ひぐらしのなく頃に礼
罪恋し編
そういうわけで!!本日のビリは前原圭一に決定〜〜!!!」
「うおおおぉおぉおー!! まっまっ、また!!また負けたああぁあぁあ!!」
こうして、前原圭一の恥ずかしい罰ゲームが、今日も決定したのだった。
どんな恥ずかしい罰ゲームだったかは、取り合えず彼の名誉のために、内緒としよう…。
「のわああぁあぁああぁぁ!!やめッ、許して!!ひぃいいいぃい!お婿に行けなくなるーー!!」
「何でだ、何で俺は勝てないんだ…! 最近、明らかに勝ってない。というか罰ゲーム常連だよな。…お、俺はこのままみんなの着せ替え人形になってしまうのかあぁあぁッ!!」
枕を涙で濡らすという言葉があることを、圭一は身をもって体験している最中だった……。
「あぁぁ…神さま仏さま、いらっしゃるならどうかお聞き届け下さい。部活に負けないようになりたい! どうか俺に不敗の力をーー!」
その時!!バァンと天井の板が跳ね飛び、そこから3人の人影が舞い降りてきたのである!!
「水臭いよKぇええぇええぇぇい!!神さま仏さま聖母さま!! 祈る対象数あれど、その前に頼るべき頼もしい味方がいるじゃあないか!!」
「トミーッ!!」
「クラウド!!」
「そしてイリーッ!!」
「「「見参ッ!!!」」」
「おわぁッ!! み、みんな、こんな時間に何の用だよ?! 取り合えずどうして天井裏から現われたかは不問とするけどさぁ…。」
「決まってるじゃないか。僕たちはソウルブラザー、魂の兄弟だよ!!」
「そうですよK! あなたの悩みは私たちの悩みです!! あなたはさっき泣いていましたね?! 最近部活に勝てない、と!!」
「んっふっふっふ! あなたの願い、私たちが見事聞き届けてあげますよぅ!! 勝たせてあげます!! 勝てる力をあなたにあたえてあげます!!」
「ぅ、うわあぁん、みんなぁ〜!! ありがとう〜〜!!!!」
ひし! 堅く抱き合う男4人。
熱い友情にぐっと来る光景だった…。
「勝ちたいのにどうしても勝てないんだ。どうしてだろう…。」
「K。あなたはどうして勝ちたいんですか?負けたくないから勝ちたいんですか?」
「そりゃそうだよ…。最近、罰ゲームがどんどん恥ずかしいのにエスカレートするんだ。…だからビリだけは何とか回避したいし…。」
「その消極的な姿勢に問題があるのです!ビリを回避すれば罰ゲームにはならない。そんな後ろ向きな闘志だから勝てないのですよ!!」
「う、……う、……た、確かに! 今の俺は、優勝狙いじゃない。罰ゲームさえ回避できればそれでいいっと考えている…。」
「気付いたようだね。罰ゲームを恐れるがゆえに、君はいつの頃からか優勝を目指す貪欲な牙を失ってしまったんだ。」
「その牙を取り戻した時、Kは本当の力を開花させるのです!!!」
「さすが人生の先輩たちだぜ…。言われるとおりだ……。でも、どうやったら俺はその牙を取り戻せるんだろう…。」
「あなたは罰ゲームが恐ろしくて、牙を失いました。ですが、罰ゲームを思う時、再び牙を取り戻すこともできるのです!!」
「?! クラウド、そりゃ一体、どういう意味だい…?!」
「だ、か、ら!!罰ゲームですよおおおぉおぉ!!!」
「例えば、魅音ちゃんだ。いつも君に恥ずかしい衣装を着せる張本人だね?! その魅音ちゃんに逆に恥ずかしい衣装を着せてやるのはどうだろう?!」
「魅音に着せられて恥ずかしかったというと……あれだ!スクール水着を着せられた時!! あの時の屈辱は一生忘れんんんん!!」
「そう! その屈辱を復讐してやるのです!!つまり魅音さんにスク水を!!」
「おおっと、ただ着せるだけじゃつまりませんからね。そのまま一日授業を受けてもらうのはいかがでしょう〜!!」
「「「ななな、なんだってーーー?!?!」」」
「ば、罰ゲームってのは一瞬耐えればいいものだと思ってた。…そ、それを一日に引き伸ばすことで…何と苛烈な罰ゲームに!!!」
イリーの妄想の中で魅音はスクール水着を着せられたまま、一日を過すことを強制されていた。
「このスク水に靴下、靴というあり得ない着合わせが素晴らしいじゃないですか〜!!」
「しかもそんな格好で、……顔を真っ赤にしながら授業を受けてる…?ふぉおおおぉ!! それいい!! それはいい!!!」
顔から火が吹きそうなくらい恥ずかしいのに、自らの部のルールなだけに部長自ら破ることもできず、辱めに耐えて授業を受ける魅音。
普段、自信満々の魅音のそんな表情からは、何にも勝る勝利の愉悦を感じられることができた。
「どうですK?! こんな罰ゲームなら勝ちに行きたくなるでしょう?!」
「行きたくなる!!なる!! イリー、すげえよッ!!!」
「さあさあ、まだまだ序の口だよK! 魅音ちゃんに勝つ意義を確認できたところで、この調子で他の部活メンバーにも勝つ意義を確認してくのだーー!!!」
「「「おおぅ!!!!」」」
「魅音の次となれば、やっぱりレナだなぁ。」
「皆さん、スク水もいいですが、やはりメイド服は絶対に抑えておきたいですね〜!」
「うーーん、いいねぇいいねぇ、レナちゃんに似合いそうだなぁ!!」
「んっふっふっふ!皆さん、着せるだけじゃあ罰ゲームとしては成立しませんねぇ!」
「何だよクラウド。じゃあメイドレナにも授業を受けてもらうのか?」
クラウドがチッチッチと言いながら指を振り、にやあっと笑う。
「ここはですねぇ、ひとつ爽やかにヨーグルトを食べる手伝いでもしてもらうんです!」
「……はい? クラウド、そりゃあどういう罰ゲームなんだい?」
クラウドの妄想の中で、メイドレナは短いスプーンを逆向きに咥えさせられていた。
そして、その咥えたスプーンでたどたどしくヨーグルトを掬うと、勝者であるKの口へふるふると運んでいく…。
手を使うわけじゃないから、ヨーグルトがぼたぼたとレナの胸元や口の周りを汚して、それはそれで何だかスゴイ光景だ。
それに、口で咥えたスプーンが顔の近くまで近付いてきて……レナの吐息すら感じるくらいの間近に…。
ヨーグルトを口に入れるとき、スプーン越しに二人の唇が触れ合っているわけで……わおおお!
「むっふっふ、女の子のいるお店なんかにあったりするお遊びなんですがね?未成年の前原さんにはちょいと刺激的過ぎましたかねぇ〜〜!!」
「ク、クラウド〜!!!そんなお遊びが出来る店なんて初めて知りましたよ〜〜!!!」
「むっふっふー!!悪いお店のことならこのクラウドにお任せをーー!!!」
「「「イェアーーーーッ!!クラウド最高ぉおおぉお!!!」」」
「よっしゃ、沙都子に梨花ちゃんはどうしてやろうかなぁ!! あのペアにも散々やられてきたからなぁ!!」
「今度はエンジェルモートの衣装も使いたいですねぇ。Kも着せられてばかりで、たまには着せ返してやりたいでしょう!」
「はっはっはっは! もちろん着せるだけでは面白くないよねぇ!そこで! 僕に名案があるんだ! それはねズバリ!!掃除当番を代わってもらうんだ!!例えばガラス拭きとかね。」
「トミー、思いつきは面白いですが、今ひとつ萌えるものがありません。しかしなぜにガラス拭きなんです?」
トミーの瞳の中で、沙都子と梨花の二人はSサイズのエンジェルモート制服に着替えさせられていた。
こんなものを着るはめになるとは思わず、沙都子は真っ赤で照れ隠しに睨むような目つきをしている。
そして二人は机を窓際に運んで、その机の上によじ登る。
「そしてね、ここからが核心なんだ。二人に窓を拭いてもらうんだよ、お尻でねぇ!!!」
ぶはッ!!
Kとクラウド、そしてイリーの鼻から赤い飛沫が飛び散る。
妄想の中の二人は、まさかこんな格好でこんなことをさせられるとは思わず、さすがの梨花ちゃんでさえ恥ずかしそうに俯いている。
…そして二人で揃って、お尻でのの字を描くように、きゅっきゅっきゅ。
トミーに言わせると、ガラスであることがポイントらしい。
つまり、ガラスの内外、どちらからでも見ることができるということだ!!
さすがは野鳥専門カメラマン!! こだわりが違う!
