らしておいて、嫌もなにもないだろう」
<ほれ>とでも言いたげに、ショーツのボトムについた葛のようなユリカの液を本人へ見せつける。
「だってぇ・・・」
「良いから、そのまま立ってる」
「んんん・・・いや・・・お鼻が・・・ユリカのお豆に・・・あああん・・・ベロを突っ込まないでェ・・・や、そこ・・・そこ・・・ち
がう・・・お尻の穴・・・舐めたら・・・汚い・・・よアキト・・・だ・・・・だ・・・だめぇ」
ユリカの腿を掴み、あおむけになるように頭を押しこみ、アキトは、花びらからお尻へ向かい、ユリカを舐めてゆ
く。
アヌスの皺の一本一本を丹念に舐められ、駆け上がってくる悪寒に、ユリカの膝が崩れそうになる。
さらに、アキトは、指をユリカの膣へゆっくりと嬲るように押し込む。
一瞬、ユリカは、息を呑む。
しかし、荒々しい突き込みではないことに安心したのか、ほうと息を吐き出す。
まるで膣全体をなぞるように入り込んでくる指をきゅっきゅっとアヌスを突かれるリズムで締めつける。
「だめ・・・もう立ってられない・・・」
アキトの胸に、ユリカの花びらから滴る熱い液が、ボツボツと音を立てて落ちる。
「ユリカ、ルリがユリカのおっぱい飲んでくれるって、四つん這いでルリに飲ませてやってくれるかい?」
「うん、ルリちゃん、ユリカのおっぱい飲んで」
とろんとした瞳で、ルリを見つめ、ちょうどルリの口の辺りに、胸が行くように倒れ込んだ。
その逆釣り鐘型に張り詰める二つの乳房へルリは、そっと吸いついた。
「や・・・るりちゃん・・・熱い・・・」
熱があるのだ、その熱い舌と唇で、乳房を嘗め回され、そして幼さの残る鋭い歯で噛みつぶされる。
「・・・んんん・・・はぁあん・・・」
「ユリカ、行くぞ」
「・・・え?」
くちゃっと音を立てて、自分の花びらを開かれる感覚の後に、いきなり貫かれた。
痛みを感じる間もなく、アキトのものは、ユリカの最奥部にまで達し、深くそこを突き上げる。
「ああああ・・・だめ、もう入らない、それ以上・・・入らないよぉ・・・」
がっしりと、腰を掴まれ、逃げることもかなわないユリカは、さらに深く突かれ、顔を振りあげ、髪を振り乱し、懊悩
する。
「もう少しで、根元まで入る・・・」
「いゃあ・・・もう・・・もう・・・」
ぐりぐりと子宮口を突き上げられ、思わず腕の力が抜ける。
ルリは咄嗟に、胸の間に顔を入れ、潰されのを防いだ。
「じゃあ、抜いてやる」
ずるずるとゆっくりと引き抜かれ、張り詰めたアキトの分身が、ユリカの膣を削ってゆく。
「くぅううううん・・・」
ぎゅっとこぶしを握り締め、その刺激に耐える。
一番太くなっている部分が抜け出そうとする瞬間、アキトは、再び深く突き込む。
「あ・・・ああああ・・・くぁぅううう・・・」
「ユリカ、気持ちいいかい?」
ぐぐっと押し込みがら、のけぞるユリカの耳元へささやき、その耳たぶを舐めあげ、噛みしだく。
「いい・・・良いです・・・アキトの・・・・おちんちんが、ユリカのおまんこを犯しているの・・・とっても・・・良い・・・気持ち
いい・・・んぁああああ・・・あああ深い、それ以上入らないよぉ・・・・」
再び引きずり出し、そして押し込むという動作が幾度も繰り返される。
「ユリカのおまんこも、なかなか気持ちいいよ、でもルリほどじゃないな、やっぱりルリのおまんこが最高だ・・・引き
ちぎられるような締めつけが、気持ちいいぞルリのおまんこは」
「いゃあああ、ユリカも、ユリカもどうしたら良いの、アキトを気持ちよくするには、どうした良いの?」
「おまんこを締めなきゃだめだよ、ユリカ、お尻を締めつける時みたいに、ぎゅっておしりの穴に力を入れてごら
ん」
「あああ・・・入らないよぉ・・・お尻の穴って・・・どうすれば良いのぉ」
ここだよ、ユリカ、ここをぎゅっと締めるんだ」
突かれた拍子に、きゅっとその部分がすぼまる。
「そうだ、気持ちいいよ、ユリカ、まるでユリカのおまんこが蠢いているみたいだ・・」
「アキトが悦んでる・・・気持ちいい? ユリカのおまんこ、気持ちいい?」
ぞわぞわとアキトの分身を包み込むユリカの膣にある無数の襞が別の生き物のように蠢く。
