編集長
伊集院光の一言
今、カーナビを買おうか買うまいか大変迷っている。
以前書いた通り、僕は普通自動車免許を持っていない。
欲しくないわけではないが、時間とお金を考えるとやりたいことの優先順位としてはかなり低い。
にもかかわらず、カーナビはかなり欲しい。いや明日にも買うかもしれない。かみさんの車にカーナビをつけたい。別にかみさんが便利なようにとかではない。
カーナビ自体が好きなのだ。
僕は未来の匂いがするものが大好きだ。正確に言うと、僕の少年時代に想像した未来の匂いがする新製品が大好きだ。
小型パソコン、薄型テレビ、腕時計型の携帯電話、乾燥までやってくれる全自動洗濯機、あくまで薄型テレビに腕時計型の携帯電話であり、
別段BSデジタルのハイビジョンテレビにはそれほど興味は無い。携帯電話も腕時計型でテレビ電話ならなお良い。
個人的な「未来感」の問題なのでわかってもらえないかもしれないが、同年代の男性諸氏ならば理解いただける人もいるかと思う。
で、カーナビだがこいつが僕の「未来好き」を刺激する。
実は2年程前もこんな時期があって、その時は実際に購入、30万円という価格に迷いに迷った結果、
出たばかりのDVDカーナビゲーションシステムを買い、かみさんの車に装着した。その面白いこと面白いこと。
仕事先への送り迎えをかみさんが担当してくれているのだが、いつもは助手席で爆睡の僕がカーナビをいじりっぱなし、
しかもこれから行く目的地を検索しているのではない、行ったことも無い町や、これからも行きそうに無い町の地図を眺め、
今から向かったら何時間かかるのかを検索し、ニヤニヤするのだ。
そして、僕が発明した新しい遊びとして「カーナビクエスト」も僕の中で大流行した。
まず、0〜9までの目がある十面体のさいころを買う。東急ハンズや大きめのおもちゃ屋さんなら300円くらいで売っている。
次にカーナビの目的地電話番号検索画面を表示させる。さいころを振り、出た目を一つずつ入力していく。
「該当する電話番号はありません。」になってしまった場合はもう一度振りなおし、目的地が決定するまで続ける。
あとはカーナビの音声案内にしたがってドライブスタート。
「霞ヶ関インターチェンジカラ首都高速ニ乗ッテクダサイ。」なんて言われるたびにドキドキ。「僕らは今どこへ向かっているんだろう。」
あらかじめ自分のカーナビの特性を理解して「見えたら面白くない部分」をビニールテープを貼ったり、許されるスケジュールの中で遊ぶために、頭の市外局番を「03」に限定したりするとなお面白い。
「予想到着時間」だけ見えるようにしていろいろ想像したり、、、
自分の意思では一生行くことが無いであろう町や、意外に知っている場所についたりするのが面白い。逆になんでもないところにつくのも良い。
埼玉の郊外のスーパーに着いたときも僕は楽しかった。運転していた友達はいまいちだったようだけれども。カーナビメーカーにお勤めの方、
是非この遊び機能を標準装備してもらいたい。
かみさんのほしがる洋服1万円も、友人から誘われるキャバクラ2万円も、コンビニのの枝豆250円も、恐ろしく高いと感じる僕だが、
このDVDカーナビ30万円は「安い買い物だった」と感じたものである。
ところが、この高級未来玩具は無くなってしまった。
2年前の夏、ラジオ局に向かう途中の高速道路で追突事故をおこされてしまった際に車もろとも大破してしまったのだ。
なんだかんだで(このなんだかんだが猛烈に大変だった。
非常にポジティブなかみさんの「本来だったら大怪我してあたり前の事故で無傷だっただけでもついていたんだよ。」の言葉に泣き寝入りしました。
これまた要請があればまたの機会に、、、)DVDカーナビの分も保障をもらったのですが
(といっても、中古のカーナビの価格に照らし合わせてだそうだ、保険屋め、、、またの機会に。)
買いなおすべく時期にDVDカーナビの技術革新期がぶつかってしまい、機を逃したまま今日に至っている。
今僕が狙っているのは、ルート検索時間が非常に短いというハードディスクカーナビか、
前回買った時より50%ほど安価になっている普及型のDVDカーナビかのどちらかなのだが、
この手のものの技術革新は目を見張るものがあり、携帯電話などの移動体通信が新しくなると機能性が一気に上がるであろう事から、
カタログをもらっては待機の毎日である。
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