「どうだい!!これが僕の考えた罰ゲームだよ!!!」
「「「トミー!!トミー!!!トミー!!!最高だぜ、ウヲヲオオオオオ!!!」」」
「そうだそう言えば俺、詩音のヤツにも散々借りがあるんだよなぁ!!!」
「よしよし! Kの恨みが癒えるような罰ゲームの復讐を考えようじゃないか!!」
「むっふっふ〜!! 園崎姉妹はナイスバディですからねぇ! 力が入りますよぅ!」
「この辺で脱衣系を抑えておきたいですねぇ〜!! 前に竜宮さんにやってもらった、上下一枚ずつ脱衣の路線でひとつ!」
「……む! 閃いたぜみんな!! 今度はこのKのアイデアを聞いてくれッ!!! まずだな、詩音にはスクール水着を着てもらう。」
「魅音ちゃんにも着せたね。そのままじゃ捻りがないよ?」
「ちっちっち! トミー、答えを焦っちゃいけないぜぇ?! でだな、さらにその上に体操服とブルマも履いてもらうわけだ。この状態で脱いでもらう!! ブルマだけを半脱ぎで脱いでもらうわけだ!!!」
「「「そそ、そのコラボレーションは一体ぃいぃいッ?!?!」」」
Kの妄想の世界の中で、体操服姿の詩音は真っ赤になりながら膝立ちになっていた。
そして……勝者であるKの命令に逆らえず、ふるふるとブルマを半脱ぎする…。
脱げかけのブルマとそこからのぞくスクール水着の下腹部!!!
本来は露出していてもちっとも恥ずかしくないスク水が、体操服の内側から、脱げてのぞくことによって、スク水単品ではあり得ない萌えを生み出すッ!!
「これは何と言う組み合わせでしょうK!!! あり得ない、絶対にあり得なかった2つの衣装が互いの長所を活かし合いながら最高の魅力を引き出している!!」
「「み、見事だよKえええぇえい!!わおおおおぉおおぉッ!!」」
「あーーオホン、皆さん。部活メンバーではないのですが、せっかくなのでうちの鷹野さんにも罰ゲームを考えてみませんか〜〜!!」
「むぅ〜〜ん!!確かにあの悩ましいボディは罰ゲームものですなぁ!!」
「しかし…鷹野さんって、余裕ありそうっていうか、…並大抵の罰ゲームじゃ堪えそうにないよなぁ。」
「ということはだよK!これまで以上のスゴイ罰ゲームを考えないとダメってことさあ!!」
「くぅおおおおぉぉ!! 何だか燃えて来るぜッ!! あぁくそう、鷹野さんにどんな罰ゲームをお見舞いしてやろうかなぁ!!」
「ひとつ閃きました。あの豊満なボディには何といってもバニースーツが似合うと思うのです。」
「ん〜〜〜、バニーさんのいるお店だと、そうだあれだ、胸の谷間にライター挟んでくれるヤツ! あれを抜きには語れませんねぇえぇぇ!!」
「でもクラウド、部活は学校でやるんだから、煙草の道具はちょっとまずいんじゃないかな。」
「ん!!トミー、それだよ!!! 学校にあるものを挟んでもらえばいいだッ!!ほら、リコーダー笛ってあるだろ?!」
「あーーー!! 縦笛のことですかぁあ!! あ、あれを、鷹野さんの反則級の胸で、胸で、挟んで!!!」
「縦笛は長いですからね、さすがに長さが余っちゃいます。ですからね、胸で挟みながら、こう、舌を絡めてですねぇえぇ〜〜!!」
「うっわ、それを鷹野さんにやらせようっていうのかいッ?!!?………じ、実は僕、縦笛を持っていてね。今度、こっそり試してもらうよ…。」
「ぬぬ、抜け駆けはいけませんよトミー!!私たちはソウルブラザーじゃありませんかああ!! そう言えば、うちの婆さんも尺八持ってたなぁ、今度持ってきます!!」
「うーーーん! 私は横笛なら昔やってたんですが、OKでしょうか…。」
「「「OKぇえぇええいい!!!!」」」
「そうだ忘れちゃいけない。知恵先生がいました。規律を教える教育者として、やはり罰ゲームのルールには逆らってはいけないでしょうね!!」
「ち、知恵先生?! ……先生に罰ゲームかぁ…。全然考えたことなかったなぁ…。」
「んっふっふ! Kは知恵先生が担任ということもあって、女性というフィルターが外れていたようですねぇ〜。知恵先生は素晴らしいですよ!!均整の取れたボディは隙がなくッ!!鷹野さんが悪魔的魅力だとしたら、その魅力は清楚で天使に通じます!!サマードレスに隠されたボディを想像するのは、私たち中年に許された最後の知的想像パラダイスなんですよぅッ!!」
「…う、…そう言う風に吹き込まれると…なんか明日から恥ずかしくて、知恵先生の顔がまともに見られなくなりそうだな…。」
「どうしたよK! さっき詩音ちゃんに恥辱の罰ゲームを与えた君が情けない! 担任だから女として見れないなんて、君は少し勉強が足りなさ過ぎるぞ!!!」
「知恵先生って、……お尻が魅力的ですよね。」
「む、…ごくり。確かに、こう、きゅっとした感じが、…いいですなぁ!!イリーの観察眼も大したものです!! さぁすが校医〜〜!!」
「教師と言う聖域をまず崩すことが大事みたいだね!!ならこういうのはどうだろう!! 全校生徒の前で、教壇の知恵先生にだね、お尻を強要するというのはーーーッ!!!」
「「「うっぎゃーーーー!!!!!なんすかトミー、そのフラ○ス書院文庫の女教師シリーズみたいなシチュエーションはあああぁああああああぁ!!!」」」
「あ、ごご、ごめん、お尻を強要じゃなくて、お尻で芸を強要だった。……ほら、子供の頃やらなかった? 罰ゲームで、お尻でのの字を書くってやつ。」
「なるほど! それを教師の身でありながら、全校生徒の前でやらせるわけですね!!羞恥プレイ系とは〜〜!!! トミー、私はあなたとは趣味がますますに合いそうです!!」
「……くっくっくっく! トミーもイリーもそれで終わりってのはちょいと能がないんじゃないのかい?」
「むむ、ではK。あなたはまだこれに何かオプションを追加しようと言うのですか?」
「くっくっく!! 知恵先生にはその恥ずかしいポーズのまま30分は居てもらって、全校大写生大会のモデルになってもらうのだああぁああ!!!」
「「「だだだだ、大!!写生!?!大会ぃいいぃい!!」」」
「そそ、それはすごいよK!!! カメラは駄目だよね? 写生じゃないと駄目なんだよね?!」
「うーーーん、無性に芸術の秋がしてみたくなりましたよぉおおおぉお!!!」
「やっぱり知恵先生はお尻ですよねぇえぇぇえぇぇ…。」
「見たか諸君、これが罰ゲームだ!!ここまでやってこそ罰なのだあああ!!!」
「「「Kぇえい!Kええぇい!Kぇえぇえい!!!わおおおお!!!」」」
「ありがとうみんな!!! 俺、ようやく勝ちたくなったよ。勝つってことがどれだけ甘美なことか思い出したよッ!!」
「私たちに協力できるのはここまでです!!K、あとはあなたが勝利を掴み取るのです!!」
「そうさ、だが俺ひとりが掴むわけじゃない。俺たちでだ!!!!俺たちのこの妄想パゥワァでなあぁああッツ!!!!」
今や圭一は天に届くほどにパワーが高まるのを感じていた。
雨の中を歩けば雨粒が避け、海を歩こうとすれば海が割れて道を譲るくらいに圧倒的に!
かくしてその翌日。
Kは漆黒の魔王の呼び名に相応しい力を振るい、次々と妄想の罰ゲームを実現していった。
その圧倒的な力に、部活メンバーはかなうわけもない。
魅音のあらゆる策は打ち砕かれ、レナのかぁいいモードさえも及ばない。
沙都子のトラップなど、すずめの罠を象に仕掛けるが如し。
梨花もただただ負けた仲間たちの頭を撫でることしかできなかった。
もうこの局面は部活メンバーでは打開できない!!
そう思った魅音は知恵先生に助けを求めたが、知恵先生相手にも充分に妄想パワーを充電していたKには、知恵先生すらも赤子の手を捻るようなものだったのであるッ!