「くぅうぅ・・・いいぞ、ユリカ、ユリカも絶頂かせてあげるよ」
そういうと、アキトは、スラストの速度をあげる。
肉同士をぶつけあう音が強くなる。
ルリは、ユリカの胸を噛み締める。
「あああ・・・ユリカ・・・ユリカもう・・・もう・・・」
その刺激が引き金となったのか、ユリカが初めてのオルガスムスへ達する。
「絶頂く・・・ユリカ絶頂く・・・絶頂くう・・・ああああああああっ!!」
そのきついまるでアキトを搾り取るかのようなユリカの膣の動きに、アキトもたまらず、子宮口へ熱い樹液を叩き
つけた。
「っくしゅん! あ゛あ゛あ゛・・・の゛と゛か゛い゛た゛い゛い゛い゛い〜」
三日後、見事に風邪を移されて、ユリカは、一人寂しく艦長室でティッシュに埋もれてねこんでいた。
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
after Sneezing a RURI
Fin
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「Jealous Mind」
「ごめんなさい、今日は私の部屋でやりたいことがあるんです」
「え? そう、じゃあ、仕方ないな・・・うん、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
アキトの部屋の前で深い口づけを交わしルリとアキトは、別れた。
珍しい。
と言うほどでもない。戦艦という限られた空間の中とはいえ、職場が違えば、そうそう四六時中二人そろって一緒
というわけにもいかない。
その上、月に幾度かはそれぞれに夜直が回ってくる。
デフコンが低い場合には、それを取りやめようという動きがあるが、まだそれが具体的な形として動きだしている
気配はない。
いずれにしても、パイロットは、スクランブル要員として、夜直がなくなることはないだろう。
エステバリスがIFSを使っているとはいえ、なにしろ、起き抜けでは、体はともかく頭の働きも鈍い。
そんな状態で出撃しても落とされるのが「落ち」である。
それにしても予想外の独り寝、自分の腕の間がやけに「すうすう」するのは、二人でいることが「普通」であること
の証拠のようなものだ。
まるで小猫のような少しだけ早いリズムの呼吸の音と、そして熱い体が側にいないことが「寂しい」
<寂しい・・・か、ずっと一人だったのになぁ>
もはや横向きでないと入眠できなくなっているアキトだから余計にそう感じるのだろう。
少々物足りないがふとんを抱きしめ、眠りについたのだった。
そんな事が四日ほど続いた。
「ア〜キ〜ト〜」
ナデシコ食堂の厨房にユリカが現れた。
「なんだ、ユリカか」
「あのね、言っていいのか分からないんだけど・・・」
「言って困ることなら、言わないほうがいいぞ」
皿を磨きながら、アキトが上の空で答える。
ここの所、ルリは食事も早々に、引き上げてしまう。
「あのね、ルリちゃんの事なんだけど」
「ルリがどうした? オペレートでミスとかしたのか?」
様子自体はおかしくないものの、思わずそう聞いてしまう。
「ううん、お仕事は完璧だよ、ユリカよりもずっと」
「余計なこと言わんで、ルリがどうしたって?」
いつの間にかカウンターを挟んで、顔を突き合わせる二人。
アキトの手の中には、それでも士官会食用の銀のフォークとセーム革があるのは、流石だろう。
「あのね、ジュン君がね夜中、ルリちゃんのお部屋から出てきたの」
「・・・おまえ、作ってるんじゃないだろうな」
殺気のこもった鋭い口調でキラン☆と光ったフォークを目の前に突きつけられて、思わず寄り目に成りつつユリカ
はがかぶりを振る。
「で、だからどうした?」
たった今の瞬間的な殺気を全く感じさせない口調に戻っているアキト。
「気にならないの?」
「おまえな、莫迦言ってねぇ〜で、仕事へ戻れ」
「なぁんだ、少しくらいあわてるかと思ったのに」
「ユリカ、お前一つ忘れてるぞ」
「なぁに?」
「ジュンにそんな甲斐性があるわきゃない」
