ラヴクラフト全集2東京創元社
H・P・ラヴクラフト 宇野利泰訳
THE CASE OF CHARLES DEXTER WARD AND OTHER STORIES
by Howard Phillips Lovecraft(1890-1937)
初版発行1976年8月20日訳・宇野利泰
訳:宇野利泰/カバー:ヴァージル・フィンレイ
〈創元推理文庫F523-02〉
二十世紀最後の怪奇小説作家H・P・ラヴクラフト。その全貌を明らかにする待望の全集――本巻には、宇宙的恐怖にみちた暗黒世界への鍵ともいうべき『クトウルフの呼び声』をはじめ、冥界の旋律にとらえられた老音楽家の怪異を描いた『エーリッヒ・ツァンの音楽』そして作者三大長編のひとつ『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』の全三編を収録。
太古の昔、全宇宙を支配していたという邪悪な神々は絶えてしまったわけではない。再びこの世を掌中におさめる時がくるのをいまなお待ちうけているのだ。本書は、悪夢のようなクトゥルフ神話を生んだ鬼才ラヴクラフトの全集第2巻である。宇宙的恐怖《コズミック・ホラー》に満ちた暗黒世界への鍵ともいうべき作品「クトゥルフの呼び声」そして「エーリッヒ・ツァンの音楽」魔神たちの秘密を知った青年を襲う恐るべき出来事を描いた、随一の長編「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」を収録。
目 次
クトゥルフの呼び声 The Call of Cthulhu(1926)
エーリッヒ・ツァンの音楽 The Music of Erich Zann(1921)
チャールズ・ウォードの奇怪な事件 The Case of Charles Dexter Ward(1927〜1928)
1 結末と序曲
2 先人と妖異
3 探査と招魂
4 変容と狂気
5 悪夢と消散
訳者あとがき