「そ、そんな……! こんな罰ゲームってあんまりです! 前原くん、もう少し他の罰ゲームにはならないんですか!」
「んんんん〜〜〜〜知恵先生ぃいぃ?規律を教える立場であるあなたがルールを曲げるんですかぁ? んん〜〜〜?? ただね、ちょっとお尻を向けてもらって、のの字を書いてもらうだけでいいんです。明日の図工の時間にねえぇえ〜!!ちょっと写生のモデルになってもらうだけでいいです。」
「で、でも…こんな…は、恥ずかしいこと…! ひ、ひどすぎます前原くん…!」
罰ゲームに対して多少の覚悟がある部活メンバーに比べると、知恵先生は罰ゲームにかなりの抵抗があるようだった。
…だが、頑強に抗いながらも、この部活という世界の究極法則である勝者の絶対命令に逆らえず…その心は次第に屈しかけていた。ガラリ!!
その時、教室の扉を開けて現れたのは校長だった。
誰もが、校内最強のジョーカーが助けにきてくれたと信じていた。
だが、校長の口からは思いもかけぬ厳しい言葉が零れるのだった…!
「ふむ。両者合意の上でなら仕方あるまいのぅ。知恵先生もここはひとつ教育者としてルールを守って罰ゲームをするしかありませんぞ。うむうむ。」
「くっくっくっく…、校長〜〜!!! あんたはやっぱり分かってくれると思ったぜええぇ!!」
「……そ、そんな〜。…校長先生なら、この状況を豪拳いっぱつで吹っ飛ばしてうやむやにしてくれると思ったのに…!」
校長先生は、部活メンバー一同が壮絶な罰ゲーム衣装に身を包んでいる、この凄まじい光景を見ても平常心を崩さなかった。…さすが校長だ。
「ふむ、それで竜宮くん。これはどんな罰ゲームになるのかね?」
「……えっと、…何だっけ?」
レナは沙都子と梨花に振り返り、互いに首を傾げながら言った。
「え、…えっと! 確かその、お尻を向けて………何だっけ?」
「違いますわよレナさん。確かシャセイがどうとかと言ってましたですわ。」
「……つまりは圭一が知恵のお尻を強要しているのです。」
圭一は最後に聞いた音は、校長が3ゲージ技を使用した効果音だけであった………。
「教訓! 妄想はひとりで楽しみましょう! 人に押し付けたらダメです!」
「……ううぅ、すみませんでした先生…。今後気をつけます…。」
で、その後の圭一はその言いつけを守り、妄想は1人で楽しむようになったという。
「…うぇへへへへへへへへ〜〜〜〜☆」
「前原くん!! 授業中に変な笑いをしないようにー!! お願いだから先生をそーゆう目で見ないでー!」
今日もKは、最高に幸せな一日でした☆
「そんなわけで、オマケシナリオをお楽しみいただけましたでしょうか。何だか、Hなシナリオでしたね…。こんなのでもよかったのかな…。」
「それにしても今回のシナリオは、何だか圭ちゃんばっかりおいしい目を見てたような!」
「なっはっはっは! オチはいつものように酷い目にあったけどさ、俺的には悪くなかったぜー! 罰ゲームも最高〜〜!」
「お、男の方の不健全な願望に振り回されるこっちの身にもなってほしいものですわー!」
「こ、…今回は想像の中ということにはなってても……、ちょ、ちょっとHな罰ゲームが多過ぎだったかな、かな…。」
「多いも何も、全部Hかったような気がしますけど。スク水の上に体操着で半脱ぎなんて、露骨過ぎです。」
「……ボクと沙都子は、2人まとめて慰みものだったのです。」
「お尻で窓拭きなんて、みっともないったらありませんわーー!!」
「私、……口で…スプーン、…ヨーグルト…。どきどき、…はぅ〜…。」
「ちぇー! みんなの罰ゲームは割りと短めでよかったじゃんよ! 私なんかスクール水着で丸一日だよ?! 明らかに私だけ不当だよー!」
「な、何だよみんな。俺に当たるなよ…! 俺だって台本に従っただけだぜ!いやしかし、本編でもぜひもう一回やりたいシチュエーションだったぜー!! わはははははは!」
「本編では圭一くんがひどい目に遭うことが多いからね…。妄想イベントの中でくらい、たまにはいい思いをしてもいいのかな、かな…。」
「……妄想の中でしかいい思いができないのです。かわいそかわいそです。」
「妄想の中でも充分に迷惑でございましたわー!! 何か腹が立ちますわね!」
「ふむ。じゃあこれは、妄想の中の恨みは妄想で晴らすしかないってことですね。」
「わっはっはっは! そりゃ道理だなぁ! 妄想の中なら一向に構わないぞ。妄想の中の俺になら、好きな罰ゲームを与えるがいい! 俺は痛くも痒くもないからな〜!」
「詩音さん、…妄想の中だけで仕返ししても、何だか面白くありませんわよ。」
「沙都子〜、違う違う、これはね。今度圭ちゃんがボロ負けした時、何をさせてやろうかという作戦会議なんだからさぁ!」
「あはははは、なるほどね。今回のシナリオの中で圭一くんたちがやっていたことを私たちもやってみようということだね!」
「そういうことなら、何となく面白そうでございますわねぇ! 素敵な罰ゲームが思いつきましたら、より圭一さんを叩きのめす楽しみが増えますものねぇ。」
「そういうことです。妄想こそ我らの明日の糧。ではとりあえず、ちょっとトライしてみましょうか。」
「……ふぁいと、おーです。」
「私がやらされたのはスクール水着で丸一日過せ!ってやつだったけど。これに見合うのは何がいいかなぁ!」
「目には目を、歯に歯を、ってよく言うしね。…じゃあ圭一くんにもスクール水着を着せて一日過してもらうのかな…? かな……?」
「ほっほっほっほ!! 圭一さんの惨めな様子が目に浮かぶようですわねー!!」
「真っ赤になりながら、中腰の俯き加減になって必死に下腹部の起立をぐっと隠して過す一日…。くっくっく、まずまずの線です。」
「……圭一くんが真っ赤でふらふら…。スクール水着でずーっと一緒…。…おいなりさんかぁいい……はぅ〜〜!!! お持ち帰り〜〜ッ!!」
「……ボクならやっぱり、メイド服を着せる方がいいと思いますです。」
「いやいや梨花ちゃん、身体のラインが隠せないスク水の方が残酷だって! 男の子のやんごとなき事情も外部に丸分かりだからね〜〜!!」
「やんごとなき事情がふるふるゆらゆら…、ぷわわ〜〜…。はぅ〜〜〜☆」
「私も魅音さんに同じ意見ですわね。メイド服ではちょっと在り来たりでしてよ?」
「……メイド服を着て、監督の試合に出てもらうのですよ。」
「雛見沢ファイターズの試合にですか?! ……これはまた、……さっすが梨花ちゃま。エグイというか残酷というか。」
「か、監督の試合にメイド姿で参加させるなんて、サメの生け簀に足を縛った羊を投げ込むようなものですわよ…!!」
「監督がどういう反応を示すか、ちょっと興味はあるねぇ! よぅし、シミュレートしてみようかね!! 妄想モード、スイッチオン!!」
『ま、…前原さん…!!!! そそ、その格好は一体…ッ?!!?』
『『『ざわざわざわざわざわッ!!!』』』
『いやそのあの!! ここ、これはですね、…その、部活の罰ゲームでして…。すす、すみません、決して野球の試合を馬鹿にして着てきたわけじゃないんです!』
『『『ざわざわざわ。あんな格好で、不真面目な。野球を馬鹿にしてる!』』』
『いや…その、決してそんなつもりは……。』
『今日は不愉快ですよ雛見沢ファイターズさん! 今日の試合はお流れにしてもらいましょう!』
『…………あ、…その、……。』
畏縮する圭一の前に、毅然とした表情の監督が庇うように割り込んだ。
『……皆さん、お静かに! 野球のスポーツマン精神の中にはユニホームを着なければ野球をする資格はないとは一言も書かれていません。かつて日本野球が戦乱を潜り抜けた時、ユニホームが揃えられず軍服のまま参加した選手もいたと伝え聞きます。大切なのは精神です! それに野球の源流は18世紀の英国に遡ると言われています。英国と言えばもちろん、メイド。メイドです。メイド文化は、ナイル・インダス・ユーフラテスに連なる四大文明であることは今や小学生でも知っている常識です。まさに野球文化の発祥国で生まれたこのメイド文化のメイド服は、ある意味、私たちが着ているこのユニホームよりもずっとずっと古式に則った、野球の正装と言えるのです!!!』
『『『うおおおぉおぉおぉぉぉぉ!!! 監督! 監督!! 監督!!!』』』
『『『服装なんてどうでもいいじゃねぇかー!! 試合を開始しろー!!』』』
カキーーン、ワーワー。
ズシャー、ワーワーワー!