「・・・そんな事解んないわよ、ジュン君だって男の人なんだからね」
「ふん」と鼻を鳴らすと、捨てぜりふのような一言を残し、ユリカは、食堂を駆け出して行ってしまった。
その背中を見送りつつ、自分で断言をしておきながら、少しだけ心配になっているアキトだった。
一旦気になれば、それは、それで勝手に妄想は、広がってゆく。
馬鹿馬鹿しいと思っても、それを止めることはできない。
夜中に二人きりというシチュエーションで、とことんアキトの空想は広がってゆく。
あんなことやこんなこと、さらには、こうされて、ああされて、最後には・・・。
などと、しっかり怪しげなB級AVのような筋書きが頭の中で作りあげられてゆく。
それも一人きりで厨房で後片づけなんてことをしているから余計にその妄想が止まらない。
すっかり厨房が片づく頃には、アキトは結構、精神的に参ってしまっていた。
そんなこんなで、夕刻である。
「今日も、することあるの?」
目の下に隈なんてものが張りつけたアキトが、ルリに聞いている。
「はい、ごめんなさい」
ペコリと頭を下げる。
そんなルリに、アキトは、思い切って聞いてみた。
「ジュンとなにか仕事の事か?」
一瞬、ルリの表情が驚いた物へと変るが、次の瞬間、その表情は、まるで意地悪な小悪魔のような蠱惑的(こわく
てき)な物へと豹変する。
「な・い・し・ょ」
「・・・内緒か、うん解ったよ、でも・・・あ、あのなルリ・・・怒るなよ」
「なんですか?」
「・・・夜中に二人きりって、少し心配なんだけど・・・」
「私の事、信用してくれないんですか?」
首を折り、がっかりした様子でぼそっと呟く。
「違う! 違うよルリ、そうじゃない。オレの知らないルリを、他の人間が知っているのが、なんか・・・その・・・」
そのアキトの言葉を聞いたルリの顔が一気に明るく輝く。
それは、自分がいつも持っている気持ち。
<やきもち>という感情。
大人のアキトと子どもの自分、そして大人の女性たち。
自分が一番大切に思われている、大切にされていると心も体も理解していても、それはほんの小さな事でも勝手
に募ってきてしまう。
だからそれが癒されたとき、酷く安心して、アキトに甘える事ができるのかもしれない。
この人も私に甘えてくれるかな。
いつも甘えさせてくれるこの人に、甘えて欲しい。
だったら、もっと一生懸命作業を終えてしまおう。
早く、いつものように、二人でいられるように。
それでもルリは、少しだけ意地悪く言ってみた。
「アキトさん、これでおあいこですね」
「・・・あいこ?」
「やきもちのあいこです」
晴れやかな笑顔で、ルリにそう言われてしまう。
「・・・だってなぁ」
「もう少しで終わるんです、ルリにもう少し時間をください」
「うううう、解った、待ってるよ」
結局ルリが何をしているのか全く解らずに、その夜も、そして次の晩も一人で寝たアキトだった。
それは、こんな経緯で始まった。
「思兼、男の人へのプレゼントを検索してください」
『年齢を絞らないと、妙なプレゼントになるかもしれませんよ』
「あ、そうか。・・・思兼、じゃあ20前後の男性への・・・こ・・・恋人からのプレゼントを」
『ウインドウに表示する?』
「うん」
いくつか表示された候補の中で、ルリが選んだものは、簡単そうに思えて、実際には、意外と敷居が高いものだっ
た。
始めは、一人で頑張っていたのだが、結局、一人ではどうにも成らなくなってしまった。
結局、たくさん居る女性陣へ助けを求めてしまった。
初めは、そう一番そういうものが似合いそうなメグミの所へ行ったのだ。
「メグミさん、教えてください!」
ペコリと頭を下げたルリに、メグミはとっても済まなそうに言ったのだ。
「ごめんルリちゃん、あたしそれ苦手なの・・・ミナトさんの所へ行ってみたら良いんじゃないかな」
「そうですか、どうもありがとうございました」
そうしてルリはミナトの部屋へ足を運ぶ、しかし、ミナトも「うわぁ〜ごめん、ルリルリ、あたしそれ駄目なんだよね
ぇ、ヒカルちゃんの所ならどうかな、コスプレ少女だし」
というていたらくだった。
