編集長
伊集院光の一言
私はブラジャーが苦手だ。
といっても、乳の納まりがうまくいかないので装着するのが苦手だとか、噛んだり嗅いだりする際の味や臭いが嫌いだとか、前世の因縁やらなんやらで、ブラジャーを見ると意味もわからず鳥肌が立ったり泡を吹いて倒れたりという類ではない。
「ブラジャー」という言葉が苦手なのだ。
こうしてたった数行の文章の中でこれだけ連呼しても大丈夫なところを見ると書くのはOKなことには今気が付いたが、発音するのが苦手なのだ。
世間の品性ランキングから言えばこの何ランクも下に位置する品性下劣なワードも何の問題も無く言える。
というより、むしろ言える事が大人の人間として問題なくらいにきっぱり言える。
例えば、絶景の高尾山頂から向かいの山に向かって「ちんかすー!」と100ホンで叫べるし、返ってくるこだまにピクニックに来ていた見知らぬファミリーが思いっきりしかっめ面をしていても、我関せず次の「スカトロマニアー!」という120ホンを絶叫できる。
が、この「ブラジャー」だけは34歳の男が顔を赤らめてしまうくらいにダメなのだ。
仕事上、必然性があって言わなければいけないときも(一般の人から見れば「そんな時があるのか?」と思うかもしれないが、職業柄今まで何度かあった。
先月「ワコール社の新製品開発部が画期的商品『天使のブラ』を開発販売そして大ヒットさせるまで」というドキュメンタリーにコメンテーターとして出演した。)意識しすぎて変な調子になってしまう。
「この乳バンドは、、、。」あえて「ブラジャー」という言葉を避けるがゆえに私の口から出た言葉はとてもまじめにコメントしようとしているとは思えないものだった。
このままではいけない。いつ何時ブラジャー関係の仕事が繰るとも限らない。
でも意識すればするほど「ほら、あの女性が、胸に、、、ぶ、ぶら、ブラジャー、、、。」と言う風にいやしい感じになってしまう。
原因は何なのか?考えてみた。
結論は「私は人の何倍もブラジャーが好きらしい。」一般の人にして見れば何のことはない単なる下着の一種に過ぎないブラジャーだが、私はあまりに好きで過度のエロを感じるので、照れるのではないだろうか?
そういわれてみればアダルトビデオも素っ裸より、ブラジャーを上にずらして乳が出ているものが好きだ!間違いない。納得。
納得したところでどうしたら良いのかはわからないが、この数行で「ブラジャー」という言葉を言うのことの数倍も恥をかいている気がする。
(以上、全文1,014文字÷テーマ「ブラジャー」5文字、202倍返しでお送りしました。)
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