『この鉄火場で、前原さんの出番ですね。ご存知の通り、我が雛見沢ファイターズと興宮タイタンズの因縁は並々ならぬものがあります。この打席をしくじるようなことがあれば、ただでは済まされませんよ。』
『……ぅ、…、せいぜい頑張りますけど…絶対打てる約束はできないですよ…。』
『嘆かわしいですね。主人の命令には絶対服従のメイドが絶対に口にしてはならない言葉ですよ。もしこの打席を凡退するようなことがあれば。』
『…あ、…あれば……?』
『あなたに罰を与えなければなりません。 ……正装のメイド姿で臨み敗れることは即ち、野球とメイドの両文化に対し侮辱したも同然です。その場合はもちろん、英国式であなたを罰することになります。』
「…英国式の罰って何ですか?!
びくびくしながら尋ねる圭ちゃんに、監督は冷えた爬虫類のような目でニヤリと笑うと、圭ちゃんの腰を撫でながら耳元で囁きかけます。」
「なな、何だろ、英国式の罰って何だろ、何だろ……。はぅうぅ〜〜…。」
「バッターボックスに立った圭ちゃんはバットを握ってハッとします。
しまった、このバットには細工がされている、打てるわけがない!
そう、監督にはめられたのです。このままでは圭ちゃんの純潔は監督に散らされてしまうことに…!!」
「おいおいちょっと待てや詩音んんん!!! 黙って聞いてりゃとんでもない話ばかりしやがって!」
「あーほらほら圭ちゃん、邪魔をしないー! これは妄想の中の話だからね? 現実の圭ちゃんには何の関係もないんだからさ!」
「そうですわー!! 女性同士が集まって妄想話をしてるだけですのよ? 圭一さんたち男性が集まってしてたのとまったく同じではありませんですの〜。」
「そ、…そりゃあそうだけど、…例え妄想話でもやっぱり聞き捨てならんぞ。」
「……圭一も聞きたいのなら、お椅子に座ってじっくり聞くといいですよ。…にぱ〜☆」
「他の罰ゲームの話もしたいですわねぇ! そうそう、圭一さんたらバニーガールさんの制服がいいなんて話もしてましたっけ?」
「あとお尻で窓拭きなんて話もしてたっけぇ…? 圭ちゃんもなかなかスゴイこと考えるじゃ〜ん?」
「俺じゃない!! しかも微妙に罰ゲームが混じってるよそれ! しかもそれ、富竹さんとか大石さんのアイデアだよ!! まぁその、悪ノリしたのは認めるが…。」
「はぅ〜!! 考えたのなんか別に誰でもいいよぅ! 圭一くんのバニーさん姿も、かぁいいねぇ…☆」
「ではではこっちも行って見ましょう。妄想モード、スイッチオン!!」
『……くそ…! ただでさえ恥ずかしい格好だってのによぅ! しかも…尻で窓拭きかよ!! くそ…、胸を押さえてないと、ペロンとめくれて恥ずかしいったりゃないぜ…。くそ、情けなくて涙が出るぜ。……よいしょよいしょ、……キュッキュ。』
パシャパシャパシャ!!!
パシャパシャパシャパシャパシャパシャ!!!
『おわああぁあ!! こ、このフラッシュは?! 秒間数百枚の超連射撮影!! と、富竹さん?! ぎゃーー、やめてください、こんな姿撮るのー!!! 大体あんた、野鳥専門のカメラマンじゃなかったんですかーーー!! いつからバニー撮影家にー!!!』
『け、圭一くん、誤解してもらっちゃ困るなぁ。僕は野鳥専門のつもりだよ? もちろん、今この瞬間もね! パシャパシャパシャ!!!』
『一体、何の鳥を撮影してるか説明してくださいー!! その望遠レンズは一体、何を拡大して撮影してるんすかーー!!!』
『圭一くんは山鯨というのを知っているかい? もちろん、山に鯨などいるわけがない。でも江戸時代の人たちはね、山に泳ぐ鯨がいると言って、その魚肉を珍重したんだ。はっはっは、これは実はね、イノシシの肉のことだと言われてる。当時は、宗教的な理由により獣肉を食べることが禁じられていたからね。鯨だから魚肉、すなわち食べても問題はないっていう屁理屈だったわけさ。 パシャパシャパシャ!! ほら、手で隠さないで! お尻で窓を拭く拭く!』
『な、何だかオチが読めて来ましたけど、とりあえずそのパシャパシャをやめてくれませんかー!!!』
『そうさ、バニーは兎。兎もまた江戸時代には鳥の仲間だと言われていたんだ。これも山鯨と同じ。兎肉を食べるために、これを鳥肉だと屁理屈を言ったわけだね! そう、つまりバニーさんは鳥の仲間なわけなんだ! だから僕が君をファインダー越しに捕らえたとしても、それはまったくの無問題というわけさ!! ほら、まだ拭き残しがあるよ! パシャパシャ!!!』
『兎鍋は江戸庶民の間で大流行したってのは俺だって知ってますけど…、でもそんな文化と俺の恥ずかしい姿の撮影には何の関係もないーーーー!!! それに兎鍋は料理人の領分じゃないんすか?! 富竹さんはカメラマンでしょ、詭弁ですよー!!』
『わかってないな圭一くん!! 僕はカメラマンだが、同時にファインダー越しの料理人だと思うこともある! 熟れた兎たちの魅惑的な肉を前に、腕をまくらずしては料理人の名折れ!! 僕は今、君と言う最高の食材を得て最高の料理に腕を振るっているんだよ!!!』
『ぎゃーーーー、変態カメラマンやめてーー!!! 盗撮カッコワルイ!! ローアングル撮影絶対反対!!』
「どわあああぁーー!! お前らいくらなんでも酷すぎるー!! こりゃもう罰ゲームの領域を超えてるぞー!!!」
「をっほっほっほー! さっきからこれ、私たちの妄想だと申し上げてましてよー? 現実の圭一さんには何の実害もございませんわー!」
「実害はある!! お前らがニヤニヤ話しながら時折流してくる、怪しげな目線が舐めるようでくすぐったい!!」
「目線が舐めるわけないでしょー? くっくっく! 妄想とは即ち考えること。思想言論の自由は戦後日本でもっとも保障された権利だからね〜〜!!」
「…でもでも〜〜☆ 妄想だけで済むかどうかはわ〜かんな〜いね〜〜☆ 次の部活が楽しみ〜〜〜!! はぅ〜〜〜!!! 圭一くんがお尻できゅきゅ。はぅ〜!! お持ち帰り〜〜!!!」
「をっほっほ!! 私も今から壮絶なトラップワークが頭に浮かんで参りますわね! 絶対絶対絶ーッ対、これら罰ゲームを圭一さんにやらせてみせましてよー!」
「お姉、次の部活には絶対、私も呼んでくださいね。園崎家の総力を挙げて完全勝利を勝ち取りましょう!」
「……園崎姉妹が手を組んだ日には、これほどはた迷惑なこともないのです。」
「あと、大石とも絡ませないとね〜! レナはヨーグルトを食べさせるって罰ゲームだったっけ?」
「あーあと、さっきから悟史くんの出番がないのがつまんないです。せっかくですから、悟史くんと圭ちゃんで、交代交代で、口に咥えたスプーンでヨーグルトの食べさせっことかしてくれると………ぅぷ!! 鼻血出そう…。」
『く、くっそーーお前ら、覚えてやがれーー!!!!』
『む……むぅ、…仕方ないよ圭一。…負けちゃったし。』
『くそくそー!! 負ける勝負じゃなかったのに! 中盤のあの凡ミスが痛かった…。あれさえなければ挽回は出来たのにーー!!』
『むぅ…。…ご、ごめん。』
『………あ、いや、…悟史だけが悪いわけじゃないよな。あの時、その場でミスに気付かなかった俺にも責任はある。…言い過ぎたよ。謝る。』
『今日は僕たち、負けちゃったけど。きっと勝てるよ、僕たちなら。』
『…………………あ、………あぁ、そ、そうだな! 今日は潔く負けを認めて、次回を頑張るしかないもんな…! はははは……。』
『じゃ、…罰ゲーム、とっとと済ましちゃお。じゃ、僕から行くね。スプーンを口で咥えて、ヨーグルトをすくって圭一に食べさせればいいんだよね。…………んむ、………んん〜〜〜〜〜〜〜〜…。』
『……………………ぁぅ、………ぅ…。』
『………どうしたの、…圭一? 早く食べてくれなくちゃ、顎がくたびれるよぅ…。』
『…………いや、その、……………男同士でこんなことしなくちゃならないなんて、…その、………恥ずかしくて……。』
『あははははは。圭一。罰ゲームの罰というのは、恥ずかしがらせるところにあるんだと思うんだ。だったらさ、恥ずかしがらずにやってしまえば、すっと終わらせられることじゃないのかな。』
『…ま、……まぁそりゃ。……下手に恥ずかしがる方が、連中を面白がらせるだけだし……なぁ…。………でも、…いくらなんでも……。』
『お互いに食べさせっこをすれば終わりだよ。ちゃちゃっと片付けて、おしまいにしちゃおうよ。』
『………理屈じゃわかってるんだけど……なぁ…。……思い切りってヤツが、…その………恥ずかしくて……………。』
『……僕だって、……………本当は圭一とこんなことするの、……恥ずかしいよ。』
『……………え…? あ、………お前の手……。』
『…ね? ……僕だってさっきからどきどきが止まらないんだ。だからさ、…ちゃちゃっと片付けちゃいたいんだよ。じゃないと僕、………………。』
『…………悟史、…………俺………、』
『僕のヨーグルトじゃ、………食べられないかな…。………僕は、…圭一のヨーグルトなら、……食べたい…よ…?』
「うおおぉおおぉぉ、悟史ぃいぃ、ガバ!!あぁそして2人は禁じられた愛への第一歩を踏み出すんです!」
「むがーーー!!! にーにーを変な罰ゲームに巻き込まないで下さいでございますわー!!!むが?! あうあうあうあ…!