しかし、案の定ヒカルも「ごめんねぇルリルリ、お裁縫なら何とかなるんだけど・・・ねえ、イズミは、どうなのよ」
ヒカルは、同室のマキイズミへ話をふる。
しかし、イズミは、寒い冗談を放つこともなく、両手で×印を作って首を振る始末だ。
なにやら悪い思い出でもあるのだろう。
さらに同室のスバルリョーコは、聞かれる前に、自ら出来ないことを告白した。
「オ、オレなんかに聞くなよ」
「最初からリョーコには、期待してないから安心して・・・そうねぇこうなるとイネスさんか・・・実は艦長って穴場だっ
たりして」
「わかりました。どうもありがとうございました」
ルリは、材料と、道具、そして雑誌を抱えて、ナデシコ艦内を右往左往することになった。
「あら、ホシノルリそんな道具を抱えて、まるで女の子みたい」
「あたし女の子です」
「そうだったわね・・・で、このイネス・フレサンジュにどうしろと?」
「これ、教えてください」
と、雑誌と、道具と材料を目の前へ突き出す。
「・・・教えてあげたいのは、この天才科学者イネス・フレサンジュとしては、山々なんだけど、これから緊急オペレ
ーション(手術)が入ってて忙しいの、ごめんなさいね」
しかし、その言い訳は、あまりにも露骨過ぎた。
なにしろ最前まで、イネスは「説明」しなくてはならない事象を求めて、艦内を放浪中だったのだ。
「出来ないんですね」
思い切り冷たい口調でルリがとう。
「だから、オペがね」
「出来ないんですね?」
「オペなの、信じて」
「出来ないんですね?」
「はううう、それには、トラウマがあるの、許してルリちゃん」
いったいどんなトラウマなのか大変気になったルリだったが、今は、追求している時ではない。
「解りました、一番望み薄ですが、大穴らしい艦長へ聞いてみます」
「無駄だと思うわよ」
「一縷の望み、雲の糸、溺れるものは藁をも掴む・・・です」
「・・・そ、そう、じゃあ止めないわ、頑張って」
「ありがとうございます」
「艦長、お聞きしたいことが・・・艦長?」
「ルリちゃん、私にそういうことのやり方を聞きに来るのは、無謀ってものよ」
「・・・大穴だと皆さんがいってらしたのに・・・期待を裏切ったのか、期待通りだったのか・・・」
「期待通りだと思う・・・ねえホウメイさんの所行ってみた?」
「お料理なら聞きに行きますけど・・・」
「ホウメイガールズの誰かが出来るかもしれないよ」
「あ、そうですね!」
ほとんど、お役所の得意技「たらい回され」状態でルリは、艦内をマイスター求めてさまよい歩いた結果、アオイジ
ュンというマイスターになんとかたどり着いたのだ。
古くは、小学生の頃からそれを行っていたというジュンの腕前は、それはもう超一流と言っても良かった。
流れるような指の動きは、ルリですらほれぼれしてしまう。
その超一流のマイスターに手ほどきほ受け、それまで全く進まなかったものが一気に作れるようになる。
「あ、そこは、こうしてこうすれば解けないんだよ。うん、もう大丈夫だね」
「はい、一週間ありがとうございました」
「どういたしまして」
器用貧乏、人は彼をそう呼ぶ。
だが、ルリには、それがとってもありがたかった。
そして8日目の夜・・・。
「あの・・・アキトさん・・・これ受け取ってください」
「・・・突然、なに?」
「アキトさんとルリがおつきあいを始めて一年たちました、その記念で・・・一生懸命作りました・・・ナデシコの中で
変だと思ったんですけど・・・手編みの・・・マフラーです」
「編み物?! そうかそれでジュンに習ってたのかぁ・・・ン? ジュンって編み物できるんだ」
「はい、とっても上手です・・・けど黙っててくれって言ってましたから、ないしょですよ」
「見て良い?」
「はい! 始めてだからあまり上手じゃありませんけど・・・」
丁寧なラッピングを、これまた丁寧に剥がすと、なかから、赤と白の毛糸が顔をのぞかせた。
「そんなことないよ! すごいや、始めてだよこういうの。おれなんか一年なんて、忘れてたのに」
「でも途中ボゾンジャンプで日付が飛んでますから」
アキトは、一人でするにはやたらと長いそれを早速首に巻いてみる。