「わー、梨花ちゃん何それ、クロロホルム?」
「……み〜。、いいところなのに、沙都子はちょっとおうるさいのです。」
「梨花ちゃんの容赦なさって、たまにコワイね。…あははははは…。」
「はう?! いつの間にか圭一くんがいないよ?! レナじゃない誰かがお持ち帰ったーー!!!ずーるーーいーーーッ!!!」
「大石さん、いますかー? 一般の方から外線でーす。」
「ど、どうしてロンしちゃダメなんすかぁ?! あ、待ってくださいよ大石さぁん!」
「ありゃ、こりゃどうも。それじゃ、ちょいと失礼!」
大石の向かいの席の男が受話器を振っている。
「外線です。公衆から。」
「あーどうもすみません! ……お待たせしました、大石です。もしもし?」
『お、大石さんですか?! もしもし?!』
「前原さんじゃありませんか。どうもどうもこんにちは…!」
『……お、…俺、最初は普通のお疲れさま会だと思ってたんです。……でも、何か最初からずーっとおかしいんですよ!!』
「落ち着いて下さい前原さん! 今、警邏車を向かわせます! 3分でいいから何とかその場を持ちこたえてください!!」
『3分どころか、もう俺、囲まれて……、
ぎゃぎゃ!! やめてー!!! せめてやさしくしてーーーーッ!!! ドタバタ! 大人しくしなって、男のクセに往生際が悪い! 助けてー!! お母さーーん!!
はぅあぅ、もがく圭一くんもかぁいいね〜〜、お〜〜持ち帰り〜〜!!!
ドタバタ、この電話ボックスに逃げ込んだ時点で私のトラップに引っ掛かっていたわけですわね〜!
ギュム〜〜〜〜〜!! うぐぐぐぐ…がくり。』
「もしもし?! もしもーし?! 聞こえてますか前原さん?!」
『……にぱ〜☆ ガチャン! ツーツーツーツーツー…。』
こうして1人の不幸な少年が、またしても雛見沢の闇に飲み込まれたのであった…。
;■完
お疲れ様会
「『ひぐらしのなく頃に礼』、お疲れさま会〜! ドンドンぱふ〜!」
「『解』以降、大掛かりな話がずっと続いたからなー。こういう小粒なシナリオもたまにゃオツなもんだぜ!」
「いやしかし! 山椒は小粒でも何とやら。最初の賽殺し編なんかはずいぶんヘビーなテーマじゃなかった?」
「…ですよね。私たちって、運命のサイコロのせいにして、ある種の犠牲を仕方なかったって諦めたりってよくするじゃないですか。それが、誰のせいにもできないっていうのは、とても辛い選択だと思います。」
「…私にはよくわかりませんでしたけど、祭囃し編の大団円の後にこんな意地悪なシナリオが来るなんて想像もしませんでしたわ!」
「……何だかひどい目に遭わされたシナリオだったのです。みー。」
「僕は出番が色々もらえたので嬉しかったのですよ、あぅあぅ☆」
「そ、…そうか? …しかし、自分が主人公だったらと思うと本当に嫌な話だよなぁ。……俺だったら、悩んでる間にタイムリミットで元の世界へは戻れなかった気がするぜ。」
「えー? 何で悩むのぉ。だって、あれは悪夢の世界なんでしょ? 最後に羽入が、あれは夢の世界だったーって言ってなかったっけ? なら、悪い夢を覚ますために努力しなきゃ!」
「違いますよ、お姉。あれは、元の世界を選んだ時点で、選ばなかった世界に思いを馳せること自体が人の身には過ぎてたってことで、それで羽入が夢って言い方をしたんじゃないですかぁ!」
「というか、未練を断ち切るために言ったんだろうね。お話の中の私も、選ばなかった選択肢に対する未練について話してた気がするし。」
「多分、梨花が選べば、どちらの世界も本物になって続いてたのでございましょうねぇ…。もし逆を選んでいたら、元の世界の方が夢だったということになったかもしれませんわ。」
「……沙都子にボールをぶつけられて気絶した時に見た、幻というようなことになってたかもしれないです。」
「その選択を梨花ちゃんに求めたから辛い思いをさせられたわけだが、…いっそのこと、コイントスで決めてもらった方が気は楽だったかもしれないよな。」
「それは多分、お話の中で僕が言った、選択肢から逃げるという意味になるのだと思いますです。……どんな選択肢も、自らが選んだなら納得も出来るし耐えられる。でも、自分が選ばなかった選択肢は、それを理由に延々と愚痴り続けるだけ。」
「そうだね。選択肢って、選ぶ前にもう選択肢があるんだよね。選ぶか、否か。」
「世の中にはどうしても選びようがない選択肢ってありますよね。つまり、賽殺し編はそういう葛藤みたいなものがテーマだったんでしょうね。」
「本当に意地悪なシナリオでございますこと! 私なんか冷たい役だわ、梨花にぶん殴られるわ、踏んだり蹴ったりでしてよー!」
「そんなのいいじゃーん! おじさんなんか出番あんまりなかったー! でもいいもんね〜、祭囃し編ではその分、大活躍だったしー!」
「僕はどっちも出番がいっぱいでお腹いっぱいなのですよ〜、あぅあぅあぅ☆」
「……そうねぇ。あんた、今回の『礼』じゃずいぶん出番をもらってたわね。まぁ、遅い登場だったし、そのくらいはいいのかしら。」
「そ、そういえば私、『昼壊し編』で大活躍だった〜! しかもちょっぴりらぶらぶっぽいシナリオだった。はぅ!」
「だよなぁ! というか、レナがかぁいいモードで大暴れってノリが、『ひぐらし』の初期の頃のイメージで本当に懐かしかったぜ。」
「シナリオ見ての感想ですが。……お姉。もうちょっとしっかりしないと、多分、競り負けます。レナさんって案外大胆で積極的です。」
「……みー。」
「なな、何でみんなに憐れまれなくちゃなんないの!! ふぇ?! どうしてどうして!」
「あははははは、教えてあ〜げない☆ さて、『昼壊し編』は、黄昏フロンティアさんが発表された対戦型アクションゲーム『ひぐらしデイブレイク』の世界観をモチーフにして書いた物語です。この度の『昼壊し編』で興味を持ってくださった方は、ぜひ遊んでみてくださいね!」
「恋愛を成就させるフワラズの勾玉を手に入れるのはどのタッグチームか! 俺とレナの組み合わせの他にも、たくさんのシナリオがあるからぜひ見てみてくれよな!(宣伝)」
「ねぇ詩音さん? そういえば、『昼壊し編』は普段とは違うBGMが登場しましたわね?」
「さすが沙都子、ちゃんと聞いてましたね。そう、『昼壊し編』では、よりデイブレイクらしさを出すために、黄昏フロンティアの音楽家、U2さんからデイブレイクで実際に使われている音楽を何曲かお借りさせていただいているんです!」
「普段とは違う音楽だと、同じどたばたでもとても印象が変わって感じられましたのです。」
「やはり、サウンドノベルというだけあって、サウンドは大事なのです。何しろ、サウンドノベルの7文字の内、サウンドは4文字も占めているのですよ?」
「そうだね。シーンを盛り上げる音楽の演出効果は計り知れないよね! 『ひぐらし』に協力してくださった音楽家の皆さん、本当にありがとうございます! できたらぜひ次回の『うみねこ』でもお力をお貸し下さい〜!」
「お、お、お! サークルHPの制作日記でもたまに出てくるよな、その名前。『うみねこのなく頃に』って! ネタみたいな名前だけど、これって本当に次回新作のタイトルなのか?!」
「えっと、あくまでも仮称だそうだけど、……あは、竜騎士07さんの口癖は、『仮定は決定』らしいし…。」
「……『ひぐらし』はいっぱいひぐらしが鳴いてましたですから、やっぱり『うみねこ』だと、うみねこがいっぱい鳴いてますのでしょうか?」
「うみねこの鳴き声って何だったでしたっけ。…みゃーみゃー?」
「次回は舞台が島になるらしいのです。それで、島と海をキーワードに、鳴く動物の名前を考えていたら、うみねこということになったらしいのです。えっへん。」
「ええ〜〜?! そんないい加減なことでタイトル決めちゃっていいんですかぁ?!」
「とりあえず、仮でもタイトルがないと色々やりにくいだろうからってんじゃない? こういうイメージって、仮でもいいから先に作っとかないと、後から色々面倒になるんだよねぇ。」
「あくまでも仮のタイトルで、他にカッコイイタイトルが思いついたら変更したいそうです。……私は、多分これで決まりなんじゃないかなって思ってるけど。」
「次はどんな話なんでしょうねぇ? “なく頃に”って同じようなタイトルですもの。また変な事件とかで人が死んだりとかするんでございますかしら!」
「きっとそうに違いないぜ…。というか、どんなヤツが主人公になるのか知らねぇけど、災難だなぁ。とにかくこのサークルから主人公の抜擢が来たら、眉に唾つけてよく考えた方がいいぜ…。」
「『ひぐらしのなく頃に』の血脈を受け継ぎ、それでいて『ひぐらし』とは違う世界観を目指したい、とか何とか言ってましたのです。……何を言ってんのか僕にはよくわかってないのです。えっへん。」
「竜騎士07さんも、この『礼』がマスターアップしたら本格的にプロット作りに入るって言ってました。多分今頃、色々と書き溜めてるんじゃないかと思うな!」
「2007年夏コミを乞うご期待なのですよ、にぱ〜☆」
「…もったいぶった次回予告ですわねぇ。そのくせ、何も画面が発表されないところを見ると、本当にこの『礼』がマスターアップしてからが本格的な着手なんですのね!」
ギク。
「まぁまぁ! 何しろ、来年の夏コミまでは8ヶ月ありますからね。のんびり待ちましょうってことです。」
「以後の進捗状況は、ぜひサークルの制作日記でチェックしてね〜! 以上、広報からのお知らせでしたー!」
「『ひぐらしのなく頃に礼』、いかがでしたでしょうか。お楽しみいただけたでしょうか。この度の作品は、『ひぐらし』を楽しんでくださり、応援をしてくださった皆さんへのご恩返しのお礼になればと思い、礼と名づけさせていただきました。お楽しみいただけたのでしたら、それに勝る喜びはありません。」
「俺たちも、祭囃し編でもう出番は終わりなのかなって思ってたら、こうしてまた出演できたのですごい楽しかった! やっぱり『ひぐらし』の世界は色々と暴れられて楽しいよなぁ!」
「そうだよね。賽殺し編も昼壊し編もそうだったけど、喜怒哀楽色々なシナリオがあるのが『ひぐらし』の面白いところだったかもしれないね。私も、いろんな感じでの出番があって、とっても面白かったよ!」
「私はまだまだ出たりないです。もうこれで私たちの出番はないんですか?」
「あぅあぅ。竜騎士07も、これで『ひぐらし』はもう書くことはないだろうと思っていたのですが、今回のシナリオをとっても楽しく書いたので、少し考え直したそうなのです。また時間があったら色々書いてみたいとか言っていましたのです。」
「をっほっほっほ! そうでなくちゃでございますわよ! 私がもっともっと大活躍する話をいーっぱい書いてほしいですわ!」
「……ボクたちの出番は、…いいえ、『ひぐらしのなく頃に』はまだまだ終わらないのです。」
「うん。終わりなんかないよ。だって、私たちはこうして暮らしていて、これからもきっと色々なことを経験していって、いっぱいたくさん大騒ぎするもの。」
「だよな! 俺たちが雛見沢にいる限り、騒動が起こらないわけはないもんな!」
「くっくっく! 楽しい部活ばかりとは限らないよ〜? また何か恐ろしい惨劇も起こったりしてね!」
「そういう惨劇はぜひお姉が主演でお願いします。あぁ〜ん、私は悟史くんとのラブロマンスが演じたい〜!」
「そうですわよ、にーにーが帰ってくるシナリオがまだですわー!」
「…あははは、そうだね。僕ももっとちゃんとした出番があるシナリオとかあるといいかな。」
「そうさ! 僕にだってもっともっとカッコいい出番がほしいよ! 富竹ジロウ風雲編なんてどうだい!」
「くすくす。私たち大人の関係をシナリオに描くには、良い子のみんなには刺激が強すぎるんじゃないかしら?」
「若い方に教育的な内容になるよう、私の若かりし頃の豪快な生き様をお届けするとかどうですかねぇ! なっはっはっは!」
「大石さんの若い頃は興味深いですね。私の雀士時代を描いたシナリオとかも見てみたいです。」
「やれやれ、若い頃をだらだらと語りたくなっちゃあ、おしまいだねぇ。私は青二才時代の話なんてどうでもいいから、主人公になって大活躍してみたいよ。お前さんもだろ?」
「ご冗談を…。私などは派手な役はあまり。知恵先生はいかがですか。お若いですから、もっと派手な役をされたいでしょう。」
「…お声さえ掛かればぜひやってみたいですけど…、私が主人公だと、その、…作品のタイトルが変わっちゃいそうなので…。入江先生はいかがですか? 主人公。」
「私ですかぁ?! それはもう、お声さえ掛かればぜひその大任、お引き受けさせていただきたいですねぇ! 男に生まれたからには一度は主人公をやってみたいものです。小此木さんはどうです? あれだけ強かったんですから、メインで活躍したいと思うでしょう!」
「はっはははは…。私は悪役で充分ですわ。機会がもらえりゃ、またひと暴れしてみたいもんですわ。」
「私もー! 悪役でいいからまた再出演したいー! 私たち悪役が引き立てるからこそ、メインのキャラが引き立つわけだからさ!」
「ワシゃあ、悪役はもう充分楽しんだんで、次は善玉がやりたいんねぇ。お芝居とは言え、女の子苛めるのは性に合わんっちゅうん。なー、沙都子ぉ〜! 次は仲良しのシナリオだといいのぉ〜!」
「をっほっほっほ! 鉄平さんと仲良しなんて何だかくすぐったいシナリオですわねー!」
「……例えお疲れ様会でも、沙都子と鉄平が仲良く並んでるとすっごい違和感ね。」
「あぅあぅ☆ でも、ここにいるみんなと一緒に出演できて、本当に楽しかったのです。」
「また、みんなで一緒に出演できる機会があるといいかな…、かな。」
「あるだろ。俺たちみんなが望めば、きっとまた再会できるさ! 何しろ本編はもう終わってるんだからな! 番外編ってことで何でもアリになるわけさ。どんなとんでもないシナリオでお呼びがかかるか楽しみでならないぜー!!」
「くっくっく、ついに07th初の大人のシナリオ展開とかあるかもよ〜ぅ?!」
「あぁん、でも悟史くんがどうしてもって言うなら断れないかもです。悟史くぅ〜ん!」
「ぼ、僕は…大人も子供もみんなが楽しめるシナリオがいいと思うな。」
「そうですわよ! にーにーと不潔なシナリオなんて、詩音さんの夢の中だけになさいませー!」
「……みー! 夢の中もOKということなら、ボクが成長して、ナイスバディになって魅力でくらくらなシナリオも楽しみなのです。」
「あぅあぅあぅ! 僕はみんなにもっと敬ってもらえるシナリオがほしいのです! 僕は神さまなのですよー! みんなもっと敬えなのですよ〜!」