案の定、それはかなりあまった。
「すいません調子に乗って編んでしまって・・・」
「そういうときには、こうするんだよな」
「きゃっ・・・」
アキトは、ルリを抱き寄せると、あまった端をルリの首に巻く。
「いつか、こうして、歩こうな」
「はい」
その夜、久しぶりに二人で入ったふとんは、とても温かかった。
機動戦艦ナデシコ  ルリとアキト熱愛編
「Jealous Mind」
Fin
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「DRESS〜Prologue〜」
「ねえ、テンカワ君、ちょっと寄っていきたいところがあるんだけどかまわない?」
「え? ええ、どうせまだ時間ありますから、良いですよ」
有給消化という名目で、唐突にプロス氏に呼び出され強制的に連絡便のシャトルで地球へ降ろされてしまったア
キトとイネスは、イネスが求めていた大量の書籍データと雑誌のバックナンバー、そして医薬品類をシャトルへ送っ
た後は、はっきりすることもなく、所在なく軍港の町をぶらぶらとしていたのだった。
生鮮食料品などの買い付けは、NERGALの購買部が行うため、アキトの出る幕ではない。
それでも、イネスが図書館へ行っている間ルリへのおみやげとして季節がら柿と梨、栗などの果物のたぐいを買
い込みシャトルへ送ったアキトだった。
それが突然思いだしたかのように、イネスがそう言ったのだ。
街角のカフェでカプチーノとジェラードをそれぞれ飲食し終わった二人は、勝手知ったるがごとく歩くイネスに連れ
られ黄昏の町を、まるで恋人同士の様に腕を組み歩く。
・・・もっとも長身の上、ハイヒールを履いているイネスと二人では、つりあいが取れていないことおびただしい。
よく見ても、姉と弟という雰囲気である。
そして二人は、小さなビルの地下、看板も出していない怪しげな店に足を踏み入れていた。
「ここ、なんの店なんすか?」
「まあそうね、特殊な趣味の店って言うしかないわね」
店のドアの前で、突然そう聞かれて、イネスは困ったように上を向いてそういったのだった。
「・・・ひと月分の給料吹き飛びましたよ」
ナデシコへと帰還する深夜のシャトルの中で、アキトがジト目で隣に座るイネスを睨む。
「あら、その代わり良い土産になったでしょ?」
「本当にルリがこれで悦べば・・・まあ、ひと月分の給料なんて安いもんすけど・・・なぁんか騙されてるきがするの
は、どうしてなんでしょう」
それも当然で、要するにルリへの土産にかこつけてイネスは、自分の分の商品代金もアキトに払わせてしまった
のである。
「私も、あなたの前でしか使わないわお兄ちゃん」
「・・・それ、それに弱いんだよなぁオレ・・・とほほ・・・」
完全に性癖を読まれてしまっているアキトだった。
そして翌日の晩・・・。
「あのぉ、昨日から気になってるんですけど、そこにある大きな紙袋は、なんでしょう?」
「あれは、その・・・え〜と・・・」
『説明しましょ』
「どをぉあああああっ! い、イネスさん、い、いきなりウインドウを湧かさんでください!!」
『あら、驚いてもらってありがと。
ホシノルリ、その荷物をもって、あなたの部屋へおいでなさい、とっくり私が説明してあげます。
アキト君は、その場で待機のこと、いいわね』
「へいへい」
アキトがそう答えると、ウインドウは閉じる。
「それかさは、大きいけどそれほど重くないから、ルリ一人でもてると思うよ」
「よくわかりませんが、イネスさんが説明してくれることは解りました。
いってきます」
「うん」
「はい、荷物はそこにおいて」
自分の部屋へ戻ったルリは、いきなり大人の下着姿のイネスに迎え入れられ面を食らってしまった。
豪華な刺繍のあしらわれた純白のワイヤレスブラとショーツそしてガーターベルトに、タイストッキングスタイルで髪
を下ろしたイネスは、ルリに妬ましさを覚えさせるには十分な美しさ妖艶さを持っていた。
「怖い顔をして睨んでないで、荷物を解いて」
そう急かされ、ルリは紙袋からテーラーバッグと、いく包みかの紙袋を取り出す。