「あははは、みんなまだまだ出たりないんだね。だから、みんなとはまた一緒に新しいシナリオで出会えそうな気がします。皆さん、今日まで『ひぐらしのなく頃に』にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。『ひぐらし』登場キャラクター一同を代表しましてお礼申し上げます。今日までやってこられたのは全て、応援してくださった皆さんの応援のお陰です。本当にありがとうございました。」
「また番外編の妙なシナリオで再会できることを楽しみにしてます! それじゃみんな、いいかー?! せーのッ、」
「「「皆さん、今日まで本当にありがとうございましたー! またお会いしましょう〜!!」」」
;■スタッフルーム(裏)
「お疲れ様です、竜騎士07です。いやー、このところ、長編ばかりだったんで、たまには短編もいいもんですねー!」
「素直に、作業が楽でよかったと白状するにゃり。こんにちは、今回は有給を取らずに済みそうな八咫桜にゃりん。」
「まぁ、それはさて置いて! 『ひぐらし』もとりあえずのひと段落を終え、いよいよ我ら07th_Expansion.は次なる新作へまっしぐらなのであります! いやぁ、次は何を作ろうかな〜! というわけで! 次回作はどんなのにするか会議、緊急開催〜!!」
「……みー? 『うみねこのなく頃に』で決定じゃなかったのですか? こんにちは、BTなのです。にぱ〜☆」
「うむ。『うみねこ』という仮タイトルを取り合えずつけて、一応の物語の方向性もつけては見たが、そんなことで果たして良いのであろうか。竜騎士07は、より楽しい次回作のため、さまざまなアイデアを次々お鍋に放り込み、ぐつぐつ煮込んで、一晩寝かせたカレーはきっと美味であろうというわけなのです!」
「カレーというより闇鍋という感じにゃり。それに変に混ぜ物をしない方が美味ということもあるにゃりよ?」
「えぇい、そんな守りの姿勢でどうするのだ!! 面白いストーリーというものは、料理に通ず! 絶妙な仕込みとスパイスのハーモニー、そして想像もつかぬ隠し味! それらが最高の高みにまで昇華された時、人々に感動を与える素晴らしい味わいとなる! そのためにも、古今東西の面白ストーリーを研究しそのエッセンスを抽出!それらを取り込み、誰も想像しなかった素晴らしい物語を描き出すのだー!!」
「……みー。迷走の予感もしますですが、考える方向は面白いと思いますのです。」
「甘いにゃりよ…。どうせオチは読めてるにゃり。散々アイデアを考えた挙句、『それじゃ□姫だー!』とか『それはF○teだー!』とか、既存の有名タイトルが飛び出すオチに決まってるにゃりん。」
「むむむむむ、ならばこういうのはどうか! 面白そうなエッセンスを混ぜていくから、最終的には有名タイトルに行き着いてしまう! ならば逆転の発想で、有名タイトルをそのままお鍋に放り込んで、混ぜていく錬金術感覚!!」
「言ってることがさっぱりわからないにゃりんが、…早い話が、今流行っている作品を複数パクって混ぜれば、何か新しい作品が生まれるかもしれないと言いたいにゃりんか?」
「……カレーライスにフルーツポンチにイチゴのショートケーキ。個別に食べれば子供の大好物ですが、全部混ぜたら誰も食べませんのですよ…?」
「そうだろうか? 果たして本当にそうだろうか?! それを実践してみようじゃないか、カレーにフルーツポンチ大いに結構! 荒唐無稽な錬金術も、その過程で数々の化学的発見を生み出している! そう、成果はなくとも過程に得るものはあるのかもしれないのだ! それをいけしゃあしゃあと試すことこそ我が07thの使命! そこに痺れる憧れるぅううぅッ! こいつ、脇に水道があるので泥で唇を洗ってやがるッ!!」
「…カレーにショートケーキ混じってるの食ったら、唇を洗いたくもなるにゃりんよ。でもまぁ、言いたいことはわかったにゃりん。」
「うむ、わかればよい! というわけで、最近流行った、…いやいや、流行などどうでもいい! 最近、各人がハマったタイトルを挙げ、それを鍋に放り込んで煮込んでみようではないか!! では…まずはBTさん、行ってみるべし!!」
「……みー。何かひとつと言われるととても難しいものがあるのですが…。…では、ここは無難に■ーゼンメイデンを挙げてみますのです。」
「ほほぅ、無難どころかなかなかの本命にゃりんよ! ツンデレヒロインてんこ盛りは時代のニーズにもぴったりにゃりん。」
「いやいや、それだけではないぞ。引き篭もり問題が囁かれる現代において、そのヒッキーを主人公にした斬新さ! フィギュア萌えの時代に合った、フィギュア自体がヒロインという斬新さ! それでいて、苦労せずして恋人出現という、日本男児が憧れてやまない黄金の王道、通称エスパシ○形式もしっかり押さえている! 確かに、これだけ時代を読みきったエッセンスが入っていれば、あれだけの大ヒットは頷ける…。なるほど、我が07thの次回作を煮出す鍋に入れる第一の具に相応しい!!」
「……では、次は八咫桜さんが行ってみるのですよ。……何が出てくるのか想像がついてイヤなのです☆」
「ふっふっふっふっふ!! 王道を押さえるならばやはりジャ○プ系は外せないにゃり! ふおおおおぉおおぉ! ここで僕は、魁!■塾を挙げるにゃりん!!」
「ふぬおおおぉおおぉおぉぉ!! や、やはりそれが来るか…!! ジ○ンプ系が築いた黄金時代は即ちバトル黄金時代でもある! 我々日本男児には、遺伝子のレベルにまで刻み込まれていると断言できるバトルのカタルシス!! 毎話ごとに様々な強敵が立ち塞がり、それらを頼もしい仲間たちが次々に挑んで打ち破っていく! 主人公が1人しかいない作品だと、バトルがマンネリ化しやすいという従来のバトル物の弱点を、主人公たちの人数を増やすことでバリエーション化して克服! バトル毎に異なる対戦カードやバトルシチュエーションにより、あれだけの長期に渡りバトル物連載を成立させたその構成は、なるほど…、集■社が百年かけて築き上げてきた、武闘会ジャンルの集大成とも言える! このバトルの熱さのカタルシスは時代を超える! それはF■teという黄金作品によって21世紀においても不変の魅力を持つことを証明しきっているのである!!」
「……なのですが、■ーゼンと■塾では、早くも塩素系洗剤と酸性洗剤という感じがしますのですよ。」
「甘いにゃりん! ■塾のキャラクターは確かにマッチョな学ラン男ばかりで実に汗臭いにゃりんが、それはあくまでもジャ○プ系という世界観で、しかも北斗○拳が全盛期だった時代だったからこそにゃりん。つまり、ビジュアルではなく、連続バトルによるカタルシスと多彩なバトルシチュエーションというエッセンス自体は、■ーゼンと決して反発し合わないにゃりん!!」
「ふぅむ、さすがは八咫桜くん、鋭い読みよ! その通り! つまり、■ーゼンの物語中にも登場するア■スゲームを、■塾的武闘会物に昇華すればいいのだ!! つまり、塾長に当たるキャラクターはニートでヒッキー! そこへ押しかけ的に登場するツンデレヒロインたち! 彼女らとの賑やかな日々はオープニングでしかない! やがてそこにア■スゲームの開催が一方的に告げられるのだー!!」
ズゴゴゴゴゴ!!