「まずは、紙袋を覗いてごらんなさい」
「はあ」
なんだか解らず、ルリは言われたとおりにするしかない。
「・・・これ下着ですか?」
「そうよ、テンカワ君が、あなたの為に選んだ下着、サイズはちゃんと私が指定したから大丈夫な筈よ」
「アキトさんが・・・」
イネスが付けているのほぼ同じデザインで、白とピンク、そして黒という色ちがいの下着が、紙袋に包まれていた。
実際には、素材の関係からルリが手にしている下着は、イネスのほぼ倍の値がする。
「テーラーバックは、あとあと、楽しみはあとに取っておいてね、それより下着付けてごらんなさい」
「はい・・・でも私ブラジャーって始めてだから・・・」
ましてガーターベルトなんてものを着けるなどと言うことは夢にも思っていなかった。
「手伝ってあげるわ、その為に居るんだから、そろそろルリあなたもブラジャー付けても良いサイズよね」
「まだそんなに大きくないです」
制服の上から両手で自分の胸を押し包む。
「大丈夫、大丈夫ほら、脱いで脱いで」
いきなりイネスは、ルリのスカートのファスナーを引きおろした。
「どう?」
どこから持ってきたのか、ルリの部屋に持ち込まれていた大きな鏡には、純白の下着に包まれたルリが映ってい
た。
「ちょっと恥ずかしいです・・・それになんか、私じゃないみたいで・・・」
「サイズが少し大きめなのは余裕だから我慢してね・・・でも本当、可愛い」
うしろからルリを抱きしめ、少しだけ膨らんでいる胸を左でそっと包み込む。
「あ・・・」
そうしながら、イネスはショーツを膝の辺りまで降ろしてしまう。
「せっかくの綺麗な下着汚したくないでしょ」
「はい」
「膨らみかけの胸って触られると痛いのよね」
「少し・・・うわっ・・・」
いきなり、イネスがルリを抱き上げたのだ。
「この間の検診で見られなかった所見てあげるわ」
そっとルリをベッドへ降ろすと、厚手のタオルをそのお尻の下へ敷く。
「足を広げて、気持ちよくしてあげる」
立てている膝を両手で大きく割り広げイネスは、まだ無毛のルリの割れ目へ吸いついた。
ルリのそこはとてもアキトを数え切れぬほど迎え入れ、そしてその精の迸りを受け止めつづけたと思えぬほど幼い
たたずまいを見せている。
ぴったりと閉じた花びらは、限りなく柔らかく、イネスが与えてくれるだろう刺激の期待に少しだけ吐液し、そして薄
い桃色に色づいていた。
イネスが、そっと花びらを広げると、ルリは、腰を震わせ、少しだけ鼻にかかった喘ぎをあげる。
イネスの指に広げた花びらが刺激への期待にひくひくとかわいらしく振るえる様が伝わってきた。
そして小さな膣口からは、透明なルリの液がとろとろと流れだし、ひかる筋を作ろうとしている。
喘ぎを漏らした本人は、意思に反し勝手にひくひくと恥ずかしく打ち震えてしまっている自身に恥ずかしいのか両
腕を顔に乗せ、表情を隠してしまっていた。
「色素の沈着もなし、変形も・・・ないっと、これでヒーメンがあったら、完全にバージンで通るわね・・・でもこんなに
感じやすいバージンなんて居ないから、すぐに解っちゃうかも」
イネスは、堅く膨らみピンク色の天辺を包皮から恥ずかしげに覗かせているルリの真珠へ、舌を伸ばす。
下からなぞりあげるように舌を這わせ、そして親指で包皮を剥きあげた真珠へ音を立てて吸いつく。
「あ・・・あああ、す・・吸わないでぇえ・・・ああああ・・・んんん」
腰をひねり、にじり上がろうとするルリを押さえつけ、イネスは、ルリの真珠に舌を絡ませつづける。
強く吸い立て、包皮の間に舌を差し入れる。
「あああ・・・・ぁあああああっっっっ・・だめ、それは、だめぇっ・・・」
敏感な粘膜に舌をねじ込まれ、ルリの腰が浮く。
そして、包皮を剥きあげたまま、イネスはルリの真珠を前歯ではさみ込む。
「いぁああ・・咬んじゃ、咬んじゃ嫌です・・・あああああ、許してェ」
左右へ噛みつぶされる動きに、ルリは、簡単に追い詰められる。
そして咬まれて限界まで張り詰めているその天辺を舌で突かれた瞬間ルリは、頂点へ駆け上がった。
「・・・い・・・絶頂く・・・ああああああ・・・んんんんん・・・・」
腹筋を波打たせ、達した瞬間その強い膣圧で吹き出したルリの液が「プシッ」というような小さな音をたて、イネス
のあごに飛沫となって吹きつけられた。
両手でシーツを握り締め、ルリはいやいやをすするように顔を振りやがて、ぐったりと脱力したのだった。
「ちょっと酸っぱいけど、ほとんど味はしないのね」
ルリの足の間から顔を起こすと、例のいい具合に歳を取った往診鞄から樹脂で作られた婦人科専用の診療機具
を取り出した。
「せっかくの機会だから、ルリの奥の奥まで診てあげる」
その表情は、加虐の悦楽に歪んでいるようにもみえた。
昔は金属製であったその機具は、長い間多くの女性に冷たい思いと、体内へ金属を押しこまれる恐怖を与えてい
たが、今では、使い捨ての透明もしくは半透明の威圧感を与えない樹脂製の物が主流になっている。
その半透明な樹脂をそっと濡れきった小さな膣口へ押し当てると、躊躇無く押し込んで行く。
それは、女児に使えるサイズになっているとはいえ、ルリがバージンであったなら苦痛を与える作業だ。
しかし、ルリのそこはなんの抵抗もなくその機具の、カモのくちばしのような部分を飲み込んてゆく。
絶頂の余韻に浸っていたルリは、突然の進入に飛び起きようとする。
「動かないで、力を抜きなさい、これは普通の検査用の機具よ」
「そんなの入れないでく・・・んんああ・・・当たって・・・イネスさん・・・許して・・・いや、動かしたら・・・ま、また絶頂っ
ちゃいます・・・んんん・・・」
<ふぅふぅ>と深い息をつぎながら、その全く未知の刺激に耐えるルリ。
イネスは、ルリの一番奥に突き当たっている事を知っていながら、ルリの一番奥、幼い子宮口を傷つけない程度
に、いじめているのだ。
「力を抜いて、そうよ」
大人しく横になったルリに、イネスは、ゆっくりと機具を開いてゆく。
「んん・・・・あ・・・んん・・・・」
「健康で綺麗な粘膜ね、ファイバースコープが欲しいくらい」
指を開かれた膣へ押し込みそっと爪でひっ掻く。
「くぁああああ・・・」
その刺激にルリのお腹が波打つ。
「感度も良いわ」
そして膣に存在している襞の一本一本を丹念になぞる。
「・・ああ・・・もう・・・もう許してください・・・」
「あら、すごいこんなに<ぷつぷつ>がたくさんあるわ、本当にこんなに小さい癖してこんなに嫌らしいおまんこし
て、アキト君をここでたくさん悦ばせているのね・・・」
そういうと、イネスは、指の腹にふれている無数の小さなその部分を上へ押し上げた。
それは丁度ルリの張り詰めたピンク色の真珠を下から押し上げる事になる。
「ひぐっ・・・あああ・・・」
「そう、やっぱりここがルリの一番<いいところ>なのね、こんなので擦られたらアキト君、一発で放っちゃうでしょ
うね」
「ああ・・・言わないで・・・許して・・・くぅ・・・・ああそれ以上奥は・・・」
「大丈夫、十分ルリは健康・・・それじゃあ、診せてもらったお礼に、絶頂かせてあげる」
イネスは、樹脂製のクスコを引き抜きながら、もう一本指を押し込み、そしてぐりっとルリの中で回した。
「絶頂く・・・くぅああああああああああ・・・・!!!」
こうしてルリは、二度目の頂点へ押し上げられた。
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「DRESS〜Prologue〜」
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「a Precept」
数日前から、その影は、ナデシコ食堂のカウンターに隠れるように、そこで働くホウメイとホウメイガール
ズ達の挙動を、じっと見つめていた。
「また、見てるよ」
「緊張しちゃうね」
「どしたのかなぁ」
「ほら、よそ見してると、ミスするよ」
「はぁ〜い」
そんな会話が、何度か繰り返された。
「やっぱり、聞いてくる」
「気になるもんね」
「およし」
「え〜っ、どうしてですかぁ?」
「おまえさん達にも、覚えがあるんじゃないのかい? お母さんの台所仕事をじっと見ていた記憶がさ、そ