「な、何ぃいいぃい、あんなところに闘場がぁあぁ!!」
「さぁ! ここで■ーゼンメイデン第2ドールこと金○雀と戦う者はおらんのかッ!」
「こ、ここは今度こそこの■苺の出番じゃー!」
「何をぅ、今度はこの翠○石の出番じゃー!!」
「どけい、すでに貴様らの喧嘩殺法の通じる相手ではないわ!」
「「な、何ぃいいぃ、お前は■紅ぅううぅ?!?!」
「こ、こりゃ俺たちの出番は、完全になくなったな…。」
「ほぅ。体術には自信があるようだな。ならば受けてみるか、究極の決闘法、唖離須外江夢!!」
「何と、唖離須外江夢…?!」
「し、知っているのか蒼○石?!」
唖離須外江夢(ア■スゲエム)。
古代中国においては、繰り返される戦乱により、武芸に秀でた者を一人でも多く見つけ出すことが急務とされていた。
そのため、時の皇帝は唖離須外江夢と呼ばれる過酷な試練を課して、稀な才能を持つ武闘家の発掘に努めたという。
その余りの過酷さは、この試練に臨み生きて仕えることを許される者は百人に一人にも満たないと称されるほどであったという。
しかし、この試練の資格を与えられることは武闘家の誉れであり、唖離須外江夢への参加を申し伝える皇帝の使者を村をあげて歓迎したという。
なお、この使者は故事の伝統に則り、兎の面を被っていたと言われ、これにヒントを得たイギリスのルイス・キャロルが後に「不思議の国のアリス」を執筆することになるのだが、それが唖離須外江夢に由来することを知る者はほとんどいない。
民明書房刊「銀さまと乳酸菌」より
「そんなにバイオリンが弾きたけりゃ、地獄の閻魔にたっぷり聞かせてやるんだな。」
「や、やったぁあぁ、■紅の大逆転勝利じゃあぁあぁ!!」
「どうじゃ見たか水銀■〜! そろそろ観念して降参するのじゃー!」
「くっくっく、愚か者どもめ! これまでは格下の者ばかりぶつけておったが、次からこそ、このア■スゲーム、真の地獄となるのだッ!! ふはははははははは!」
「と、言う感じの物語になるのだー!!!」
「……みー。斬新なのかトンデモナイのかさっぱりわからないのですよ。」
「斬新なのにも関わらず、…すでにどこかのサークルが描いてそうな気がする内容にゃりん…。」
「む、むぅ…。確かに、すでにどこかのサークルが思いついてそうだなぁ…。だ、だがまだまだ!! まだ2つを混ぜただけに過ぎん! 3つを混ぜてこそ何かトンデモナイ斬新な物が生まれるのだー!!!」
「……みー。精霊ドライアードとかできそうなのです。
今後ともよろしくなのです☆」
「さて、最後は竜騎士さんにゃりんよ。さてさて、どんな作品の名前を出すにゃりん?」
「ふふふふふ、よくぞ聞いてくれました!! ここで竜騎士07が挙げるビッグタイトルは!!くっくっく、そう、西館に出展する身として絶対に外すことはできない超ビッグタイトル!! 現在のコミックマーケット西館を完全に支配する究極の王者、そのファン層はユーザー層のみならずクリエイティブな層にも広く深く浸透し、特に音楽系サークルでは“それ”のアレンジCDを作らずんば音楽系にあらずと言わしめるほどと言われ、虎○穴の情報誌、虎○の音楽系CD売上トップ10では、“その”ジャンルの作品がトップ10全てを数年間に渡り独占し続けたという、あのッ!!」
「まま、まさか、あ、あ、あのッ?!?!」
『そうさ、あの同人界伝説のSTG最高峰、東■シリーズだぁあぁぁ!!』
「…た、確かに、……それはすごいビッグタイトルが飛び出したにゃりんよ…!」
「……みー。でも、東■はシューティングゲームなのですよ? ボクたちのサークルではシューティングゲームは作れないのです。」
「もちろん、シューティングというゲーム性は抽出できないが、その魅力的な世界観のエッセンスは充ッ分に抽出可能! ふっふっふ、日本男児を今なお鼓舞して止まないジャ○プ系の王道、■塾に、時代のニーズを全て押さえアニメ界を席巻した■ーゼンメイデン! そして同人界のキングオブキングス、東■シリーズ! くっくっく、これら3つの超絶エッセンスを配合すればその結果はもはや必然!! 21世紀を支配する超々作品が生まれることはもはや運命なのだー!!」
「り、理屈はわかるにゃりんが、どの辺のエッセンスを吸い出すにゃりんか。さっきBTさんも言った通り、ウチのサークルではシューティングなんか作れないにゃりんよ。」
「……みー。東■の魅力で、シューティング以外ですか。…やはり、類を見ない不思議な感覚の世界観、なのでしょうか…? その辺りの評価もとても高いのですよ。」
「うーむ! 何でもアリのファンタジー世界ではあるが、既存のいわゆる和製RPG的世界の延長とはまったく異なる独自のあの世界観は確かに異彩を放っている!何しろ、巫女にメイドにブレザー、ゴスロリ、甘ロリ、しかも和ロリまで押さえてる!! それらが全部一堂に会しても全然不自然じゃない世界観!! あぁ、Z○Nさん、次なる新ボスにはぜひともスク水をぉおぉおぉ!! 普通ならありえないその衣装も、幻想郷でならありえる!! 幻想郷でなら他のキャラに混じっても問題ないッ!!あああぁ、ぜひ次の新ボスにはスク水をぉおぉぉおぉ!!」
「……みー。竜騎士がひどく偏った好みでプレイしてることがわかりますのです。そんな邪な心ではエキストラが未だ解けないのも納得なのです。」
「りゅ、…竜騎士が言いたいことを要約すると、つまりこういうことにゃりんな? 自分好みの色々な服装が勢揃いで登場、ワショーイ!!」
「ワショ〜〜イ!!」
「……みー。東■から見習うところはもっと他にあると思うのですが…。取り合えず、竜騎士が抽出したいところはソコ、ということなのです。」
「くっくくくくく、ふはーっはっはっはっは!! 神よ恐れよ、これら3つの要素を組み合わせた時、新世紀は我が足元に平伏すのだー!!さぁ行くぞ三神合体ぃいぃいぃ!!」
ズゴゴゴゴゴ!!
「な、何ぃいいぃい、あんなところに闘場がぁあぁ!!」
「さぁ、来るがいい。我こそは■ーゼンメイデン第1ドールが水銀■!! 悪いことは言わぬ、何人でも束になってかかってくるがいい!」
「ど、どうする、誰が行く…! あの闘場では、使える技も限られてしまうだろう。」
「くっくっく、面白い。■紅とやら、体術には自信があるようだが、貴様ではこの水銀■には勝てん! このまま戦えば、呆気ない結末となるだろう。それではせっかく戦う興がないというもの。なのでこの水銀■、ひとつ貴様にハンデを与えてやろう!」
「な、何をやってるんだ? 水銀■のヤツめ、自分の周りに線を引いとるぞ。まるで土俵みたいだ。」
「……………?!」
「くっくっく!この水銀■、この円の中より一歩も出ずして貴様を倒してやろう。もしこの円の中より一歩でも踏み出せば潔く負けを認め、スクール水着に着替えご奉仕罰ゲームの刑を受けてやろうではないか…!!」
乗ったぜ。ならば俺もこうしようじゃないか。」
「な、何ぃ?! ■紅も自分の周りに円をー!!」
「俺もこの円を出ずに戦う。この円から一歩でも出たら俺も負けを認め、ブルマー姿で首輪付きご奉仕をしてやるぜ。」
「なな、なんだってぇええぇ!!■紅ぅううぅ!!」
「くっくっく! この水銀■相手に思い上がりも甚だしい! すぐに後悔することになるぞ、食らえ!! 蝋禅姪殿究極奥義ッ!!」
「円から出たな。約束通り、今すぐこの場でスクール水着に着替えて俺たち全員にご奉仕罰ゲームをしてもらうぜ。」
「な、………なんですってぇ………、…く……。」
「……負けた後になって口調が水銀■に戻ってる辺りが実に狡猾にゃり。」
「くっくっく〜〜! スク水の銀さまに乳酸菌プレイ〜、はぅはぅはぅ〜、お〜持ち帰りぃい〜〜!!!」
「……こんなヤツにウチのサークルの次回作を預けていいのでしょうか。とっても不安なのです。」
「どうやら『うみねこ』のことは竜騎士抜きで僕たちで考えた方がよさそうにゃりん。」
「……なのですよ、にぱ〜☆ ボクたちでちゃんとした次回作を作りますので、どうかご安心なのです。」
「次回の、仮称『うみねこのなく頃に』もどうか乞うご期待にゃりん! どうか今後ともよろしくお願いいたしますにゃ〜!」
「お願いしますにぱ〜☆」
「…思うに、竜騎士が色々ごちゃ混ぜにしたからおかしくなったにゃりんよ。少し修正する意味で、daiさんにも作品をひとつ混ぜてもらうにゃりん!」
「……みー! daiさんが普通な作品を混ぜてくれれば、きっとこのおかしな闇鍋も少しはまともになるのです。」
「というわけでdaiさん召喚!! daiさんご無沙汰にゃりんよ。」
「くすくす、どうもこんにちは、daiです。もう、いやねぇ、何かしら急に呼び出して。」
「……みー。daiさんの心に残る漫画やアニメを一本、挙げてもらいたいのですよ。」
「うーん、……そうねぇ。………いっぱいあり過ぎて迷うんだけれど。…ドラ■ンボールとかどう?」
「ふっふっふっふ! ナイスな選択ですよdaiすわんんん!! それでは■ーゼン+■塾+東■+ドラ■ンボールで行ってみようぉおおおぉおぉ!! あんなところに闘場がー?! だが善戦虚しく水銀■は揉みくちゃに!そこへ不敵に笑う女の姿が! 何ぃ、貴様は薔薇水▲ぉおおぉ!!!水銀■もてめぇも負けたらブルマだ、
ブルマーブルマーブルマー、紺色にエンジ色に白ライン入り〜ハァハァ!!」
「…あ、あの、…ひょっとして最後のブルマってとこがドラ■ンボールなのかしら……?」
「……何となく想像はしていましたが…、…相変わらずの低俗ぶりなのですよ、にぱ〜☆」
「さ、先行きが不安になってくるわね…。本当にこのサークル、大丈夫なのかしら…。今後のお付き合いを考えさせてもらった方がよさそうね…。」
「……どうか今後も当サークルを、見捨てずによろしくお願いしますにゃりん!」
「にぱ〜☆」
/end
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2007/12/18 (Tue) 1:03 作成
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