ういう歳ってことさね」
そのホウメイの言葉にかしましい娘達の表情が納得したものに変る。
「そう言えば・・・」
「あたしもっと小さかったけどなぁ」
「そういう機会がなかったんだよ、あの子には」
「わかりましたぁ、もう気にしませぇん」
「もう少し経ったら、あたしが声をかけてみるさ」
そうホウメイが言ってから数日がさららに経った。
相変わらず、その影は勤務時間の終了とともに、そこへあらわれる。
「おや、どうしたいこんな時間に、テンカワかい? でも今日奴は、エステ・・・へぇ、そうかい、いいよ、どう
せこの時間は暇だしね」
ホウメイは、その影が厨房へ入ることを許したのだった。
「え゛〜ずるぅい、あたしたちには、かつらむきとキャベツの千切りからって言ったのにィ」
「何言ってるんだい、家庭料理とプロの料理っていうのは自ずと違うもんなんだよ。
それに初心者なんだ、まずは料理の楽しさを覚えてもらうのが先ってもんさね。
ほらほら、料理冷めないうちに、出前いっといで!」
『はぁ〜い』
「たまごは軽く、からを容器に打ちつけて割る。
ほらほら片手でなんて割るのは、5年は、早いよ。
そう両出て丁寧に扱う。
それにまだ手が小さいんだから片手で割るのは無理さね。
からの破片が入っちまったら、菜ばしで取り除けばいい、そう。
いきなりフライパンに落とすのは、止めといたほうが良いね。
そういうのは慣れてからやればいいんだよ」
ホウメイは、珍しいほど丁寧に、料理の手順を教えてゆく。
それはまるで母が娘に教えてゆくような丁寧さと根気強さで、一日一時間程度、繰り返し、そして少しずつ
手順が進んで行く。
「駄目、駄目、そんなにかき回したら煮崩れちまうだろ、みそ汁は、煮込み料理とは違うんだよ」
「おや下ごしらえで、ちゃんと味を見たかい?
艦長も、他の面子も、どこが悪いかって言えば、途中で自分で味を見ないから駄目なんだよ。
自分で味を確かめもしないで、相手に食べさせることなんて失礼じゃないか。
料理人も途中でちゃんと味を見るんだよ。
ほら、しょっぱかったろ? でもここではしょっぱいくらいがちょうど良いんだよ」
「私に味を見ろって?
まあそれでも良いけど、自分の舌で、自分の味を作ればいいと私は思うよ。
そう、こういうのは、家の味ってものがあるものなんだけどね、あいつの舌は、覚えているのかねぇ、お袋
さんが作った料理の味・・・。
覚えていれば、あいつがきっと教えてくれるよ、テンカワ家の味って奴を。
覚えていなかったら、ホシノルリ、ホシノルリがテンカワルリになる時に、なった時に、テンカワ家の味を作
っていけば良いと思うけどね。
なに真っ赤になってるんだい、こっちまで照れるじゃないか、でもなるんだろテンカワルリにさ」
そのホウメイの言葉に、小さな影は、大きく頷いたのだった。
そして・・・。
ルリの部屋で寝こけているテンカワアキトの鼻に懐かしい香りが漂って来た。
それは少しだけ煮詰まったみその香り。
毎朝ではないが、研究がひと段落したときなど、温かい朝食を食べられる時のあの記憶。
「母さん?」
思わずそんな言葉が出てしまう。
「・・・おはようございます、朝ご飯・・・食べてください」
その香りに誘われて目を開ければ、まくら元には、エプロン姿のルリの姿があった。
「あ、おはよう・・・ご飯もしかしてルリが作ったの?」
「はい」
「まだ味の事良く解らなくて・・・だから・・・アキトさんの味を教えてください」
「・・・それなんだけどね、聞いて笑うなよ」
「はい?!」
「オレのお袋、料理って下手でさ、もともと学者で家庭に入るようなひとじゃなかったし、食べられれば良い
っていう植民第1世代の人間だったしね、だから・・・」
アキトは、ルリを抱き寄せると額と額をくっつける。
「だから?」
「テンカワの味は、ルリが作って欲しいな」
「はい」
そういって、二人は朝の口付けを交わした。
・・・ちょっと納豆臭かったです。
機動戦艦ナデシコ ルリとアキト熱愛編
「a Precept」
Fin
COPYRIGHT(C) 1999 By Kujyou Kimito